海堂尊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ震災直後の、被災各地での医師たちの奮闘を描くルポ(インタビュー)集。
医師も人間であり、被災者でもある。そんな彼らが自分のことを脇に置いての医療活動に従事する姿は、とても尊いものだった。
または、関東から自分の病院を置いておいて被災地にかけつけた医師たちも・・・。
それまでして「被災地に医療を」という姿勢を見せている者たちがいる反面の、行政の無理解や不手際や怠慢、という構図はもう、フィクションだけでお腹いっぱいなのに・・・現実にも存在したというのが、やるせなさすぎる話。
※監修者:海堂尊さんの「あとがき」より・・・。
・自著ではなく監修のポジションでしかない本作においてさえなお、“A i ”の有意義さを訴え、それを阻む警察組織や行政のあり方を批判・・・といういつもの海堂節が展開されているのはまあ、ご愛敬というか、お約束というか・・ね。
・同じ被災地であっても、津波が到来したか否かの境界線を境にくっきりと別れた明暗。そこで山と積まれている「瓦礫」は、境界線の外側から見た者の目からは「瓦礫」でしかないものの、線の内側にいて世を去った人々やその遺族には、かけがえのないモノたちであることが多い・・・・。
「瓦礫」とはつまり、所詮当事者ではない者が口にする言葉だ・・・・という、海堂さんの「気づき」に、自分も胸を揺さぶられた。
★3つ、7ポイント半。
2018.02.25.古。 -
Posted by ブクログ
わずか9歳で「コールドスリープ」を選択したアツシ。
涼子は5年の間、献身的にアツシのデータを取り、維持装置を確認し、見守り続けてきた。
しかし、涼子は気づいてしまう。
目覚めてからアツシに襲い掛かるさまざまな困難に・・・。
何を伝えようとしているのか、それは何となくだけれどわかる。
でも、どうしても登場人物たちに感情移入ができない。
この手の物語にそんなものはいらないと言われるかもしれないが、涼子の決断にもいまひとつ説得力を感じなかった。
現代において人間が物語や映像で想像できることは、ほとんどが未来において実現されるだろうと言われている。
だとすれば、この「コールドスリープ」もまたいつかは現実のものとなるのだろう。
驚異的な知識の蓄積は予想外の副産物だろうけれど、覚醒したあとの精神的なケアがいかにも頼りない。
あんなもので5年間も眠り続けた・・・しかも未成年の助けになるとは思えない。
どんなに知能が高くなろうと、精神面での成長がなければ、いずれ人格は崩壊していくしかなのだから。
両親も離婚し、共にアツシの引取りを拒否。
たぶん、結末の場面に他に行き場所のない状態を作るためにそうしたのだろうけれど、感情部分を切り捨てたような設定に少しだけれど興醒めした。
何となく残念な物語だった。 -
Posted by ブクログ
どんなに医療技術が進歩したとしても、触れてはならない聖域があるのかもしれない。
母として、父として、子どもに果たさなければならない責任とは何なのか?
生めば親になるのか。育てていく過程で親になっていくのか。
みどりの選択が正しかったのかどうかはわからない。
ただ、理恵はきっと、以前とは少しだけ違う人間に成長しているような気がする。
理恵なりに良い母親になるような気も・・・。
現在、代理母の法的問題はどうなっているのだろう。
自分に関係のないことは、たぶん報道されていても目に止まらない。
不妊治療の問題も含めて、きちんとした話し合いはされているのだろうか? -
Posted by ブクログ
医療ユーモア短編小説集+α
速水先生のまじめなお話と渡海のまじめなお話しが入ってる
その他は「まったく起こりえない事態ではないかもしれない」お話
人一人が健康に生きるためのコスト、癌の予防&特効薬ができたら、病院にランク付けがあったら等々
ガンコロリンの話のオチは生態学的に考えると面白い
ガイア理論的な考えはある意味で宗教のようなものですからねぇ
表題作に関しては、まったく荒唐無稽なものでもなくなってきている
クイズ番組で高得点をたたき出したIBMのWatsonが今度は医療分野にも展開するというらしいし
そもそも医療はトライアンドエラーの統計学みたいなものだから
過去のデータが膨大にある疾患はビッグデータで診断が可能だろうね
ただ、その信頼度はどの程度かというと疑問ではあるけれども、それは人間の診断でも同じだしなぁ
短編集としてはバランスが悪いけど、海堂尊が好きな人ならいいんじゃないかな