エマニュエル・トッドのレビュー一覧
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例によって、エマニュエルトッドのアメリカ嫌いが出てる。
・家族構造とイデオロギーは一致する。ロシア人は、トップダウンの指示に従う共同体意識が、共産主義を生んだ。例えば、ロシアは結婚した後も、じーさんばーさんと夫婦が一緒に暮らす。兄弟間で差は生まない。長男優遇しない。
・これにより、スターリンはロシアの農業集団化は苦労しなかったが、ウクライナ中部は苦労した。そして農民皆殺しにした。ソ連時代はウクライナもソ連だからね。
・ソ連はそもそも、ロシア主導の強制的な併合である。ウクライナもバルト三国も軍事力で制圧された。
・現在のロシアは部分的な資本主義。石油ガスは国営。経済は資本主義だが、政治は -
4.1 (9)
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エマニュエルトッドのロシア観、ウクライナ戦争論が独特で、至近のトランプとゼレンスキー対談も相まって興味深く読んだ。本人はロシア寄りの発言をしている訳ではないようだが、そう見える上に一理ある。
さて、人類の終着点。これは本書の対談に『歴史の終わり』のフランシスフクヤマがいる事からも、何かしらの不可逆的な転換点を示唆したタイトルだろう。こうした不可逆的転換論は、グローバル化が不可逆であり、すべての国が市場経済に統合されると主張したトーマス・フリードマン。「ワシントン・コンセンサス」の経済政策を推進し、発展途上国が自由市場に組み込まれる市場経済が最終形態と主張したジェフリー・サックス、EU統合が「 -
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エマニュエル・トッド氏と池上彰氏の対談本。
ウクライナ戦争について、「ロシアが悪」という画一的な見方に疑問を投げかける。
ウクライナ戦争は、ロシアとアメリカの代理戦争の様相を呈しており、長期化するだろうとの見立てだったが、トランプ政権が誕生したことにより、状況は変わりそうだ(この対談は2023年に行われた模様)。
トランプを見ればわかるように、アメリカはもはや「良いことをしよう」という気がないことを隠そうともしておらず、国力も落ちてきている。そんな中で、日本は今まで通りアメリカにただ追随していて大丈夫なのかという不安を禁じえない。
西側諸国ではあたかも「狂人」のように言われるプーチンだが -
4.1 (9)
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これからの世界について、今起きている戦争、AIの発展、資本主義、民主主義の今後など重要なテーマについて、複数の知識人たちの語りで展望が語られる。
ロシアのウクライナ侵攻を西欧ほどそのほかの国々は嫌っていないとか、戦後ロシアとドイツの接近こそアメリカが嫌っているとか斬新な切り口もあり、人口減少する先進国なので第二次世界大戦ほどの拡大戦争にはならないという見方もあれば、それはわからないという意見もある。
AIによるデータの大企業に寡占される様やソノ、IT企業組織はヒエラルキー型のトップダウンという保守的組織であるという指摘も興味深い。
ただAIはよくできて効率的なWikipediaのようなも -
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よく言われるのは、資本主義は格差を助長するが、民主主義がその抑止力になる。つまり、少数の富裕者に対し、多数の大衆層により民主主義的な手続きによって、資本主義の暴走にブレーキを利かせられるのではという発想だ。しかし、実感としてはあまりこれが機能している気がしない。本書を読むにあたり、サブタイトルの「民主主義の野蛮な起源」というのが何の事かと思った。革命を通じて成立させたというその起源の暴力性を指すだけなら、その革命の歴史を振り返るだけで、大した本にはならなかっただろう。トッドが指摘するのは、今も野蛮な側面がある、という点だ。
キーワードから考えるなら、メリトクラシーのような人類の序列化。これを -
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エマニュエル・トッドは乳幼児死亡率に着眼してソ連崩壊を予言した事で有名な歴史学者だが、その著者が、家族形態に注目し、覇権国との因果関係を探る本。序盤、核家族などの家族形態と文明の発展等の結びつきがピンと来なくて読み難い感じがしたが、識字率の解説などから一気に面白くなる。
集団が物理的、地理的条件から自然発生的に生じ、自他の区別は後付けで発生したと考えるのが無理のない解釈のように思う。地球の真反対に住む集団が繋がっているとは到底思えない。そこでは言語も風習も、恐らくは見た目も異なる。だから、元々一つだった集団が敢えて利権構造によって区別するために言語や風習を違えたというよりも、同族として認識不 -
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家族形態から世界を読み解く本!ちょっとあっち寄り トッドは人類学者、歴史家、地政学者として名高い。特に家族システムをベースに様々な社会現象を読み解くのが得意だ。この本は「我々はどこからきて、今どこにいるのか。」の解説書と考えてもよいだろう。
核家族は古い家族形態で、日本の直系家族の方が新しい家族形態ということを初めて知った。女性の地位も時代が新しくなるにつれ低くなるのだそうだ。ユーラシア大陸の中央部で新しい家族形態が生まれたが、大陸周辺部は古い核家族が残っているのだそう。ただ、核家族の社会は「革新」を得意とする。だからイギリスから産業革命が生じたのだと。
家族形態を切り口としてウクラ -
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グローバリズム以後
アメリカ帝国の失墜と日本の運命
著:エマニュエル・トッド
朝日新書 589
1998年から2016年の間に進行したグロバリゼーションの分析と評価が本書の目的である
グロバリゼーションを主導したのは、アメリカ帝国である
EU欧州の主導権を握っているのは、ドイツである
しかしながら、欧州は建設から解体へと移行していく
日本はかつてないほどに経済的、軍事的安全にかかわる構造的な問題の解決を迫られている
■夢の終わり
アメリカの白人層の45から54歳までの死亡率が1999年から上昇している
1世代35年は国民国家衰退の時代であった。国家の弱体化の時代、国家の破壊の時代でした