エマニュエル・トッドのレビュー一覧
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世界25ヵ国で翻訳され、世界的ベストセラーになっている『西洋の敗北』、そこでの視点から日本の選択に触れ、提言している。『西洋の敗北』は英語での翻訳版はない。一種の発禁に近い扱いを受けているが、本書を読んでいくと、都合の悪い事実が明らかになり、英語版が普及するのを避けていることがわかる。提言は刺激的な示唆に富んでいる。世界の覇権者たる米国の劣化を鋭く指摘し、'世界は米国を必要とする'黄金期は終焉し、いまや逆説的に'米国は世界を必要とする'関係性になっていて、トランプの関税策が誤った針路になることを予見している。平和的観点から、日本は核を持たない、核廃絶を基
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西洋の敗北という本を読んで、現在の資本主義が終わりかけていると思いました、これは6冊目の著作となります。今までに「第三次世界大戦」というフレーズを聞いてきましたが、この本を読むと現在はその段階に入っているかもしれないと思いました。
以前、ノストラダムスの予言の本を読んだ時に印象に残っているのは「共産主義は消滅する、そして資本主義も消滅しなければならない」というフレーズです、これを読んだ小学生の頃には見当もつきませんでしたが、実際に、ソ連が消滅して、今のアメリカや欧州を見ていると、見えてくるものがあります。
明日(2026.2.8)は日本の近い将来を決めることになる、衆議院総選挙です、恐らく -
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原作はトランプ当選、ブレグジット、フランス極右政党の拡大があった2016〜2017直後に出版されているが、その当時すでにここまで情勢について分析・理解が進んでいたとは驚きだった。ブレグジットについては社会の上層が下層に寄り添った結果だと評価する姿勢だったが、あとがきで最新のイギリスの動向(ロシアフォビアと米国追従)について懸念が示される立場となっている。初等教育→中等教育→高等教育受講者割合が高まっていく傾向は先進国に共通しているが、教育の階層化によって格差が広がり社会の分断が生じている。英米はとくに、エリート層が短期的に最大利潤を得るためにグローバル化を進め、産業をどんどん労働力の安い海外に
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著者は2026年1月現在の西洋の「常識」を疑い、否定し、ロシアの優位性を絶対の答えとしている。
ロシアのウクライナ侵攻は、NATO拡大を阻止すると言い続けてきたロシアの反撃であり、ウクライナは1990年からアメリカが育ててきた親米国家であり、ロシア系住民を追い出していっていたのだ。
アメリカやヨーロッパでは、産業が空洞化し、法律サービスや金融などのフィジカルな価値を生み出さない活動によりGDPが膨らんでいるだけで、トッドはこれを国力の衰退と見る。さらに、プロテスタンティズムが死に絶えて勤勉や規律という社会の土台となる価値観の共有がなくなったこと、数学・科学分野での教育レベルの低下が起こってい -
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人類史あるいは社会発展を物語る際に現代人は地政学と経済に重きを置いており、社会を語るのに国家・宗教・教育を重要視しがちだが、人間社会の最小単位である家族システムに注目すると、驚くべき相関関係が見出されることを説明する。トッドとしては家族システムで全てを説明できるわけではない、還元主義とは一線を画すと言っているが、論調的には全てを説明しようとしているように見受けられる点が引っかかる。どこまで現実を正確に表しているか、ちょっと後付け・こじ付けがすぎると思われる点もあるが、原因と結果の説明がうまく聞こえることもあるため、非常に興味深い主張ではある。
まず原初のホモ・サピエンスは外因性・移動性の高い核 -
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ウクライナ戦争の驚き
1.ヨーロッパで戦争が起きた
2.アメリカ対ロシア 中国ではなく
3.ウクライナの抵抗
4.ロシアの経済的抵抗力
5.ヨーロッパの主題的な意思の崩壊 =フランスとドイツ
6.イギリス 反ロシア派の台頭
7.ノルウェーとデンマークのNATO加盟
8.アメリカの軍事物資供給不能 GDPと物資不足は関連がない
9.西洋の思想的孤立 ロシアへの支持
10.西洋の敗北 自己破壊 ロシア死活問題・アメリカの利益小 →ロシアが勝つ
主権はアメリカ、中国、ロシアのみ 共通の文化と中流階級による経済的自立
プーチン政権 生活の安定化 経済的自立
10万人当たり 殺人率4. -
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【内容】
2020年に行われた日本に向けたインタビューをまとめた書籍。高等教育の階層化がエリートと大衆の分断と対立、ポピュリズムの台頭を招いていると、トッド氏は指摘する。またグローバリゼーションによってエリート層が富を増大させる一方で大衆が疲弊する「グローバル化疲れ」の問題を指摘し、その対策としての保護主義の必要性を主張する。
【感想】
トッド氏の著作の中では比較的わかりやすいように思われたが、それが文章によるものなのか、私が慣れてきたからなのかはわからない。
現在の反グローバリゼーション、ポピュリズムの台頭といった現象を論理的に説明するトッド氏の分析は、わかりやすく納得性も高い。自由貿易に -
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「西洋の敗北」フランスの統計、人類学者の著者が、西洋とその他の世界で今何が起こっているかを解き明かす。
まず、前提としてトッドは人類学と地政学、統計の視点を組み合わせて現在の世界を読み解いている。
「敗北」は単純な戦争での勝ち負けを示すものではないことに留意。
2022年から始まった、ロシアのウクライナ侵攻からすでに4年。西側のあらゆる経済制裁もロシアを止められず、モスクワでは未だほぼ以前とかわらない生活レベルが保てている。なぜか。
西洋は、すでに宗教ゼロ状態に陥っており、個人主義の台頭とともに倫理観ゼロ社会とも言える状態となっている。富の集中による中流階級の崩壊とともに経済の空洞化も進み、み -
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ネタバレ1. 西洋の「敗北」の定義とウクライナ戦争
・ウクライナ戦争は単なる局地紛争ではなく、「西洋対ロシア」のグローバルな宗教・文化戦争へと変質した。
・当初、西洋側は経済制裁でロシアが崩壊すると予測したが、実際にはロシア経済は耐え抜き、逆に西洋側の兵器生産能力の不足(脱工業化の弊害)が露呈した。
・この軍事・経済的なミスマッチこそが、物理的な意味での「西洋の敗北」の始まりであると指摘する。
2. 米国の衰退:虚業化と「ニヒリズム」
・米国の衰退の根本原因は、かつての繁栄を支えたプロテスタントの倫理の消滅にある。
・宗教的バックボーンを失った米国は、教育水準の低下(特に理数系)と乳児死亡率の上昇と -
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フロイトの精神分析的に社会を意識、下意識、無意識の重層的構造としてイメージすると今まで見えなかったものが見えてくる。
•意識は政治、経済。この経済こそが決定的な要因を持つものとして分析するのが経済学。経済の発展段階の上部構造に政治があるというのが従来の考え方である。
では、経済はどのようにして決まってくるのが。なぜ世界の地域により経済に差があるのか。
例えばマルクスは(1) 原始共産制 → (2) 古代奴隷制 → (3) 封建制 → (4) 資本主義 → (5) 社会主義 → (6) 共産主義と生産力の発展に伴って進むと考えたが、西洋視点の偏りという問題点がある。
これを人間で下意識と無意識