あらすじ
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵、人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。彼女は母に問う。ママ、私の子どもを産んでくれない――? 日本では許されぬ代理出産に悩む、母・山咲みどり。これは誰の子どもか。私が産むのは、子か、孫か。やがて明らかになる魔女の嘘は、母娘の関係を変化させ……。『ジーン・ワルツ』で語られなかった、もう一つの物語。新世紀のメディカル・エンターテインメント第2弾。※【電子版あとがき】をはじめ、ストーリー上の出来事が一目でわかる【桜宮年表】や【作品相関図】、小説・ノンフィクション作品の【海堂尊・全著作リスト】、小説作品の【「桜宮サーガ」年代順リスト】など数々の電子版特典を巻末に収録!
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『ジーン・ワルツ』を読んでから本作を読むことをおすすめします。産婦人科医・曾根崎理恵は母のであるみどりに代理母出産を依頼する。そのみどりから見た代理母出産‥娘のためが赤ちゃんのためにと変わっていくのはある意味自然なことなのかも感じました。続編、読みたいですね!
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テーマは代理母。
日本では今のところ法律で認められていないが、今後法整備が進み選択肢の1つになるのだろうか。
「産む」から母なのか、「遺伝子」から見て母なのか。
そのどちらでもなくても養子を迎えて親子になる場合もあるので、難しい。
代理母を引き受けた女性自身も、この経験を通してしっかりした考えを持って「母」として強くなっていった気がする。
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2017/11/21 ジュンク堂神戸住吉店にて購入。
2024/9/30〜10/3
1年半ぶりの海堂作品。「ジーン・ワルツ」の裏側ということであるが、記録を見ると7年半前に読んでいて、すっかり忘れてしまっていた。「ジーン・ワルツ」は娘の理恵の視点であったが、今作は母親のみどり(だからヴェルデか)の視点で代理母問題が描かれる。さらに、産婦人科医に置かれている状況なども織り込まれており、現代の医療について考えさせられる名作。
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ジーンワルツのスピンオフ作品。ジーンワルツと並行して進んで行くストーリーだが、主役は、年配の女性みどり。タイトル「聖母みどり」を「マドンナ・ヴェルデ」としたところにセンスを感じる。
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「ジーンワルツ」の同じ時間軸の別視点(代理母)からの作品。なのでやはりテーマは代理出産。
両方で一つのストーリー。「ジーンワルツ」だけではもやもやとしていた疑問点が解決した。
クールウィッチ(冷徹な魔女)という言われは今回の作品の方が、不快に思うほど感じ取ることができた。しかし何より人間愛に勝るものはない。というのが私の結論。
裏表?!
著者曰くジーン・ワルツとの裏表の作品。
ジーン・ワルツでは様々なお産の話が、一つの産院で展開され、それを担当する一人の産科医の「出産」の裏表がマドンナ・ヴェルデという物語。
それが先に読んだ「医学のたまご」に繋がっていくという…
改めて、スゴいです!海堂先生。
ここに描かれている課題は、進捗を見せていないようで…
当事者以外にとっては「他人事」。
変わることはないのでしょうか。
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『ジーン・ワルツ』と同じ時間軸で山咲みどり視点で語られる。歳時記と共にゆったり時間が流れている感じが心地良い。みどりのような丁寧な暮らし憧れるなぁ。伸一郎との手紙のやり取りが多いのも書簡集好きには嬉しい。
前作のラストで語られた理恵の所業の理由が判明するが、感情が伴わないのでやはり納得できない。崇高なお考えとは思うけれど。少なくとも夫婦の同意は必要。血液型だけではないその他の遺伝の部分で違和感を感じることもあると思う。
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「 ママ、私の子どもを産んでくれないー? 」
冒頭から、なんと!びっくりするフレーズに度肝ぬかれてしまった。
日本では近年、代理出産は賛否両論激しいテーマであるが、この作品を読み進めると女性の視点で切実に語りかけている。
また、母娘の微妙な感情表現が出ていて、すれ違いもあるが、やはり親子だと思うところもあってホッとした。
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「チーム・バチスタ。。。」の作家さんですね
内容は代理母出産話!
見たことも聞いたこともないお話の数々
閉経後に女性ホルモンの貼り薬で生理が来るとか
代理母出産すると、法律上の母は卵子提供者でなく実際に子供を産んだ人だとか
女同士の静かな戦いの行方も気になるとっても興味深いお話でした
こわっ
NHKでドラマにもなってDVD化もされてるようです
惜しむらくは、この本を読んだ順序
私は、書評など読まずに本を選ぶんですが、知らないが故のワクワクや感動を味わうことができますが、たまに2作目や3作目から読んでしまうことになります
この本は、「ジーンワルツ」の後に出た関連本だったみたいです
今、その分取り返そうと「ジーンワルツ」を読んでます
でも、なんだかさらに前にお話があったのでは?って内容です
どうなってんだ くぅ~
Posted by ブクログ
代理母というテーマで興味深く読んだ
子どもが産めない体という所は理解できるが、当たり前になってしまうと それを拒否する母親は 非難されてしまうのではないか
理恵さんは娘としても医者としてもちょっとこわい。
旦那の影が薄すぎる
Posted by ブクログ
「ジーン・ワルツ」のもう一つの物語。代理母となったみどりの側のストーリーです。心情的にはこちらの主人公の方が近いかもしれません。日々を淡々と、しかし大切に生きてきた主人公の前に突然の代理母のお願い。ただひたすらに戸惑います。しかも単身赴任中の夫とは離婚するという。お腹の中の子どもたちの事を考えどうするのがいいのか…答えは簡単には出ませんね。生殖医療の難しさを突きつけられました。
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最初は代理母と言う題材なので、読みづらくなかなかページをめくる事が出来なかったのに、三分の二程読み進めると
サクサクと読み進めれた作品でした。
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ジーン・ワルツでは省略されていた、理恵とみどりの母娘のやりとり及びみどり視線でのお話。
ここでのメインは双子を分け合うことになった経緯かな。
最初はただ単に二人いるから一人ずつっていう単純な話かと思ったら、そこに至るまでにえらい複雑な思考回路があったみたいで、何をそんな難しく考えているのかと呆れてしまった。
世の中ってほんと不自由ですね。もっと自由になにものにも囚われずに生きたいものです。
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代理出産がテーマの小説。ジーンワルツの続編。
卵子の提供者ではなくて、母体の方が母親と認められるという法の不備のようなものは理解できた。確かにへんだ。
曽根崎夫婦は一見異常な感じがするけど、アカデミックな世界では、ああいう性格も普通なのかなと思ったり。
Posted by ブクログ
ジーン・ワルツの裏側。
最初、みどりと理恵の距離感に正直、驚いた。
代理出産をするくらいやから仲良し母娘かと思いきや、、、。
それにしても、みどり、、、。
理恵が可愛いのと可哀そうって思いもあるんやろうけど、理恵に「ママって、冷たい」って言われたくない自己防衛の気持ちも働いたんじゃないんかなぁ?
なんて思うアタシは意地悪やなぁ。
アタシも、みどりと同じくらいの母親になれば考え方は変わってくるのかも?
Posted by ブクログ
【要約】娘の曾根崎理恵から「自分の子どもを産んでほしい」と頼まれる母親のみどり。彼女は、理恵の母親としての姿勢に、悩み、苦しむ。私が産む子は誰の子か、割り切れない気持ちとは裏腹に出産を迎える。
【感想】
本作は『ジーン・ワルツ』の「舞台裏」で、理恵の母であるみどりの視点で描かれる。ちなみに、ヴェルデはイタリア語でみどり。つまり、マドンナ・ヴェルデは「聖母みどり」。
理恵が代理母親を子供を産む道具としか認識してない態度や行動に理解できなかった。結局、理恵は自分の主張に説得力を与える為の手段として子供が欲しいだけであるように感じられた。ただ、親子間で気恥ずかしいものがあった為、素直に母親に感謝できなかったのかとも思った。
みどりは、最初は理恵に従順であるが、胎児が大きくなるに従い理恵に疑念を抱くようになる。子を産む母親としての意識が強くなってきたのだろう。
Posted by ブクログ
ジーン・ワルツで主人公の女医・理恵の代理母となった実母みどりの気持の流れ。
かなさんにお勧めいただきました。
ジーン・ワルツでの代理母出産は、合理的で理性的な女医が中心。そこ姿勢に納得はしていたが、そこで書かれなかった、元夫の考え方、出産した双子を、理恵と母親が一人づつ育てることになった流れが描かれる。
娘にも母親にもなんとなく欠落しているものがあるような、誰しもどこかは不足があるのだから、と思ったり。
元夫は興味深い人種だった。息子へ「ようこそ地球へ」と言えるような理性的な理論派。でも、何かが足りないような。
代理母について、医療的な事、法律的な事、社会的な事。そして、母親となる心情的な事。
人工授精、代理母、将来的には人口子宮となってくれば、倫理観も変わってくるでしょう。
「ようこそ地球へ」という感覚が、一般的になっていくのかもしれません。
Posted by ブクログ
あの娘にしてこの母親あり。理恵の行為に対して、母親がそう言うならまぁいいか、と思わせてくれる話。理論がどうとかは抜きにして、生まれてきた子の幸せを願う。この子たちが大人になったとき医療は、司法は、社会は変わっているのだろうか。
Posted by ブクログ
ジーンワルツの裏物語。
みどりと理恵の価値観の攻防。ジーンワルツでは書かれていなかったみどりの感情の流れがよくわかる作品。
理恵も伸一郎もよくここまでドライになれるなといった感じ。この前に『医学のたまご』を読んだので伸一郎が息子に対して人並みの愛情を注いでいることが分かってはいた。もし読む順番が逆であったらまた違った感想だったのかもしれない
Posted by ブクログ
読み終えたのは結構前でしたが
感想を書くのを忘れていました。
代理出産がテーマ。
正直なところ
読んでも分からなかったし
読み終えてもよく分からなかったし
うん。
その立場にならないと
分からないよなあ。。。と思いました。
ただ硬い倫理観を持つ者としては
一生理解できない分野かもしれない
理解しようとしないだけかも。。。
と一人で結論。
Posted by ブクログ
娘に頼まれ代理出産する母の話。ストーリーは面白かったが、生まれた双子を1人ずつ引き取るというラストが少し納得いかなかった。信念を持って動いていたはずの理恵が、母と院長先生に説得されただけであっさり折れるのは違和感があった。もっと理恵の信念や葛藤も見たいと思ったが、そのあたりはジーンワルツで描かれているということかもしれない。今度読んでみようと思った。
Posted by ブクログ
美貌の産婦人科医・曾根崎理恵、人呼んで冷徹な魔女。彼女は母に問う。ママ、私の子どもを産んでくれないー?日本では許されぬ代理出産に悩む、母・山咲みどり。これは誰の子どもか。私が産むのは、子か、孫か。やがて明らかになる魔女の嘘は、母娘の関係を変化させ…。『ジーン・ワルツ』で語られなかった、もう一つの物語。
Posted by ブクログ
2018/2 13冊目(通算31冊目。)同じ作者の「ジーン・ワルツ」の別視点での物語。主に理恵の母みどりからの視点から話が進んでいく。ここで触れられている代理母出産については、男性の自分からはあまり言えることは無い。ただ、物語を読んで、生まれてくる子供が幸せに生きていけるように、その出産に関わった全ての人が考えてあげることが大事だと思った。月並みな感想ですがこんなところです。
Posted by ブクログ
代理出産というとても重いテーマにしては、軽く処理をし過ぎてしまった印象。
医療現場が抱える課題や矛盾に真正面から挑むところが海堂氏の特長であるはずなのに。。
Posted by ブクログ
どんなに医療技術が進歩したとしても、触れてはならない聖域があるのかもしれない。
母として、父として、子どもに果たさなければならない責任とは何なのか?
生めば親になるのか。育てていく過程で親になっていくのか。
みどりの選択が正しかったのかどうかはわからない。
ただ、理恵はきっと、以前とは少しだけ違う人間に成長しているような気がする。
理恵なりに良い母親になるような気も・・・。
現在、代理母の法的問題はどうなっているのだろう。
自分に関係のないことは、たぶん報道されていても目に止まらない。
不妊治療の問題も含めて、きちんとした話し合いはされているのだろうか?
Posted by ブクログ
実の母親に代理出産をさせるとは⁈
夫婦とは、親子とは?母親とは?
深刻ですごく悩ましい内容なのに、サクッと話しが進んでいくのに違和感があったが、まぁフィクションとして面白かった。
Posted by ブクログ
「ジーン・ワルツ」のスピンオフ作品です。
母・娘の関係性、夫婦のあり方、そして妊娠・出産への向き合い方などなど、とても考えさせられる一冊でした。
「神の領域」をある程度操ることが可能となった現代の医療技術は、ほんとうに素晴らしいことだと思います。
けれどもそこにひとが持ちうる傲慢さが顕れてしまうと、今度は数式や経験値では割り切れない軋轢が生じてしまう。
「天からの預かり物は天に返してもいいの」
みどりのことばが印象的でした。
Posted by ブクログ
代理出産した母・みどり側からの『ジーン・ワルツ』の裏版。
理恵とその夫の考え方には理解に苦しむ。
生命って本当に尊いものだと感じた。
『ジーン・ワルツ』読んでおいたほうがいい。
Posted by ブクログ
子供にとっての親とは誰を指すのか?
日本では許可されていない代理出産を、技術を有する産婦人科医が自らの親へ依頼する。
自身では妊娠が不可能であり、借腹としての女性の存在。
物理的に子供を腹に宿す女性、卵子を提供した遺伝上の母親としての女性。子供の取り扱い方の考えが異なる場合、子供の親たる権利はどちらへ帰属するのだろうか。
上記に加え、戸籍上の母親、成育担当女性も親として考えられうる。
技術が進歩すれば、母親候補は更に増えるのかもしれないが、現段階では4者かと。(父親の場合は借腹を外し、精子提供の男性、成育担当、戸籍上の男性の3者かと)
個人的な考えでは、成人まで法的な親は戸籍上となり、その後は養子縁組なりで本人の意志により親を決める仕組みがあれば良いと思う。
選択肢が増えるのは良いと思うが、その中で1つに決めなければいけない場面は往々にしてある。その際に决定指針を早急に整備し、更には少数ケースの場合は机上の空論を適宜修正できる法整備が必要と思われる。(完璧と思われる理論でも、技術の進歩によりこれまで考えられなかったケースが出てくるだろう)
私の親は、だれ?
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子育てナメンナヨ。
とは別に、社会的に真剣に考えるべき不妊治療の程度、代理母の話を題材にするのに、全く平均の外にいる夫婦の形を設定してどうするのかな。
Posted by ブクログ
前作とは視点を変えて
前作を読んでからでも、こちらからでもどちらでも読めるのはいい。
視点を変えているので、前作で理恵が語らなかったことがわかって面白いし、前作の謎となっていた部分もとりあえずは回収されているように思う。
ただ、これは感情移入ができる物語かというと、言葉に詰まる。
クール・ウィッチこと、曽根崎理恵。
その母親である、みどりが理恵の子を宿すことになった経緯が語られる。
主人公はみどりだが、理恵の物語でもある。
しかし冷徹な理恵。
これが以前にも増して冷酷というか、.........。
彼女の目的は、子供が欲しいと願う親の気持ちに答えきれない法律と、当事者を置き去りにして問題を解決しようとしている今の社会を変革しようとするところにある。
そして、お産は絶対安心、という間違った認識を変え、産婦人科の窮状を訴えようとしている。
彼女の意志、目指すところは私は間違ってはいないと思う。
一方でみどりがいう、子供をただの宣伝道具にしようとしているだけではないかという訴えもわかる。
どちらが正義か、そうでないかという問題ではない。
どちらも正論であるとは思う。
ただ、どちらにも、肩入れしにくい。
あえてそうしているのかもしれないが、理恵は生まれたあとの子供の気持ちを無視しているような気がするし、みどりはみどりで感情論で語っているような気もする。
子供は自分の所有物ではないのだ。
みどりの妊婦時代は思っていたより語られない。
美味しそうな食事の風景が心を和ませる。
妊婦の10ヶ月に主眼をおく、というよりも、二人の心の動きを追うところに主眼をおいているからかもしれない。
それにしても理恵の夫、伸一郎は、「彼女に任せてますから」とか「合理的」とか、暖簾に腕押しとはこのことだ。
イクメンになれとはいわないが、妊娠はひとごと(まあ、そうだが)と見ている節がある。
合理的か云々と言ったら、そもそも人間存在そのものが非合理的じゃないか、と怒りをぶつけてみたくなるが....
それにしても妊娠、出産という行為は本当に不思議なもので、人生を変えてしまう。
神の領域にあるそれは「当たり前」ではない。
命をつなぐこと、それが遺伝子の使命。
それに操られているのだと感じながらも、小さな子供を見つめる眼差しの先に見えるものがある。