齋藤孝のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
著者のベストセラー『語彙力こそが教養である』の姉妹本に位置する「文脈力」について述べた新書。文章とはその一文一文がつながりをもつ「意味の織物」であり、その連なる意味を的確につかまえる力を著者は「文脈力」と定義している。ただしそれは文章内に限定されたことではなく、他者との会話や場所、時代にも、そこに確実に脈打つ「意味の流れ」が存在し、それをつかまえる力も文脈力として捉えている。この文脈力を意識して生活することで知性は磨ける、発揮できると著者は述べる。
全七章で200ページほどあるのだが、本書の要となる部分は第二章までの80ページほど。文脈力や知性についての著者独自の理論がとても興味深く勉強 -
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 「学力」の曲がり角
第1章 「新しい学力」とは何か
第2章 新しい学力の「落とし穴」
第3章 本当に求められているものは?
第4章 「源流」に学ぶ
第5章 真の「問題惟解決能力」を鍛えよう
おわりに
<内容>
文科省が2020年以降の学校において”必須”とする「アクティブ・ラーニング(AL)」。今世の中に出ている本は、これを推進するため、あるいはこれを賞賛するものばかりだが、この本はそれに対し「ちょっと待った!」をかけるもの。明治大の教育学の授業では、すでに多くのALの授業をおこなっている著者ならではの問題点の指摘である。評価のしかた・指導者の力量・現存の教師へ -
Posted by ブクログ
私個人がこの本でためになったのは以下2点。
1. 要約力を鍛える
2.言い方でなんとでも言える
1. 要約力を鍛える
ビジネスマンだけでなく、全ての人に必要な能力だと思った。要約することの大切さの説明も説得力があり良かった。私には「相手の話される内容を要約することで、話を聞いてくれていると思ってもらえる」という説明が印象的だった。
2. 言い方でなんとでも言える
この考え方は重要な気がした。例えば自分は上司に怒られたのか、注意されたことによって成長できたのか、捉え方は自由である。良い捉え方をした人が得をする。この考え方は自分の捉え方が全てではなく、他の捉え方はないかと多面的に物事を見るヒン -
Posted by ブクログ
借りたもの。
ビジネスシーンで素っ気なくなりがちな文章にユーモアを織り交ぜて、コミュニケーションツールとして強化し、ビジネスチャンスを得るための書き方を推奨する指南本。
例文集ではなく、文章の“あやつり方”、メリハリのつけ方について解説。
一種の編集術についてだった。
それが新しいアイデアを生み出すきっかけにもなるという。
”三つの単語、通過地点を決めて三段論法で文章をつくる”
現代はパソコンが進化し、より編集がしやすい時代。
書いては消しの編集がよりたやすくできるようになったので、パソコンを駆使し、編集力を高められると著者は提案。
パソコンを駆使し、三つの単語を大前提、小前提、結論の順 -
Posted by ブクログ
職場に後輩が増えてきた昨今、
皆、きちんとノートを持っていることに気づく。
えらい。。。えらすぎる。。。
では、皆、何をノートに書いているのだ?
聞いても「たいしたこと書いてないです」と交わされるので、
斎藤先生に頼ってみることにした。
一番、印象的だったのは、
ノートは会議録ではないということ。
板書を写すということ=ノートを取ることだと思い込んでいると、
効果的なノートは取れないということだ。
話を聞きながら、質問・感想等もメモする。
次に自分でもその話を話せるぐらい意識してメモする。
3点に絞って、要点をまとめるつもりでメモする。
なるほど・・・とりあえず形から入ろうかな。
ノート -
Posted by ブクログ
福翁自伝
部活の大先輩に勧められた福沢諭吉の自伝。福沢の破天荒な性格は文章にしてもなお面白く、その生きざまはぜひ真似してみたい。なんといっても福沢の因習にも社会にも全くとらわれない本質思考の姿勢と思い切りのよい性格が彼をここまでの人間にしたのではないかと思う。本質思考といえば、彼が初めて横浜に行った時、彼が苦学して会得したオランダ語が全く通じず、英語を学ぼうと決心したとき、彼が最終的に師事したのは長崎から来た子供であった。儒教的精神の色濃く残る幕末で、学びうるものは子供からでも学ぶという、本質思考はとてもすごい。なんといっても金のなかった福沢は何を学ぶにも無形財産(人脈)を頼りに飛び回り、結 -
Posted by ブクログ
本書は膨大な書物を読まなければならない学者である著者が考案した「速読・多読」の方法論を述べた本である。また、「速読・多読」の方法のみならず読書によって獲得出来る能力にも言及されている。
本をたくさん読みたいのが、読むのが遅く時間もあまり取れないので本書を手に取った。
著者は、読書によって新しい「概念」を獲得し、それを元にオリジナルの考えを出せるようになることが重要だと説く。
速読・多読はそのための手段であり様々な手法が紹介されている。以下に気になったものを幾つか列挙する。
・重要そうな部分に当てをつけ、そこだけを読む「二割読書法」
・引用して人に話すのだと意識して読む「引用ベスト3方式」
-
Posted by ブクログ
ネタバレ古典を紹介しつつ、部分的にそのエッセンスを紹介してくれる良著。ビジネスエリートかは不明であるが、確かに古典は人生の大事なことを教えてくれると思う。自分の知らなかった本に出会えるという意味で、良い本でした。
<メモ>
・古典を読む際には一冊の本をどれだけ吸収できたのかがポイント。どれだけ実際に使えるようになったかが大事。うまく引用できなければ、読んでいることにはならない。完全に理解していなくても引用を心がけてみるといい。
・古典は自分に引き付けながら読むことが大切。マイ古典にしなければ意味がない。
・仕事の種類よりその仕事を自分がどう思うかということが重要。
・私はできることとできないことを知っ -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦後の詰め込み教育から平成のゆとり教育を経て、改めて教育方法の賛否が整理され始めているこの時代において、アクティブラーニングの重要性が叫ばれて久しい。抽象的にアクティブラーニングといってもいろいろな落とし込み方があるが、著者は明治時代以降昭和期における「生活綴方」の作文課題の重要性を提案する。更に時代をさかのぼり、日本が変革期にあった江戸時代から明治時代には、私塾・松下村塾から多くの賢人が輩出された事実を見逃してはならない。新しい教育とは、これまで一度も行われたことの無い方法ではなく、実は約200年前に既に行われていた方法の復活を目指すものであった。生徒の学びへの自主性の喚起の方法も、ただただ
-
Posted by ブクログ
<目次>
まえがき 会話部へのご招待
第1章 会話の構造~会話力は実は上達が早い
第2章 「会話身体」で人間関係力を磨く
第3章 情報交換とは「贈与」と「返礼」の精神
第4章 マインドフルネス~幸福感を味わう
第5章 活字力と「後輩力」で差をつける
第6章 「大人会話力」でパワーアップ
第7章 言葉遣いのセンスを古典と名作に学ぶ
終章 究極の「会話力」
<内容>
世の中でさんざん言われている「コミュニケーション能力」。それは会話力。会話は行ったりきたりなので、自分から話すばかりではなく、相手の話を「聴く」力が必要。さらに、会話はやりとりなので、話をつなぐ力