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ロシアによるウクライナ侵攻を受けての緊急出版。
戦争を仕掛けたのは、プーチンでなく、米国とNATOだ。
「プーチンは、かつてのソ連やロシア帝国の復活を目論んでいて、東欧全体を支配しようとしている」――西側メディアでは、日々こう語られているが、「ウクライナのNATO入りは絶対に許さない」とロシアは明確な警告を発してきたのにもかかわらず、西側がこれを無視したことが、今回の戦争の要因だ。
ウクライナは正式にはNATOに加盟していないが、ロシアの侵攻が始まる前の段階で、ウクライナは「NATOの“事実上”の加盟国」になっていた。米英が、高性能の兵器を大量に送り、軍事顧問団も派遣して、ウクライナを「武装化」していたからだ。ロシアが看過できなかったのは、この「武装化」がクリミアとドンバス地方(親露派が実効支配するウクライナ東部)の奪還を目指すものだったからだ。
「我々はスターリンの誤りを繰り返してはいけない。手遅れになる前に行動しなければならない」とプーチンは注目すべき発言をしていた。つまり、軍事上、今回のロシアの侵攻の目的は、何よりも日増しに強くなるウクライナ軍を手遅れになる前に破壊することにあった。
ウクライナ問題は、元来は、国境の修正という「ローカルな問題」だったが、米国の政策によって、ウクライナ問題は「グローバル化=世界戦争化」した。
いま人々は「世界は第三次世界大戦に向かっている」と話しているが、むしろ「すでに第三次世界大戦は始まった」。
米国はウクライナ人を“人間の盾”にしてロシアと戦っているのだ。
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Posted by ブクログ
いち大衆の立場からすると、正直ジレンマ。ウクライナ戦争に至った諸悪の根源が欧米にあるというのは確かにそのとおりかもしれない。ロシアが生存権をかけて戦っているのも事実であろう(それはイスラエルも同じこと)。じゃあ、本来あるべきはロシアに対する同情論か、というとそれも違うと思う。綺麗事に聞こえるかもしれないが、とにかく早く戦争をやめさせるのが先決。でないとベトナムの二の舞になる。気持ち悪いのは、ベトナム戦争のときは米国内で反戦デモが活発だったのに、今回はそういう動きが聞こえない。直接兵士を送ってないから?それともまだまだ世界は事実を知らないから?
Posted by ブクログ
西洋の敗北とあわせてエマニュエル・トッド。日本では西側フィルターの情報が多い中で、アンチ西側、フィルターをできるだけ外して世界を見た時、ウクライナ問題とは何かをズバリと。
良い本。
ロシアウクライナ問題。西側諸国に都合のいい目線ではない切り口。そう、つまるところ、西側諸国の資本主義は寿命を迎えつつあって、NATOは自分たちの食い扶持のために侵略していっているのだ。ロシアがウクライナに戦争をしかけたのは、ウクライナという小国を侵略したいのではなく、西側諸国、アメリカにもう勘弁してくれと手を上げたわけだ。
第三次世界対戦となるかは分からないけれど、中国が台湾をどうにかするのは時間の問題だろうし、資本主義に代わる世界を救う仕組みも現れそうもない。
たしかに第三次世界対戦はすでに始まってしまっているのかもしれない。日本も核を保有しないといけなくなるのか。とはいえ、戦争をしたところで、資本主義の次の仕組みは見えないし、世界はどん詰まりに向かいつつあるのかもしれない。
ウクライナ問題を通して我々は世界がどうあって欲しいと考えたら良いのだろうか。
エマニュエル・トッドについては、もう何冊か読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
■読む目的
・ウクライナ侵攻関するエマニュエル・トッドの見方に、佐藤優が非常に評価していたためどのような主張なのかを確認する
・家族構造をメインの研究テーマとしている歴史人類学者がどのように地政学や国際情勢を見るのか気になる
■感想
世界の各国・各地域の家族構成という視点からここまで世界情勢を俯瞰できることにとても驚かされた。
日本もヨーロッパも、ロシアよりもアメリカとの繋がりの方が濃厚であり、NATOを通じて同サイドに居ることから、いかんせんNATO側の情報圏に包まれ、NATO側の視点が基本フィルターとなってしまう。
そんな中、著者のエマニュエル・トッド氏は、沸き立つ怒りや悲しみのような感情は一旦脇に置いておき、中立的・俯瞰的にロシアのウクライナ侵攻を分析する。
ロシアやロシア寄りの国々は「共同体家族」の構成を取り、ヨーロッパやアメリカ、そしてウクライナは「核家族」の構成をとる。
ロシアがこの度ウクライナに想定外に苦戦しているのは、ウクライナはロシアと同じ共同体家族的な考え方をするものだと誤算していたから、という見方、というかその発見、がまさにトッド氏ならではの研究、慧眼からくるものだろう。
翻って、日本はおそらくかつては共同体家族的なベースを持ち、近代以降は核家族化が進み、核家族、個人主義的な考え方が浸透してきていると僕は考えている。
日本人の根っこには、「天皇や政府といった「お上」には従う、だから下々は勝手にやってますね」、という風潮があるように感じるが、このバランスこそが日本人らしい思考法ではなかろうか。
そうであれば、共同体家族的国家と核家族的国家の間でバランスを取ってやっていくのがベストなのではと思う。
ただ、抽象度を上げると、日本国家という要素の外側に、もう一段階「お上」がいて、それに従う、という構造が、政府単位としては、居心地が良いのかもしれない。
しかし地政学的にも歴史的にも大国に挟まれた位置にいる以上、いずれかの軍門に下るという判断は常に敵を生む形となり、味方側のお上の情報に包まれるのは避けられない。
情報や思想の自由、主体性をより保持できるのはどの派閥か、ということを考えれば、結果的にはアメリカ側に着くという今の状況は落ち着くべきところに落ち着いていると言える。
フィンランドは「フィンランド化」という物言いを嬉しく思っていないとのことだが、僕はそのフィンランド化的な舵取りはとても合理的で良いものとポジティブに受け取っている。
その考え方の上で、日本は戦略的にフィンランド化を進めても良いと思う。
トッド氏にように「感情を脇に置いて、中立的に現況を見定める」というのはとても難しいものではあるが、そのスキルは常に持っておきたい。
ベースとなる価値観や譲れない主張は各国にあるが、その構成分子たる国民一人一人は多様で、かつ彼ら一人一人と自分は直接的なネガティブな因果はなく、情を育める隣人・友人となり得るのだから。
ウクライナ情勢が落ち着けば、今度は台湾有事や、イランや北朝鮮の情勢が表に浮上してくる。
日本が主体的に戦争に雪崩れ込まないようにするためにも、イデオロギーを理解した上で、感情に翻弄されないようになろう。
そう考えさせてくれる良書だった。
Posted by ブクログ
第一次世界大戦の時のように起きてしまった事態に皆が驚いている
アメリカとイギリスはウクライナ人を人間の盾にしてロシアと戦っている
戦争がアメリカ文化の一部になっている
アメリカは他国を侵略することも普通のことだと考える基盤がある
ロシアにとっても予想外
共同体家族。結婚後も親と同居、親子関係は権威主義的兄弟関係は平等の社会
核家族。結婚後親から独立の社会
ヨーロッパとロシアの接近、日本とロシアの接近、ユーラシアの再統一はアメリカの戦略的利益に反するのです。そこで平和的関係が築かれてしまえばアメリカ自身が用済みになってしまうからです。
世界の不安定がアメリカには必要
NATO と日米安保の目的は日本とドイツの封じ込め。ドイツと日本をロシアから遠ざけるため。
ゼレンスキー大統領の演説はヨーロッパを戦争に引きずり込むこと
ポーランドの動きに注意せよ。ポーランドはロシアに対する攻撃的な態度に慣れすぎていてそこから脱することができない
本書では書かれていませんがポーランドは歴史的にロシアもドイツも恨んでいると聞いたことがあります。
西洋は世界の一部でしかない。世界の大半の国は西洋の傲慢さにうんざりしているのです。
感情的にならざるを得ない状況の中でも決して見失ってはならないのは、長期的に見て国益はどこにあるかです。
南欧の市民は人間以下の存在になり下がり。
ロシアは出生率死亡率平均寿命など人口動態から見て復活しつつある。
ウクライナのことは第二次世界大戦よりも第一次世界大戦と似ている
今起きてる戦争の原因はアメリカとNATOにある
アメリカはヨーロッパ経済、特にドイツ経済が疲弊していくことに満足感を味わっている
裁判が多いアメリカは法律系の人材が多い、しかし法律系はエンジニアとは違いある種虚業。
中国はさらにロシアを支援することになるでしょう。ロシアが倒れたら次は自らが単独でアメリカに対峙しなければならないことを承知しているからです。戦略上の選択肢は他にないわけです
もしロシアがこの戦争に耐えて生き延びるとすれば、それ自体が世界の経済的支配力をアメリカを失うことを意味するからです
西側諸国のロシアに関する言説は現実離れしたもので合理性を欠いています
ウクライナで起きていることをアメリカもイギリスも把握していて、ウクライナ軍をコントロールしていたが、ドイツとフランスは把握していなかった
軍事的な意味での真の NATO とは、アメリカイギリスポーランドウクライナそしておそらくスウェーデンそこにドイツとフランスは入っていないのです
アメリカイギリスオーストラリアはいずれもアングロサクソンなので同盟関係を築くのは自然な流れ
戦争が長引けば高度な軍事技術よりも兵器の生産力
マリウポリから脱出したフランス人の証言によれば、ウクライナ軍が民間人を人間の盾として利用している
「ウクライナに兵器を送るべきだ」の冷酷さ
「もうこの戦争は終えるべきだ」「交渉するべきだ」と誰も言わない
アメリカが参戦国として全面に
背後でこの戦争を主導しているのはアメリカとイギリス
アメリカはウクライナ人を人間の盾にしてロシアと戦争をしている
アメリカは支援することで実はウクライナを破壊している
戦争が終わった時、生き残ったウクライナ人たちはアメリカに対して激しい憎悪を抱くはずです。アメリカは血まみれの玩具のようにウクライナを利用したということが明らかな歴史的真実だからです
トッドさんが指摘しているウクライナのことは第一次世界大戦の時と似ている、という指摘はとても考えなくてはいけないことだと思います。
日本はその後第二次世界大戦まで多大な被害損失を出していき、現在まで続いているわけなのですから。
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