エマニュエル・トッドのレビュー一覧

  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

    Posted by ブクログ

    緊急出版であり、急いで訳したためか生硬で読みづらい。作者が日本の無宗教に触れているが、無宗教というカタチの日本教は今後グローバリズムや新自由主義の荒波の中で心の空白を埋めることができるだろうか。

    0
    2016年02月29日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

    Posted by ブクログ

    「シャルリ・エブド事件」を軸に、フランス社会、ヨーロッパ社会に対する批判を展開する。
    その手法は、各地域の人口動態(デモ参加率、投票行動、信仰、階級等)や家族構造といったデータの分析に基づくものであり、説得的である。

    基本は現在のフランス批判であるため、フランスの地理、歴史、政治についての予備知識が無いと、十分に読みこなすのは難しいところがある。
    とはいえ、とりあえず通読して、「結論」を示した最終章まで辿り着けば、著者の主張はかなりclearに見えてくる。

    脱キリスト教化、不平等主義的価値観の蔓延、ユーロの隆盛、高齢化社会、中産階級による支配、宗教的なものに対する無理解や恐怖等が結びつき、

    0
    2016年03月06日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

    Posted by ブクログ

    大変興味深く面白い内容だった。

    丸丸全部言う通りということはないと思うが
    確からしいと思えた内容だった。

    面白かったなという点を抜粋しようと思ったら
    巻末の編集部の編集後記にすごくきれいにまとまっていた。
    ここまで綺麗に読んだ内容をまとめられないなと感じ
    歴史や現在の社会情勢に対する自分の知識のなさを特に感じた。
    それはさておき

    文中にあった

    直系家族構造は今では先進国にはもはや存在しないがそれでも長年の間に培った権威、不平等、規律といった諸価値つまりあらゆる形におけるヒエラルキーを、現代の産業社会・ポスト産業社会に伝えた。

    というところがまさに『ドイツとは』を知るベースの部分であり

    0
    2016年02月08日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

    Posted by ブクログ

    現代におけるドイツの擡頭(他の欧州諸国に対する経済的・政治的支配による「ドイツ帝国」化。ヨーロッパの危機)を軸に、EU問題(ユーロ問題)、フランス批判、ロシアの「健全さ」(女性の活躍率など)、アメリカ帝国の崩壊…等も描く。

    巻頭の「ドイツ帝国」の勢力図を見れば、まさにヨーロッパの現状が一目瞭然である。

    本書を読み、とりわけ、ドイツ、フランス、ロシアに対するイメージが大きく変わった。
    国家の基本的な性格は、歴史に学ぶことでよく知ることができると再認識した。

    ただ、「なぜそう言えるのか」というところの根拠、論理の説明が不十分なところが随所に見られる。

    また、翻訳が基本的に読みにくいのが大変

    0
    2016年02月13日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

    Posted by ブクログ

    本書を駆け足で読み、エマニュエル・トッド来日講演を聴きに行った。サブタイトルが原題では「宗教的危機の社会学」であり、文庫化に際してこちらがメインタイトルとなったことから分かるように、トッドはシャルリ・エブド事件やそれに続くイスラム系組織によるテロを主題にしているのではない。現在のフランスが置かれた状況から、普遍的な公式を導き出そうとしている。その答えが「宗教の危機がイデオロギーの危機に転移する」ということだという。

    19世紀にパリ盆地においてカトリックのおよそ半分が消滅するという宗教的危機があった時には、フランス革命という人類史に残るイデオロギーの大転換があった。

    20世紀初頭には北部ヨー

    0
    2016年02月01日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    トッドの部分を抜き読みするだけでも、現代国際社会の問題点の一端を知る事ができる。

    『有効な手立てを打ちたいなら、方向転換を成功させるには、まず次の事実を受け入れなければなりません。多くの人は受動的で、現状に対して協力的であり、とりわけ高年齢層はそうだということです』

     日本の現状を言い当てているのか…

    0
    2015年01月04日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    グローバル化とよく叫ばれる中でグローバル化を分かりやすく批判的のとらえた一冊。
    読み進める前には国境が取り払われ、規制緩和が進む現代において、保護主義的な政策の重要性を説くのは一見ナンセンスに感じた。でも違った。決して保護主義政策をとって自国を鎖国状態にするということを主張しているのではなく、グローバル化の負の影響にも目を向ける必要性を訴えているように僕は感じた。なぜグローバル化が発生したのか?どうしてこれほど現代はグローバル化を謳うのか?グローバル化の正・負それぞれの影響は何か?こういった点を理解し、グローバル化の本質にせまる理解をしておくことが現代経済を見つめるためには必要だと感じた。

    0
    2014年11月29日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    自由貿易で世界経済が復活するということに対して警告を発する。世界の経済成長率が、新自由主義が勃興する前後で約3%から1.5%へと落ちている事実など、必ずしも寄与していないという。日本では、小泉政権、そして安部政権でも、これを称賛する動きがあったのも事実。企業が儲かれば、法人税も沢山入り、国も潤うかもしれない。しかし、利益の代償として働く者の給料が減ってしまっては、企業栄えて、国滅ぶにならないだろうか。一部の富裕層のために、それはあるというのは、アメリカ、西欧を見て納得してしまう。自由主義という言葉から連想するのは、解放、個人かもしれないけど、成熟した個人ばかりの社会とは限らない。むしろ、大多数

    0
    2014年09月22日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

    Posted by ブクログ

    京都大学で行われたシンポジウムの書籍化。
    グローバル化は、不可逆で必然的な流れなどではなく、抑制できる、すべきであること。
    ネオリベは、劣化したエリートが自己利益増大化に利用するために飛びついただけの空疎なイデオロギーであること。
    グローバリズムを抑制するには、保守に立ち返ることが議論されています。

    トッドの話を聞くと、フランスも同じなんだなとワロてしまいます。苦笑です。

    0
    2014年07月09日
  • 第三次世界大戦はもう始まっている

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    全部鵜呑みにはできないけど、こういった視点での本を読むのもよい。
    (ロシアのウクライナ侵攻は)第二次世界大戦より第一次世界大戦に似ている、という分析は理解できる。

    0
    2025年12月17日
  • 西洋の敗北と日本の選択

    Posted by ブクログ

    日本を含めて、世界情勢は今後どのような方向へ転換するのか、またその際、何を念頭に国の舵取りをするべきかを著者は提案する。具体的には、米国は以前よりも国力が弱体化しており、またそれと同時に中国は軍事力を強化していることをふまえると、日本は核武装と主張する。一方で、日本以外の国々については、ウクライナ侵攻の欧州の対応をハンガリーを除いて批判的であったり、イランよりもイスラエルのほうに問題があり、しかも現在のイスラエルは宗教を信じていないと指摘する。

    0
    2025年12月04日
  • 西洋の敗北と日本の選択

    Posted by ブクログ

    西洋の敗北と日本の選択 エマニュエルトッド 文藝春秋
    西洋の敗北とドイツの選民的視野の狭さについては意義無しだが
    ニホンの選択については問題が多い
    まず何にもするなは良いが
    戦争ありきの発想からしてナンセンスだと思うし
    消極的すぎる

    0
    2025年12月08日
  • 西洋の敗北と日本の選択

    Posted by ブクログ

    20年ほど前、2020年辺りから西洋の時代が終わって、東洋の時代になるという本を読んだことがあります、800年周期でそれが繰り返されているという内容だったと記憶していますが。本屋さんでこの本を見かけて、ピンとくるものがありました。

    最近ゴールドの価格が急上昇していますが、これは現在私たちが使用している通貨の価値が下がっていることを意味しています、これも世界の混乱を示すものなのでしょうか。

    昨年定年を迎え会社勤めをしていないのですが、ビジネスの世界でも少なからず影響を受けていると想像します。この本を読んで、将来私たちが目にすることになるであろう新しい世界を迎える覚悟を持たなければならないと思

    0
    2025年10月19日
  • 第三次世界大戦はもう始まっている

    Posted by ブクログ

    避けられたはずのウクライナ戦争の原因と責任は米国とNATOにある。ロシア国境までNATOが拡大することはロシアの死活問題。ウクライナ軍の能力は米英が増強しているから。ロシアの勝利は、アメリカ主導の国際秩序を揺るがすことになる。

    歴史が進むと、核家族制から父権性社会に変わっていくということ、家族システムで世界の各国が分類できるというのが興味深かったです。

    0
    2025年10月06日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

    Posted by ブクログ

    日本に移民として入ってくる多くの人は若い世代。
    そして移民による問題解決を求められるのも将来世代。在日韓国人、朝鮮人問題を見れば明らかです。
    それにもかかわらず、移民であることも認めず、十分な説明もせず、なし崩し的に移民政策が進められ、気づけば世界有数の移民受け入れ国になってしまっている。

    国民のための政治は執り行われず、国民の安全を守ることすら覚束なくなっている。そんな現実を突きつけられ反対の声を上げる国民を差別主義だとレッテル貼りする。

    いわゆる国の借金問題を将来へのつけだと言うのなら、野放図な移民受け入れこそ将来へのつけ回しだ。

    そんな思いを代弁してくれているかのような気持ちになり

    0
    2025年10月03日
  • 第三次世界大戦はもう始まっている

    Posted by ブクログ

    1 第三次世界大戦はもう始まっている
    2 「ウクライナ問題」をつくったのはロシアでなくEUだ
    3 「ロシア恐怖症」は米国の衰退の現れだ
    4 「ウクライナ戦争」の人類学

    0
    2025年09月06日
  • 第三次世界大戦はもう始まっている

    Posted by ブクログ

    一見するとロシアの提灯持ちの様に感じるが今自分たちがどこから情報を得て判断しているかに思いを至らせればそうでない事が分かる。多角的に考えるにあたり寧ろ読むべきではなかろうか。
    第二次世界大戦以降は代理戦争みたいな形で戦乱が起こっているが本書のタイトル通りに事は進んでいるとは思う。

    0
    2025年08月06日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

    Posted by ブクログ

    タイトルに惹かれて購入したが、内容が濃く読みづらいが、噛み砕いて読めばかなりの情報が得れると思う。私は情報量が多くて途中で諦めてしまった。

    一般的に広く言われている情報とは違った視点で語られ、正誤はわからないがリソースもかかれている。
    ロシア、ウクライナ戦争についても違った視点で解説されており、参考になる部分も多かった。

    0
    2025年07月28日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

    Posted by ブクログ

    筆者の西洋の定義は二つある。一つが日独を含む経済的近代の西洋、もう一つが政治的近代の西洋で三大自由民主主義国を、米英仏のみを含む。ここで敗北した西洋がどちらとしているのか、不明。ドイツはもう敗北の中に入れている。ドイツどころかEU全体が敗北している。日本については言及ほとんどなし。米に追随しているところからの類推という簡単な話ではない。
    ところで、アメリカの敗北は、「プロテスタンティズム・ゼロ状態」に起因する道徳的、社会的崩壊という。分かる気がする。

    0
    2025年06月19日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    諸国家は同じではない。
    ウクライナは戦争以前から、人口流出と出生率の低下で1100万人の減少だった。汚職は桁外れで、代理出産の国だった。
    アメリカの軍事産業は弱体化している。=西洋の敗北。
    ロシアが困難な状況になると、もっと戦争に力を入れることになる。ロシアには生存がかかっている。
    国民国家であるためには、領土が最低限自立できなければならない。

    2014年のミンクス合意は、ウクライナに軍備化の猶予を与えるためだった。ロシアにも同じ猶予があって、Swiftからの追放の準備を整えることができた。
    制裁により、ロシアは輸入代替え品のために国内の再編成が必要だったが、その結果、経済は強くなった。

    0
    2025年06月18日