エマニュエル・トッドのレビュー一覧

  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    ヨーロッパの真の敵はロシアではなく、ドイツだという話。

    また、EUというのは、一握りの金持ちとドイツを独り勝ちさせるためのシステムで、すでにその従僕となっているフランスは、一刻も早く立ち上がるべきだという内容。

    世の常識からすると、びっくりするような話で、著者がフランス人だと聞けば、ああなるほど、ドイツ・アレルギーが嵩じたあげくの世迷言かと思ってしまうが、書いたのがあのエマニュエル・トッドということならば、話は違う。

    ベルリンの壁の崩壊や、アラブの春など、この人類学者の将来予測は、けっこう的中するのである。

    インタビューをまとめたものなので、中身はそう濃くはないが、その分読みやすい。

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    2017年10月07日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    ほとんどがフランス誌のインタビュー記事なので、ちょっと読みにくいのが難点。

    帯には「圧倒的な5つ星(日経新聞)」ってあるけど、3つぐらいか。

    で、なんだかんだで、だいたいまあまあ言った通りになるやつっているじゃん? あれの欧州版。

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    2017年09月27日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    表紙の写真で分かるように、エマニュエル・トッドが表看板の本だが、彼が語る場面は、他の著者よりそう多いわけではない。

    グローバリズムが経済的繁栄をもたらすという理論は、じつは根拠がなく、逆に世界に不公平と混乱をもたらす元凶であることを、座談会およびそれぞれの論文でわかりやすく説いた本。

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    2017年09月01日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    フランスの風刺週刊誌「シャルリ・エブド」が武装した犯人に襲撃され
    たのは2015年1月7日。そして1月11日、フランス各地では犠牲者を
    追悼する為のデモ行進が行われた。参加者は300万人とも400万人
    とも言われる。

    言論機関への襲撃はショックだったし、各国首脳が参加したパリの
    デモの様子は壮観でさえあった。だが、最初の衝撃の波がおさまり
    はじめると「何かが違う」と感じるようになった。

    それはインターネット上に溢れる「Je Suis Charlie(私はシャルリ)」の
    スローガンと、フランスが掲げている「自由・平等・博愛」の間に矛盾が
    あるのではないかと思ったからだ。

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    2017年08月23日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    欧州の共同体としての信仰は、キリスト教という普遍性の高い宗教の登場とともに始まり、それが政治思想に変化し、民主主義を可能にし、政党を作り上げる力になっていった。

    家族構造の進化の観点からは、明治の頃の日本は、中国の紀元前500年くらいの段階にあった。第二次大戦で日独は世界の長男になろうとして失敗し、戦後の日本はアメリカの弟で満足している。他国と同列の兄弟になることにおびえがある。

    民主主義とは、普遍的な識字運動であり、高等教育を受けるのはごく少数だった。第二次大戦後、高等教育を受ける人が急速に増え、高等教育を受けていない人たちとのつながりなしに存在するようになり、民主主義の破壊要因となって

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    2018年10月31日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    初トッド本。ヨーロッパを中心に世界が抱える問題を人口や家族感の観点から分析した本。手前味噌感が強すぎてちょっと鼻に付く。トッド氏が基本的にどんな考えを持っている人かよく分かってなかったためちょっと難しかった。

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    2017年06月25日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    リベラルと言われる人々の主張に、うんざりする今日この頃ではあるが、じゃあそのうんざりする気分というものは、どんな背景から湧き上がってきて、どう言語化できるものなのか、ということをはっきりさせておきたく、読んでみた。
    なんだか分かるような、わからぬような…
    スッキリ、とはいかなかった。
    もう少し考えてみたいと思う。

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    2017年04月26日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    何この行間だらけの新書?なめてんのか朝日!!1時間で読める!!あ、でもこの著者の本にしては分かりやすい!!さすが新聞記者!!
    「韓国は子供を産むことを忘れてしまった」「それでもフランスは異教徒どうしの結婚率が高い」等々、随所に見られる人口学者ならではの観点が面白い。核抑止力を肯定的に言及する著者に朝日記者は「頭の体操と思って読んでほしい」と一歩引いて読者に投げ掛ける。

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    2017年04月26日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    前提とすべき知識が多すぎて、そして、
    それに加えて、翻訳が難解なこともあって、
    いまいち頭に入ってこなかった・・・

    とにかく、著者の主張がフランス国内において、
    主流ではなく、抑圧されていたことだけはわかった。

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    2017年04月20日
  • トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲

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    ネタバレ

    対談集かと思ったがさにあらず。トッド氏インタビュー、トランプ氏共和党候補氏名受諾演説、佐藤氏論考という作り。トランプ氏大統領就任前の昨年12月の発行。トッド氏曰く、トランプ氏当選は当然のこと。社会の現実を見ようとしないエリートに対する、民主主義の逆襲である。佐藤氏曰く、トランプ以後のアメリカを見極めるの三つのポイントは、①孤立主義への回帰(ニーバー思想からの脱却)、②FBIの政治化(自由の抑圧)、③国内の敵探し(マッカーシズムの再来)。さて、どうなることか。

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    2017年04月08日
  • トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲

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    トランプの共和党候補指名受諾演説の内容を読んで、包み隠さずアメリカの現状を訴えていると思った。
    人として受け入れられない部分は多く、実際に人となりがクローズアップされるような報道が多いが(当たり前といえばそうだが)この本を読むと、住んでる場所や学歴などによっては自分はトランプに投票していたかもしれないと思えた。
    事実投票した人たちによってトランプは当選したわけで。

    分断されたアメリカと盛んに言われているが今に始まったことではないと思う。
    トランプの当選で急に分断されるはずがないかなと。むしろ当選によって明らかになったわけで。
    どっちみち資本主義?グローバリゼーション?で生まれた負の部分という

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    2017年03月05日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    問題は英国…、「ドイツ帝国」が…に比べて読みにくく、なかなか読み進まないが、この本が最も本質についてしっかり書いてあるようなことが問題は英国…に書かれていたので、今一度トライしてみたいと思う。

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    2017年01月09日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    著者はフランスの歴史学者。EUの創設時の話は、すべての加盟国家がパワーの大きさにかかわらず平等に扱われることが掲げられたはず。実際には強国と弱小国に分けられ、絶対的強国のドイツが牛耳っていることを著者は指摘する。なぜ副題に日本人への警告とあるのか。それは日独両国の間には何となく共通性があると思いこまれているが、昨今の政治情勢を見てドイツと比せられるのはむしろ中国だからである。現代版「帝国」形成という地政学的変化を指摘した書籍。

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    2017年01月09日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    グローバリズム以後

    ・アメリカが帝国となって以降、30年がたち、1世代変わった。帝国というものは、帝国の中枢こそは良いが、帝国の中にいながら辺境にいる人間にとっては良いことはないため、辺境の人々が帝国をやめようというエネルギーを発し始めた。アングロサクソンは根本的に不平等なシステムをとりやすいが、アメリカが自由平等の国としていることが出来たのは、内部に黒人差別をすることで辺境を確保し、不平等を発散していたからである。しかし、黒人解放以後、平等化が進み、白人も辺境に追いやられることで考え方が変化し、国民国家に向けて進み始めた。
    ・欧州は分断に向かっている。それは、一致させるべき明確なビジョンの

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    2016年11月25日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    「グローバル資本主義によって経済は成長する」と信じられてきましたが、実際のデータを客観的に眺めてみれば、真実はまったく逆であって、「グローバリズムは成長を鈍化させる」
    グローバル資本主義を推し進める人々は、ビジネスに自由さえ与えれば富も雇用も創出され、最大限の成長があると信じてきた
    アメリカにしても日本にしても「国による産業保護」という規制が成長を生ん
    アメリカが、実は世界で最も強力な産業政策を行っているのです。インターネットにせよ、半導体にせよ、航空機にせよ、研究開発を支援したのは国防総省や軍などの政府機関
    グローバリズムは国境を前提にしないものであって、国境が存在することを前提とした上で、

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    2016年11月22日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    タイトルがキャッチーなので気軽に読み始めたら、中身ががっつりお勉強テイストだったw
    このテイスト、大学卒業以来・・・wがんばるw

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    2016年11月02日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    米国でトランプが登場したり、英国がEUから離脱をするなどグローバリズムが崩壊に向かうとして、今後の世界を人類学の観点から予見する。
    1998年~2016年のインタビューを取りまとめた本なので、まとまりに欠けるきらいがありますが、不平等を容認してきたアングロサクソンもこれ以上容認できなくなっている中間層の崩壊。アングロサクソンは、子供が大きくなると直ぐ独立させるので文化が世代を超えて伝承しない。識字率が上がって出生率が下がるのは近代化危機の兆候など、興味深い考察が満載です。
    また、日本には移民はほとんどいないが派遣労働者が同じような扱いを受けているとあるのが印象的でした。

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    2016年10月30日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    最近、著作がいろいろ出たり、雑誌に書いていたりするのは知っていたが読むのは初めて。家族のあり方と国家を結びつけるというおもしろいアプローチ。それで、ソ連崩壊とかアラブの春とかを予言し、今回のイギリスのEU離脱も。多少難しく書かれている部分もあるが、インタビューの採録などはわかりやすい。いろいろと考えさせられる一冊。

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    2016年10月27日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    もはやEUは、ヨーロッパの自由と平等を体現した共同体ではなく、ドイツの言いなりばかりのドイツ帝国だ。

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    2016年09月19日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    序章の前の「日本の読者へ」だけは読みやすかった。私もシャルリエブドは大嫌いだしテロのあと、デモはよいとしても深く考えずに「私はシャルリ」とか読者が増えたとかかなり違和感あった。多くの新しい読者は低劣な内容にすぐ離れたと思うけど。。。作者がこの事態に疑問を投げかけ、そのとき遠く離れた日本のメディアが作者のより所になった、足場になったのは嬉しい。
    本文は難しいことを難しく書いて、こんなの理解できるのどこの学者だよというかんじ。多くの人に理解される努力をしなければ書く意味ないと思うのだけど。

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    2016年09月07日