あらすじ
「この子はモンスターだ!」
キューバ革命を成し遂げたフィデル・カストロとその父・アンヘルを描くポーラースター・シリーズ第3弾。
19世紀末、キューバの独立戦争に米西戦争で介入した米国が勝利し、スペインの後釜に居座った。
スペイン軍の少年兵アンヘルは仲間と脱走し、サンチャゴ・デ・クーバで戦後、財を築く。
その彼が小作の娘に産ませた男子こそ“幼き獅子”フィデル・カストロだった。
キューバ革命の英雄カストロ父子を描いた、シリーズ第3弾。
【電子特典】
全電子版共通の「あとがき」、付録(「海堂尊・全著作リスト」「作品相関図」など)のほかに、本書には以下の文章を収録。
電子版あとがき 『ポーラースター3 フィデル誕生』
【関連小文】1 「コマンダンテの海」 1部 コマンダンテの肖像
【関連小文】2 「コマンダンテの海」 2章 イコンの真実
【関連小文】3 「執筆はバクチですよ」
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Posted by ブクログ
☆☆☆2020年7月☆☆☆
3巻、物語はフィデル・カストロへ。
フィデルの父親であるアンヘルが軍人としてキューバに渡るところから始まる。アンヘルはピノ・サントスと共に軍を脱走し、地面をはい回りながらも農園主にのし上がる。
その私生児がフィデルだ。
幼いころから虐げられ、一度は棄てられた身ながら
物事を「映像」として記憶できる不思議な能力、才能、胆力で次第に頭角を現す。
当時のアメリカやキューバをめぐる政治状況もよくわかる。セオドア・ルーズベルトやフランクリン・ルーズベルトといった大物も登場する。
Posted by ブクログ
なんて濃密な一冊!
読んでいる間私は、20世紀をまたぐ時代のキューバに確かにいました。
いやぁもう、おもしろかった。
フィデルの天才っぷりが痛快爽快。
ザマアミロと何度心の中で叫んだことか。
1巻『ゲバラ覚醒』の巻末にある鶴田真由さんとの対談で、海堂さんは「第三部はカストロ編で、カストロが生まれてから(中略)メキシコに亡命するまでを書きます」と語っているけど、3巻の最後でフィデルはまだ19歳の学生。
というのも、まさに今『週刊文春』で「ポーラースター外伝 フィデル!」を連載中ですが、これをいったん中断して、先にこの3巻に当たる部分を書き足したという経緯があるため。
結果的に本書を文庫書き下ろしという形で読めた私は、すごく得した気分であります。
この先まだまだこのシリーズを読んでいけそうなのでうれしい!
続きを早く読みたいけど、じっくり取り組んでいただきたいので、気長に楽しみにお待ちしております。
Posted by ブクログ
今回の主人公はカストロ。キューバと米国のつかず離れずの関係や、ルーズベルトの役割など、大変勉強になる。一方、物語としてのダイナミズムは今ひとつで、後半からは少し盛り上がってきた。本来の主人公であるゲバラの再登場に期待。
Posted by ブクログ
第3巻はこれまてで一番物語として、また人物伝として興味深く読むことができた。
事実の列挙中心から人の成長が中心の内容に変わったからだろうか。
それはともかく、アメリカの横暴さは読んでいて胸が悪くなる。世界の警察を自認して、一見すると善人のような言動をしながら裏側では自国の利益しか求めていないところは今でも変わらないな。ただ、それによって解放され発展した国も沢山あるわけで、一方的な観点で善悪を測れない代表的な事例だと思った。
カストロに対して漠然と過激な革命家のようなイメージを持っていたけれど、これもアメリカの思想操作によって植え付けられたものかも。本書が必ずしも正しいわけでもないだろうけれど、新たな見方を得ることができた。
Posted by ブクログ
ポーラースター3。やっっと読み終わりました~。
1,2はゲバラの話でしたが、今回はキューバ革命のもう一人の英雄フィデル・カストロの物語です。
前半は、フィデルの父親アンヘルを中心に、当時のキューバ情勢やその歴史が、がっつり描かれています。(がっつり過ぎて、時々内容が入ってこないことも・・。)
そして後半、幼いころは虐待されていたフィデルが、ぐんぐん才覚を現してくる展開が面白かったです。
フィデルとゲバラが出会うことを楽しみに、次作を待ちます~。
Posted by ブクログ
シリーズ第3弾・文庫書下ろし。キューバの独立戦争に介入した米国、スペインの後釜に居座った。スペイン軍の少年兵アンヘルは仲間と脱走し、サンチャゴで戦後財を築く。そんな彼が小作の娘に産ませた男の子こそ、「幼き獅子」フィデル・カストロだった。キューバ革命の英雄カストロ父子を描いた第3弾。