又吉直樹のレビュー一覧

  • 人間

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    ネタバレ

    芸人が書いた本という先入観みたいなのがあって避けていたが面白い本だった。
    主人公視点では何か行き詰まった時に、過去を振り返りその事を思い出して感傷に浸っている。そして自分自身を傷つけて過去の傷と一体化しようとしているのではないかと思った。しかし耐えきれずに傷から逃げるように他者に癒しや傷のなすりつけをしている。
    別の人の視点でも傷をつけている人やつけられている人の話があるがこれは作者の考えが強い気がする。
    みんな一人一人自傷して、傷ついて他者に何かを求めている。自傷なんかせず他者に何も求めない。これが優しさなのではないかと読み終えて考えた。

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    2024年04月20日
  • 人間

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    「これ、ずっと読んでるの?」「うん、百回は読んだ」「ミチはおなじ本を何度も読むの?」「うん、アホやから一回じゃわからん」(357)

    難しかったけど、一度で理解しようとするほうが傲慢な気がした。時がきたら再読したい。

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    2024年03月30日
  • 人間

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    ネタバレ

    沖縄編をどのようにとらえたらよいのか?

    読みながらいろいろと考えていました。
    それまでは、苦も無く読み進めていたのに沖縄編は正直いって冗長で飽きてきました。

    ただ、最後の「私は人間が拙い」

    ここまできて、作者の思いというかプロットというかわかるような気がしました。

    序盤から中盤のハウス編や影島編は、沖縄編への「フリ」だったのかな?
    そう思うと多少のカタルシスが得られました。

    にしても、沖縄編は冗長に感じられました。


    本文は、突如過去の記憶になったり、現在の記憶に戻ったり。過去の記憶でも戻るレンジが保育園の時期だったり、思春期だったり、小学生だったり、頻繁な記憶のスイッチバックを繰

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    2024年03月19日
  • 月と散文

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    心の中にふと浮かんだ思考の連なりや、止まらなくなった妄想。心の中の自分との会話。淀み揺蕩い、とりとめもなく書き綴る。正に「散文」。

    頭に浮かんだことの殆どが生活に流れされていく中で、それを細かく掬い上げ、尚且つ全てを限りなく言語化しようとする。
    だから文量にも差があるし、だらだらと情報が多くて読みにくいものも多々ある。
    ただ、書き留めようと試行錯誤できることがそもそも稀有な才能。そう思うと世の中のエッセイストはとんでもない人々だなあと。


    関係ないが、これを読んで筆者のルーツが沖縄にあると知った。へー。

    関係ないが、自分と同じ感覚で会話のキャッチボールできる友人っていいよね。

    関係ない

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    2024年02月24日
  • 人間

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    良く分からないけど面白かった。
    どこがどう良かったのか、バーで影島と語り合うシーンは好きだったけれど、具体的に何を話していてどう思ったかとか良く覚えていない。抽象的な話をそれっぽく連ねているだけだったような気がする。

    そういう一見無駄な時間が永山や影島にとっては大切で、作者にとっても大切なことなのかもなぁ、と思う。
    その無駄な時間を積み重ねていくのが人間だよね、ってことかな。

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    2024年01月30日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    二人の頭の中を少し覗けたようで面白かった。同じような出来事でも、こういう捉え方をするんだと新鮮に感じたり、確かにそうだなとハッとさせられたりする文章が多くて良かった。特に又吉さんの感性は優しく時に独特で、本を読んで面白くないと感じてもそれは自分が面白さをわからなかっただけじゃないかと思うと言っていたのが印象的だった。

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    2024年01月24日
  • 人間

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    ジャケ買いしましたが、個人的にはあまり面白いと思えませんでした。しかし、内地から沖縄に帰ってきた人間として、生きるとは何か、人の温かさや家族、親戚に囲まれて生きる事の意味を訴えかけているように感じました。

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    2023年12月27日
  • 人間

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    前半はすごく読んでいて苦しかった。自意識に囚われている主人公と自分に重なる部分があったからかもしれない。きっと主人公は著者自身で、影島道生は著者の胸のうちをさらけ出せる登場人物だったのだと思った。
    人間というと簡単だけど、ひとりひとりをクローズアップするとそこにあるのはその人自身で、人間として共通のものはないのかもしれない。自分の拙さに苛まれ自意識が過剰になることもあるが、これからはそんなところも自分という人間らしさなんだと受け入れられるようになる気がした。

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    2023年12月06日
  • 人間

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     人間が拙い人たちのお話。正直少し分かり難かった。何者かたらんとする若者の自意識と、不器用ながらも自意識と折り合いを付けつつ生活をやり過ごす嘗ての若者たち。

     お笑い芸人・又吉直樹の手に為る作品として読むことを前提としていると思う。そうでなければ多分よく分からない。一部の登場人物は又吉の半身とも読める。或る種の自伝的作品とも言えるか。勿論多かれ少なかれ騙りは含まれるのだろうし、彼一流の破綻も忍ばせてあることだろう。

     作者とテキストを切り離して読むことの是非によって評価の分かれる作品かも。

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    2023年11月25日
  • 人間

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    「火花」「劇場」は読んだことがあったけどこれが1番読みにくくて読後感も暗く感じました。

    読みにくさは主人公 永山の視点で語られることによる独りよがり感。特に誰に伝えるわけでもない永山の心の動きが訥々と続きます。読みにくいといえば読みにくいのだけど、人間の個人の胸のうちとはこういうものだよなと思いました。

    「人間」というタイトルだけあって凄く人間臭くて本を投げ出したくなるところも所々ありました。作者が自己や生きることと対峙したうえでうまれた作品なのだと言うことをひしひし感じました。

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    2023年11月05日
  • 人間

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    人間として生きるのが下手くそだと自分でも思います。そんなことを考えている人って、案外多いでしょうね。

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    2023年10月19日
  • 東京百景

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    <目次>


    <内容>
    ピース又吉のエッセイのような雑文。夢見る文学青年らしさが出ている。老壮期に入った自分が読むと,ちょっと痛いなと感じた。

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    2023年09月29日
  • 人間

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    ネタバレ

    自分はまわりとは違う、他の人よりも優れているとまわりを見下しながら生きるも、自身は何も成し遂げることができないよくいるサブカル大学生のような主人公の人柄を、巧みな例えを用いながら表現していて面白かった。あの批判記事が実際に存在することに驚いた。小説の中でそれに対して反論しており、テレビやyoutubeで見るときの知的で優しそうな又吉さんと違い、腹黒い部分も垣間見えた。最後の田舎のパートだけよくわからなかった。

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    2023年09月17日
  • 人間

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    だらだら長い感じがして読むのがしんどい箇所もあったけど好きな雰囲気のお話だった。又吉自身の体験とか考え方が色濃く出ているのかなと思った。コラムニストを追い込むシーンをメタ的な視点で読んじゃってめちゃめちゃ笑った。色々溜まってたのかな…
    人間失格未読だけど、読んでからの方が良かったかも。
    裏表のない良い人も普段横柄な態度だけど根は良い人も別に大したことはなく、負の感情を抱えながらもそれを表に出さずに笑っている人間こそが評価されるべきという影島の持論に、前から漠然と思っていたことを言語化してもらったような爽快感があった。

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    2023年06月25日
  • 人間

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    語り過ぎな気がした。(又吉のことをよく知る人にとっては面白いのかも)
    黒歴史の回想は、永山の根底が崩れる感じが好き。
    そして一つ疑問なのだが、沖縄の話は同じ作品の中に閉じ込める意味はあったのだろうか。

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    2023年03月31日
  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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     山頭火、放哉と言う名前は知っていても、彼らの句を鑑賞することは今までなかった。
    この本の選ばれた110句を読み、それぞれの句に何か感銘を受けたとは言えないが、きっと心の奥底にひとつくらいは沈み込み、ふとした拍子にその句のことを思い出すのかもしれない。
     放哉の句を選んだ又吉氏の解説に、
    「人生を上手く渡れそうな材料は一通り揃っていたが、その部分がことごとく使い物にならなかったのではないか。」(P164. 釘箱の釘がみんな曲がつて居る)
    とあるが、そんな悲しみか絶望かを体験した放哉の生き方が心に沁みた。

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    2023年02月16日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    学生時代にしていた交換ノートを思い出した。
    どうでも良い話だったり、日常の引っかかりなど、
    読んでて楽しかった。

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    2022年11月18日
  • 劇場(新潮文庫)

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    永田はクズではなく、不器用で、生きるのがヘタで、でも愛は深い人物なんだって思った。
    沙季ちゃんには言えないし、してあげられない優しさは永田の中に愛として確かにあって、でもそれがどうにも価値観とか経済的なこととか、社会が邪魔をして上手く伝えられない。
    「どうして幸せになれないんだろう」って、永田の言葉が印象的。どうやってもこの社会では、「何かを得るものは何かを捨てなきゃならない」から彼らは彼らだけで幸せになれないんだって考えさせられた。
    それから、演劇って夢があるなと....

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    2025年02月14日
  • 蕎麦湯が来ない

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     せきしろさんと又吉直樹さんの自由律俳句集3作目。

          * * * * *

     『カキフライがないなら来なかった』が気に入ったこともあり、続けて読んでみました。

     前作よりかなりの歳月が経っているためか、句の趣が少し変わったように思います。そこまで削ぎ落としてしまうのかと感心するほど、句がシンプルになっているような印象を受けました。(個人的には前作の多少ウエットな空気をまとった方が好みなのですが。)

     ともあれ今作も楽しめたので、個人的に印象に残った句を書き留めておくことにします。

    ○せきしろさん
    ・ わざとだと知っているがもちろん言わない
    ・ 悪い人ではないと言われている人が

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    2022年05月26日
  • 蕎麦湯が来ない

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    ネタバレ

    あるある! と共感したり笑ったりするだけでなく、なにかひとりじゃないような、あたたかくもないけど寒くも無いような、何かが残る好きなシリーズ。

    せきしろさんの句は基本的に自意識が強く、少し冷めていて、なんだか寂しい。物悲しい。観点が絶妙で、共感するのに既視感でうんざりしたりはしないラインをうまくついているし、他の人にありそうで無い行動原理、しかも揺るがないやつを持っているように感じる。
    ただ、同じ言い回しが多くて、言葉選びのフィルターをもう1、2枚通して欲しいなという感じはある。文章でも過度な説明や同じ話の繰り返しが多くて、割と飛ばし読みしてしまった。
    友人のビデオテープの話、教員の父に大人に

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    2022年05月20日