エマニュエル・トッドのレビュー一覧

  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    3年前に「第三次世界大戦はもう始まっている」を読んだ時は、「この人、何言ってるんだろう」って感じだったけど、今改めて見ると、結構腑に落ちるね。ウクライナの州別棄権投票とか、人口1000人当たりの乳幼児の死亡率とか、エンジニアの数が圧倒的に米国がロシアより少ないとか、今まで誰も注目してない数値が興味深い。アメリカの実質GDPが見せがけの数値でしかないのも驚きだ。特に米国の一人当たりGDPは偽物で、ドルを生産する為になっていると言うのは、その数値は所与とばっかり思って来たので、目からウロコでしたね。

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    2025年11月16日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    ネタバレ

    この本は、自分がこれまで持っていた価値観をかなり大きくゆさぶってくれる本でした。自分は、この本を読むような人の多くとおそらく共通して、日本でエリート層に属しているとおそらく言えることと思います。一方で世界情勢についてはこのような本を読んだことはなく、新聞に書いてある物の見方を受け入れてきました。すなわち、次のような考え方です。ウクライナはその全土に対して権利があり、その全土をロシアに対して守り切るのが望ましい決着である。米国を中心とした「グローバル化」の進行は受け入れるべき望ましいことであり、また必然として世界を覆っていくだろう。彼らの文化の一つである同性愛やトランスジェンダーの容認についても

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    2025年11月03日
  • 第三次世界大戦はもう始まっている

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    西洋の敗北とあわせてエマニュエル・トッド。日本では西側フィルターの情報が多い中で、アンチ西側、フィルターをできるだけ外して世界を見た時、ウクライナ問題とは何かをズバリと。
    良い本。

    ロシアウクライナ問題。西側諸国に都合のいい目線ではない切り口。そう、つまるところ、西側諸国の資本主義は寿命を迎えつつあって、NATOは自分たちの食い扶持のために侵略していっているのだ。ロシアがウクライナに戦争をしかけたのは、ウクライナという小国を侵略したいのではなく、西側諸国、アメリカにもう勘弁してくれと手を上げたわけだ。
    第三次世界対戦となるかは分からないけれど、中国が台湾をどうにかするのは時間の問題だろうし、

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    2025年11月02日
  • 西洋の敗北と日本の選択

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    西洋の敗北。読む前にも薄々と感じていたアメリカの危うさ、ヨーロッパも力がない感じ、そして得体の知れないロシア、中国のパワー。そういったことが、読むとスッキリとしました。
    そうか、西洋は敗北していたのか、そう言われると、いろんなことが腑に落ちる、そういう本でした。
    少し偏ったところはあるにせよ、良い本でした。

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    2025年11月02日
  • 西洋の敗北と日本の選択

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    西洋の敗北。狭義の西洋である米英仏にはもはやエンジニアも技術者も労働者はおらずものは作れない。広義の西洋である日独はモノづくりは残っているが米国の保護国になってしまっている。

    宗教ゼロ状態の米英仏はウクライナ戦争への大義も戦略もなく場当たり的に進め、兵器製造の観点からして敗北は必至。
    経済制裁もGDPでは測れないロシアの経済力を見誤っており、効果はでない。

    BRICS諸国、グローバルサウスの反西洋の動きも見えていない。

    トランプの生産を国内に回帰させようとする保護主義はもはや手遅れで、いくら関税をかけても優秀なエンジニアや労働者がいない国で良いものはつくれない。プロテスタント的な労働観が

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    2025年10月26日
  • 西洋の敗北と日本の選択

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    いま、個人的に最も信頼できる知識人がエマニュエル・トッドだと思う。その世界認識は極めてラディカルかつ本質的である。
    トッドは言う。

    私自身の世界である「西洋の民主主義」を、共につくり出した英国、米国、フランスの三極が、いま崩壊しつつある。−中略−英米仏という三極の崩壊は、価値観の面でとくに著しい。西洋の「労働倫理」は言うまでもなく、より一般的に、「自由」「知性」「批判的思考」、理解と前進を可能にする「人間の理性」といった理想や価値観が消滅しつつある。「進歩」という理想が崩壊している。

    この言葉はペシミズムから来ているのではない。冷徹なリアリストの診断なのだ。
    そして世界における日本の位置づ

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    2025年10月14日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    ロシアのウクライナ進攻が始まって随分経つ。ヨーロッパもアメリカも内的崩壊が進んでいる。
    そのような中で、女性総理率いる日本はどのように舵を切っていくべきなのか。深く考えさせられた。

    似たような主題の本が多い中で、信頼できる内容だと感じた。

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    2025年10月13日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    西洋で蔓延る閉塞感,そこで台頭するポピュリスト.なぜ西洋はロシアに勝てないのか?世界は西洋社会を目標にして来たはずだったのでは?
    結論から言うと,もうどうしようもない.トランプの登場は必然である.日本も後を追うように坂を転げ落ちていっている.

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    2025年10月09日
  • 西洋の敗北と日本の選択

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    おもしろい視点です
    なるほどな、私たちが薄々感じていたことを
    明確に表現されてます

    アメリカに同調しすぎない
    属国からの脱却が
    今、求められようとしているのかもしれない

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    2025年09月25日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    ネタバレ

    実家に帰ると、よく「お兄ちゃん」と飯を食いに行きます。
    血はつながっていないけれど、小さい頃からいろいろとお世話いただいた人です。
    ちょっとアウトローなところがありますが、気のよい人です。

    少し前の話になりますが、お兄ちゃんはウクライナ戦争に触れて・・・

     「プーチンの○○○○が・・・」
     「あいつはほんとに××だな」

    と、まぁプーチンのことを口を極めて罵ります。
    テレビのニュースを観てればそうなるのも無理はありません。
    わたしもどっちかというとそっち側です。

    このトッドさんの本には、ざっくり言うとこんなことが書かれています。

     ・おかしいのはロシアではなく、西側のほうだ
     ・西側は

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    2025年09月11日
  • 第三次世界大戦はもう始まっている

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    いち大衆の立場からすると、正直ジレンマ。ウクライナ戦争に至った諸悪の根源が欧米にあるというのは確かにそのとおりかもしれない。ロシアが生存権をかけて戦っているのも事実であろう(それはイスラエルも同じこと)。じゃあ、本来あるべきはロシアに対する同情論か、というとそれも違うと思う。綺麗事に聞こえるかもしれないが、とにかく早く戦争をやめさせるのが先決。でないとベトナムの二の舞になる。気持ち悪いのは、ベトナム戦争のときは米国内で反戦デモが活発だったのに、今回はそういう動きが聞こえない。直接兵士を送ってないから?それともまだまだ世界は事実を知らないから?

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    2025年09月06日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    現在の日本における風潮であるリベラルの没落、外国人嫌い、ポピュリズム政党の台頭は広義の西洋諸国に共通の現象である。
    その根っこにあるのは、宗教のゾンビ化から無し状態である。それを表す現象はLGBTや同性婚。その変化により国民国家を結びつけていた集合的意識が解体され、結びつきが希薄になり、人々の不安感が増大している結果である。経済的な側面から言えば、富裕層と貧困層への2極化。
    それに真っ向から異を唱えたのがロシア。ウクライナ侵攻以降のグローバルサウスのロシアへの共感は西洋の欺瞞への反発の表れ。それに気付いていないのが、西洋国家のエリート層。

    もはや西洋には、世界を支配する軍事力経済力宗教がない

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    2025年08月25日
  • 我々はどこから来て、今どこにいるのか? 上 アングロサクソンがなぜ覇権を握ったか

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    家族構造や宗教そして教育という、我々の心理を深い次元で司る要素の分析を通して、それぞれの国の政治や経済がなぜ現在のようになっているのかを読み解く書である。無意識・下意識の階層にある何かが、目に見えるものを支配しているという考えには、大いに納得できるものがあった。

    核家族か共同体家族かあるいは直系家族か、という言い回しが数多く登場する。核家族はホモ・サピエンスの原初的家族形態であり、むしろ直系家族のほうが最新なのである。ただ、絶対的な核家族は、創造的破壊が非常に得意である一方、技術や知識の継承という観点で直系家族に劣る側面がある。産業面で成功している中国・インド・日本・ドイツを観れば頷ける主張

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    2025年07月19日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    ネタバレ

     このような、「現実をちゃんと見ろ」系でちゃんとした本は参考になる。

     アメリカは国として行き詰っており、モノを作ることができない。(ウクライナ戦に武器を十分に供与できない)アメリカはまさに今(2025年7月)、貿易不均衡の是正を求めて関税をかけようとしているが、不均衡の解消といってもそもそもアメリカで製造されているモノはどんどん少なくなっている。著者は、「アメリカの最大の輸出商品はドルそのもの」とする。

     アメリカやヨーロッパ諸国では乳幼児死亡率や男性の平均寿命などに悪化の兆しがしっかりと現れている。いろいろな指標をアメリカとロシアで比べると国家としての底力はロシアの方が、ある。

     な

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    2025年07月13日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    オーディブルだったので、基本的にはながら聞き。しかし内容量が多いので文字では挫折していたかも。
    2024年11月発行で作家はフランスの人類学者。人口統計と家族累計型から、人類のあり様を思考している。

    ロシア×ウクライナ戦争は、当初はロシアの戦車はボロだとか西側はウクライナの味方だとかでやたらと勢いが良かったが、なかなか収まらない。そもそもこの戦争は避けられなかったのか。妥協点は見いだせなかったのだろうか。ロシアにしろウクライナにしろ戦争を始めた人たちに命の危険はなくて、市井の人々、特に子供たちが犠牲になっている。自分が聞いていた情報がどこか違っていた…というより事象はそんなに単純ではないとい

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    2025年05月30日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

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    実は「西洋の敗北」に興味があって、そちらを読もうとしたけど、金額の高さと、もしかしたら難解かもしれないと思ったので、まずは「入門」とついているこちらを読んだ。意外にもわかりやすく、またいまの世界の見方が変わってしまうような衝撃をうけた。一番ショックを受けたのは、日本は軍拡はせずに、核装備をして時間稼ぎをして、じっくりと考えるべきだという件だ。核なんてもっての他だと思っていたが、少し心を揺さぶられた。さて次は「西洋の敗北」に挑戦してみよう。

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    2025年05月10日
  • 西洋の敗北 日本と世界に何が起きるのか

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    平均余命や乳幼児期死亡率からこんなこともわかるんだなぁ、そしてアメリカの軍事産業がまったく脆弱であることを知れたのが本書を読んで良かったところ。そしてロシアのしたたかさ、用意周到さにも感嘆させられた。

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    2025年05月06日
  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来

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    ネタバレ

    はじめに

    1戦争、ニヒリズム、耐え難い不平等を超えて
    エマニュエル・トッド
    現代世界は「ローマ帝国」の崩壊後に似ている
    ・私たちの生活を変えるでしょう。存在しなかったら、私たちはより悪い状況におちいっていたでしょう。
    ・人類には「歴史」の感覚が必要。
    ・私たちは謙虚でなければいけません。
    ・長期的な視点で物事を考えなくなりました。「自分たちがどこから来たのか:「何を生き延びてきたのか」「何を成し遂げてきたのか」といったことを考えるのをやめてしまいました。
    ・ある種の健忘症のようなもので…ショックが容赦ないほど大きすぎたのでしょう。…ショックが大きすぎました。そのため、私たちはかっての自分との

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    2024年12月23日
  • 人類の終着点 戦争、AI、ヒューマニティの未来

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    世界の知性と言われる方々が、現代の状況や課題を読み解くもの。時々こういうの読むと考えが整理できて良い。ただし、批判的に読むことも大事。トランプ政権になった米国、世界はどうなるのか。AIと人間はどう付き合っていくのか、などヒントがいっぱい。

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    2024年11月24日
  • トッド人類史入門 西洋の没落

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    アメリカ型のものの見方では世界の見方を誤るなぁとトッド氏の書籍を読むたびに感じる。この本はインタビューや対話の寄せ集めではあるがトッド氏の考え方の入門として読みやすい。これを機にトッド氏の著書にチャレンジしてみたい。

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    2024年09月17日