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カネの亡者!? の天才外科医、現る。この世でただ一人しかできない心臓手術のために、モナコには世界中から患者が集まってくる。外科医の名は、天城雪彦。カジノの賭け金を治療費として取り立てる放埒な天城を日本に連れ帰るよう、佐伯教授は世良に極秘ミッションを言い渡す。『ブラックペアン1988』の興奮とスケールを凌ぐ超大作、文庫化。
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「ブラックペアン シーズン2」
2024年7月7日~ TBS 出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな
「ブラックペアン」
2018年4月22日~ TBS 出演:二宮和也、竹内涼真、葵わかな
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Posted by ブクログ
358P ブレイズメス1990はより多く手術代を支払ってくれる患者の命を優先するか否かみたいな医療制度そのものの矛盾とか医療は公共財かビジネスかとか医療倫理がメインテーマだった。 「耳慣れないアクセントの言葉が流れる。エールフランスなので機内放送はフランス語が優先、次が英語だ。その英語もフランス...続きを読む訛りのせいか、ふだん耳にするのとかけ離れている。気圧の変化のせいか、耳が痛い。機体が乱気流でがたがたと揺れる。「おい、シートベルトをつけろ、とさ」 隣の垣谷講師に言われ、世良はリクライニングシートを定位置に戻すと、ベルトを掛けた。 東城大学医学部総合外科学教室、通称佐伯外科の垣谷講師と世良雅志の小旅行は終わりを告げようとしている。十五時間以上かけてたどりついたパリ・シャルル・ド・ゴール国際空港から乗り継いでニースまで二時間弱のフライト。移動だけでほぼ丸一日費やしたことになる。 窓の外を見ると、眼下には雪を冠した山脈が連なっている。遠く銀色に光る夕暮れの海原が見え、マッチ箱のような家並みが海岸線にへばりついている。」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「それがどうした? だいたいモナコ硬貨って何だ? オモチャの貨幣か?」 駒井は首を振って、言う。「モナコ公国は皇居の二倍程度の面積しかなか、世界で二番目に小さい独立国ですばい。財源は観光、特にカジノが主ですと。国防や一次、二次産業はフランスにおんぶにだっこ。だからモナコは、フランスの顔色を窺いながら生きてきたとです。でも独立国家なので独自の通貨を発行ばしとります。フランスでも使えますばってん、希少価値があってみんなしまいこんでしまうとで、ほとんど流通してないとです」」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「モナコ公国は南仏の海岸線、風光明媚なコート・ダジュールのイタリア寄りに位置する立憲君主制の独立国家だ。独立国家といっても総面積は約二平方キロメートル、人口約三万人と、日本でいえば地方の小都市レベル以下、世界で二番目に小さい国家である。ちなみに一番小さな国家はローマにあるバチカン市国だ。 三十分もあれば国境線の端から端まで歩けてしまう。フランスとの国境には大きな岩が置かれ、モナコ公国の文字とふたりの修道僧が寄り添う姿が描かれているが、そこに必ず国境警備兵が配備されているわけでもない。だから気がつかないうちに国境を越えていた、などということは日常茶飯事だ。」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「モナコには直接税がなかです。だから大金持ちがモナコの居住者になりたがるとです」 駒井は、とあるホテルの前で立ち止まる。「ここがオテル・エルミタージュですと。内部に『冬の庭』というアトリウムがあるとです。設計者は有名なエッフェル、あのエッフェル塔の設計者ですばい」」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「真面目ですねえ。あんな学芸会で踊ることが、何の役に立つんですか?」 敬意を足蹴にされ、垣谷はむっとする。天城は手を打って笑う。「そうやって挨拶をエスプリで返されるとすぐ膨れっ面になるのが、日本人のいけないところです。それではフランス人に相手にされません。彼らは鼻持ちならない連中ですが、ひとつだけ尊敬すべき点があります。それは権威は笑い飛ばすくらいがちょうどいい、と考えている点です。そこは日本人とは正反対ですね」」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「サッカーのことはよく知らないが、現実的なスポーツなんだな。スポーツはたいていスポーツマンシップとかのきれいごとを並べたがるものなんだが」「そうです。サッカーには建前がないんです」「なのにジュノが妙にきれいごとばかり言うのは、いいサッカー選手じゃなかったということか?」 世良はむっとして答える。「サッカーは俺の学生時代のすべてです。大会ではそれなりの成績を残しましたし」「それなら医学生のサッカー界がぬるいのかな」 世良は天城に言い返すのを諦めた。サッカーを知らない上司にバカにされても痛くも痒くもない。世良は横道に逸れた話を戻す。「俺のサッカー選手としての評価なんてどうでもいいです。それより隣の方の名前のことです。悪意なんていうネガティヴな名前は珍しいでしょう?」」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「思うがままの病院を作りたい、という希望を持つ医師は大勢いる。だが、建築家を海外から呼び寄せる、という発想を持つ医師がどれほどいるだろうか。しかも建築の意味を祈りという高みに昇華し、その意思を達成しようと考える医師など皆無だ。 世良は大学病院の先輩医師の顔を思い出す。そんな選択をする医師の顔は浮かばない。敬愛する高階講師ですら、そんな発想は持ち合わせてはいないだろう。高階講師は薄暗い大学病院という塔の中を駆けめぐり、こぼれ落ちそうになる命をすくい上げることにしか興味がない。そして今の東城大学医学部付属病院は、そういう人種で占められている。」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「やだわ、世良先生。私、黄金だらけの地球儀なんて下品なものより、ゴッホのひまわりの方がずっと好きです」「じゃあ桜宮水族館の深海館にリクエストして、ゴッホのひまわりを買ってもらおうか」 花房は首を振る。「要りません。ボンクラボヤが可愛かったから、あそこはあのままでいいんです」「あんなへんてこな生き物が好みなんだ。ぽかんと口を開けているだけなのに」「ずっと眺めていると、なんだか癒されちゃって」「そう言えばこの間、ウチの大学の海洋研究所の所長が、最近、ボンクラボヤに続いて、ウスボンヤリボヤとかいう新種を見つけたらしいよ」「桜宮湾って新種の宝庫なのかしら」 ふたりの会話が途切れた。花房は周囲を見回し、ため息をつく。「みなさん、きれいですね。日本がお金持ちになったのは本当なのかも。でも私なんてお洋服もみすぼらしいし……」」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「「人によってさまざまなものをカネよりも大切だと思うだろうが、上杉会長のように功を成した人物にとって、金銭はもはや欲望の対象ではない。彼のような成功者が最後に欲しがるものは何だ?」 世良はじっと考えこむ。やがて力なく首を振る。天城はひと言で答える。「それは、名誉だ」 天城は続ける。「名誉とは、他人が誉め称えてくれて初めて成立する。手術が成功すれば、上杉会長は財産の半分を寄付し、スリジエ・ハートセンター創設基金を作る約束をした。それは地域の一大医療センターとなり、上杉会長とその分身、ウエスギ・モーターズは公共福祉に貢献するという名誉を手にする。桜宮市から大小さまざまな特典のキックバックを受けるという実利もある。その寄付という形をとるメリットを最大限に享受できるようにするために、わざわざ桜宮市の釜田市長の懐刀、村雨秘書にまでお越しいただいたわけだ」」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「本読みとしての幸せとは一体何だろうと考えたとき、それはもちろん面白い一冊の本を読むこと、それまで知らなかった本の魅力を発見すること、その読後感をたっぷりと味わうことであるというのは当然過ぎて論を俟たないところですが、それに次ぐ幸せは何かと言えば、これはまったく個人的な見解ではありますけれど、その『面白い一冊の本』を著した作者の本がたくさん書店に並んでいるのを見ることであると、僕は考えています。」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「基本的に僕は、読み終わった本の感想を、人と語り合うみたいなことはあまりしないのですが、海堂小説をどういう順番で読み、そしてどんな感想を持ったかという話を誰かとしたら、それがかなり白熱する議論になるだろうことは想像に難くありません。 もちろん、あるシリーズでは脇役だったキャラクターが、別のシリーズでは主役級の活躍を見せるといった展開にも胸が躍ります。本書『ブレイズメス 1990』、それに本書の前作となる『ブラックペアン 1988』にもそのような仕掛けがあり、それに気付いたときの「ああ!」という感覚は、是非味わっていただきたい絶品です。ここで詳しく、あの本に出てくるあの人物がこの本に、とか、このキャラクターはのちにあの本に出てきちゃうんだよと、逐一説明したいのは山々なのですが、それは野暮も極まりないことなので、当然ながらしません。私的に人物相関図と年表を描いて楽しむというのは、やや本読みの幸福からは逸脱してしまっている気もしますけれど、そんなことさえしたくなるほどに、そして実際にやってしまうほどに、海堂ワールドの人間関係、因果関係はエキサイティングなのです。」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著 「2018年春、「ブラックペアン」がドラマ化され、新たな読者を獲得しました。でもネットでは、私の既刊が書店にないという声が多数ありました。一日二百点以上の新刊が刊行される現状では過去の作品が全て書店に並ぶことはありえず、やむをえないことですが、だからといって商業流通の問題で、私の物語に興味を持ってくれた読者をむざむざ逃してしまったのはなんとも無念。というわけで過去の作品を読者に届けたくて、電子書籍刊行に踏み切ることにしたのです。あとがきの最後に「桜宮サーガ」の作品群の年表と作品相関図を付けるのも、興味を持ったら全作品読破してくださいね、という作者の隠された意図の発露です(隠してない)。人間のコンプリート欲を刺激する隠れ戦略(全然隠してない)に乗ってもらえれば、より深く作品世界を楽しんでいただけることでしょう。」 —『ブレイズメス1990【電子特典付き】 ブラックペアンシリーズ (講談社文庫)』海堂尊著
天城の飄々としつつも心の中では患者のことを誰よりも考えている姿が好き。 終わらせ方はちょっと無理やりな気もするけど、そこも天才っぽさを感じる。 四面楚歌だらけで戦った天城、かっこいい。
やっぱり面白いシリーズ。バチスタシリーズの登場人物や環境設定のエピソード0のような話であり、主題の他にも以降のタイトルの伏線も数多く張られており秀逸な作品でした。
これまでの常識から考えると天城の行動は異常なのであるが、目的達成のために一つ一つ足場を組んでいく行動は力強さを感じた。また、天城の問いかけは建前ではなく本音を引き出すので重たさもある。ジュノへの信頼感も伝わってきた。流れを大きく変えるときには、変えたくない人たちからの反発も大きい。この先の展開が楽し...続きを読むみである。
チーム・バチスタの栄光と比べると、「ブラックペアン」シリーズはやっぱりキャラクターがより生き生きとしてるように感じる ドラマの影響で映像が頭に出て来やすいだけかな? 相変わらず主人公である世良が周囲に振り回されながら生きていく話ではあるが、 今回は病院内の覇権争いや陰謀、複数の登場人物との関わりと...続きを読むいうよりは天城という天才手術職人に常に振り回されているような感覚だった 天城は突拍子もないように見えて彼なりのポリシーがあり、それに向かって行動しているが 段々と世良がそのポリシーを理解していく様が面白かった
桜ノ宮初期シリーズの一作。ブラックペアンに続く。同じ登場人物に新たに新しい個性的なキャラが加わり、主人公の若い研修医の成長と挫折の物語とともに、日本の医薬業界変革への試みが進む。このあとのスリジエセンターと合わせて一作の続き物を考えるべき。
海堂尊「桜宮サーガ」の「バブル三部作」もしくは「ブラックペアンシリーズ」と呼ばれるシリーズの第2作目。天才外科医・天城雪彦を震源とした、現代医療現場の課題を浮き彫りにし医療倫理を問いかけた佳作。 そのそも天城にはモデルとなる人物がいる。世界で初めて胃大網動脈グラフトを使用した冠動脈バイパスを開発し、...続きを読む日本で初めて拡張型心筋症に対する左室形成術の一術式であるバチスタ手術を行った須磨久善氏だ。須磨氏はNHKの「プロジェクトX」など各メディアにも登場したスーパードクターで、バチスタ手術後も色々な手術器具の開発や術式の改良を行っている。そういう意味では須磨氏は「ブラックペアン1988」で「スナイプAZ1988」を駆使する高階権太のモデルでもあり、チーム・バチスタを率いる桐生恭一のモデルとも言え、作者が如何に須磨氏を尊敬しているかが伺える。 本作では「公開手術はサーカスだ」「医は仁術」といった日本古来の医療倫理にも問いかけている。もちろん命に貴賤はない。しかし医療事業も経済原理の中で動いている以上、カネとは無縁ではいられない。カネのことは誰か偉い人が考えて現場はひたすら医療行為に専念すればいいという考えはブラックであり、またファンタジックだ。質の高い医療レベルを維持しようとすればカネなしでは無理だという現実から目を背けてはいけない。 ところで、本作の天城や「ドクターX」の大門未知子など天才的な手技を持つスーパードクターがエキセントリックな人物に描かれがちなのは何故だろう?
ドラマでは前作のブラックペアンの渡海と今回の天城とは双子の設定だったが… 次回作で明らかになるのか 楽しみ!
ブレイズメス1990 海堂 尊 (著) ### あらすじ カネの亡者!? の天才外科医、現る。 この世でただ一人しかできない心臓手術のために、モナコには世界中から患者が集ってくる。天才外科医の名前は天城雪彦(あまぎ ゆきひこ)。カジノの賭け金を治療費として取り立てる放埒な天城を日本に...続きを読む連れ帰るよう、佐伯教授は世良に極秘のミッションを言い渡す。『ブラックペアン1988』の興奮とスケールを凌ぐ超大作、文庫化。 ### 感想 『ブラックペアン1988』に続くシリーズ第2弾。本作では、渡海が去った後、新病院ができた東城大学が舞台となります。医療小説や警察小説は、専門的な世界を垣間見ることができるのが魅力で、独特なヒエラルキーが物語のスパイスになっています。医療や警察の世界がドラマや小説になりやすいのも納得です。 今回の作品では、天才外科医・天城雪彦の登場により物語が大きく動きます。主人公・世良の視点で進む物語は、読者を天城の型破りな生き様へと引き込んでいきます。専門的な内容も多く、フィクションとノンフィクションの境界が曖昧に感じられるほどのリアリティがあり、これは著者・海堂尊さんが元外科医であることが大きく影響しているのでしょう。そのリアルさこそが、この作品の魅力の一つだと感じました。 物語の終盤は続編を期待せずにはいられない展開で、次作が気になって仕方ありません。早く続きが読みたいです!
読みやすく面白い。 医学界に対して一石を投じる内容で、そっちがメインだったかな。 公開手術はドラマのほうが臨場感伝わってきた。 次作買ってこよう
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