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世界的天才外科医・天城雪彦。手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと言い放ち顰蹙も買うが、その手技は敵対する医師をも魅了する。東城大学医学部で、部下の世良とともにスリジエ・ハートセンターの設立を目指す天城の前に立ちはだかる様々な壁。医療の「革命」を巡る、メディカルエンターテインメントの最高峰!
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「ブラックペアン シーズン2」
2024年7月7日~ TBS 出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな
「ブラックペアン」
2018年4月22日~ TBS 出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな
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Posted by ブクログ
418P 「「悲しむべき事に日本には静脈バイパス術以外の術式を実施できる施設がない。日本トップクラスの帝華大も維新大も、静脈置換バイパス術しかできない。だが諸君が医師になる頃には桜宮は心臓外科手術では世界最先端の地域になっているだろう。バイパス手術の完成形、ダイレクト・アナストモーシス(直接吻合術...続きを読む)という術式を実施できる施設、スリジエ・ハートセンターが創設されるからだ。ではここで、世界でも、ここ桜宮でしか実施されないこの術式について講義しよう」」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「悲しむべき事に日本には静脈バイパス術以外の術式を実施できる施設がない。日本トップクラスの帝華大も維新大も、静脈置換バイパス術しかできない。だが諸君が医師になる頃には桜宮は心臓外科手術では世界最先端の地域になっているだろう。バイパス手術の完成形、ダイレクト・アナストモーシス(直接吻合術)という術式を実施できる施設、スリジエ・ハートセンターが創設されるからだ。ではここで、世界でも、ここ桜宮でしか実施されないこの術式について講義しよう」」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「世の中は、思うようにいかないものだな。技術が優れる者には忠義のこころなく、忠誠心の塊のような男の手には技術の神は宿らないのだから」」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「不確定な世の中を渡っていくために大切な能力は三つある。誰よりも遠くを見通せる目、微かな危険も嗅ぎ当てる鋭い嗅覚。そして三番目はツキだ。だがその三つよりもはるかに大切なこと、それがカネを持っている、ということだ」」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「このコメント、食堂の職員に伝えてや。ええか、塩は勇気や。ぎりぎり攻め込んで初めて桃源郷が見えてくるものなのや。それはつまり薄味好きの関西人は臆病者ちうことやがな。それにしても、中途半端に味がいいというのは致命的やな」「自分の出身地をけなしたら、ろくな死に方をしないぞ」」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「改めて写真を見ると、天城は日本人離れした華があるとつくづく思う。だがそんなことより世良は、自分が留守番役になったことに小さな引っ掛かりを感じていた。 天城の手術に何が何でも参加したいと熱望していたわけでもないのに、いざメンバーから外されると、急に自分が不必要な人間に思え、意気消沈してしまった。 世良は机の上のチェスの盤面を眺める。 今回の公開手術には他に不安要素があった。手術を成功させたメンバーががらりと入れ替えられたのだ。器械出しの看護婦、猫田と花房も参加しない。八月に佐伯外科が救急部を創設した余波で、手術室の看護婦と総合外科病棟の看護婦が人事交流を余儀なくされたところに頭の固い手術室の福井婦長の意向が重なり、猫田・花房のゴールデンコンビが外されてしまったのだ。麻酔医も代わった。公開手術が名声になると知った先輩麻酔医が、実力ナンバーワンの田中助手を押しのけ参加してきたのだ。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「絶対君主の寵愛なんて風向きと同じ。今日、西を向いているからといって、明日も同じだとは限りません。そもそも佐伯教授は、この六年で多くの専門科の独立を許してきましたから」と高階講師は苦笑する。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「そこまで口にして天城は絶句する。心臓外科医にとって、腹部とは別世界の異国だ。 高階講師が言う。「米国でバイパス術と胃癌切除術を同時にやった時に思いついたんです。当時のボスに言ったら、一笑に付されましたが。でも今、他に手はありません」 高階講師の声が響く。その後しばらく、沈黙が術野を支配した。 やがて患者の枕元から声がした。「オイラも賛成だ。徳永さんが生き延びるにはそれしかない」 天城は「しかし……」と言ったまま、呆然と鏡部長を凝視する。 観客席がざわめき始めた。鑑識眼を持ち合わせない観客も、術中に突然術野を拡大するという行為を見て、アクシデントが起こっているらしいと理解しつつあった。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「天城の技術は天与のものだが、そうした光景を心臓外科医が共有できたのは、日本の心臓外科界の最大の幸運だった、という心臓外科医は、後に新世紀を迎えた今でも、未だに大勢いる。 天城は一度はこなごなに砕かれた気力を振り絞り、指先に意識と気力を集中させ、一針一針、丁寧に確実に、そして素早く縫合を進めた。 会場の観客たちは呼吸も忘れ、その手技に見とれた。 やがて天城の指先が、すべてのエネルギーを使い切ったかのように止まると、金属のトレーにペアンがからんと滑り落ちた。 「〈オペラシオン・エ・フィニ〉(手術終了)」」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「何を言ってるんですか?」 天城は世良を見つめた。そして笑う。「言っただろ、ジュノ。私の夢は桜宮にさくら並木を植えることだった。だからこうして、ここに植えに来たのさ」「そのさくらの木というのは、スリジエセンターのことでしょう?」「ああ、そうだ。だがそれがダメになってしまったから、せめてさくらの苗木くらい植えて、日本を去ろうと思ってね」 天城が日本を去る? 突然の通告に世良は足下が崩れ落ちるような感覚に囚われた。 さくらの苗木を植え終わった天城と世良は、岬の突端に立ち、大海原を眺めている。 世良が言う。「突然そんなこと言われても困ります。スリジエセンターの創設を待ち望んでいる人は大勢いるんですから」「そんな変わり者が本当にいるなら、ここに連れてきて会わせてくれ」 佐伯教授の名を挙げようとして世良は思いとどまる。天城が聞きたいのは、そんな名前でないことは明らかだ。そう言われてしまえば具体的な名前は誰一人浮かんでこない。手術を実施した梶谷さんと上杉会長のふたりは自分が治った今、センターができようができまいがどうでもいいと思っているに違いない。あるいは市民病院の鏡部長なら、ひょっとしたら賛同してくれるかもしれない。しかし具体的にはそれくらいしか思い浮かばない。 世良は黙り込む。天城のスリジエセンター創設を待ち望む人は、この世界のどこかにいる。それは間違いない。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「私は日本では愛されなかった。ささいなことに反発され、刃を向けられ、足を引っ張られる。患者を治すために、力を発揮できる環境を整えようとしただけなのに関係ない連中が罵り、謗り、私を引きずり下ろそうとする。私はそんな母国に愛想が尽きてしまったんだ」 世良は唇を嚙む。 天城は愛されていない。それは本当だった。 でも、どうしてなのか。 周りのみんなと違うから、だからか。 だが天城が提供しようとしたのは、善意の塊のような手術術式だけだ。 それなのにどうしてこんなことになってしまったのだろう。 次の瞬間、世良の口から出たのは、自分でも思ってもいなかった言葉だった。「逃げるんですか、天城先生」 その言葉を聞いて、天城の顔色が変わる。それは世良の命がけの挑発だった。 だが、天城は世良の真意を見抜いたように笑顔で応じる。「私は、へこたれて帰国を決めたわけではない。二回の手術の失敗は天の啓示なんだ」 世良は息を吞む。そして言い返す。「天城先生は失敗なんかしていません。日本に来て天城先生の患者は誰も亡くなっていない。病気の患者を手術し、元気にして家に帰してあげる。これは手術の成功と呼ぶんです」 世良の懸命な言葉は、しかし、天城のこころにはもはや届かなかった。 別離の時が、刻一刻と近づいてきている。 そのことを、世良は痛いほど感じていた。 そんな時、言葉には何の力もなく、また、何の意味もなかった。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「スリジエ・ハートセンター。〈スリジエ〉とはフランス語で〝さくら〟を意味する。 刻印された言葉がひかりの中で甦る。その響きは新鮮だ。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「おやおや本日のジュノはご機嫌斜めか」 天城の人なつっこい笑顔を苛立たしげに見遣る。天才は無邪気だ。人の気持ちを逆撫でし、うんざりさせる裏側で、いきなり懐に飛び込んできて凡人を虜にしてしまう。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「おやおや本日のジュノはご機嫌斜めか」 天城の人なつっこい笑顔を苛立たしげに見遣る。天才は無邪気だ。人の気持ちを逆撫でし、うんざりさせる裏側で、いきなり懐に飛び込んできて凡人を虜にしてしまう。 彫りの深い貴族のような顔立ちを見つめ、世良は首を振る。「気分はいつもと同じで、変わりません」「エクセロン」と天城がフランス語で答える。そんなキザなセリフが似合う。 ここに来る以前、天城はモンテカルロ・ハートセンターの上席部長の職にあった。手術の腕は神懸かり的で、モナコの王族から勲章と共にモンテカルロのエトワール(星)という称号を贈られている。ブレザー型の白衣の胸には銀の糸でエトワールのエンブレムが刺繡されている。 現在はスリジエ・ハートセンターの総帥だ。ただしまだ施設はオープンしていない。」 —『スリジエセンター1991【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著
海堂尊の作品は、どんなにゆっくり読もうと思っても、登場人物たちの論理の言い合いに読むテンポを奪われて、どんどん早く読み進めさせられてしまう。 きっと頭の良い人は、間を置かず瞬時に言葉を発するのだろうと、自分で勝手に思い込んでいるせいかもしれない。 そして、登場する人物たちは、まさに頭が切れるロジカル...続きを読むモンスターばかりだから、余計に読むスピードが速くなってしまう。 会話や物語りの流れもそうだけど、独特の言い回しや言葉のチョイス、文字の力がとても強いのだと思う。 でも、それは決して不快ではなく、ただただ、もっとゆっくりその作品に浸っていたいのにと惜しんでしまうだけ。 読む勢いに任せてシリーズの一気読みをすると、意外と気持ちいいかもしれない。
何故………天城先生………何故……… 「ブラックペアン」シリーズ3作目、完結編。 2作目に引き続き、今回のメインキャラクターは主人公の世良、天城、高階、佐伯、それに加えて佐伯外科の腹心にして助教授の黒崎。 今回は東城大付属病院内部の権力争いがメイン。 天才的な天城に魅せられながらも直属の上司である高...続きを読む階との板挟みに苦悩する世良に導かれながら、私達もその苦悩を体現しているような息苦しさが続く。 物語の終わりも青天の霹靂で、苦悩から開放されたスッキリ感はありながらも、切なさが余韻として残る。 「ブラックペアン」「ブレイズメス」「スリジエハートセンター」とボリューム感はあるが、是非一気読みしてもらいたい作品。
東海地方の架空の街、東城大学と大学病院の在る桜宮市で展開するシリーズの作品である。ドンドン拡がる世界が描かれた様々な作品を「桜宮サーガ」というように呼ぶ場合が在るようだ。本作もそのシリーズの一作である。本作も、所謂「バチスタ」のシリーズ各作品のずっと以前ということになる時代を背景としている。「バチス...続きを読むタ」のシリーズに登場する作中人物達の往時という様子が判るという面も在る。 『ブラックペアン1988』が在り、続篇の『ブレイズメス1990』が在って、更に本作である。本作に関しては、「続篇」というよりも、『ブレイズメス1990』が「上巻」で、それを受けた「下巻」というような感じもする。 本作も、東城大学病院の若い医師である世良が主要視点人物となっている。作中、世良が全くいない場面では視点人物が適宜切り替わる。 <スリジエ・ハートセンター>(「スリジエ」は「桜」という意味のフランス語であるという。「cerisier」と綴るそうだ。)という、自身が手掛ける心臓の手術を中核とする新たな医療センターを開くことを目論む天城の活動は続いている。 天城は学会の場等での「公開手術」を通じて独自の術式をデモンストレーションし、様々な方面の注目を集めて協力を取り付け、新たな施設となる<スリジエ・ハートセンター>を建設して体制を構築することを目論んでいるようだった。活動を始めてから約1年、手術は未だ1例に留まってはいた。 こうした中、佐伯教授の外科では、黒崎助教授のグループ、高階講師のグループ、そして天城と「3派閥」のような様相になり、何やら内部で争うような「院内政治」めいた動きが在り、世良もそうした様子に巻き込まれて行く。 正しく「天才」という技術を持つ天城が絶賛される他方、色々と「足を引っ張る」という動きも在る。この天城が如何なって行くのか、そして世良も如何するのかという物語である。 作中、モンテカルロからやって来た天城は、部下ということになる世良を「ジュノ」と呼ぶ。「青二才」という程の意味のフランス語だという。多分、「若い」(jeune)という形容詞に由来するのであろう。モンテカルロで出会ってから、一貫して世良を「ジュノ」と呼んでいるが、天城にとっての世良は部下でもあると同時に、仲間であり、年少の友人、年が離れた弟というような存在感を放っていたのかもしれない。 世良は、独自な考え方で不敵な振舞を見せる天城に真正面から挑むように話し合うという出逢いをした。そしてその天城を見詰め続けている。駆け出しの外科医である世良にとって、誰も真似が出来ない技術を誇示する天城は眩しい存在で、その意図も読み難い。それでも世良は飽く迄も天城と向き合い、その話しを聴き、真摯に語らおうとしながら、部下として色々な仕事にも真面目に取組んだ。 結局、周りの人達は天城と真面目に向き合っていないのかもしれない。次第にそういう色彩が物語の中で濃くなる。天城を見詰める世良、「ジュノ」と頼みにする世良に呼び掛ける天城という様子に触れ、終盤の方は少し涙ぐむような感でもあった。 天城は、桜並木の向こうに世界的な水準の医療を提供する華麗な<スリジエ・ハートセンター>が建っている様子を夢見た。その行方は如何なるのか?そういう本作の物語だが、天才外科医が如何したこうしたということでもなく、この国の社会では存外に「この物語」のようなことが多く行われ、幅を利かせているのかもしれない。 ところで、「桜宮サーガ」の各作品に触れているファンとしては、他作品の作中人物の登場は興味深い。幾つかの作品に登場する救命部門で活躍する医師の速水が、本作に初めて大学病院での勤務を始めた新人外科医として現れる辺りが凄く愉しい。 単純に愉しい小説の3部作なのだが、色々と示唆に富んでいて興味深い作品だと思う。御薦め!
現在、ブラックペアン2のドラマが放送されているが、原作とは少し違うようですね。原作を今回先に読んでみて、海堂さんの作品は面白い。ドラマも楽しみですが、本の世界でどっぷり想像力を働かせて読むのも楽しいです。
馴染みのメンバーが出てくるので、楽しく読めた。スリジエセンター設立をめぐる大学病院内の勢力争いのようなものやそれに振り回される世良先生や研修医時代の速水のエピソードなども面白かった。どうしてもドラマの時の速水をやった西島秀俊さんの顔がちらつきますが、それも含めて楽しく読みました。
三部作の完結作品ですごく面白かった。 医療とお金、権力の支配を目論む人間関係のドロドロさ加減がとてもいい。 バチスタシリーズの黒幕のイメージがある高階院長の出世欲が凄まじい。 天城先生が結局は一番純粋な医師だったように思える。 総合的に素晴らしい作品
ブラックペアン3作品目 最後は泣いてしまった。 環境次第で人は変わると気付かされた最後だった。 国の違い、関わる人の違いで自分の人生を変えていける 天城先生、世良先生に教わった気がしました。
この3部作の結末がこう来るかと思うと辛い。 でも、世良くんが目先の権力や安定ではなく、医者としての信念や夢、圧倒的なセンスを持つ渡海先生と天城先生の影響を受け継いだことが、彼を好きになれる部分だなと思う。
桜ノ宮初期シリーズ ブレイズメスから続く。日本の医薬会への挑戦。閉塞的な日本への挑戦。若き研修医の成長と葛藤。ドラマチックな展開のなかに、ひとりひとりの人物像をしっかり描いている。
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海堂尊
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