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世界的天才外科医・天城雪彦。手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと言い放ち顰蹙も買うが、その手技は敵対する医師をも魅了する。東城大学医学部で、部下の世良とともにスリジエ・ハートセンターの設立を目指す天城の前に立ちはだかる様々な壁。医療の「革命」を巡る、メディカルエンターテインメントの最高峰!
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「ブラックペアン シーズン2」
2024年7月7日~ TBS 出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな
「ブラックペアン」
2018年4月22日~ TBS 出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな
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Posted by ブクログ
海堂尊の作品は、どんなにゆっくり読もうと思っても、登場人物たちの論理の言い合いに読むテンポを奪われて、どんどん早く読み進めさせられてしまう。 きっと頭の良い人は、間を置かず瞬時に言葉を発するのだろうと、自分で勝手に思い込んでいるせいかもしれない。 そして、登場する人物たちは、まさに頭が切れるロジカル...続きを読むモンスターばかりだから、余計に読むスピードが速くなってしまう。 会話や物語りの流れもそうだけど、独特の言い回しや言葉のチョイス、文字の力がとても強いのだと思う。 でも、それは決して不快ではなく、ただただ、もっとゆっくりその作品に浸っていたいのにと惜しんでしまうだけ。 読む勢いに任せてシリーズの一気読みをすると、意外と気持ちいいかもしれない。
何故………天城先生………何故……… 「ブラックペアン」シリーズ3作目、完結編。 2作目に引き続き、今回のメインキャラクターは主人公の世良、天城、高階、佐伯、それに加えて佐伯外科の腹心にして助教授の黒崎。 今回は東城大付属病院内部の権力争いがメイン。 天才的な天城に魅せられながらも直属の上司である高...続きを読む階との板挟みに苦悩する世良に導かれながら、私達もその苦悩を体現しているような息苦しさが続く。 物語の終わりも青天の霹靂で、苦悩から開放されたスッキリ感はありながらも、切なさが余韻として残る。 「ブラックペアン」「ブレイズメス」「スリジエハートセンター」とボリューム感はあるが、是非一気読みしてもらいたい作品。
東海地方の架空の街、東城大学と大学病院の在る桜宮市で展開するシリーズの作品である。ドンドン拡がる世界が描かれた様々な作品を「桜宮サーガ」というように呼ぶ場合が在るようだ。本作もそのシリーズの一作である。本作も、所謂「バチスタ」のシリーズ各作品のずっと以前ということになる時代を背景としている。「バチス...続きを読むタ」のシリーズに登場する作中人物達の往時という様子が判るという面も在る。 『ブラックペアン1988』が在り、続篇の『ブレイズメス1990』が在って、更に本作である。本作に関しては、「続篇」というよりも、『ブレイズメス1990』が「上巻」で、それを受けた「下巻」というような感じもする。 本作も、東城大学病院の若い医師である世良が主要視点人物となっている。作中、世良が全くいない場面では視点人物が適宜切り替わる。 <スリジエ・ハートセンター>(「スリジエ」は「桜」という意味のフランス語であるという。「cerisier」と綴るそうだ。)という、自身が手掛ける心臓の手術を中核とする新たな医療センターを開くことを目論む天城の活動は続いている。 天城は学会の場等での「公開手術」を通じて独自の術式をデモンストレーションし、様々な方面の注目を集めて協力を取り付け、新たな施設となる<スリジエ・ハートセンター>を建設して体制を構築することを目論んでいるようだった。活動を始めてから約1年、手術は未だ1例に留まってはいた。 こうした中、佐伯教授の外科では、黒崎助教授のグループ、高階講師のグループ、そして天城と「3派閥」のような様相になり、何やら内部で争うような「院内政治」めいた動きが在り、世良もそうした様子に巻き込まれて行く。 正しく「天才」という技術を持つ天城が絶賛される他方、色々と「足を引っ張る」という動きも在る。この天城が如何なって行くのか、そして世良も如何するのかという物語である。 作中、モンテカルロからやって来た天城は、部下ということになる世良を「ジュノ」と呼ぶ。「青二才」という程の意味のフランス語だという。多分、「若い」(jeune)という形容詞に由来するのであろう。モンテカルロで出会ってから、一貫して世良を「ジュノ」と呼んでいるが、天城にとっての世良は部下でもあると同時に、仲間であり、年少の友人、年が離れた弟というような存在感を放っていたのかもしれない。 世良は、独自な考え方で不敵な振舞を見せる天城に真正面から挑むように話し合うという出逢いをした。そしてその天城を見詰め続けている。駆け出しの外科医である世良にとって、誰も真似が出来ない技術を誇示する天城は眩しい存在で、その意図も読み難い。それでも世良は飽く迄も天城と向き合い、その話しを聴き、真摯に語らおうとしながら、部下として色々な仕事にも真面目に取組んだ。 結局、周りの人達は天城と真面目に向き合っていないのかもしれない。次第にそういう色彩が物語の中で濃くなる。天城を見詰める世良、「ジュノ」と頼みにする世良に呼び掛ける天城という様子に触れ、終盤の方は少し涙ぐむような感でもあった。 天城は、桜並木の向こうに世界的な水準の医療を提供する華麗な<スリジエ・ハートセンター>が建っている様子を夢見た。その行方は如何なるのか?そういう本作の物語だが、天才外科医が如何したこうしたということでもなく、この国の社会では存外に「この物語」のようなことが多く行われ、幅を利かせているのかもしれない。 ところで、「桜宮サーガ」の各作品に触れているファンとしては、他作品の作中人物の登場は興味深い。幾つかの作品に登場する救命部門で活躍する医師の速水が、本作に初めて大学病院での勤務を始めた新人外科医として現れる辺りが凄く愉しい。 単純に愉しい小説の3部作なのだが、色々と示唆に富んでいて興味深い作品だと思う。御薦め!
現在、ブラックペアン2のドラマが放送されているが、原作とは少し違うようですね。原作を今回先に読んでみて、海堂さんの作品は面白い。ドラマも楽しみですが、本の世界でどっぷり想像力を働かせて読むのも楽しいです。
馴染みのメンバーが出てくるので、楽しく読めた。スリジエセンター設立をめぐる大学病院内の勢力争いのようなものやそれに振り回される世良先生や研修医時代の速水のエピソードなども面白かった。どうしてもドラマの時の速水をやった西島秀俊さんの顔がちらつきますが、それも含めて楽しく読みました。
三部作の完結作品ですごく面白かった。 医療とお金、権力の支配を目論む人間関係のドロドロさ加減がとてもいい。 バチスタシリーズの黒幕のイメージがある高階院長の出世欲が凄まじい。 天城先生が結局は一番純粋な医師だったように思える。 総合的に素晴らしい作品
ブラックペアン3作品目 最後は泣いてしまった。 環境次第で人は変わると気付かされた最後だった。 国の違い、関わる人の違いで自分の人生を変えていける 天城先生、世良先生に教わった気がしました。
この3部作の結末がこう来るかと思うと辛い。 でも、世良くんが目先の権力や安定ではなく、医者としての信念や夢、圧倒的なセンスを持つ渡海先生と天城先生の影響を受け継いだことが、彼を好きになれる部分だなと思う。
桜ノ宮初期シリーズ ブレイズメスから続く。日本の医薬会への挑戦。閉塞的な日本への挑戦。若き研修医の成長と葛藤。ドラマチックな展開のなかに、ひとりひとりの人物像をしっかり描いている。
前作「ブレイズメス1990」がスリジエハートセンター開設に決着をつけず、ある意味中途半端に終わったため引き続き本作を読むことにした。 いわゆる「バブル三部作」の最後の作品になる訳だが、各種エピソードの謎解きというか経緯が描かれているのはとても面白い。例えばジェネラル・ルージュ速水の医局入りから伝説と...続きを読むなっている大事故対応の話。高階と藤原看護師長がタッグを組むことになった経緯と「ゴンちゃん」と呼べることになる話。後に看護師長となる花房の若く可憐な姿と淡いロマンスの話。最上階のVIP室「ドア・トゥ・ヘブン」が出来た経緯などなど。 また本作はあたかも名作「白い巨塔」のような大学病院の院内政治のために跳梁跋扈する各人の姿が描かれている。特に高階は本作では完全にヒール(悪役)の位置付けだ。三部作最初の「ブラックペアン」では真摯に医療に取り組む姿勢が多かったが、その後第2作、第3作となるに連れ権謀術数を駆使するの政治家としての面がどんどん増大し、とうとう本作では佐伯教授を裏切り、将来の病院長への布石を打つ。 そういう見方では政治色のない純粋な医者であろうとしている登場人物は3名しかいない。天城と世良、そして市民病院の鏡部長だ。とは言え、自分が患者になったら誰に診てもらいたいかと考えると、政治家だろうと職人だろうとウデの良い医者に診てもらいたい。
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