ジェイン・オースティンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
数年に一度のペースで読み返している小説。
18世紀イギリスの中産階級家庭を舞台にした古典文学、といっても全く堅苦しいものではありません。好奇心旺盛で知的、活発な主人公エリザベスと、聡明で思いやり深い姉ジェーンが結婚に至るまでの過程をユーモラスに、ある意味下世話な目線で描いています。主題は「結婚」ですが、高尚な哲学とか苦悩とかドラマチックさなどとはまったく無縁。結婚には家同士の格や財産などの条件が最重要事項であり、登場人物たちは当然のこととして、恋愛感情と同時にそういった条件部分を判断していきます。
登場人物それぞれが長所も短所も持ち合わせており、例えばエリザベスには第一印象だけで相手を評価する「偏見」が、相手のダーシーには後に誤解は解けるものの「傲慢」さという欠点があります。エリザベスの父は皮肉屋、母や妹たちに至っては軽薄で短絡的でオバカな部分しか描かれていないといってもいいほど。彼らは鼻につきもするけれどどこか滑稽で、身近にもいるわこういうタイプ!と思わされる。脇役たちの身勝手さもこの小説の大きな魅力です。
人生が変わるような教訓はひとつも出てこない。読み始めと読後で変わるものなどは一切なし、だからこそ大好きな小説です。結局いつの時代もどこの国でも、人間って変わらないんだよなあ、と思わされるしね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ結婚しないと決め込んでいた21歳エマは、
恋愛も結婚も階級が最も大事な要素(ピラミッドの土台)だと考えいました。それを踏まえ、町の人々の結婚の縁組を趣味として過ごします。
結局いつも失敗していた。愛し合う組を階級違いだと言って離れさせ、愛し合わない二人を階級的にぴったりとくっつけようとする。
これは、エマが、階級こそ結婚においてのピラミッドの土台であると考えたからなのです。
さあ、2巻でその間違いにナイトリー氏は気付かせてくれるのか、2巻へ続きます!
本当の階級とは、本物の紳士とは、恋愛におけるピラミッドの土台とは何か。そんなことを学んだり感じ取れるのではないかと思います。
オースティンのすごさって何なのでしょうか。
オースティンは6大作品全てが似たようなストーリー展開をしています。田舎の町で結婚してない女の人がいて、男の人がいて、ひと悶着ふと悶着の後に結局ハッピーエンドとなります。全て読んでいないのですが、ハッピーエンド化には、多少の無理矢理さも感じさせるものがあります。
それでも読者をなぜ引き寄せるのでしょうか。今尚読みつがれているのでしょうか。
答えは、(読んだ)どの作品にも心の繊細な要素が、あたりまえの現実描写の中に描かれいるからなのではないでしょうか。心の繊細な要素と言語化してしまうとものすごくチープなものになってしまいますね。
主人公だけじゃなく、登場人物の多くの人物の虚栄心やno虚栄性みたいなものが読み取れておもしろいです。
でも、漱石も「Jane Austenは写実の泰斗なり。平凡にして活躍せる文学を草して技神に入る」と述べている。やっぱそうなんでしょうかね!
So, let’s read and feel Jane Austen! -
Posted by ブクログ
19世紀を代表する女性作家の一人。それどころか、イギリスを代表する作家の一人かも。現代のロマンスものの元祖でもあるジェイン・オースティン。
近年出たパロディを紹介する前に再アップ。
ジェイン・オースティンの中でももっとも有名で、愛された作品がこれです。
5人姉妹の次女で利発なエリザベスは、名家の主で印象的な男性ダーシーに出会うが、とっつきにくいダーシーの言動に反発、さらに噂を吹き込まれて、すっかり誤解してしまいます。
一方、最初は気づかなかったエリザベスの生き生きした魅力に目を離せなくなっていくダーシー。
誤解も含めたエリザベスの強烈な拒絶に遭い、生まれて初めて自分の傲慢さを改めようとし始めます。
18世紀末から19世紀初頭にかけてのイギリスの現実を踏まえて、紳士階級だが貧しくなりかけている一家の娘たちと友人それぞれの恋模様を面白おかしく描いています。
女性が家を継ぐことが出来なかった時代。しかも細かい身分制度が厳然とあり、地代収入があることがステイタスな身分の女性が体面を保てる職業もほぼ存在しなかった。
日本で言えば~江戸時代に下級武士が暮らしに困る、みたいなものかな。
オースティン自身は恋愛経験はあるが破れて独身のまま、作家という異例な成功を成し遂げていくわけです。
作者がよく知っている世界の中で起きる出来事を丁寧に描いてあり、引き込まれていきます。
当時の風習は知らないことばかりでも、細かく観察して辛辣に描き出される困った人や嫌なヤツは抱腹絶倒。あるあるな感じを覚えますよ。
人情の機微も心の動きも、いつの時代も変わらないものがあるようですね。
出会った途端に誤解からけんか腰の男女がしだいに恋に落ち、時間をかけてついに障害をも乗り越えるという恋愛物の王道を極めた作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレービングリーがジェインを熱狂的に愛しているのは確かだけれども、彼が期待している幸せには、理性的な根拠があるに違いない。なぜなら、その根本には2人の優れた分別があり、ひときわ優れたジェインの気立てがあり、心の動きや物事の好みのすべてにわたる一致があるからだ。
大好きな姉が、素敵な人と結婚するのを目の当たりにして、結婚は本来こうあるべき、をエリザベスが考えて賞賛する言葉である。
それは、いまの現代にも通じるものだと思う。
ーねえ、リジー!愛のない結婚だけはしちゃだめよ。ちゃんと愛を感じてるって言い切れる?
この一節だけで、このお話が、現代にも通じる婚活物語だとわかる。
タイトルの「自負と偏見」これがまた!これだけで語り尽くせる。プライドあんどプレデジッション。
プライドは、ダーシーの性格だ。傲慢、高慢。自分のように見た目もよく、地位も高く、お金もある人間が、あなたのような家族の知性も低く、地位も低いのにあなたを好きになってしまうなんて!とプロポーズする。最悪である笑
それに対して、エリザベスはあなたみたいな高慢な人は絶対お断りです!と断る(あたりまえだ)
が、実はエリザベスにも誤解したところがあって、周りの噂に惑わされた偏見の目で見ているからでもある。
そう、偏見の方はエリザベスだ。その偏見の結果、事実と見合う見方をしていたことに気づき、反省して、そして偏見を捨ててダーシーを見ることで愛していくのだ。
偏見があったからギャップがあったともいえ、偏見は結婚の妨げにもなるが、また、結婚を後押しするものでもある。
親戚があんな品位の低い人と結婚するなんて許さない!向こうはそんなの関係ないなんて言ってたわ!と偏見おばさんに言われて、ダーシーはエリザベスの気持ちに気づくわけだしね。
ダーシーの高慢はプライド(自負)でもあるので、簡単に人に迎合しないし、そこが彼の品位を保っているとも言える。
それにしても、1800年前後イギリスの、結婚制度(女性が自活する方法はなく、結婚するしかない。身分は釣り合っていないといけない。親族の質や財産も見られる)や、商売をしているといくらお金があっても身分が低いとか、そういうのも勉強になったし、でもその釣り合ってるか?みたいなところと、でも誰でも良いわけではない。愛がないと!というバランス。じゃあなんで惹かれるか?といえばある程度釣り合っているからだし…という狭間の葛藤は今の婚活にもある。
ジェーンオースティン、何百年も愛されるものはやはり良い。面白く読めました。
今このタイミングで読んだことも良かったと思う。