エマニュエル・トッドのレビュー一覧

  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    家族システムの分布を伝播主義モデルで説明すると、初期の人類は双系性の核家族で暮らしていたと考えられる。核家族の社会では個人主義的な傾向が強く、直系家族の社会では世代間の連帯が重視され、共同体家族の社会では兄弟間の連帯が重視される。

    ヨーロッパでは、中世末期から直系家族に変化し、宗教改革によってそれが強化された。フランス革命の半世紀前には、パリを中心とする広い地域でカトリシズムが崩壊し、世俗化していた。絶対核家族のイギリスは貧者救済施設を最も早く創った。個人の自立は社会的な援助制度なしには可能ではない。

    イスラム社会の中でも、シーア派では息子がいなければ娘が相続することがあるが、スンニ派では

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    2018年10月31日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    グローバリゼーションの崩壊から未来世界について、人口動態、家族形態、教育、宗教観など多彩な指標からデータを分析して解説すると共に、著者自身の学問的背景についても語り、世界を経済だけではなく広い視野で観る重要性を説きます。
    地域に根付く家族構造によって、共産主義になったり、教育水準が高くなったりするなどとても興味深い考察が詰まっている好著です。

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    2016年11月14日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    前作に続いて独自の視点で欧州を中心とする世界の動向を解説している。
    ただ簡単な本ではないと感じた。欧州のことについての基礎知識を積み上げてから、再び読んでみたい。

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    2016年10月30日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    イスラム諷刺画がISの怒りを招き、テロ事件のターゲットになったフランスの「シャルリ・エブド」。15年1月は「私はシャルリ」とのプラカードを掲げる400万人の大デモが行われた。暴力に対する民主的なアピールとして報道されているが、イスラムを冒涜する自由とは何なのか!?実は排他主義の横行ではないのか。フランスの社会の宗教的な背景から詳細に分析し、デモ参加者はどのような人たちか?を追求する。それは大革命以降の脱キリスト教、反ユダヤとの繋がりの中で、著者が”ゾンビ・カトリシズム”と呼ぶ市民たちが浮かび上がってくる。イスラムとキリスト教の対立ではなく、イスラムと無神論との対立であり、脱キリスト教が最も進む

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    2016年10月29日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    『帝国以後』『デモクラシー以後』に続くタイトルかと思い即買いしたら、単なるトッドのインタビュー記事の寄せ集めでガクンと来た。相変わらずトッド節が続いていて、特に前半は新しいインタビュー記事だったので面白かったが、暗黙の前提としてトッドの理論を理解していないと内容を理解できないという点と、質問のクオリティがイマイチという点で、トッド自身のこれまでの著書と比べると見劣りしてしまうのは免れられない。自分はトッドの理論はちょっとだけ知っていたのでかろうじて読めた、という感じだった。
    出版元である朝日新聞出版には、もうちょっとインタビュー記事を集めたものであるということを強調して欲しかったのと(著者がエ

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    2016年10月15日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    インタビュー形式の翻訳ものなので、ちょっと意味がとりづらいところもあったが、現在のヨーロッパを理解するうえでは役に立つところが多かった。
    どうしても自分が好きな国ばかり勉強してしまうが(私の場合はフランス、イタリア、イギリス)、やはりヨーロッパは1国だけ理解していてもダメで、特に19世紀以降はドイツを抜きにヨーロッパを理解することは、物事の片面しか見ていないことになっていることを痛感した。ドイツおよび中欧、そしてその向こうにいるロシア、これらについてもっと深く学ばなければと思った。来月にはイギリスがEUを離脱するのかどうか住民投票が行われるが、ドイツという存在がこの住民投票に及ぼす影響を注意深

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    2016年05月21日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    フランス人の著者がドイツがヨーロッパ大陸を牛耳りつつあることを、隷属するフランス、ウクライナ問題を皮切りにドイツ圏などドイツが経済的に支配している地域や米国との衝突などを解説、まさに第四帝国化するドイツです。現在のドイツの好調はユーロを巧みに利用した通貨安と工場などを人件費の安い旧東欧に設置して実現している。なるほど、インダストリー4.0が国家プロジェクトである理由がよく分かります。「IoTでものづくり復権」などとぬるいことを言っているどこかの国と違って、国としての戦略が明確です。まぁ、欧州の他国民がどう思うかは別問題ですが。。。

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    2016年03月06日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    緊急出版であり、急いで訳したためか生硬で読みづらい。作者が日本の無宗教に触れているが、無宗教というカタチの日本教は今後グローバリズムや新自由主義の荒波の中で心の空白を埋めることができるだろうか。

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    2016年02月29日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    「シャルリ・エブド事件」を軸に、フランス社会、ヨーロッパ社会に対する批判を展開する。
    その手法は、各地域の人口動態(デモ参加率、投票行動、信仰、階級等)や家族構造といったデータの分析に基づくものであり、説得的である。

    基本は現在のフランス批判であるため、フランスの地理、歴史、政治についての予備知識が無いと、十分に読みこなすのは難しいところがある。
    とはいえ、とりあえず通読して、「結論」を示した最終章まで辿り着けば、著者の主張はかなりclearに見えてくる。

    脱キリスト教化、不平等主義的価値観の蔓延、ユーロの隆盛、高齢化社会、中産階級による支配、宗教的なものに対する無理解や恐怖等が結びつき、

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    2016年03月06日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    大変興味深く面白い内容だった。

    丸丸全部言う通りということはないと思うが
    確からしいと思えた内容だった。

    面白かったなという点を抜粋しようと思ったら
    巻末の編集部の編集後記にすごくきれいにまとまっていた。
    ここまで綺麗に読んだ内容をまとめられないなと感じ
    歴史や現在の社会情勢に対する自分の知識のなさを特に感じた。
    それはさておき

    文中にあった

    直系家族構造は今では先進国にはもはや存在しないがそれでも長年の間に培った権威、不平等、規律といった諸価値つまりあらゆる形におけるヒエラルキーを、現代の産業社会・ポスト産業社会に伝えた。

    というところがまさに『ドイツとは』を知るベースの部分であり

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    2016年02月08日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    現代におけるドイツの擡頭(他の欧州諸国に対する経済的・政治的支配による「ドイツ帝国」化。ヨーロッパの危機)を軸に、EU問題(ユーロ問題)、フランス批判、ロシアの「健全さ」(女性の活躍率など)、アメリカ帝国の崩壊…等も描く。

    巻頭の「ドイツ帝国」の勢力図を見れば、まさにヨーロッパの現状が一目瞭然である。

    本書を読み、とりわけ、ドイツ、フランス、ロシアに対するイメージが大きく変わった。
    国家の基本的な性格は、歴史に学ぶことでよく知ることができると再認識した。

    ただ、「なぜそう言えるのか」というところの根拠、論理の説明が不十分なところが随所に見られる。

    また、翻訳が基本的に読みにくいのが大変

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    2016年02月13日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    本書を駆け足で読み、エマニュエル・トッド来日講演を聴きに行った。サブタイトルが原題では「宗教的危機の社会学」であり、文庫化に際してこちらがメインタイトルとなったことから分かるように、トッドはシャルリ・エブド事件やそれに続くイスラム系組織によるテロを主題にしているのではない。現在のフランスが置かれた状況から、普遍的な公式を導き出そうとしている。その答えが「宗教の危機がイデオロギーの危機に転移する」ということだという。

    19世紀にパリ盆地においてカトリックのおよそ半分が消滅するという宗教的危機があった時には、フランス革命という人類史に残るイデオロギーの大転換があった。

    20世紀初頭には北部ヨー

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    2016年02月01日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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     かなり前に、ヨーロッパ問題とはドイツ問題のことだ、と聞いたことがあるが、実際にその通りになっていることが特にギリシャ危機以降に顕著になってきた。ECが統一通貨ユーロを採用したことで、ドイツとその他の国の関係になってしまったのだ。
     このことをさらに発展させてアメリカと対立すると警告しているのが本書である。もはやドイツ帝国であると言うが、現状をシビアに考察すれば、やや過激ではあるがそんなに突飛な意見ではない。その辺の考察をインタビュー風にまとめた本であり、なるほどねと思うところもある。難しい言い回しも多々出て来て分かりにくいところもあるけど。
     つまり本書は書き下ろしではなく、2011~201

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    2015年12月24日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    トッドの部分を抜き読みするだけでも、現代国際社会の問題点の一端を知る事ができる。

    『有効な手立てを打ちたいなら、方向転換を成功させるには、まず次の事実を受け入れなければなりません。多くの人は受動的で、現状に対して協力的であり、とりわけ高年齢層はそうだということです』

     日本の現状を言い当てているのか…

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    2015年01月04日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    グローバル化とよく叫ばれる中でグローバル化を分かりやすく批判的のとらえた一冊。
    読み進める前には国境が取り払われ、規制緩和が進む現代において、保護主義的な政策の重要性を説くのは一見ナンセンスに感じた。でも違った。決して保護主義政策をとって自国を鎖国状態にするということを主張しているのではなく、グローバル化の負の影響にも目を向ける必要性を訴えているように僕は感じた。なぜグローバル化が発生したのか?どうしてこれほど現代はグローバル化を謳うのか?グローバル化の正・負それぞれの影響は何か?こういった点を理解し、グローバル化の本質にせまる理解をしておくことが現代経済を見つめるためには必要だと感じた。

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    2014年11月29日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    自由貿易で世界経済が復活するということに対して警告を発する。世界の経済成長率が、新自由主義が勃興する前後で約3%から1.5%へと落ちている事実など、必ずしも寄与していないという。日本では、小泉政権、そして安部政権でも、これを称賛する動きがあったのも事実。企業が儲かれば、法人税も沢山入り、国も潤うかもしれない。しかし、利益の代償として働く者の給料が減ってしまっては、企業栄えて、国滅ぶにならないだろうか。一部の富裕層のために、それはあるというのは、アメリカ、西欧を見て納得してしまう。自由主義という言葉から連想するのは、解放、個人かもしれないけど、成熟した個人ばかりの社会とは限らない。むしろ、大多数

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    2014年09月22日
  • グローバリズムが世界を滅ぼす

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    京都大学で行われたシンポジウムの書籍化。
    グローバル化は、不可逆で必然的な流れなどではなく、抑制できる、すべきであること。
    ネオリベは、劣化したエリートが自己利益増大化に利用するために飛びついただけの空疎なイデオロギーであること。
    グローバリズムを抑制するには、保守に立ち返ることが議論されています。

    トッドの話を聞くと、フランスも同じなんだなとワロてしまいます。苦笑です。

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    2014年07月09日
  • 2030 来たるべき世界

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    売れ筋、新刊という事手にしました。トッド氏の見解の基本は「西洋の敗北」、即ち崩壊後のソ連、大戦後の中国が実力をつけてきた一方で、世界の警察を自負していた米国が国内から自己崩壊してきたというもの。大国に挟まれた、経済大国の日本の立ち位置が問われ、ややもすると現内閣の右傾化が揶揄される中、米国、中国、ロシアに対しても「ノーと言える」国であって欲しい。
    全般的に難しい内容でした!AIによる要約もよくわかりません。どなたか要すれば何が言いたいのか教えて欲しいです!

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    2026年04月06日
  • 2030 来たるべき世界

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    知の巨人達から見た世界。
    イラン戦争が本格化している2026年3月。
    冷静な目で世界を見続けるヒントが多く散りばめられていた。

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    2026年03月17日
  • 西洋の敗北と日本の選択

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    ユダヤ系フランス人の歴史人口学者・家族人類学者による論考集。

    米国・イスラエルをことさら危険視し、ロシアや中国寄りに見える筆者の立場には疑問だが、リベラルな欧米主流の主張とは一線を画す、中国以外の日本を含む東アジア諸国の核武装を推奨したり、米国からの離脱を勧めるなどの独自の言説は時局柄参考になる。

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    2026年03月06日