【感想・ネタバレ】理性と感性のレビュー

あらすじ

200年前も恋する乙女たちは何かと大変でした
19世紀イングランドの田園を舞台に、
対照的な姉妹の恋と結婚への道を描く、
オースティン作品で最初に刊行された傑作。

オースティンの作品は、すべて平凡な田舎の出来事を描いたものであり、
求めた題材の範囲は非常に狭く、いずれも登場人物は名家の娘と牧師や軍人などの紳士で、
この男女が紆余曲折を経てめでたく結婚して終わる。

オースティンは「田舎に3、4の家庭があれば小説にもってこいの材料だ」、
と述べているが、そこでの人間の姿を徹底的に描き尽くしており、
人間性の不変さを示し、心理写実主義の先駆ともされている。

一連の作品は、
英文学古典の一つとして高く評価されていて、
初級の講義から各国の学会での高度な研究に至るまで多くの大学で
オースティンの作品が取り上げられている。
バースのゲイ・ストリートには現在、ジェーン・オースティン・センターがあり、
様々な資料を展示する他、研究・啓蒙活動が行われている。

「君の心の庭に忍耐を植えよ、その草は苦くともその実は甘い」は彼女の言葉である。
*2016年以降に流通している10ポンド紙幣の肖像画に、ジェイン・オースティンが採用されている。


■著者 オースティン,ジェーン(Austen,Jane)
1775-1817。英国南部ハンプシャー州生まれ。
18世紀から19世紀イングランドにおける田舎の中流社会を舞台として、
女性の私生活を結婚を中心に皮肉と愛情を込めて描き、
その作品は近代英国長編小説の頂点とみなされている。
また英語における自由間接話法(描出話法)の発達に大きく貢献したことでも知られる

■翻訳 パーカー敬子(パーカーケイコ)
1957年東京女子大学文学部英米文学科卒業、カナダに渡る。
1964年にトロント王立音楽院よりARCT
(Associate of the Royal Conservatory of Toronto)
の教師資格を得て、46年間音楽理論を主として教授。
2016年に同音楽院より第一回Teacher of Distinction賞を受賞。
1950年代後期よりジェーン・オースティン研究を始め、
1981年にJane Austen Society of North America(JASNA)に入会。
1998年よりバンクーバー近辺の日系シニアの為に「音楽の会」(コロナ禍で休会中)を、
また2011年からは「ジェーン・オースティンを英語で読む会」を主催、現在に至る
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

久しぶりのオースティンの作品。前回の『誇りと偏見』(あさ出版)の装丁と同様、素敵な装丁なので、読みたくなった。

まず題名について。読んだことがない私でも、オースティンの”Sense and Sensibility”は有名な作品なので、名前は知っていた。それで、多くの場合は『分別と多感』という邦題をつけられてきた印象だったのだが、本書は『理性と感性』となっている。原題を見ればわかるのだが、頭韻を踏んでいるのに合わせて、邦題も2つに統一感を持たせようという意図なのだろう。良い試みだなと思った。

次女であるマリアンはオースティンの人生を反映しており、マリアンの悲しい失恋はオースティン自身の実体験を反映していると言われている。一方で、目線は姉のエリナから描かれている描写が多い。

ハッピーエンドではあるが、わかりやすい典型的なハッピーエンドではない。

0
2024年09月18日

「小説」ランキング