エマニュエル・トッドのレビュー一覧

  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    こういう見方もあるのかと感心しました。

    ドイツについて、EU内の位置、ロシア、そして、アメリカや、日本との対比を語っています。

    ドイツは、すでに二度にわたってヨーロッパ大陸を決定的な危機に晒した国であり、人間の非合理性の集積地の一つだ。
    ドイツというのは、計り知れないほどに巨大な文化だが、人間存在の複雑さを視野から失いがちで、アンバランスであるがゆえに、恐ろしい文化である。
    ヨーロッパは、20世紀の初め以来、ドイツのリーダシップの下で定期的に自殺する大陸なのではないか。
    ドイツはグローバリゼーションに対して、特殊なやり方で適応しました。部品製造を部分的にユーロ圏の外の東ヨーロッパへ移転して

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    2022年10月12日
  • 老人支配国家 日本の危機

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    文藝春秋への寄稿のコレクション。タイトル以外のテーマも盛りだくさん。人口統計をもとに、『中国が覇権国になることはあり得ない』と断じているのが印象的でした。

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    2022年08月11日
  • 老人支配国家 日本の危機

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    タイトルからは「シルバー民主主義」とも揶揄されるようになってしまった日本の政治体制への批判やらが散りばめられた本かと思っていたがさにあらず。
    人口学者である筆者が、家族と相続という観点から、なぜここに至ったか、これからなにを重要視して軌道修正を図るべきか、を「愛する国、日本」にたいして示唆するような内容。なぜ日本は欧米と異なるのかをアカデミックに分析されており、初めて地政学というものに触れた時並みに「目から鱗」というか、非常にタメになった。
    内容が、過去の文藝春秋などへの寄稿の再録が殆どで、最新の情勢によるものではないところがやや残念ではあるが、これからも氏の研究等は気にしていきたい。

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    2022年05月06日
  • 大分断 教育がもたらす新たな階級化社会

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    教育は社会的階級を再生産し格差を拡大させるものになっている が論旨です。

    高度教育が分断の根本であり民主主義を崩壊させているという驚くべき内容になっております。

    気になった点は以下の通りです。
    ・高度教育を受けたかといって、能力主義、優秀であるとはかぎらない
    ・高等教育の発展や不平等の拡大によって集団の道徳的な枠組みが崩壊している
    ・識字率が向上しているにもかからわず、教育レベルが低下している
    ・女性が自分より社会的地位が高い男性と結婚する、従来モデルが崩壊している
    ・民主主義は3種
      ①アメリカ・イギリス型 核家族・個人主義
      ②ドイツ・日本型 直径家族・長男継承型
      ③ロシア型 

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    2022年01月26日
  • トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲

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    面白かった!
    アメリカに脈々と受け継がれたニーバーの思想、トランプと赤狩りのマッカーシーの関係性など、インテリジェンスがないと思い至らないところまで解説してくださっているのがさすが佐藤優さん

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    2022年01月10日
  • エマニュエル・トッドの思考地図

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    エマニュエル・トッドという社会学者の名前は聞いたことがあったが、著作を読んだことがなかったので、興味があって読んでみた。頭が良すぎて、世の中を未来まで見通せる人というぼんやりとした印象しか持ち合わせておらず、この本もそういう未来を見通す本なのかなと思ったら、まさに彼の頭の中の思考地図であった。大学院生として研究お作法本を最近多く読んでいるが、研究お作法本といってもよいと思う。とても参考になった。

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    2021年05月03日
  • エマニュエル・トッドの思考地図

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    単純に面白かった。難しいかと思っていたが、思っていたほどではなく、ある程度理解できたと思う。他にもトッド氏の著作を読みたいと思った。

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    2021年05月02日
  • エマニュエル・トッドの思考地図

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    エマニュエル・トッドの思考地図

    個人的には、思考という部分では、かなり共感した。
    トッドは思考するということは、じっくり椅子に座って考えるということではなく、本やデータを読みながら考えるというスタイルである。これは一般的な思考論とはやや異なるが、個人的にも納得できる。
    確かに、基本的に自分も読みながら常に考えている。内田樹が何かを分析したりする前に、マルクスを数ページ読むという具合に、誰かが思考している形跡に触れることで、自分自身の脳もドライブされる感覚というものがある。本を読んでいるうちに、心の中にあったもやもやや、課題認識していたことがクリアになり、読み終わったころには、その本の内容のイ

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    2021年03月14日
  • 大分断 教育がもたらす新たな階級化社会

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    筆者は、フランスの歴史家、文化人類学者、人口学者。書名では、教育に関しての論説のように思えるが、そればかりではなく、色々なトピックで、広く世界情勢について論じている。日本についても論じられてはいるが、あくまでも中心は、フランス、ヨーロッパである。
    日本でも教育格差の問題が取り上げられることがあるが、それは、例えば東京大学入学者の親の年収は平均を大きく超えていて、良い教育を受けるためには、家庭が裕福である必要があり、結局は、親の所得格差が再生産されるのではないか、というような取り上げられ方である。すなわち、所得格差・階級格差の結果としての教育の機会の格差という捉えられ方だ。
    本書の主張は、もっと

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    2021年02月05日
  • 大分断 教育がもたらす新たな階級化社会

    購入済み

    大分断 教育がもたらす新たな階

    すいすい読めます。
    普段なかなか伺えない、ヨーロッパ人からの視点で書かれていて参考になります。
    今後の世界の方向性を決定する上で、教育のあり方は重要。避けて通れない道。
    そのことを痛感させられる一冊です。

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    2020年09月21日
  • 大分断 教育がもたらす新たな階級化社会

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    間違いなく現代の知性の最高峰だと思う。
    発生している事象分析の切口がユニークだが直感的にも根拠を伴った総合的にも確かなものと感じる。

    自分も含めて世間は民主主義というものを正しく理解出来ていないのだなと思った。皆がわかりやすくまた反応しやすいワードが充てられることで本来の意味と異なるものまで包括して認識されてしまうのだろう。

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    2020年08月05日
  • トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲

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    アメリカ大統領選挙の前年、2016年12月、トランプが大統領候補になった時点で出されたものだが、共和党候補指名受諾演説全文が載ってたり、エマニュエル・ドットの「民主主義がトランプを選んだ」載ってたり、たいへん面白い。

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    2020年04月20日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    翻訳,しかもフランス語の翻訳であることもあって読みにくいというのが率直な感想.自分の理解力不足ももちろんだけど.
    国内に住んでいる人々と移民の「同化」というのはこの国にいるとわかりにくいのだけど,著者はそこに希望を見出しているように読める.

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    2019年04月04日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    ネタバレ

    遅ればせながら読み始め…前作を上梓してフランス国内では批判の対象となった著者。前作の前書きでは「読売と日経の記者が心のよりどころになったこともあった」と明かしていたが、今作では「あの本を出したことで今、自由に物が言える立ち位置になった」と話す。
    前回よりだいぶ読みやすくなって、持論の人口学的な話もわかりやすかった。

    トッドいわく、イギリス人のいないヨーロッパ、それはもはや民主主義の地ではない。1930年代の大陸ヨーロッパはポルトガルのサラザール、スペインのフランコ、ムッソリーニ、ヒトラー、チェコスロバキア以外はいたるところに独裁者がいた。

    フランス、アメリカ、イギリスは自由を強制されている

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    2018年11月28日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    フランス人の歴史人類学者による、ユーロ圏の政治・経済学的な現状について述べた本。あまり聞いたことのない内容であったが、これが事実なのかもと感じた。通貨ユーロによってドイツが1強状態となり、巧みな政治・外交と歴史伝統を引き継ぐ民族性とで欧州を席巻することを恐れている。中国はドイツとともに台頭を図る仲間となりつつあり、対抗勢力として鍵を握るのはロシアとアメリカだと言う。日本としては今後、ロシアとの連携が重要となると思料。
    「台頭してきた正真正銘の強国、それはロシアである前にドイツだ。ドイツが台頭してきたプロセスは驚異的だ。東西再統一の頃の経済的困難を克服し、そしてここ5年間でヨーロッパ大陸のコン

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    2018年10月24日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    今や世界レベルで飛ぶ鳥を落とす、そんな人気者の御方です。
    昨年末のNHKBSの単独特集はスゴかったですよね。
    時宜にかなっていたいうかそのものズバリという感じで。

    トッドと聞くとわたし達の世代的には
    某番組のトッド=ギネスを思い出してしまうんですが
    まったく無関係です。
    わたし達にとっては、アムロはあれで、カミーユはアレなんですよ。
    カミーユには個人的に思い入れがありまつ。同い年でしたからね。
    キレてバルカンは撃ちませんが、ブチ切れてバリカンを使った事はあります。

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    2018年06月10日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    フランス国内向けなので、地名とかピンとこない所も多いけど、フランスで起きているライシテを隠れ蓑にしたイスラム排除は、日本の嫌韓嫌中とよく似ている。その理由も、急激な世界との融合により自分たちの失われつつある昔の文化や価値観への郷愁で、高齢化がその一因でもあること、などよく似ている。世界中どこも同じ問題を抱えてるなとつくづく思う。

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    2018年01月28日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    直系家族の社会は、アングロサクソンの核家族の社会ほど、国家を必要としない。直系家族自体が国家の機能を内部に含むから。核家族は個人を解放するかシステムだが、そうした個人の自立は、公的な、つまり国家の福祉を前提としている。ネオリベラリズムは、それを忘れている矛盾がある。この話は、奇しくも、渡辺京二の話と同じ結論になってる。

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    2017年11月17日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    翻訳本でもあり、そもそも学者の書いているいちいち論理にこだわっている本なので、実に読みにくいのですが、ようやく読み終えました(途中で他の本を読んでたりもしましたけどね)。

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    2017年10月31日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    ネタバレ

    グローバル化が進む中BrexitをやTrumpなどのナショナリズムの風潮の強まりに悲しむと同時に学ばなければならないと思い購入。就活がやっと終わったので読破。自分が後で見直せる様にいくつか気になった点をピックアップして書きます。

    【中東地域・ISIS】
    ・現在ISISが台頭している理由
    近代化におけるプロセスとして暴力的行為、過激派の台頭は付き物。特に中東地域は個人の自由度が低い事もあり民主化への推移における弊害は大きい。

    ・近代化の定義
    識字率向上(特に女性) → 出生率低下
    これによって女性に対しても平等に教育の機会を設けられる事で民主主義の肝となる参政権獲得に繋がる。

    ・現在先進

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    2017年06月22日