エマニュエル・トッドのレビュー一覧

  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    トッドにはかねてから興味はあったのだが、ぶあつい著作にはなかなか手が出なかった。これはインタビュー・講演や雑誌への寄稿をまとめたお手軽な新書。現時点で最新のようでもあるので気軽に手にとってみた。時事ネタを扱っているのも良いし、なるほどとうならせる箇所も多いのだが、一方で分量ゆえ仕方ないながら、踏み込み不足というか物足りない感じもある。なかなかうまい広告なのかもしれない。

    1,2はBrexitに関する論考で、やや内容はかぶる。本書の中では小手調べ的なかんじ

    3はトッド自身の仕事や方法論を振り返っており、初読の身には大変おもしろかった

    4は人口学による各国近未来予測、これも興味深い

    5は中

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    2018年11月05日
  • トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲

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    【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】
    ・実は賞味はペラペラ。そうでなくても薄めの本書の1/7はトランプの演説(ちなみに1/7がトッドのインタビュー)。

    ・しかも実は最近、少し食傷気味の佐藤優。それでも高めの評価なのは、

     知らなかったラインホールド・ニーバーについて少し知ることができた
     田中宇の主張が的外れではないことを確認できた

     から。

    【目次】

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    2018年10月28日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    日本人にはない視点で世界情勢を分析するトッド氏。漂流する超大国アメリカとアメリカが唯一の同盟国である日本。中国やロシアとの関係も含め、舵取りが難しい。

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    2018年10月27日
  • トランプは世界をどう変えるか? 「デモクラシー」の逆襲

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    トランプのアメリカ大統領就任について、エマニュエル・トッドと佐藤優の2人が分析したもの。

    当然ながらアメリカ国内にいるのと日本から見るのとででは微妙に見方は違うものの、どちらも非常に冷静な分析で勉強になった。

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    2018年04月28日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    ネタバレ

    第7章の「富裕層に使える国家」が面白かった。その次が第8章の「ユーロが陥落する日」。前半のグルジア/ジョージア問題はあのあたりの地理や背景にもう少し私自身が詳しくなると面白さが増すのではないかと自分の力不足を感じているところ。
    トッド先生は、ほんとにドイツの事嫌いなんじゃないかと思いますが、それ以上にフランスに歯がゆさを感じているのだとよく伝わってきます。あと、日本人がドイツと日本を同一視したり同カテゴリに置いたり、過度に親近感を抱く節があるのはちょっと本来のあり様から外れているよ、という指摘は結構重要だと思っています。
    日本について論じているところが読みたい人は編集後記を先に呼んで参照ページ

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    2018年02月03日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    20180111〜0131 2015年1月の「シャルリ・エブド」襲撃事件を受けてフランス各地で行われた「私はシャルリ」デモ。「表現の自由」を掲げたこのデモは、実は自己欺瞞的で無自覚に排外主義であった-- と、著者は断じる。私も、これら一連の事件とデモは、とても違和感を覚えた。この事件の背景にある事象ーー宗教の衰退と格差拡大による西欧の没落について分析している。
    以下、私の感想;
    訳文がやや硬いせいもあるが、読むのに少し難儀した。この回りくどさはさすがフランス人の文章というべきか。
    崩壊しつつあるカトリシズムを「ゾンビ・カトリシズム」と述べているが、ゾンビという単語が先走ってしまい、色物のように

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    2018年02月24日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    ロシアは日本には大事だと思う。中国とはもっとうまくやれそうな気はするが。それにしても、フランスで起こっていることと日本で今起きていることのなんと似ていることか。スケープゴートがイスラムか、中韓なのかの違いだけで。

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    2017年11月18日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    フランス人の作者から見ると、やはり問題は天敵ドイツなのでしょう。もちろん、最近のドイツの一人勝ちは日本にいてさえ見えてはいます。でも、周辺諸国がどれくらい虐げられてるのか、それをどう思ってるのか、それとも思ってないのか、その辺までは分からなかった。

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    2017年11月07日
  • シャルリとは誰か? 人種差別と没落する西欧

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    力強い一冊。とにかく一行、一言に力がこもっていて読む方も力負けしないようにしないと折れてしまいそうになる。
    自分は「私はシャルリ」に違和感を覚えたが、その違和感がなんだったのかが明確に記されていてわかりやすい。

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    2017年11月27日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    人口学者の視点から見たヨーロッパとはどう見えるのか、というよりもすでにヨーロッパというものは存在していない、とまで言い切る著者の魅力は素晴らしい。
    今回は日本についての記述が多く、フランスの人口学者から見た今の日本(というネーションに存在する自分自身)についての客観的な視点が得られるのも素晴らしい。

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    2017年11月03日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    フランスの学者 エマニュエル・トッド氏のインタビューをまとめた本。
    ちょっと違う独特な世界観が新鮮。


    以下、読書メモ:
    夢の時代の終わり
    米国 エリートへの反乱 最低限の安全を脅かさることへの抵抗
    EUは崩壊へ 移民への対応
    世界は接近するが一致はしない

    暴力・分断・ニヒリズム
    ニヒリズムとは、あらゆる価値の否定、死の美化、破壊の意思を指す。
    先進国の考察
    信仰システムの崩壊=共同体的な展望の欠如
    高齢化
    女性の地位の向上=教育革命
    不平等を受け入れる日本
    指導層はテロを利用している

    グローバル化と民主主義の危機
    国家の再浮上 多数を占める中高年が若者にかか

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    2017年09月05日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    ヨーロッパ内部の視点から世界がどう見えるか、とても面白かった。家族の成り立ちが政治イデオロギーの成り立ちに影響を与えているという主張は、一見無理矢理感があるが、家族の成り立ちを決める根源的な好き嫌いが社会の構造に影響を与えるのはもっともと思えた。

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    2017年09月03日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    ちょうど、平行して読み漁っている水野和夫氏の著書とも通じる部分がある。(当然、異なる部分もあるが)
    その中で、やはりエマニュエル・トッド氏の主張を特徴付け、説得力を持たせるのは、氏のバックグラウンドである、文化人類学や人口学の観点からの指摘であろう。
    出生率の低下を根拠にイランが近代化の過程であると指摘し、家族制度を根拠に日本やドイツには不平等を受け入れる社会的背景という。さらには、民主主義の発展に不可欠な、国民の識字率や高等教育の発展などがさらに進むと、教育格差として不平等の定着につながるとの指摘も、改めて慧眼であると感じた。

    そして、リーマンショックなどの金融危機以降、世界がグローバル化

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    2017年08月13日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    先進国、つまりヨーロッパ(特に英、独、仏)とアメリカ、日本の行き詰った現状についての解説本。
    著者はフランス人なのですが、長期的な歴史の視野に立って現代を観察してるんですね。
    アメリカ人やイギリス人(独立志向が強く、かつ差別に寛容、よって「自分さえよければ良い」思考に陥ってる)社会とほかの国との比較が語られて、とっても興味深かったです。
    国際的視野ってのは、実は単にアメリカ的視野になりがちですが、実は全然違うんですよね。
    たまにヨーロッパ人の視野で話を聞くと全然違って面白いです。

    ただ残念だったのは、朝日新聞に掲載されたインタビューをもとにしている割には、文章がわかりずらい。
    翻訳が今一つ・

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    2017年08月02日
  • 「ドイツ帝国」が世界を破滅させる 日本人への警告

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    指摘されているドイツと日本の類似性を知らなかった。
    Todd の「燃え上がるレトリックに騙されてはいけないわけですね...。」と対談者が言うのが象徴的。

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    2017年07月01日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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     最近読みはじめたトッド本、3冊目。前の本より手前味噌感がなくもないが、明快な主張は良い。イギリスとドイツ、アメリカ(ついでに日本も)を中心に、イギリスEU脱退直前の状況を分析する。
     現在、まさに脱退後の混乱状態にあるので、続書が出るはず。これをぜひ読み、比べたい。

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    2017年06月08日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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     本書は書下ろしではなく、7編の時事論集である。すべてBrexitやパリ多発テロなど2015-16年頃のものなので、当然ながら似ている内容が多い。また、ほとんどが日本で収録または日本で発表されたものということで、日本に言及した部分も多い。
     ヨーロッパを主にした世界情勢論、家族形態の歴史に基づく文明論、などが展開されているが、いかに日本人向けにアレンジされて読みやすくなっているとはいえ、決して理解が容易な内容ではない。編をまたいて繰り返されることで、辛うじてぼんやりと分かったような気にさせてくれるが、それは本書の主張を支持するものである。
     氏の論調は自国では批判が多いようだが、世界は難しい問

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    2017年05月13日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    短編や講演をまとめた為か、体系だった論点というより、気付きをもらえる本。
    自由を強制される西洋に対し、自由に限界があると認識している日本の方が内面的に自由でいられるというのは、欧米はポリティカル・コレクトネスが行き過ぎてしまった、とも重なるのだろうか。
    大家族主義の国家で共産主義が発達し、各家族主義の国家では発達しなかった、というのは結果論では納得できるし、EUの移民許容度を内婚率(イトコと結婚率)で説明するも興味深いが、その論点だけの説明は、危険なプロパガンダと感じた。(すべて、それが原因なの?)
    本人の主義にのっとり、多様化した視点を聞きたい。

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    2017年05月23日
  • 問題は英国ではない、EUなのだ 21世紀の新・国家論

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    グローバリゼーションの崩壊から、
    『多様性の共生』へ。

    人類学的見地からの、家族構成、家族システムによる相違を言及した視点は、非常に感心させられた。

    コチラの本は、これまでのと違って、非常に読みやすく、個人的にはほぼ納得がいくものであった。

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    2017年01月30日
  • グローバリズム以後 アメリカ帝国の失墜と日本の運命

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    アフガニスタン、パキスタン、サウジアラビアは中世のまま。近代化のバックラッシュとしての過激派。
    フランス革命、ナチス、大日本帝国などの狂気も同じ、前近代への揺り戻しの一つと。

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    2017年01月22日