海堂尊のレビュー一覧
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ジェネラル・ルージュの速水と、ジーン・ワルツの清川の学生時代の話。どうやら救命センター長として気ままに振る舞う速水を生み出したのは、高階だったようだ。
責任感の強い者がいると、その人に頼りっきりになるチームが成長できないばかりか、自分のことを後回しにしてでもチームのことを考える本人も成長できない。だから、他のメンバーの自立を促すためにチームからは距離を置き、自分が強くなることだけに専念する。
きっと仕事にも通じることなんだろうけど、チームのメンバーが「できるようになりたい!」と思っていることが前提なんだろうな。リーダーが自分のことに専念してるのをいいことに、「ラッキー!サボっちゃえ!」って -
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☆3.0
コールドスリープ。未来の画期的な
医療。
将来的には本当に実用化される日が来るのかもしれない。
もう少しで認可されそうな治療法を待つ人やそのような治療法を待っていられない人たちには福音に聞こえるだろう。
でも、果たしてそうなのか?
5年10年とコールドスリープすることで、現代の浦島太郎になってしまわないか。
人は自分が浦島太郎になってでもコールドスリープを選択し、治療法を待つのだろうか。
また仮に自分が浦島太郎になることは厭うても、我が子の治療のためならどうか。
文中、沢山の聞きなれないカタカナ言葉が出てきて辟易させられたが、とても考えさせられる内容だった。 -
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著者は「医者」でもあり、「作家」でもある才能あふれる人物である。
他の著作を読んだこともあるので興味を持って本書を手に取ってみた。
著者の本はほとんどが病院や医者をテーマに扱っているが、本書の舞台は「医学部剣道部」である。
「剣道」には「スポーツ」と「武道」の側面があるが、日本人ならば誰でも単なるスポーツというよりは、「精神性」や「神秘性」を含んだ「武道」にロマンを感じるのではないか。
本書は、そのような日本人の心をくすぐる、期待を裏切らないおもしろさがあると思えた。
しかも、その登場人物が、他の本で登場する個性あふれる「医者」の学生時代の医学部剣道部であるとは。
登場人物のキャ -
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前作とは視点を変えて
前作を読んでからでも、こちらからでもどちらでも読めるのはいい。
視点を変えているので、前作で理恵が語らなかったことがわかって面白いし、前作の謎となっていた部分もとりあえずは回収されているように思う。
ただ、これは感情移入ができる物語かというと、言葉に詰まる。
クール・ウィッチこと、曽根崎理恵。
その母親である、みどりが理恵の子を宿すことになった経緯が語られる。
主人公はみどりだが、理恵の物語でもある。
しかし冷徹な理恵。
これが以前にも増して冷酷というか、.........。
彼女の目的は、子供が欲しいと願う親の気持ちに答えきれない法律と、当事者を置き去りにして問題を解 -
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CS朝日ニュースターの自主制作番組「海堂ラボ」を文書化、医療に関わる様々な人を紹介している。
國松孝次 いわずとしれた警察庁長官狙撃事件の被害者だが救急医療に助けられたことにより、NPO救急ヘリ病院ネットワークの理事長に乞われてなっている。成果としてはドクターヘリ特別措置法の成立のための働きかけで元行政官としてどこを動かすかがわかると言うのがポイントだったようだ。ドクターヘリは運用に1機2億かかるのだが、救命率が上がることにより例えば千葉北総病院のケースでは救急車に比べ医療費が110万円/人削減できた。入院日数も16.7日短い。出動回数は2009年に748回なので結果として収容人数が増え医療 -
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医師会の「ひかり」の部分が書いてある。国民の味方、医療費を適正に、日本の医療を守るために国に対して働きかけを行っている、なのにどうして医師は、儲けすぎているという誤解を招くのだろう。
誤報を出すことにより、利益を得るものがある。まず、マスコミ、情報を作ることで、利益に直接結びつく。次に、一部の政治家(医師会と対立する)や財務省などもそのように感じた。それでも、医師は優遇されていると考えれる。
TPPに反対、混合医療については医師会の主張は理解できる。また最終消費者が誰なのか、医療は消費ではないのか、ということを考えなければならない。
本書の構成、天馬大吉、別宮葉子とのインタビュー形式等いうの