齋藤孝のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生50年とは、信長の時代の言葉だと思いますが、昔と比べて現在の私達の寿命はかなり延びました。この変化は戦争が終わってから50年程度のことだと思います。平均寿命は80歳程度ですが、最近やたら「人生100年」という言葉を耳にします。
それはそうと、この本では著者の斎藤氏が、50歳を過ぎたら「人生の二週目」が始まると言っています。私は現在55歳(2019.12現在)ですが、思い返せば今から5年程前から、何かが少しずつ変わり始めたなと思います。
ただし変わり始めたばかりなので、その変化には当人は気づきません。本当の変化となって表れるのは、55歳前後ではないでしょうか。私の場合、今年の4月には長女が就職です、次女は留学に行っていて8月に帰国しましたが、すっかり一年で大人になっていて別人のようです。
この本では私のように変化が大きくなってから始めるのではなく、その前段階として「人生の二週目となる50歳」から、色々と意識を変えて二週目に備えなさい、と提言しています。
この数年で定年が延長されて、以前は60歳で年金生活という形が変わりつつありますが、第一線を退くのは、55歳くらいでしょうか、1週目は家族のため、子供のためと捧げてきた人生、二週目は自分のために生きるのも良いのかもしれませんね。
以下は気になったポイントです。
・50歳を過ぎると軸足を「ビジネス社会」や「他者からの評価」に置かなくてもよくなる。その代わりに1周目で経験を積んで養ってきた客観的な評価眼を生かして、仕事ややりたいことを見直せるようになる(p5)
・1周目の勉強は「真善美」を追求していたが、2周目は、一味違った視点から見直す「フェアな審判力」を磨き上げ、新鮮な好奇心・感動・向上感(真善美に基づく高まりたい気持ち(p128)をもって挑むことができる(p7)
・断捨離のテクニックとして、コントロール可能な問題であるかどうか、自分の課題(解決すべき問題)であるかどうか、を考える(p50)
・いかに上手に雑談ができるかが問われるのが人生の2周目である、雑談力を上げるには、幅広く情報を集めて、ネタを仕入れておく必要がある(p63)
・失敗談こそ、他の人は効いていて楽しめる(p64)
・確固とした自分の世界があって、そこで自分を確立している人物が評価されてリスペクトされるようになる、他者をフェアに評価できない人物が、自分をフェアに評価することはできない(p121)
・50歳を過ぎたら、際われないだけで十分、マシと考える。嫌われないように、口臭・体臭を抑えて、こぎれいな身なりにして不快感を与えない(p153)
・雑談のポイントは、1)嫌みを言わない、2)しつこくしない、3)節度と落ち着きがある、4)自慢話をしない、5)相手の話をよく聞く、である(p159)
・2周目は若い頃の人間関係の復活の年代でもある、クラス会・同窓会には参加するべきである(p173)
・古典を読んでみる、万葉集のお薦めとして「万葉の秀歌・ちくま学芸文庫」では、4500首のうち、252首を解説している、それ以外に、徒然草が50代からならお薦め(p191,205)
・1周目が、仕事を通じて給与などの収入を確保する経済力、すなわち「欲望を追求する時代」「責任を全うする時代」だとしたら、2周目は「真善美を追求する時代」である(p206)
・物理学としては、「ゼロから学ぶ物理の1,2,3」「ゼロから学ぶ量子力学」は最適な入門書である(p213)
2020年1月12月日作成 -
Posted by ブクログ
齋藤孝氏の著書『使う哲学』と同時に、2019年を迎えるにあたっての冬休み図書として購入。
人生の折り返し地点を過ぎた歳を迎え、そして元号も新たになる時代を迎えるにあたり、今後の半生をどう生きていこうかと考えることが多くなったので、一度教養人の考えを知ってみようと思ったのが本書を手に取ったきっかけである。
本書はタイトルに"教養力"と謳ってはいるものの、理屈云々より先人の知恵や賢人の事例を基に、著者の体験談を交えながら人生の後半をより充実して生きるためのヒントを与えてくれる。
まず序章にて、人生をいくつかのプロセスに区切る先人の考え方を紹介し、インドの「四住期」の考え方を現代の日本社会向けにアレンジした「新・四住期」を提唱している。
これは、人生を30歳から15年区切りとしたもので、以下のように区分されるとする。
■第一期:「狩猟期」(30~45歳)
■第二期:「ダブルスタンダード期」(45~60歳)
■第三期:「円熟期」(60~75歳)
■第四期:「ゼロ出力期」(75歳以上)
30歳を出発点としている理由は、この年代から本格的に人生が意識されるようになるからということだが、自分自身も仕事とプライベート双方の大変化がきっかけで、30歳から人生を真剣に考えるようになったので、この考え方は非常に共感が持てる。
また、第二期を「ダブルスタンダード期」としているのは、仕事という第一基準と、後半生の準備という第二基準の二つを同じ優先順位で並走させるからということであるが、この点についても自分が今この時期に差し掛かっていることを考えると合点がいく。
このように人生の後半をいくつかのステージに区切ることで、何を優先し、そして何に備えなければならないのかが明確になるといえる。
上記のように人生の後半を区切ったうえで、著者はステージごとに徐々にギアチェンジするよう心掛けるようにし、特に第二期すなわち45歳からは無理に突っ走らないよう注意を促している。
これについても、自分は45歳になってからステップアップを志し、職場も仕事内容もガラリと変えたことが裏目に出てしまい、周囲に多大な迷惑をかけただけでなく、自分自身も心身ともに多大なダメージを被ってしまった経験から、非常に納得のいく言葉であると感じている。
そして序章の最後で、著者は三年分の期間を一塊にして考える「三年パック」の考え方を提唱し、人生を小分けして意味付けしながらポジティブに生きていこうと述べている。
以降の章では、序章の考え方を基にして、趣味、学び、社会貢献、社交、孤独・老い・死との向き合い方が展開されていくが、教養とは何たるかを説いてそれを身に付けるよう啓蒙するというより、序章で取り上げた人生のライフステージを念頭に置きながら、いかにして自分の人生の幅を広げていくか、ということにフォーカスしている点が本書の特徴であるといえる。
個人的には、著者の「高齢になればなるほど話が長くなる傾向にあるので、周囲に疎まれたくなければ年を追うごとに時間を強く意識すべし」というくだりがリアルに心に響いたので、今後の教訓としたい。
そして残りの半生を悔いのないよう生きるために、今置かれている第二期においては、無理をしない程度に60歳以降の準備をあと10数年かけて進めていこうと思えた一冊であった。 -
Posted by ブクログ
本書は、近代日本最大の啓蒙思想家ともいえる福澤諭吉(1835~1901年)が、1875年(明治8年)に発表した『文明論之概略』の現代語訳である。思想家としての福澤が、体系的、包括的に物事を論じたことにおいて、「主著」とも言えるもので、近代日本思想史上の古典ともされる。
本書で福澤は、まず、西洋文明から、外に表れる「事物」の文明を採用するだけでなく、内側に存在する「精神」の文明を得なければならない、と、西洋文明を目指す理由・目的を述べている。
そして、文明の本質について、「文明とは人間交際が次第に改まって良い方に進んでいく様子を形容したものであって、野蛮で無法な独立に対して、一国の体裁をなしていること」、「文明こそは最大最重要なものであり、人間のすべてがこれを目的としている」、「文明は、人間の知性と徳性の進歩である」と述べた上で、知恵と徳性(智徳)について、古来日本で重視された「徳」(特に「私徳」)だけでなく、今後は「智」が大事であることを指摘する。
更に、なぜ西洋文明には自主自由が生まれ、日本には生まれなかったのかが振り返られる。
そして、最終章は、「目的を定めて文明に進む。それしかない。では、その目的とは何か。内外の区別を明らかにして、わが国の独立を保つことである。そしてこの独立を保つ手段は、文明の他にはないのだ。いまの日本人を文明の道に進めるのは、わが国の独立を保つ、ただそれだけのためなのだ。したがって、国の独立は目的であり、国民の文明はそれを実現するための方法と言える」と、強いメッセージで結ばれている。
読み終えてまず感じたのは、明治初期の著作であり、かつ、究極的には、開国後の日本の独立の維持を目的に書かれたものでありつつ、あまり古さを感じさせないことであった。それは、おそらく、明治維新から150年を経て、日本と欧米諸国(世界)の相対的な関係は大きく変化したものの、日本と世界の状況に関しては、変わっていない部分が多いからなのであろう。
(日本に関して)「一国の人民として、その地方の利害を論じる気概がなく、ひとりの人間として自分自身の尊厳を守ろうとする勇気がなければ、何を論じようとも意味がない」。(世界に関して)「文明が進むにしたがって、智徳ともに量を増している。「私」の領域が拡大されて「公」の領域となり、世間一般に公智公徳の及ぶところが広くなって、次第に平和な時代になる。・・・いまから数千年後には、このような状態になるだろうか。私にはわからない。しかし、人間の力でこの究極の太平に到達することができれば、徳の効能もまた無限大と言わざるをえない」。これらの章句に対して、現代に生きる我々は、何とコメントできるのだろうか。。。
日本史上最大の転換期ともいえる明治維新期に、当時最大の思想家のひとりである福澤は何に危機感を持っていたのかを知り、翻って、そこで指摘されていたことは現在どうなっているのかを否応なく考えさせられる古典である。
(2019年11月了) -
Posted by ブクログ
ネタバレ★経験値と達成感が不安を取り除く
大地震が来るかもしれないという不安を持っているひと
家にいるとき、会社にいるとき、移動中、家族は、ペットはどうなる?
漠然とした不安が尽きないが備えや対策をしていれば
いざというときなんとかできるという心境になる。
→対処法をつかんでいると、自分のその場でやるべきことが見え、不安がなくなる
★自分の身の回りのことを考える際、小さく分割したり、順序立てたり整理して考える習慣をつける。
不安「なりやすい人は不安の正体をぼんやりさせたまま心配したり焦ったりする。無駄な時間や労力の費やし。
やるべきことを全力でやるだけだというシンプルな考えは無駄な心の漏電を防ぐ
★★★意識が何かに向かっていると心が安定する
自分の内面へ意識が向かいすぎていると自己内でぐるぐる回転し堂々巡りが起こる。考えれば考えるほど心配ごとが膨らむ
→意識が外側の何かに向かっているとき心が落ち着いてくる。
飛んでいる矢のようなの。的に向かって高速で飛んでいる矢は安定しており、スピードがないとふらふらして落ちる。駒も同じ。
人間も何かを目指して勢いよく運動しているときは心が安定する。
★何かに突き動かされているような使命感を持っている人は熱量と方向性を持って活動しているのでとても強く、自信に満ちて安定している。
→仕事に対しても出世のため、お金のため、生活のためと考えている状態になると意識が内に向かってしまうので仕事をやることは困っている人を助けるため、子供達に笑顔になってもらうためといったミッション感覚を持つと同じ仕事をしていても取り組む姿勢が変わってくる。自分以外のものをケアすることによって自分自身が安定する。
★人の心は他社の森
出会ってきた色々なものの考え方、受けてきた教育、読んだ本、見た映画や芝居聴いた音楽、様々なところで出会ってきた知恵、考え、意見を溜め込んでいる器が「自分」
その中からお気に入りを引っ張り出してきて自己流に解釈した、アウトプットするのが自分の考えというもの。
他社の心を増やして森を豊かにすることで心の支えになる。
★3・2・15呼吸法
★本当の自信に満ちた生き方
①何かを乗り越える経験で自分の芯を作る
②他社との関わりから心の支えを作る
③乗り越える経験をたくさん積み重ねて心の芯を太くし精神のネットワークを広げて心の支え増やすこと
★美輪明宏 人との付き合いは腹6分目
押し付けない。立ち入りすぎない。節度を持って接する。