【感想・ネタバレ】ランクA病院の愉悦(新潮文庫)【電子特典付き】のレビュー

あらすじ

とんでもない医療格差が出現した近未来の日本。売れない作家の終田千粒(ついたせんりゅう)は「ランクC病院」で銀行のATMに似たロボットの診察しか受けられない。そんな彼に「ランクA病院」潜入取材の注文が舞い込む表題作。“日本一の健康優良児”を目指す国家プロジェクトに選ばれた男の悲喜劇「健康増進モデル事業」など、奇抜な着想で医療の未来を映し出す傑作短篇集。『ガンコロリン』改題。※【電子版あとがき】をはじめ、ストーリー上の出来事が一目でわかる【桜宮年表】や【作品相関図】、小説・ノンフィクション作品の【海堂尊・全著作リスト】、小説作品の【「桜宮サーガ」年代順リスト】など数々の電子版特典を巻末に収録!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

海堂さんの短編は初めて。
とても読みやすい医療短編小説。SF的なものもあれば、まさに医者ならではの作品もある。渡辺淳一氏以来の医療小説好きとしてはたまらない。
ガンコロリンは最後の部分のために弓矢を引いた、星新一氏のような作品で良作だった。ガンコロリンから題名が変わったのはなにか理由があるのだろうか

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2024年11月25日

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病院小説の短編集。表題の小説は最後に掲載されていますが、空想の話でありながらもなぜかいつかは起こり得るのではないかと思ってしまう話でした。ガンコロリンの話も災害の地に速水が派遣される話も、フィクションだけど今の日本の医療に関して考えさせられる話でした。

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2023年04月16日

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海堂尊のお茶目なところを楽しんだ。長いものに巻かれながら、内部告発的な愉悦
「診断ミスがあっても訴えません」とバリアを張って「貧乏人は死ね」
能天気なお気楽ランクC海堂先生 頑張って!私はあなたのファンです

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2020年09月09日

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ネタバレ

短編オムニバス。いきなり白鳥室長らしき影がちらつき、東北地方を襲った大震災ではジェネラル速水が登場。そして、表題作となる短編では愚痴外来の名が出てくる。桜宮サーガファンとしては思わずニヤリ。あとがきで警鐘を鳴らす著者。ガンの特効薬が開発された「ガンコロリン」だが、地球を蝕むウイルスとなる人類は、やはり新たなガンという地球の特効薬で絶滅へと進むしかないのか? 医療に所得格差を設けた表題作も、あり得ない話ではないのだ。

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2018年07月19日

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単行本「ガンコロリン」の改題で文庫化された短篇集。
作者の他の作品とリンクしてる部分が多く、おおお!!!と思わず興奮しながら一気に読んでしまいました。

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2016年07月13日

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将来の日本の医療の姿かもしれないと思うと,ぞっとするけれど,それをシニカルに描いているのでおもしろく読めた。「おまけのあとがき」にも共感。日本のワクチンとして書き続けてほしい作家さん。

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2016年06月03日

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最初の2つがとても面白かった!かなり笑えました。あとの方が好みに合わなかったので、星が1つ減りました。

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2023年10月05日

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ネタバレ

軽くて重い五つの短編。
・「健康増進モデル事業」、「ガンコロリン」、「ランクA病院の愉悦」の三篇は聞き馴染みのある名前を借りながら、ちょっと先の医療とのつきあい方が書かれた半フィクションで半ノンフィクションのようなお話。
・「緑剝樹の下で」、「被災地の空へ」はファンに向けたお話。前者は一人の外科医が繋げた命。そしてその命は彼らに託された。後者は一人の医師の成長と被災地で医者が出来ることは?を描いている。

一応桜宮シリーズなので、時系列的には『極北ラプソディ』を読んだ後ぐらいに読むと楽しめる。読んで良かった一冊。

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2023年01月14日

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短編じゃなくってもっとじっくり長く読みたい!ってなった

経営面や、医師の中でも自分の得意とする分野の生き残りなど、病院の在り方とかを考えさせられる本でした

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2021年03月22日

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医学小説短編5作

医師としての皮肉をたっぷりふくんだ作品が面白い。

「健康促進モデル事業」は、いかにもありそうな感じ。
「ガンコロリ」の恐ろしい結末も、現実にあってもおかしくない。

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2019年05月21日

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 初期の筒井康隆(というか その影響を受けたかんべむさし)作品っぽいギャグものと、おなじみ桜宮サーガ派生のシリアスものが交互に並んでる( ´ ▽ ` )ノ
 いちおう医療短編つながりではあるけれど、なんかまとまりに欠ける感( ´ ▽ ` )ノ
 どれもこれもオチがいまいち( ´ ▽ ` )ノ
 してまた、ムダが多い( ´ ▽ ` )ノ
「ガンコロリン」の博士の言語障害、「被災地の空へ」の2医師の確執、「ランクA」の主人公のペンネームネタ……すべてムダ。枚数稼ぎ?( ´ ▽ ` )ノ

 投げやりな「あとがき」がじつに印象的( ´ ▽ ` )ノ
 自分でも書いてるとおり 飽きっぽいDr.カイドは、作家であることじたいにも飽きちゃったのかな?( ´ ▽ ` )ノ

2019/02/24

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2019年02月24日

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医師であり作家である海堂尊の医療小説短編集。薄い本の中に五編も入っているので、一編一編はどれも本当に短い。
「ガンコロリ」のシュールさと「被災地の空へ」で描かれる人間模様が良かった。

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2018年05月09日

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別タイトルで読んだことがあった短編集。
読み進めてから気がついた。
ガンコロリンが何を文字っているか分かるくらいには業界が近い。
速水先生が出てくると勝手に親近感が沸く。

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2018年05月06日

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海堂さんらしい短編5作品。
一番はやっぱり、速水先生が主人公の「被災地の空へ」
命を救うために駆け付けた被災地で、軽症患者か遺体の検案かという過酷な状況に置かれた救命医の無力感や憤りはいかばかりであったのか、想像を絶します。
でもきっと、岸村先生が仰るように、そんな状況だからこそ、生きている人間が学ぶことも多いのだろう…とでも考えないと、やりきれないよな。

表題作は何ともシニカル。
中身は同じでも、桐の箱に入っているだけで何倍もの値段がする果物を思い浮かべる…世の中は、そんなものだらけなのかもしれないな。

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2017年06月06日

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ネタバレ

最初の国家プロジェクトが面白かった。
ガンコロリンはなるほどーという結末。
ーーー
とんでもない医療格差が出現した近未来の日本。売れない作家の終田千粒(ついたせんりゅう)は「ランクC病院」で銀行のATMに似たロボットの診察しか受けられない。そんな彼に「ランクA病院」潜入取材の注文が舞い込む表題作。”日本一の健康優良児”を目指す国家プロジェクトに選ばれた男の悲喜劇「健康増進モデル事業」など、奇抜な着想で医療の未来を映し出す傑作短篇集。『ガンコロリン』改題。

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2017年05月22日

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作者の作品は初めて読みました。

『健康増進モデル事業』はおもしろかったけどちょっと消化不良?
『ガンコロリン』は現実になれば怖い。一歩間違えれば現実になりそうだし。
表題作が一番面白くなかった。

あとちょこちょこギャグ的な言い回しがあるが、どれも笑えなくてちょっと鼻につく…のはキャラクターの魅力不足かな。

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2017年02月06日

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医療ユーモア短編小説集+α
速水先生のまじめなお話と渡海のまじめなお話しが入ってる
その他は「まったく起こりえない事態ではないかもしれない」お話
人一人が健康に生きるためのコスト、癌の予防&特効薬ができたら、病院にランク付けがあったら等々

ガンコロリンの話のオチは生態学的に考えると面白い
ガイア理論的な考えはある意味で宗教のようなものですからねぇ

表題作に関しては、まったく荒唐無稽なものでもなくなってきている
クイズ番組で高得点をたたき出したIBMのWatsonが今度は医療分野にも展開するというらしいし

そもそも医療はトライアンドエラーの統計学みたいなものだから
過去のデータが膨大にある疾患はビッグデータで診断が可能だろうね
ただ、その信頼度はどの程度かというと疑問ではあるけれども、それは人間の診断でも同じだしなぁ

短編集としてはバランスが悪いけど、海堂尊が好きな人ならいいんじゃないかな

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2016年11月02日

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ネタバレ

健康増進モデル事業8/16
緑剥樹の下で8/17

ガンコロリン8/18
被災地の空へ8/19
ランクA病院の愉悦8/21

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2016年08月21日

Posted by ブクログ

コミカルな短編集。「健康増進モデル事業」がバカバカしいのだがとても面白かった。電車の中で笑いをこらえるのが大変だった。「被災地の空へ」も速水医師のスピンオフ作品みたいで、いい。海堂尊は長編ものがいい作品を書くが、こういうコミカル系のも気さくに読めて面白い。

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2016年08月12日

Posted by ブクログ

あとがきに、フィクションだが絵空事ではない、そうこころして読んでほしい、とある。

そう考えながら読んでみるといいかも。考えさせられる作品。

他の作品に出てきた人がちょくちょく出てくるので懐かしい。あぁ、あの話の後かぁ、と。

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2016年06月24日

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ネタバレ

5本の短編集


健康増進モデル事業
 健康とは何か。
 根本から覆される考え方。見方。
 日本国内から3人のうちの一人に選ばれた木佐誠一。
 いろんな意味で考えさせられれます。

緑剥樹の下で
 ノルガ王国にて一人の日本人医師トカイ。
 王国の皇子が拡張型心筋症と診断。
 医師は国境まで皇子を連れて行き、再度戻っていく。

ガンコロリン
 ガンの特効薬で予防薬。
 この薬があっという間に承認され、世に広まる。
 外科医が絶滅危惧種となる。
 時を経て20年後。
 新たなガンが見つかる。
 勿論、ガンコロリンが効くわけもなく…。

被災地の空へ
 東北の地で地震。
 極北救命救急センターの速水達の奮戦記。
 ただ、死体検案書を書くだけの被災地での作業。
 救いたいが救えなかった命の書類。
 ドクターヘリ、ジェット、空飛ぶICU。
 速水の考え方がちょいと変わります。
 チラチラ見える、以前の作品の登場人物にニヤリ。

ランクA病院の愉悦
 TPPにより医療が自由化。
 医療格差が出てきて、A、B、Cとランク分けされる。
 その実、AとCの実情は大差がない。
 『人的』か『機械的』かの差だったりする。
 

今まで発表した短編。
相変わらずの海堂節にニヤリとしたり、焦ったり。
巻末に新たなるお知らせあり。

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2016年06月21日

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