エマニュエル・トッドのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
銃声が響かずとも戦火はすでに広がっている。経済制裁、情報操作、サイバー攻撃――現代の戦争は形を変え目に見えぬ闘いとなった。国家同士の衝突は表面に過ぎず裏で糸を引く存在がある。現代の国際対立の本質を鋭く指摘する。
『帝国以後』ではアメリカの衰退を、『家族システムの起源』では文化と政治の関係を論じた。彼の分析は権力の集中と富の独占を目的とする勢力の存在を浮かび上がらせる。
最も危ういのは私たちが無関心になること。分断を受け入れ疑念を抱かず声を上げなくなった時真の敗北が訪れる。
気づくことから始まる。見えない敵に立ち向かうためにまずは事実を見極め冷静に考える力を取り戻さねばならない。
それ -
Posted by ブクログ
例によって、エマニュエルトッドのアメリカ嫌いが出てる。
・家族構造とイデオロギーは一致する。ロシア人は、トップダウンの指示に従う共同体意識が、共産主義を生んだ。例えば、ロシアは結婚した後も、じーさんばーさんと夫婦が一緒に暮らす。兄弟間で差は生まない。長男優遇しない。
・これにより、スターリンはロシアの農業集団化は苦労しなかったが、ウクライナ中部は苦労した。そして農民皆殺しにした。ソ連時代はウクライナもソ連だからね。
・ソ連はそもそも、ロシア主導の強制的な併合である。ウクライナもバルト三国も軍事力で制圧された。
・現在のロシアは部分的な資本主義。石油ガスは国営。経済は資本主義だが、政治は -
Posted by ブクログ
エマニュエル・トッド氏と池上彰氏の対談本。
ウクライナ戦争について、「ロシアが悪」という画一的な見方に疑問を投げかける。
ウクライナ戦争は、ロシアとアメリカの代理戦争の様相を呈しており、長期化するだろうとの見立てだったが、トランプ政権が誕生したことにより、状況は変わりそうだ(この対談は2023年に行われた模様)。
トランプを見ればわかるように、アメリカはもはや「良いことをしよう」という気がないことを隠そうともしておらず、国力も落ちてきている。そんな中で、日本は今まで通りアメリカにただ追随していて大丈夫なのかという不安を禁じえない。
西側諸国ではあたかも「狂人」のように言われるプーチンだが -
4.1 (8)
Posted by ブクログ
これからの世界について、今起きている戦争、AIの発展、資本主義、民主主義の今後など重要なテーマについて、複数の知識人たちの語りで展望が語られる。
ロシアのウクライナ侵攻を西欧ほどそのほかの国々は嫌っていないとか、戦後ロシアとドイツの接近こそアメリカが嫌っているとか斬新な切り口もあり、人口減少する先進国なので第二次世界大戦ほどの拡大戦争にはならないという見方もあれば、それはわからないという意見もある。
AIによるデータの大企業に寡占される様やソノ、IT企業組織はヒエラルキー型のトップダウンという保守的組織であるという指摘も興味深い。
ただAIはよくできて効率的なWikipediaのようなも -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ3. 創造
p.114 本を出版したときも、どこの国の誰かもわからない人たちからポジティブな批評が届き、それに励まされたりしました。このように誰かによる温かい励ましというのが常にあったからこそ進んでこられたのだと思います。
4. 視点
p.120 社会をよりよく理解するための条件として挙げれるのは、個人的な経歴や出身地などにおいて、その社会の外側に属している部分があると言うことです。いわゆる、「外在性」です。文化的な意味で社会との間に不一致を抱えていたり、外国出身だったり、あるいは宗教などにおいてマイノリティに所属していたり、とにかく一部が社会の外側にいると言うことが重要です。
p.131 -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
家族形態から世界を読み解く本!ちょっとあっち寄り トッドは人類学者、歴史家、地政学者として名高い。特に家族システムをベースに様々な社会現象を読み解くのが得意だ。この本は「我々はどこからきて、今どこにいるのか。」の解説書と考えてもよいだろう。
核家族は古い家族形態で、日本の直系家族の方が新しい家族形態ということを初めて知った。女性の地位も時代が新しくなるにつれ低くなるのだそうだ。ユーラシア大陸の中央部で新しい家族形態が生まれたが、大陸周辺部は古い核家族が残っているのだそう。ただ、核家族の社会は「革新」を得意とする。だからイギリスから産業革命が生じたのだと。
家族形態を切り口としてウクラ -
-
-
-
Posted by ブクログ
グローバリズム以後
アメリカ帝国の失墜と日本の運命
著:エマニュエル・トッド
朝日新書 589
1998年から2016年の間に進行したグロバリゼーションの分析と評価が本書の目的である
グロバリゼーションを主導したのは、アメリカ帝国である
EU欧州の主導権を握っているのは、ドイツである
しかしながら、欧州は建設から解体へと移行していく
日本はかつてないほどに経済的、軍事的安全にかかわる構造的な問題の解決を迫られている
■夢の終わり
アメリカの白人層の45から54歳までの死亡率が1999年から上昇している
1世代35年は国民国家衰退の時代であった。国家の弱体化の時代、国家の破壊の時代でした -