又吉直樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
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二十年前、美術系学生が集う共同住宅ハウスにて
ある騒動が起こり打ち砕かれた過去を持つ永山は
一通のメールにて再びその記憶を呼び起こされる。
何者かになろうとあがいた過去、もがき続ける今、
それでも生きていく「人間」とは?
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又吉の本は随分前に火花を読んだきりだったけど、
こんなにも難解な文章を書くんだったけ?と動揺。
ずっと自意識を拗らせた持論、討論が続き、
難しい言葉で難しいことを語るもんだから、
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Posted by ブクログ
ネタバレ芸人が書いた本という先入観みたいなのがあって避けていたが面白い本だった。
主人公視点では何か行き詰まった時に、過去を振り返りその事を思い出して感傷に浸っている。そして自分自身を傷つけて過去の傷と一体化しようとしているのではないかと思った。しかし耐えきれずに傷から逃げるように他者に癒しや傷のなすりつけをしている。
別の人の視点でも傷をつけている人やつけられている人の話があるがこれは作者の考えが強い気がする。
みんな一人一人自傷して、傷ついて他者に何かを求めている。自傷なんかせず他者に何も求めない。これが優しさなのではないかと読み終えて考えた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ沖縄編をどのようにとらえたらよいのか?
読みながらいろいろと考えていました。
それまでは、苦も無く読み進めていたのに沖縄編は正直いって冗長で飽きてきました。
ただ、最後の「私は人間が拙い」
ここまできて、作者の思いというかプロットというかわかるような気がしました。
序盤から中盤のハウス編や影島編は、沖縄編への「フリ」だったのかな?
そう思うと多少のカタルシスが得られました。
にしても、沖縄編は冗長に感じられました。
本文は、突如過去の記憶になったり、現在の記憶に戻ったり。過去の記憶でも戻るレンジが保育園の時期だったり、思春期だったり、小学生だったり、頻繁な記憶のスイッチバックを繰 -
Posted by ブクログ
心の中にふと浮かんだ思考の連なりや、止まらなくなった妄想。心の中の自分との会話。淀み揺蕩い、とりとめもなく書き綴る。正に「散文」。
頭に浮かんだことの殆どが生活に流れされていく中で、それを細かく掬い上げ、尚且つ全てを限りなく言語化しようとする。
だから文量にも差があるし、だらだらと情報が多くて読みにくいものも多々ある。
ただ、書き留めようと試行錯誤できることがそもそも稀有な才能。そう思うと世の中のエッセイストはとんでもない人々だなあと。
関係ないが、これを読んで筆者のルーツが沖縄にあると知った。へー。
関係ないが、自分と同じ感覚で会話のキャッチボールできる友人っていいよね。
関係ない -
Posted by ブクログ
せきしろさんと又吉直樹さんの自由律俳句集3作目。
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『カキフライがないなら来なかった』が気に入ったこともあり、続けて読んでみました。
前作よりかなりの歳月が経っているためか、句の趣が少し変わったように思います。そこまで削ぎ落としてしまうのかと感心するほど、句がシンプルになっているような印象を受けました。(個人的には前作の多少ウエットな空気をまとった方が好みなのですが。)
ともあれ今作も楽しめたので、個人的に印象に残った句を書き留めておくことにします。
○せきしろさん
・ わざとだと知っているがもちろん言わない
・ 悪い人ではないと言われている人が