エマニュエル・トッドのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
エマニュエル・トッドをはじめとする対談集をまとめた一冊。一見、表紙の方々が一堂に会して対談したものと勘違いして購入してしまったが、それぞれ別々に開催されたイベントであった。『西洋の敗北』を出版した後の反響や、不安定な国際情勢において日本の良さをどのように生かしていくか、示唆を与えてくれるもの。親日家であるエマニュエル・トッドが広島の原爆資料館を視察してもなお、日本の核武装を推奨していることについて、いろんな対談者が質問しており、興味深い内容であった。東アジアにおいて日本が極めて微妙なパワーバランスの中に位置していることを痛感させられた。
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Posted by ブクログ
ネタバレ対談やインタビュー部分が多いからか私の理解力の問題か、よく分からない部分が多かった。イランはともかくロシアに対する過度な礼賛と信頼は奇妙に感じる。ロシア(ソ連)が約束を守る国だったことなんてあったか?それと同じレベルでアメリカも欧州も信頼できないという話は分かるけど。
直系家族と核家族の話もよく分からなかったな。もとの「西洋の敗北」を読んでからだとすんなり理解できる部分もあるのかも。
全体としては腑に落ちる部分も多かった。資本主義と民主主義の組み合わせは敗北している。日本はアメリカの仕掛ける戦争に巻き込まれず国家として自立しなくてはならない、そのためには核を持つべき。 -
Posted by ブクログ
20年ほど前、2020年辺りから西洋の時代が終わって、東洋の時代になるという本を読んだことがあります、800年周期でそれが繰り返されているという内容だったと記憶していますが。本屋さんでこの本を見かけて、ピンとくるものがありました。
最近ゴールドの価格が急上昇していますが、これは現在私たちが使用している通貨の価値が下がっていることを意味しています、これも世界の混乱を示すものなのでしょうか。
昨年定年を迎え会社勤めをしていないのですが、ビジネスの世界でも少なからず影響を受けていると想像します。この本を読んで、将来私たちが目にすることになるであろう新しい世界を迎える覚悟を持たなければならないと思いを新たにしました。
以下は気になったポイントです。
・西洋の民主主義を共に作り出した「英国・米国・フランス」の三極が、今崩壊しつつある、経済的に崩壊している、国内の生産基盤が国外に流出し、産業の空洞化が起きた、さらに自由・知性・批判的思考、理解と前進を可能にする「人間の理性」といった理想や価値観が消滅しつつある、「進歩」という理想が崩壊している(p4)
・トランプは国際取引でドルの使用を止めようとする国々を関税で脅している、米国の真のスローガンは、生産せずに消費する、常にあらゆる分野で「生産せずに消費する」なのである、国内の財政赤字から生み出されたドルで国外から購入することが可能だから(p6)
・西洋の敗北は不可避だ、とウクライナ戦争の当初から筆者が確信できたのは、人口が米国の半分以下のロシアの方が、米国より多くのエンジニアを要請しているという事実からである(p9)ウクライナ軍は崩壊しつつあり、欧州は経済制裁の最大の被害者となっている(p38)
・ロシアは和平に関心を持っていない、レッドラインを明示したにもかかわらず、NATOが東方拡大を続けたり、ミンスク合意にこぎつけたものの、その後も戦闘が続き裏切られたりした、冷戦後の数々の経験から、西側諸国との約束(文書での協定や合意)にいかなる信頼も置いていないから(p40)
・米国はいわば、スーパーオランダ病に苦しんでいる、ここでの天然資源(オランダは天然ガス)は、ドル、である。米国では高学歴者ほど、産業・ものづくりの就職につながる科学、エンジニア分野ではなく、ドルという富の源泉に近づくために、金融・法律の分野に進んでいる(p49)
・ドイツのケースと同様に、米国が自国の核を使って日本を守ることは絶対にあり得ない、核は「持たないか」「自前で持つか」以外に選択肢はない(p51)日本は核武装と共に通常兵器の増強も進めるべき、これは戦争をより困難にするため、戦争は軍事的は勢力不均衡から生まれるから(p54)
・ロシアの勝利でなく、西洋の敗北である、すなわち、米国を含む「アングロサクソン世界」の内部崩壊である(p61)これまで世界を支配してきた「自由主義的(リベラル)西洋」の崩壊を意味している(p62)
・保護主義政策が効果を持つには、輸入品に関税を課すだけでは不十分だ得る、優秀で能力があり勤勉な労働人口が必要である、米国はすでに手遅れである、エンジニア不足だけでなく、技術者や質の高い労働者も不足している(p65)
・今回の米国の敗北はこれまで経験したことがないような敗北である、イラク、アフガニスタン、ベトナムで米国は敗北を経験したが、これによって世界経済によける米国覇権を失ったわけではなく劇的な事態にはならなかった、しかしウクライナ戦争での敗北は、単なる敗北ではなく「世界経済における敗北」すなわち「経済制裁や金融支配によって世界に君臨してきた米国の覇権力が敗北すること」を意味する(p74)
・原初のホモサピエンスの家族構造は各家族で、次に農業の発生と共に発明されたのが「直系家族」である、限られた農地を次世代に分割せずに譲り渡すためだと考えられている、ここでは文字も生み出されていて、直系家族は、資産や知識・技術の「世代間継承」に適したものであった(p93)
・日本企業の2つの特徴、1)長寿企業が多い、世界で数百年以上存続している企業の3分の2が日本にある、2)他の国には珍しい独自の製品を生産する企業が多い、経済複雑度と呼ばれるこの指標で日本は今でも世界一である(p98)
・民主主義は消費者ではなく、労働者によって支えられる、そうした労働者が消滅したことで米国の自由民主主義は「リベラル寡頭制」へと変質した、トランプを支持しているのは、労働者というより、基軸通貨ドルの恩恵の下で生活している、消費者=平民である(p101)
・第二次世界大戦から20世紀末まで、資本主義が経済成長と技術革新を担当し、その結果生まれる格差・弱者を民主主義政治が救うという、役割分担ができていた、しかし油断していて、資本主義の暴走を民主主義が制御できなくなった、米国では政治献金・ロビーングを通じて民主主義が資本主義に乗っ取られてしまった(p102)
・ロシアとベルラーシのGDPの合計は、西側陣営の3.3%である、しかしこのGDPでロシアはミサイルを生産し続けられる、問題は、経済の金融化・サービス産業化が進む中で、GDPがもはや「生産力=真の経済力」を測る尺度として効力を失っていることにある、軍事力を最終的に支えるのは、リアルな生産力である(p113)
・独露の接近は米国が最も恐れている事態である、強力な軍事支援でウクライナをNATOの事実上の加盟国とすることで戦争をけしかけた米国の隠れた真の目的は、ロシアとドイツの分断にあった、元々ロシアとドイツはエネルギー面・経済面で緊密な相互補完関係にあり、両者の協力関係は、地政学的にも地域の安定に寄与する、長期的な視点に立てば、この二国の接近は、全く合理的である(p117)
・ロシアとベルラーシのGDPの合計は、西側陣営の3.3%である、しかしこのGDPでロシアはミサイルを生産し続けられる、問題は、経済の金融化・サービス産業化が進む中で、GDPがもはや「生産力=真の経済力」を測る尺度として効力を失っていることにある、軍事力を最終的に支えるのは、リアルな生産力である(p113)
・独露の接近は米国が最も恐れている事態である、強力な軍事支援でウクライナをNATOの事実上の加盟国とすることで戦争をけしかけた米国の隠れた真の目的は、ロシアとドイツの分断にあった、元々ロシアとドイツはエネルギー面・経済面で緊密な相互補完関係にあり、両者の協力関係は、地政学的にも地域の安定に寄与する、長期的な視点に立てば、この二国の接近は、全く合理的である(p117)
2025年10月18日読破
2025年10月19日作成 -
Posted by ブクログ
日本に移民として入ってくる多くの人は若い世代。
そして移民による問題解決を求められるのも将来世代。在日韓国人、朝鮮人問題を見れば明らかです。
それにもかかわらず、移民であることも認めず、十分な説明もせず、なし崩し的に移民政策が進められ、気づけば世界有数の移民受け入れ国になってしまっている。
国民のための政治は執り行われず、国民の安全を守ることすら覚束なくなっている。そんな現実を突きつけられ反対の声を上げる国民を差別主義だとレッテル貼りする。
いわゆる国の借金問題を将来へのつけだと言うのなら、野放図な移民受け入れこそ将来へのつけ回しだ。
そんな思いを代弁してくれているかのような気持ちになりました。
書籍としては数年にわたるインタビューをまとめたものであることや、発刊から10年近く経った今読んだということもあり、特に後半に釈然としない箇所が何箇所かあった。(米国は貿易赤字のため戦争できる状態ではないとか、日本は中国を含む経済圏をつくり内需を拡大するべきとか)
あとがきにも書かれている通り、世界全体の動きを考えるきっかけとして読むのであればおすすめできるけれど、世界の動きを学びとるために読むのはやめた方がいいと思う。
あまり著者の良さを引き出せていないように感じた。
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Posted by ブクログ
主に文藝春秋に記載されたトッド氏の記事を集めたもの。
西洋の敗北自体は未読なので、その概略が知れるかと思い購読。
内容としてはウクライナ戦争における西欧の失敗を分析し、アメリカ、欧州の政治的、軍事的な戦略を批判する。
そのため新自由主義的資本主義の限界に通じるものが当然ながらある。
面白いのは経済学観点ではない本書でもドルを発行しすぎていると言う意見が出ているところ。
つまり実労働である農工の生産能力が低下し、実体のない金融業に腐心していることも
痛烈に批判されている。
アメリカ、欧州の批判が主な内容なためにロシア寄りの意見も多いと感じてしまう。
プーチンは冷徹で計算高いという意見が多い中で、こういった違った角度で物事をみている意見はある意味貴重かも。
これ一冊で世界情勢がわかろうはずもないが、ユニークな本だと思うので、西洋の敗北も読んでみたいと思った。