あらすじ
新たな旅に出たゲバラは、アメリカに虐げられる中南米諸国の現状を知る。
ラテンアメリカの歴史が分かる、壮大なる叙事詩第2弾!
母国アルゼンチンで医師免許を取得したエルネストは中南米への新たな旅に出る。
ボリビアで革命を目の当たりにし、さらにペルー、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、グアテマラなどを訪れて数々の大物たちとも遭遇。
そこで見たのは、米国の搾取や暴政に蹂躙される市民の姿だった――。
武装革命家を目指すことになるチェ・ゲバラ。
膨大な資料と徹底した現地取材で描いた著者渾身の力作、第2弾!
解説・八木啓代
【電子特典】
全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。
電子版あとがき 『ポーラースター2 ゲバラ漂流』
【関連小文】1 「キューバ・ラブワゴン」 3話「バヤモ・レボリューション」
【関連小文】2 「キューバ・ラブワゴン」 4話「サンタクララのもうひとつの顔」
【関連小文】3 「コーヒー・ジャンキー」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
解説を読んで、国家的な出来事は史実ながら、ゲバラ個人のエピソードの多くがフィクションだと知って驚いた。
でも、却って当時の南米の混乱が活き活きと描かれているし、また歴史上の人物に人格を与えることができたおかげで下手をしたら退屈な近代史になる可能性がある物語を興味深いものに変えられていると思う。
それにしても当時の欧米諸国の身勝手で非道で卑怯なこと。今では紳士面して紛争地域を批判しているけれど、自分達の方がむしろ酷いんじゃないかな。また反体制的な海堂氏の筆によって多少は増幅されているかも知れないけれど。
Posted by ブクログ
☆☆☆2020年6月☆☆☆
親友を失ったゲバラが南米、中米各国を漂流。
多くの革命家や政治家の知見を得て成長してゆく。
もっとも印象に残ったのはボリビア革命への参加と、パナマでの米国学校への参加だろうか。
オデブのロホもいいキャラクターをしている。
歴史や政治の話が多くて難しかったので、そこは流し読み。それでも充分楽しめた。
第3巻も楽しみだ!!
Posted by ブクログ
この作品に出会わなければ、こんなに中南米の国々の地理、歴史、政治経済について知ることはなかった。
読めども読めども、登場人物たちが歴史談義や政治談義を繰り広げており、中南米の知識などほぼ皆無のわたくし、あまりにしんどくて途中で何度も投げ出しそうになった。
気がつくと目が字面を追っているだけでちっとも頭に入ってきてないし、しまいにはボーッとして眠くなってくるし。
それでも。
それでも、ゲバラの旅がどうなっていくのか知りたい一心で、読み続けた。
登場する人物や場所をスマホで検索してみると、だいたいが実在するので写真や絵がけっこう出てくる。
それらを見て、「ああ、今ここに来たんだ」とか「今この人としゃべってたのか」とか「ここでこんな激しい戦いが……」とか、一気にその場の空気感がリアルに迫ってきて、ワクワクしたり悲しくなったり。
スマホの助けがなかったら、おそらく最後まで読めなかっただろう。
がんばって読んで本当に良かった。
中南米について勉強になっただけでなく、なによりゲバラの旅がおもしろかった。
ここは海堂さんの創作の力。
周りにいる人たちが個性豊かで魅力的で、とても楽しい旅になっている。
もちろん怒りや悲しみもあるけれど、それも含めて。
膨大な量の参考文献を読み、「専門家であってさえもなかなか把握しきれない、もつれた組紐のような様相 (by解説文)」を呈するラテンアメリカ史を、ゲバラの旅と絡めながらここまで小説にまとめ上げてくださった海堂さんに感謝したい。
もうちょっとちゃんと勉強して後に再読してみたいし、ここに出てこなかった他の中南米の国々についても知りたいと思っている。
さて、3巻はカストロ編だそうで。
2巻でもちょくちょく名前は出てくるものの、まだ登場はしていないカストロさんの話、めっちゃ楽しみ。
Posted by ブクログ
母国アルゼンチンで医師資格を取得したエルネストは中南米への新たな旅へ
ボリビアで革命を目の当たりにし、自ら前線で銃をかまえるなどの体験を通じ、自分自身の中にある革命家という火が小さく灯る。さらに、ペルー、パナマ、コスタリカ、ニカラグア、グアテマラを訪れ、大物とも遭遇し、米国からの搾取や暴政に蹂躙される市民を目の前に、何も言えない自分が歯痒く、悲しく、明日の未来に向かい、新たな一歩を踏み出すことに。