あらすじ
桜宮市の終末医療を担っていた碧翠院桜宮病院の炎上事件から1年後。東城大学の落第医学生・天馬大吉は課題で「日本の死因究明制度」を調べることに。同級生の冷泉と取材を重ねるうち、制度の矛盾に気づき始める。同じ頃、桜宮一族の生き残りが活動を始めていた。東城大への復讐を果たすために――。天馬は東城大の危機を救えるか。シリーズ史上最大の因縁がいま、解き明かされる。メディカル・エンタテインメント、驚愕の到達点!
★豪華電子版特典付き!
【電子書籍・共通あとがき】
【著作解説】電子版あとがき『輝天炎上』
付録1【海堂尊・全著作リスト】
付録2【作品相関図】
付録3【桜宮年表】
付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】
付録5【「桜宮サーガ」構造】
付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】
付録7【関連小文索引】
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
『螺鈿迷宮』の正当続編にして『ケルベロスの肖像』の別視点。表の光と裏の闇。二つで一つの真の完結編。各々の思いを胸に絡み合う。『ケルベロス』はメインキャスト勢揃いという感じだったけど、こっちは各シリーズ作品の脇を固めた人物も登場して、ほんとに色んなキャラが絡み合ってサーガを創ってることが分かる。天馬大吉と冷泉深雪の「AI」総復習という一面もあって面白い。あとやっぱり『ケルベロス』と合わせて読む面白さ、特に田口先生と天馬のやり取りが見ててついニヤついてしまう!最後はちょっと余韻を残しつつ終幕。
Posted by ブクログ
はぁ……これで終わりかぁ~~終わっちゃったなぁ……。
Aiセンター最後の日を別視点で描いた一作。
あの日彼女たちが何を考えてどう行動していたのか、語られなかった部分が明らかになる。
その前に、医学生たちが死因究明制度についてのレポート作成のため東奔西走するお話がついている。我々読者も彼らと一緒になって先生たちの話を聞き、死因究明におけるAiの有用性を今一度改めて思い知らされる。阻む敵についても。
今作ですべての物語が収束する。過去の因縁も、桜宮の闇も。いや、全てではないし、それほど収束もしていないような気もするけれど……。だってまだまだ、桜宮の、極北の、浪速の、そしてこの日本の未来について読んでみたい気持ちが強いんだもの。東城大、世良、彦根たちの物語をもっともっと読みたい。
天馬は立派な医者になれるだろうか、心配だな。
謎を残したままなのは別にいいんだけど、これで終わりということなので一抹の寂しさを覚えてしまう。
最後にこの場であえて言おう、飛べ、綿毛と。
Posted by ブクログ
桜宮サーガ、炎上。海堂尊著『輝天炎上』が描く医療ミステリーの到達点
本作は、桜宮病院炎上事件から1年後を舞台に、新たな陰謀と謎が渦巻く医療ミステリーです。
物語は、東城大学医学部の学生、天馬大吉が「日本の死因究明制度」を調査することから始まります。調査を進めるうちに、天馬は制度の矛盾に気づき始め、同時に桜宮一族の生き残りが動き出していることを知ります。前作『螺鈿迷宮』で張り巡らされた伏線が、本作でついに回収され、予想を遥かに超える展開に息を呑みました。
複雑に絡み合う人間関係と緻密な舞台設定
本作の魅力は、複雑に絡み合う人間関係と緻密な舞台設定です。桜宮一族、東城大学、そしてAiセンター。それぞれの思惑が複雑に絡み合い、物語は予想外の方向へと進んでいきます。
特に、Aiセンターの描写は圧巻です。最先端の医療技術が集結した場所でありながら、同時に人間の欲望と陰謀が渦巻く場所でもあるAiセンター。その対比が、物語に深みを与えています。
医療ミステリーと社会派ドラマの融合
本作は、単なる医療ミステリーではありません。日本の医療制度の問題点、そして人間の欲望と倫理観の葛藤を鋭く描いた社会派ドラマでもあります。
特に、終末期医療の問題は、現代社会において避けて通れないテーマです。海堂さんは、このテーマを深く掘り下げ、読者に問いかけます。
『螺鈿迷宮』との繋がり
本作を読む上で欠かせないのが、前作『螺鈿迷宮』です。『螺鈿迷宮』で提示された謎が、本作で解き明かされます。しかし、それは同時に新たな謎の始まりでもあります。桜宮サーガは、まだまだ終わらない。そう確信させてくれる作品です。
最後に
『輝天炎上』は、医療ミステリー、社会派ドラマ、そして人間ドラマの要素が融合した、まさに海堂尊さんの集大成とも言える作品です。桜宮サーガファンはもちろん、医療ミステリー好き、そして社会派ドラマ好きにもおすすめします。
ぜひ、本作を手に取り、桜宮サーガの壮大な物語を体験してください。
Posted by ブクログ
落第医学生の天馬と優秀な冷泉美雪が繰り広げる医学界での行動を克明に追った物語だが、彼らの活動と旧態依然の体を示す病院に絡む桜宮一族と東城大学の争いが焦点だ.天馬たちは死因究明をテーマにレポートをまとめようと多くの教授たちとの面談を重ねるが、AI(死後画像診断autopsy imaging)センターの設立がかれらの行動に影響を与えるようになった.解剖の実施とAIの兼ね合いが複雑な問題を呈しており、AIセンターの将来構想が不透明になってきた.多くの医師・教授が登場するがそれぞれ個性派が多く、ストーリー展開上どの人がキィーマンなのかを見極めるのが難しかった.桜宮一族の小百合とすみれが暗躍するの楽しめたが、全体の流れが最後までよく把握できなかった.
Posted by ブクログ
そうですねえ。
ずっと時系列で読んできているので
分かるような分からないような。
前半と中盤と後半とが
繋がっていくのに少し時間がかかりました。
リアルタイム的な同時進行型に
慣れてしまってるので
後半の小百合が出てきたあたりから
少し戻って見直してました。
で、最後はどうなったんだ?
この先はどうなるんだ?
ということで、星四つ(笑)
Posted by ブクログ
螺鈿迷宮のストーリーを裏側から見た物語。
シリーズのレギュラーが多いとこんな手法も使えるのかと感心した。
客観的な視点でレギュラー陣を描写する面白さだけでも読む価値があると思います。
Posted by ブクログ
同じ事件も視点を変えると、こうも印象が変わるのか。チーム・バチスタ側のシリーズ最終章が大団円にはならず、不可解な行動してる人が少なからず、居た。その裏側、これまでのシリーズに散りばめられた伏線の回収...。桜宮一族には全く共感できないままだったのに、この読後感の良さよ。
Posted by ブクログ
「ケルベロスの肖像」のサイドストーリー。感想を書くとネタバレ必至なのだが、書きたいという思いも鎌首をもたげる。桜宮サーガの真の集大成と言うことなのだろう。ラッキーペガサス天馬から見たAiセンターの最期までのくだりで、ケルベロスの全貌を知ることができた。そして、天馬はどうなったのか? という含みまで残してのエンディング。いや~海堂さん、どうなっちゃうのっ!
Posted by ブクログ
「ケルベロスの肖像」を読んだだけではわからなかった物語が描かれている。
ほかにも「北極クレイマー」や「ジーン・ワルツ」や「ブラックペアン1998」 などの人物も登場している。
この数行があの物語に繋がっていくのか!といった驚きもあった。
天馬視点が中心となって語られるAIセンター崩壊事件の物語には、桜宮一族の呪いが詰まっている。
桜宮病院が炎上するなかからどうやって逃れたのか。
はたして逃れたのは誰だったのか。
「ケルベロスの肖像」では描ききれなかったドロドロとした背景が浮かびあがっている。
小百合とすみれ。
双子でありながら対局にいるようなふたりが最後にたどり着くところとは・・・。
天馬と冷泉、小百合とすみれ。
医療制度の矛盾を突きながら読ませるエンタテインメントとしても楽しめた。
医療により完璧さを求める患者たち。
生命を救うことに打ち込む医師たち。
一方には、医療を権力や資金源にしか思わない医師たちもいる。
自分たちの既得権を守ることに汲々としている警察関係者もいる。
都合の悪いことは隠蔽しようとする人間もいる。
罪を犯してしまった背景を理解しようとする人間もいる。
「チーム・バチスタの栄光」に始まったこのシリーズはさまざまなことを浮き彫りにしてくれた。
田口と白鳥の主要コンビだけでなく、登場人物たちが個性的で読みごたえもあった。
好きなシリーズのひとつだった。
Posted by ブクログ
天馬君視点の「ケルベロスの肖像」。
ちょっともう、ぐっちーへの評価が辛すぎて、弁護したくなってしまう罠。
ブラックペアンとブレイズメスは読んでるけれど、極北シリーズはまだなので補完したいなぁ。
スリジエセンターも文庫出ないかな!
Posted by ブクログ
ストーリーはちょっと無理があると思えたりするのですが、それはそれで魅力あるキャラクター達が補って面白さがありました。他作品を読まないと理解も面白さも半減します。またこれから世界が広がっていくことは確実で、楽しみです。
Posted by ブクログ
バチスタシリーズのケルベロスの肖像の裏話的な話。表読んだ人は、こっちも読んだ方が良いかと。あと、解説的には、螺鈿迷宮も先に読んだ方が良いらしい。
結末は分かってるので、ミステリー感はなかったんですが、こいつら悪だくみしやがって的な面白さはあった。
Posted by ブクログ
ケルベロスの肖像の裏パート
主人公は天馬くんがメイン
ケルベロスで語られなかった不自然なところとかがわかる
ああ、なるほど姉妹はそうやってこうしてたのねぇ な感じ
ってか、現実的にできるか?そんな事?と思わないでもないけど、物語が面白ければ問題なし
要はアレでしょ 壮大な姉妹喧嘩という(笑)
Posted by ブクログ
バチスタシリーズを全部読まずにこっちの世界線に来てしまった…!でも読む側を引き込んでドキドキさせてくれる。田口先生シリーズもやっぱり読みたい。
Posted by ブクログ
『ケルベロスの肖像』と同時間軸で進む天馬大吉と西園寺さやか視点の物語。相変わらずロマンスが不自然というか説得力がないと感じる。天馬君はそんなに美少女にモテる要素なかったと思う。そして大口を叩く割には脅迫状を出した人物を気にしなかったりなど、細部を気にしないさやかに漂う小物感。『ケルベロス〜』の印象だけの方が強そうだった。そしてセンター爆破はやはりやり過ぎ。『ケルベロス〜』はバチスタシリーズ最終章だったのか、と今さら知る。さて次は極北市。
Posted by ブクログ
久し振りに海堂作品を読んだが螺旋迷宮の続編になるみたいで、読んだ記憶はあるが忘れてる部分も多い(^^;
そもそも海堂作品は登場人物が絡み合ってるものなぁ・・そこに疲れて離れたんだけど、そもそもが病院中心なので説明が硬く理解できない部分が多い。キャラも基本的流れも面白いんだけどなぁ~
ラストのAIセンター爆破については二転三転で言い方を変えればバタバタという感じになったが、結局姉妹は逃げて再挑戦の作品が出てるのかな?天馬はどうも主人公として実力不足だし(笑)
他に読む本が見つからなかったら海堂作品も気分転換にいいかもというレベル。
Posted by ブクログ
何だかん落ち着きがない印象。色々ちょっと無理あるかな。双子が生きてたのは良いにしても、すみれの方は顔どうなってんの?やっぱりヤケド?何だかんだチグハグな感じが否めない。と、前作をキッチリ覚えてないとスンナリ入ってこないのが残念だった。
あと、大阪弁が嘘くさい(笑)
Posted by ブクログ
桜宮市の終末医療を担っていた碧翠院桜宮病院の炎上事件から1年後。東城大学の劣等医学生・天馬は課題で「日本の死因究明制度」を調べることに。同級生の冷泉と取材を重ねるうち、制度の矛盾に気づき始める。同じ頃、桜宮一族の生き残りが活動を始めていた。東城大への復讐を果たすためにー。天馬は東城大の危機を救えるか。シリーズ史上最大の因縁がいま、解き明かされる。
Posted by ブクログ
自分の期待が高すぎたかな。
姉妹作である『ケルベロスの肖像』の方が面白かった。
作者さんの現実世界への失望が作品世界にも侵食してきてしまったことが個人的には惜しい。
でも海堂さんは本質的に虚構の世界を生きる人ではなく現実の世界を生きる人なのだろう。それは仕方のない話。
個人的にはこれで桜宮の因縁には満腹しました、未読のシリーズも残っているがこれで卒業します。
Posted by ブクログ
チーム・バチスタシリーズの別物語、第2弾。
ケルベロスの別視点の作品です。
天馬くんが課題で「日本の死因究明制度」を調べ始めます。
同時に桜宮一族との因縁の対決が繰り広げられる物語。
作品として個性的な登場人物があり、面白いです。
話が広がり過ぎて著者の想いが途中で爆発した印象。
最後はなんか冷めた印象がありました。
先に本シリーズを読んでないと、置いてかれそうです。
まあ本シリーズファンにはお勧めの作品です。
Posted by ブクログ
キャラクターが都合良すぎて、イマイチ。
出来過ぎ。セリフも一人から発せられた感じがしすぎて広がらない。
でもストーリーはひねりが効いてて、面白い。
Posted by ブクログ
期待した割にはイマイチだったかな。
最初の天馬クンと冷泉の恋の駆け引き?はホンットつまんなかった。
小百合&すみれのところにきてやっとおもしろくなってきたけど、東城大の行く末はケロベロスを読んで知ってるしラストもさほど、、という感じ。
海堂作品は好きなので、続編あればいいな。
(*´﹃`*)
Posted by ブクログ
桜宮市の終末医療を担っていた碧翠院桜宮病院の炎上事件から1年後。東城大学の劣等医学生・天馬は課題で「日本の死因究明制度」を調べることに。同級生の冷泉と取材を重ねるうち、制度の矛盾に気づき始める。同じ頃、桜宮一族の生き残りが活動を始めていた。東城大への復讐を果たすために―。天馬は東城大の危機を救えるか。シリーズ史上最大の因縁がいま、解き明かされる。メディカル・エンタテインメント、驚愕の到達点!
Posted by ブクログ
空想的な部分が半分を閉めている様に感じた。あの人が生きている事から派生するすべての接触や出来事が。
大吉は、リアリストにみせかけて結構ロマンチストだ。
この話はこれはこれで面白いかもしれない。
Posted by ブクログ
「螺鈿迷宮」の続編。
そして「ケルベロスの肖像」を別視点からか見た内容になってる本。
なので、「ケルベロス~」の話の中の出来事の裏側が分かったり、細かな内容が補てんされています。
もし読むなら「ケルベロス~」と一緒に読むのが一番のおすすめか。
こちらも次作を予感させる終わりになってます。
どうなのかなー。
しかし、この主人公
どうしてこんなに女の人にモテるんかなぁ・・・。
Posted by ブクログ
桜宮シリーズではダントツで「螺鈿迷宮」がすきなので、そのつづきが読めるというのはとてもうれしい。ただ、期間が空きすぎていて、おぼえていない箇所も多々あり、それはかなしい…。
どっちつかずの天満くんの態度は、それが彼にとって最大の誠実さなのだと思いやれる終わりだ。物語の主眼からは逸れ、相も変わらず謎は残されるとはいえ。