海堂尊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ震災直後の、被災各地での医師たちの奮闘を描くルポ(インタビュー)集。
医師も人間であり、被災者でもある。そんな彼らが自分のことを脇に置いての医療活動に従事する姿は、とても尊いものだった。
または、関東から自分の病院を置いておいて被災地にかけつけた医師たちも・・・。
それまでして「被災地に医療を」という姿勢を見せている者たちがいる反面の、行政の無理解や不手際や怠慢、という構図はもう、フィクションだけでお腹いっぱいなのに・・・現実にも存在したというのが、やるせなさすぎる話。
※監修者:海堂尊さんの「あとがき」より・・・。
・自著ではなく監修のポジションでしかない本作においてさえなお、“A -
Posted by ブクログ
わずか9歳で「コールドスリープ」を選択したアツシ。
涼子は5年の間、献身的にアツシのデータを取り、維持装置を確認し、見守り続けてきた。
しかし、涼子は気づいてしまう。
目覚めてからアツシに襲い掛かるさまざまな困難に・・・。
何を伝えようとしているのか、それは何となくだけれどわかる。
でも、どうしても登場人物たちに感情移入ができない。
この手の物語にそんなものはいらないと言われるかもしれないが、涼子の決断にもいまひとつ説得力を感じなかった。
現代において人間が物語や映像で想像できることは、ほとんどが未来において実現されるだろうと言われている。
だとすれば、この「コールドスリープ」もまたいつかは現 -
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どんなに医療技術が進歩したとしても、触れてはならない聖域があるのかもしれない。
母として、父として、子どもに果たさなければならない責任とは何なのか?
生めば親になるのか。育てていく過程で親になっていくのか。
みどりの選択が正しかったのかどうかはわからない。
ただ、理恵はきっと、以前とは少しだけ違う人間に成長しているような気がする。
理恵なりに良い母親になるような気も・・・。
現在、代理母の法的問題はどうなっているのだろう。
自分に関係のないことは、たぶん報道されていても目に止まらない。
不妊治療の問題も含めて、きちんとした話し合いはされているのだろうか? -
Posted by ブクログ
医療ユーモア短編小説集+α
速水先生のまじめなお話と渡海のまじめなお話しが入ってる
その他は「まったく起こりえない事態ではないかもしれない」お話
人一人が健康に生きるためのコスト、癌の予防&特効薬ができたら、病院にランク付けがあったら等々
ガンコロリンの話のオチは生態学的に考えると面白い
ガイア理論的な考えはある意味で宗教のようなものですからねぇ
表題作に関しては、まったく荒唐無稽なものでもなくなってきている
クイズ番組で高得点をたたき出したIBMのWatsonが今度は医療分野にも展開するというらしいし
そもそも医療はトライアンドエラーの統計学みたいなものだから
過去のデータが膨大にある