新コロナウィルス騒ぎで、「ナニワモンスター」もパンデミックものだったと思い出し、そう云えば、本作を読んでいなかったと、やっと手に取ることにした。
今まで、彦根の人物像がピンと来なかったんだが、本作ではこういう奴なのね、とやっと理解できた塩梅。だけど、話の設定に無理があるよね。特に、資金の部分はと思っていたら、予想通りの展開。海堂先生には計算通りなんだろうけれど。
ある種の嘘っぽさが、海堂作品の魅力なんだけど、彦根については上滑りしている感じが強い。
終盤、雨竜が表で行動する辺りは無理があるんじゃないかな。小説の面白みを出すために必要とは思うけど。
野坂教授の言葉
「道は、進もうと思う人の前にだけ拓けるものなのです。」中学生の医学生カオル君を想い出す。そう云えば、あの作品は「医学のたまご」。海堂先生って若しやタマゴ好き?
ベネチアのゴンドラ乗りの不思議な哲人が一番、嘘っぽいんだけど、う~ん、これが海堂先生が考えている本心かな。
選挙で選良を選び、選良の集まる政党から首相が選ばれ、難関を突破した公務員が職務を遂行して。それが何で、このシステムが証拠隠滅、虚偽記載、証言拒否を重ね、マトモな税務官が死を選ばせることになるんだろう。
この国の首相夫妻は悪事をなしている自覚は左程にないんだろうな。頭が悪くて理解できないんだろう。この民主主義制度って莫迦が上に立ってだけで、こんなにガラガラと崩れる仕組みだったんだな。金属疲労して持ちこたえられないんだろうか。
しかし、地方自治が解決策かというと正直判らない。
読んでいる途中は、面白くもあり、首を捻る処もありだったけど、偶に思い返すことがあるかもしれない作品だと思う。
最後に。
「スカラムーシュ・ムーン」ってタイトルはそそられないんだよなあ。他の海堂作品のよく判らないタイトルは納得できるんだけど。