あらすじ
ゲバラ、カストロ、エビータらを活写!
キューバ革命に至る壮大な物語がいま始まる。
喘息持ちだった少年エルネストは舞台女優のジャスミンとの恋など青春を謳歌しつつ、やがて医学生となる。
そして1952年、ペロン政権下の母国アルゼンチンから出発して、親友ピョートルと共に南米大陸縦断の旅へ。
そこで社会の弱者らと出会いながら、成長していく――。
ゲバラ、カストロというキューバ革命の英雄たちが躍動する著者渾身のシリーズ。
第一巻では、ゲバラ、エビータらを活写。キューバ革命に至る壮大な物語の青春編が開幕!
巻末に著者と女優・鶴田真由さんとの対談のほかに、電子版オリジナルの特典付き。
【電子特典】
全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。
電子版あとがき 『ポーラースター1 ゲバラ覚醒』
【関連小文】1 「キューバ・ラブワゴン」 1話「余はいかにしてキューバへたどりついたか。」
【関連小文】2 「キューバ・ラブワゴン」 2話「オラ、ハバナ」
【関連小文】3 「私の週刊食卓日記」
【関連小文】4 「ペルーに酔う」
【関連小文】5 「〈エビータ〉と〈チェ・ゲバラ〉の接点」
【関連小文】6 「テーマソングは成り行きまかせ」
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
チェ・ゲバラの青年期が、南米の国々の歴史や文化の描写とともに描かれる。
ゲバラを英雄視しすぎて、フィクションらしい場面はあった。
しかし、著者は約200冊にもわたる参考文献をあげている。
著者のゲバラや描かれる南米の国々への知識は、膨大で、現実に基づくものであるだろう。
日本では、ゲバラや南米の歴史はあまり知られていない。
それらを知ってもらうとっかかりとして、著者はフィクションを交え、より面白く、より人に手に取ってもらえそうなこの小説を描いたのではないか。
そのため、この本はゲバラや南米の現実を知りたいマニアには向かない。しかし、初心者や南米の文化を感じたいという方には大変参考になり、また興味深い作品である。
Posted by ブクログ
☆☆☆2020年5月☆☆☆
これは力作だ。
ゲバラの若き日々を、創作を交えながら一人称で描くという手法は新しい。1950年代の南米をともに旅しているような感覚に陥った。ペロンやエビータ、サンマルティンといった、今までよく知らなかった歴史上の人物についても学ぶことができた。
もっとも驚いたのは、旅の友のピョートルの死。
地雷を踏んでという悲劇。
悲しい気持ちになった。
Posted by ブクログ
人生迷い中の自分に、中々染みる作品。自分もふらりと旅に出てみたくなった。これからゲバラの人生が、アルゼンチンという枠にとらわれずにどう展開していくのか、続きが楽しみで仕方ない。
実はゲバラの作品は別で接したことがあって、それが映画の「モーターサイクルダイアリーズ」。映画好きな高校の友達に勧められて観たけど、当時の自分にはさっぱり。まだ教養も、好奇心も足りなかった。
今は歴史的側面と地理的側面、両方に興味を持って読めている。今の自分には、南米は余りに未知。マチュピチュまで出てくるとは思わなかった。
そして当然、海堂尊の作品ということも読み始めるインセンティブになったわけだが、ゲバラも医師という共通点があるとは…なるほどなと。
連作全て読み終わったら、改めて「モーターサイクルダイアリーズ」を観たい。
Posted by ブクログ
名前と革命家であることぐらいしか知らなかったチェ・ゲバラの生涯を追う作品。伝記的でありながら、かなりのフィクションが混ざっているようで、一つずつ調べるエネルギーはないからどう受け止めて良いのか難しい。
人名な地名、出来事など、あまりに馴染みがない固有名詞が多くて読み進めるのにとても時間がかかる。
第二次大戦前後の南米で、欧米からの独立や社会主義と民主主義の覇権争いなど、ものすごい熱気で世の中が変わっていく様子が垣間見えて、まだまだ知らないことがたくさんあることを改めて実感した。
Posted by ブクログ
昨年キューバへ旅をし、キューバが大好きな国の一つに。そんな旅の途中、至る所で見て、聞いた、チェ・ゲバラ。恥ずかしながらキューバのために戦った人ぐらいの認識しかなく、これは日本に帰ったらゲバラのことをもっと知ろうと思っていたところ出会ったのがこの本。
学生時代のゲバラが友人とともに南米を旅するお話し。魅力的な南米の国や今後伏線となるようなゲバラに影響力を与える人が次々に出てきて、飽きずに読めた。特に、大統領夫人が魅力的で、本当にこんな方いたの??と思いネットで調べ、美人だなーと思いながら読んだ。
時代に名を残す人は、やっぱり幼い頃からすごいし、今すぐにでもまたキューバに行きたい!!
Posted by ブクログ
ゲバラにはもともと興味はあって、関連本をいずれ読んでみたいと思っていたのだが、ピンとくるものに出会うことなく時が過ぎ、誰かゲバラの生涯を読みやすい小説にしてくれないかなぁとずぅっと思ってきた。
来たこれ!
ゲバラを小説にしてくれた人がいた!
しかも海堂さんじゃないか。
「チーム・バチスタ」シリーズ好きだったし、これは間違いない、と書店で即決、レジに走った。
読んでいる間、ずっとゲバラといっしょに笑い、怒り、悲しみ、恋をした。
よく知らぬまま「なんかすごい革命家」というイメージしか持っていなかったけど、この本のおかげで、ゲバラも私と同じ1人の人間であることを感じ、一気に身近に。
これを読んでいると、南米の国々の歴史をざっと追えるのがうれしい。
これまで南米の国の名前を聞いても、地球の裏側のどっか遠いところ、サッカーが強いのか、くらいの認識しかなかったのだが、この本でゲバラが訪れ、人と出会い、様々なことが起こることで印象づけられ、新聞などでその国の名前を見聞きすると「あ、ゲバラが〇〇と出会って△△したところだ」と具体的に思いを馳せられるようになった。
おそらく細かいエピソードなどは創作なのだろうと思うが(こんなに行く先々で有名人と偶然知り合えるなんてありえない!)、それがあるおかげで、南米の国々との心の距離がグッと近くなった。
かつて、マドンナが主演した『エビータ』という映画を映画館に見に行ったこともあるので、とても感慨深く読めたし、もう一度あの映画を見たくなった。
うーん、楽しい。
読書最高。
さぁ、2巻に取りかかろう。
Posted by ブクログ
海堂尊の本なのにゲバラが医学生だったことを然程使ってなかったのが残念。エビータの描写が映画版と丸かぶりなのもちょっと新鮮味がなかった。
とはいえ南米旅行の描写は読んでいてワクワクしたし、カストロ編は気になる。