海堂尊のレビュー一覧
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海堂尊『コロナ黙示録 2020災厄の襲来』宝島社文庫。
『チーム・バチスタの栄光』シリーズの新章ということらしい。『コロナ狂騒録 2021五輪の饗宴』と同時刊行。初読みの作家ではないが『チーム・バチスタの栄光』シリーズは1冊も読んでいない。
当時の政権や社会への過激な諷刺が効いて面白い。中でも安保総理大臣のアホノミクスには笑った。しかし、つい数年前に実際に起きた出来事を実名を仮名にして辿るだけのストーリーには読み疲れし、飽き飽きした。これならノンフィクションの方がましだ。それにしても、刊行タイミングが余りにもタイムリー過ぎる。
時代は平成から令和に変わり、世界も日本も新型コロナウイルス感 -
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先日読んだ『医学のひよこ』の前作。なるほど、こんなことがあったんですねぇ。
まー、藤田教授のえげつないこと。子供の読む本にこんなリアルなヴィランがでてきてええもんか?!と言うぐらい、トラウマティックな嫌さかげんですな。いい人もたくさん出てくるので、まあ救いどころはありますが、。藤田教授1人だけで、すべての気分を破壊する威力がありますわ。無理。
ともかく、本作では、中学生のカオルくんが、いい実験結果をだしてしまい、追試もしていないのにネイチャーと騒ぎだしたワンマン藤田Pが、中学生のカオルくんに全部責任をおっかぶせてごまかそうとするのを、阻止するという、中途半端にリアル風味なアドベンチャー作品。こ -
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海堂先生の作品だから読んでみたい!と思って手に取ってみたが、ミステリー作品ではなく、医学専門書に近いようなものだった。
医学の専門的な内容となってくるとあまり得意ではないので、僕には難しい内容だったので、読むのにかなり苦戦した。
ただ、最初の方に白鳥室長とか別宮さんというなじみのある登場人物を出して、対談形式で話が進む等の工夫がされていたので、素人でも理解出来た。流石だなと思った。
この作品で言う厚労省の官僚や法医学者に限った事ではないが、自分の立場や権益ばかりを優先して、他を省みないと言うような事はどこでもあるんだなぁと考えるとなんとも嫌な気分になった。
ただ、人の命が関わるような医学ではそ -
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ネタバレ2009年の豚インフルエンザ流行を元に書かれた小説とのことだが、
現在のコロナ禍の中で読んでいると色々と考えさせられるものがある。
個人的にはキャメルの話をもっと掘り下げたものが読んでみたかった。
この後「アリアドネの弾丸」に続くとのこと。
マスコミや呑気な一般人にいらいらしてしまった。
本筋とは関係無いが、緊急事態宣言中で空いているからと遊園地へ来て
お金がもったいないとジュースも買い与えず子供を『放し飼い』する親が
コロナ禍中でもいたなぁと思った。
歴史は繰り返し、多くの人は忘れるからこそ
過去の事件を元に執筆した小説がまるで未来予知のようになっているのが
興味深い反面人間の駄目さ加 -
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ネタバレ小説として物語の内容や
最後の結末への展開は面白いとは思います。
でも個人的に、主人公の曾根崎理恵の医療行為は
決して許されることではない犯罪レベルの話なのにそれが曾根崎理恵の個人的考え方から美化されてしまっている結末がとても嫌でした。
フェアとか言いながら本人は分かってやってるからいいのかもしれないけど、それを知らずにいる荒木夫妻や、勝手に知らない間に父親になってるかもしれない清川先生がとても可哀想に思いました。
そして、物語の中で曾根崎理恵が“冷徹な魔女(クール・ウィッチ)”と呼ばれていることに最後の彼女の行為を読み終えた時、ぴったりだと思いました。
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Posted by ブクログ
この作品を読む前に初めて「桜宮サーガ」シリーズに触れる方は、別の作品を読んでからをお勧めします。
個人的にはあまり、シリーズを読んでいないので、作品の魅力の半分ぐらいしか味わえなかったかなと思いました。背景があまりわからなかったため、医師達の日常のような雰囲気を感じました。
この作品では、3編の短編と1編の中編の作品が入っています。
特に表題の「氷獄」は、第1作目「チーム・バチスタの栄光」の続編で、犯人も登場しますので、第1作目を読んでからをお勧めします。
他にも「ジェネラル・ルージュの凱旋」「イノセント・ゲリラの祝祭」「アリアドネの弾丸」「螺鈿迷宮」「ナイチンゲールの沈黙」での出来事や