エマニュエル・トッドのレビュー一覧
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グローバリズム以後
・アメリカが帝国となって以降、30年がたち、1世代変わった。帝国というものは、帝国の中枢こそは良いが、帝国の中にいながら辺境にいる人間にとっては良いことはないため、辺境の人々が帝国をやめようというエネルギーを発し始めた。アングロサクソンは根本的に不平等なシステムをとりやすいが、アメリカが自由平等の国としていることが出来たのは、内部に黒人差別をすることで辺境を確保し、不平等を発散していたからである。しかし、黒人解放以後、平等化が進み、白人も辺境に追いやられることで考え方が変化し、国民国家に向けて進み始めた。
・欧州は分断に向かっている。それは、一致させるべき明確なビジョンの -
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「グローバル資本主義によって経済は成長する」と信じられてきましたが、実際のデータを客観的に眺めてみれば、真実はまったく逆であって、「グローバリズムは成長を鈍化させる」
グローバル資本主義を推し進める人々は、ビジネスに自由さえ与えれば富も雇用も創出され、最大限の成長があると信じてきた
アメリカにしても日本にしても「国による産業保護」という規制が成長を生ん
アメリカが、実は世界で最も強力な産業政策を行っているのです。インターネットにせよ、半導体にせよ、航空機にせよ、研究開発を支援したのは国防総省や軍などの政府機関
グローバリズムは国境を前提にしないものであって、国境が存在することを前提とした上で、 -
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米国でトランプが登場したり、英国がEUから離脱をするなどグローバリズムが崩壊に向かうとして、今後の世界を人類学の観点から予見する。
1998年~2016年のインタビューを取りまとめた本なので、まとまりに欠けるきらいがありますが、不平等を容認してきたアングロサクソンもこれ以上容認できなくなっている中間層の崩壊。アングロサクソンは、子供が大きくなると直ぐ独立させるので文化が世代を超えて伝承しない。識字率が上がって出生率が下がるのは近代化危機の兆候など、興味深い考察が満載です。
また、日本には移民はほとんどいないが派遣労働者が同じような扱いを受けているとあるのが印象的でした。 -
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自分の、世界情勢、とりわけヨーロッパ情勢への理解がたりないことを棚に上げて言う。
インタビュー集なので、読みやすいと言えば読みやすいけれど、納得できる感覚が得られにくい。
対談やインタビューの宿命かもしれないけれど。
例えば。
ハワイやインドネシアで育ったオバマ大統領が、ヨーロッパ情勢に疎かったという指摘は、そうなのかも、と思える。
アジア重視の外交政策をとっていたことも知っている。
ただ、再選後から、ウクライナ危機までのオバマ政権の外交策は、「見せかけだけでない革新的な知性によるものだった」と評価だけ書かれていて、どういう面を評価しているのかが、よくわからない。
この人のヴィジョンは、次 -
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ネタバレドイツがヨーロッパでどのような役割を果たし、それによってヨーロッパを変質させて行っているかがわかる本。
■学び
ドイツのように、他国(東欧圏)に対して、賃金が安いが質のよい労働力を確保して、そこでの生産および利益が、自国ないし自国経済の登場人物に還流する仕組み(帝国のシステム)を作りだす志向性を持たなければならないということ。
つまりは、自らそれを志向しなければ、他の帝国を志向する隣人に、位置付けられ、利用され、下位序列化されてしまい、そのシステムから抜け出せなくなるということ。フランスがドイツに飲み込まれてしまっているように。
■気づき
金融資本を操る超富裕層が、国家に金を借りさせてい -
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陳腐なシャルリ事件解説書かと思ったらかなり硬派なフランス社会論だった。フランス一般の捉え方に異を唱えるタイプの本なので最初の一冊には向いていない。ただ、読む価値はある。
そもそもライシテの歴史を踏まえた「俺たちが政教分離を守っているのだからお前らも守れ」という主張が正しいのかを検証し、またデモ参加者の地域が都市部に偏っていることを論証する。(フランスでは都市と地方の格差が深刻である)
とはいえ、新書の紙幅上仕方ないが、反EUなど従来の主張を繰り返して紙幅を費やし、かつアプリオリにされている部分が多く論証が足りておらず、また主として人口統計に依存した切り口では物足りない部分が多いため、全体として -
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ちょっとトリッキーに喋り過ぎて、暴論ぶちまけた感がある。寡頭金融支配層が世の中を都合良く動かしている現状を打破するには、輪転機を回すこと。つまり、国家の負債先は金持ちであり、血税が金持ちに回るメカニズムが出来上がっている。それを直すには、政府債務のデフォルトなのだろうか。
金持ちが世の中を支配する構図は、我々誰しもが気付いている。いや、我々が金に支配されていて、その金が自動的に与えられる階級が存在するという事実がある、と言うべきか。お金の暴走を防ぐために、一応の法律が設けられてはいる。そのため、我々は、完全にお金の奴隷になるわけではない。お金があっても、今すぐ人を立ち退かせたり、その人の妻を -
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借りたもの。
ロシアのウクライナへの介入に端を発した対立構造、欧米 vs. ロシアという図式は、かつての冷戦のぶり返しでは無いことを著者は指摘する。
西側諸国のロシアを悪のように見立てる報道に対して「待った」をかける視点は大切だと思う。
ロシアは戦争をしたい訳ではなく、ウクライナへの介入は対ロシア包囲網を恐れていること、プーチン大統領は立ち直りつつあるロシアの国力まだ脆弱であることを自負していると分析。
ユーロ、ひいてはEUを経済面から動かしているドイツ――その影響力から「ドイツ帝国」とし、世界は独・米・露の三つ巴の勢力争いになっているという。
そしてこの均衡が崩れた時を懸念する。
経済