エマニュエル・トッドのレビュー一覧
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ちょうど、平行して読み漁っている水野和夫氏の著書とも通じる部分がある。(当然、異なる部分もあるが)
その中で、やはりエマニュエル・トッド氏の主張を特徴付け、説得力を持たせるのは、氏のバックグラウンドである、文化人類学や人口学の観点からの指摘であろう。
出生率の低下を根拠にイランが近代化の過程であると指摘し、家族制度を根拠に日本やドイツには不平等を受け入れる社会的背景という。さらには、民主主義の発展に不可欠な、国民の識字率や高等教育の発展などがさらに進むと、教育格差として不平等の定着につながるとの指摘も、改めて慧眼であると感じた。
そして、リーマンショックなどの金融危機以降、世界がグローバル化 -
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先進国、つまりヨーロッパ(特に英、独、仏)とアメリカ、日本の行き詰った現状についての解説本。
著者はフランス人なのですが、長期的な歴史の視野に立って現代を観察してるんですね。
アメリカ人やイギリス人(独立志向が強く、かつ差別に寛容、よって「自分さえよければ良い」思考に陥ってる)社会とほかの国との比較が語られて、とっても興味深かったです。
国際的視野ってのは、実は単にアメリカ的視野になりがちですが、実は全然違うんですよね。
たまにヨーロッパ人の視野で話を聞くと全然違って面白いです。
ただ残念だったのは、朝日新聞に掲載されたインタビューをもとにしている割には、文章がわかりずらい。
翻訳が今一つ・ -
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本書は書下ろしではなく、7編の時事論集である。すべてBrexitやパリ多発テロなど2015-16年頃のものなので、当然ながら似ている内容が多い。また、ほとんどが日本で収録または日本で発表されたものということで、日本に言及した部分も多い。
ヨーロッパを主にした世界情勢論、家族形態の歴史に基づく文明論、などが展開されているが、いかに日本人向けにアレンジされて読みやすくなっているとはいえ、決して理解が容易な内容ではない。編をまたいて繰り返されることで、辛うじてぼんやりと分かったような気にさせてくれるが、それは本書の主張を支持するものである。
氏の論調は自国では批判が多いようだが、世界は難しい問 -
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短編や講演をまとめた為か、体系だった論点というより、気付きをもらえる本。
自由を強制される西洋に対し、自由に限界があると認識している日本の方が内面的に自由でいられるというのは、欧米はポリティカル・コレクトネスが行き過ぎてしまった、とも重なるのだろうか。
大家族主義の国家で共産主義が発達し、各家族主義の国家では発達しなかった、というのは結果論では納得できるし、EUの移民許容度を内婚率(イトコと結婚率)で説明するも興味深いが、その論点だけの説明は、危険なプロパガンダと感じた。(すべて、それが原因なの?)
本人の主義にのっとり、多様化した視点を聞きたい。 -
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エマニュエル・ドット氏と日韓の論客がグローバル資本主義のの行方を語ります。バブルとその崩壊を繰り返し、大企業によるの寡占化、短期利益を求めての目先のパイの奪い合い、株主はクリックひとつでやめられるが従業員はそうはいかない、国家という枠内でのガバナンスの欠如などの問題を洗い出し、それでもネオリベラリズムを支持するのはエリートが内向きな小さなグループに閉じこもって統治を放棄していると糾弾。
一般人もそれで良しとしてしまうのは、子供の頃貧しかった高齢者が今を豊かだと感じていることに加えて、ハンナ・アーレントの「全体主義の起源」を挙げて論じている。
2014年6月発売の本書ですが、ドット氏の「新自由主 -
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歴史人口学者エマニュエル・トッド氏の来日公演の内容等を本にまとめたもの。
グローバリゼーションをけん引してきた張本人である英米が逆方向へ舵を切ろうとしている昨今の国際情勢を、社会科学と歴史的考察で分析しています。
ここ数年、マスメディアといわゆる知識人の思考パターンは、リベラリズム、グローバリゼーション、ポリティカルコレクトネス等を「絶対正」として繰り広げられてきました。
しかし、歴史や文化、教育、芸術、宗教の観点がごっそりぬけおちているのです。
トッドは、Brexitはマスコミが言うような大衆の気まぐれな失敗などではなく、これまでも歴史を切り開いてきた英国の目覚めであるとしている。
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トッド氏が、最近インタビューで述べた言説をまとめたもの。
内容は、フランス民主主義の崩壊、ドイツの覇権の浮上、ロシアとの紛争の激化などです。
歴史家、人類学者、人口学者の立場で、ヨーロッパ社会の過去、現在、未来を論じており、ところどころで、日本のことにも触れている。
内容ですが、
1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス
ウクライナ問題の原因はロシアではなくドイツ
ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る
アメリカとEUの産業上の不均衡
アメリカと「ドイツ帝国」の衝突
2 ロシアを見くびってはいけない
3 ウクライナと戦争の誘惑
4 ユーロを打ち砕くこ -
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新たな歴史的転換をどう見るか?
人口論からの解析、トッド氏の独自の言説をまとめた本でした。
1 なぜ英国はEU離脱を選んだのか?
2 「グローバリゼーション・ファティーグ」と英国の
「目覚め」
3 トッドの歴史の方法――「予言」はいかにして可能
なのか?
歴史家トッドはいかにして誕生したか?
国家を再評価せよ
国家の崩壊としての中東危機
4 人口学から見た2030年の世界
――安定化する米・露と不安定化する欧・中
5 中国の未来を「予言」する――幻想の大国を恐れるな
6 パリ同時多発テロについて――世界の敵はイスラム
恐怖症だ
7 宗教的 -
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エマニュエルと聞いて、映画を思い出すのは、我々の年代以上でしょう、、、さておき。
以前から気になっていた、エマニュエル・トッドの著書でも、簡単そうな部類で、新しいものを読んでみた。
もう残すところ1ヶ月を切った2016年も、世界は波瀾万丈であった。イギリスのブレグジットEUからの脱退の国民投票の決定、アメリカの次期大統領にドナルド・トランプの決定。
いずれも世界に大きな波紋を投げかけた。
日本に住み、一般的な情報を入手しているだけだと、えっ、何故?となるだろうが、もしかしたら、それらは予見されていたことかもしれない。
それは、エコノミストが出版する「2050年の世界」を読んでから益々