齋藤孝のレビュー一覧
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三色ボールペンを使った読書術を提唱している著者が、近代日本文学の名作を実例に、小説を読む楽しみを伝えている本です。取り上げられている作品は、芥川龍之介『羅生門』、宮沢賢治『よだかの星』、太宰治『駆込み訴え』、中島敦『山月記』、梶井基次郎『檸檬』、中原中也『汚れっちまった悲しみに……』、三島由紀夫『金閣寺』、志賀直哉『清兵衛と瓢箪』、夏目漱石『こころ』、川端康成『雪国』の10作品です。
さっと本書に目を通した限りでは、三色ボールペンを使うことのメリットは必ずしもはっきりとは見えてこないような気がします。著者の方法にしたがって読書をしようと考えている人で、実際に本に線を引くのに躊躇してしまう、と -
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書いてあることが、この前に読んだ同著者の「『頭がいい』とは、文脈力である」という本と被る部分が多かった。つまりとたとえばの往来の話、三色ボールペンメモ術、もちろん、文脈力そのものについての言及もあった。より普遍的で、一般的な内容になっていたため、目から鱗とはいかなかったが、そんな言葉の中に、「コミュニケーションが上手な人は、どんな人とのコミュニケーションも楽しめる」と書いてあった。至って凡百な内容だが、我が身を振り返り、雷に打たれた心地がした。偏愛は、コミュニケーション力不足。馬が合わない、は逃口上。自分のコミュニケーション力が、如何に不足し、欠如していたかを思い知らされたという意味で、個人的
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・守る者は余力があって、攻勢に出る者はかえって力が足りないといいたい。攻めないで攻むると同じ効果を挙げれば、これこそ攻め方の最上なりと考える。攻めているほうよりも守っているほうが上である。攻めずに攻めるのと同じ効果をあげる。
・「忙しい」の九割は無駄な仕事。
・できる人は大局観を持っている。
・若い時は、経験を積んだ人のように、十分に考え、手落ちのないよう工夫するがよい。年をとってからは、若者の意気と気力を失わないようにするがよい。
・上に立つ者は明らかに物事を洞察し、しかも、おもおもしく穏やかであり、その態度は威厳があって、しかも、へり下って、わだかまりがない。
・誰でも情の起こる -
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ネタバレ大好きな、齋藤孝先生の 座右の名言。
だから 見つけて 直ぐ購入。
声に出して読みたい日本語も。
三色ボールペンで読む日本語も。
すべてが、読んだあと、世界が、広がった気持ちになった。
でも、これは、ちょっと違う。
ナニしろ、前書きは、とても、ドキッとくる。
昔は、論語の暗唱で、日本人の精神も、土台造りができていた。
今の日本人は、精神的土台が薄くなり、弱くなっている。
マイ名言をもつと、名言を、語った人柄、自分のなかに、住んでる感覚になり、味方が沢山ついてる心強さがある。
言葉は、心と精神の骨格を作る素晴らしいものなのだ。
何度も音読して、自分の身体にきざみこませてほしい。
でも、齋藤先生の -
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ネタバレ◆相手に臍を向ける、アイコンタクトを2秒。これだけで相手の印象はガラリと変わる。
◆「作法は自分の身を守る鎧である」三島由紀夫
◆人と接することに疲れるのは、性格的なものというより、対人体力不足、対面運動不足のせい。
◆相手の名前を呼ぶだけで、「1対1」の距離感は圧倒的に縮まり、親しみが湧く。
◆「『おもしろいことがあったんだ』と先に言ってはダメ。先に言っていいのはモノマネだけ」明石家さんま
◆相談のマナー
①相手を利用しようとしてはいけない
②重く深刻な話は周囲の知人には適当に持ちかけるな、人を選べ→その道のプロに
③アドバイスをもらったら、それっきりにしてはいけない→実際にやって -
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ネタバレ明治大学で、コミュニケーション技法などを指導されている斎藤孝先生。「コミュニケーションとはなにか」という定義づけから、その基盤、技法と話が拡がりながら収束して行く流れがとても分かりやすい。この本に書かれていることの殆どは、言い尽くされたことなのかもしれませんが、改めて心に刻みたいことばかりとも言えます。
第三章に「コミュニケーションの技法」についての解説もあり、そこを知りたいという方も少なくないと思いますが、やはり一番大切なのは、何のためにコミュニケーション力が必要なのか?という問いに応えている第一章「コミュニケション力とは」をしっかり把握することだとだと思います。私にとっては、「自由を -
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ネタバレ日本人の教養についての興味関心が戦後から下降線を辿っている。確かに日常で教養を求められることはないから、身に着ける必要性も感じない。むしろ教養をひけらかそうものなら、鼻に付くやつだと見做されかねない。
現在持て囃されているのは手軽で理解しやすいPOPカルチャーだ。しかしそれだけではどうも寂しい気がする。ドストエフスキーの小説など確かに簡単ではないが、作品から溢れるエネルギー、読み切ったときの達成感はライトノベルでは味わえない。教養とは堅苦しいものではなく、人生をより面白いものにするツールなのだ。それは本だけでなく、音楽や美術などでも本物に触れたときに感動できるように教養を身に着けたい。「ア