又吉直樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
文筆家のせきしろさんと
芸人で芥川賞作家の又吉直樹さんによる
エッセイ&自由律俳句の本。
自意識過剰なおふたりの爆笑エッセイには大笑いして楽しめた。
せきしろさんのお父さんとの思い出話はうるっとしたり。自意識過剰話はまるで、自分の事かと思わせるテクニックは太宰作品を思い出させるようだった。
又吉さんの自意識過剰はせきしろさんと違って、独特の又吉ワールドが広がっている。
若かりし頃の平成ノブシコブシの吉村さんとのエピソードもあり。
自由律俳句ゾーンはパラパラと何も考えずに読めて、くすっと笑える。
私のベスト・オブ・自由律俳句は、又吉さんの
【手拍子されると狂う】
-
購入済み
芥川賞受賞作だったので。
お笑い芸人、漫才師のお話です。作中に登場するのは又吉さんそのまま当てはめて読みました。日常の様子を小説にした内容ですか、ある登場人物のおかげで、平凡から、非凡で常識外れな世界が見れました。ラストは意外な展開とまだ続きがあると思わせる文で、女性が読むと、男性の友人関係のサッパリさに、やや物足りなさを感じます。
-
Posted by ブクログ
クスッとしたり、ひりひりしたり、ほっこりしたり。もやもやと漂っている感情を、諦めずに言葉にすることへの努力を惜しまない、誠実で才能あふれる2人だと思う。
その一方で、だらだらと気を遣わず、居酒屋でずっと世間話をしているのを、聞かせてもらっているような感覚もあり、ありがたい。
「劇場」に性描写がないのは不自然だと思った、何故ですか?との砂鉄さんからの問いへの回答のあたりはスリリングだった。わたしもまったく同じ感想を持っていたから。その回答、もう一度読みたいけど、又吉さんに怒られたみたいで、なんだか怖くて読めない、笑。
全ページを通して、すべてをちゃんと受け止めたい、理解したいという気持ちで丁寧 -
購入済み
宿命
想像していたよりもずっと繊細で,苦しくて,衝撃的。
自伝ではないものの,又吉さんの人間性がにじみ出ていた。
命を削って心を削って人を笑わせる,人に笑われる仕事。
生まれてから死ぬまで,まわりの人を笑顔にし続ける宿命。 -
Posted by ブクログ
・
ちょっとズレたこと書くけど又吉くんが好き。サッカーできて、頭良くて、ファッションにも明るくて、おもしろいって、最強じゃないですか。
・
AIR-G(FM)の番組で紹介されてて、
聴きながらニヤついちゃうおもしろさがあった、せきしろさんとの共著です。
・
タイトルからして、切なさ炸裂。
センチメンタル過剰で自意識異常な自由律俳句集。ところどころに入る、散文も読みごたえありました。
・
○賞味期限切れの一味ならある
○靴を入れてた箱と暮らす
○一人足りないが出発することに決まった
○ホチキスでとめられるかの賭け
○翻訳したみたいな謝罪文だ
○本を忘れて浴槽で迷う
○そうだふりか -
購入済み
人間描写が鮮明で実生活と重なる
実際に会話として噛み合っていない掛け合いすら笑いとなる芸人の世界感を感じることが出来、自由な発想を持って生きて良いのだと改めて思わせられる作品でした。誰もが実生活で経験する人間描写が鮮明でイメージしやすく想像を搔き立てられました。
-
ネタバレ 購入済み
1日で読みました
仕事の休憩中に少し読んで(お姉ちゃんのピアノの話まで)、面白かったのでその日の夜には全部読んでしまいました。
神谷は良い人物であるし決してイキっていてイカレている訳ではないんだけど…、、というのがしっかり表現出来るオチで、素直に凄いと思いましたw
あと家を出ていくシーンは、それぞれのキャラクターが「自分ではない誰かの為に」振る舞っていて、いいシーンです。それぞれ怒り出してもいい筈なのに。
純文学がどうこうはわかりませんが、面白かったですよ。
人の惨めさや情けなさを上手に表現しつつも胸糞感があっさりしてて(個人的には「夜と霧」以来…)、又吉直樹、良い書き手だと思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ美術を志す若者たちの思い出から始まったのに、最終章はまったく別の物語を読んでいるような気分になった。主人公は思ったことを意外とハッキリ言うので時には辛辣でヒヤリとするものがあるし、仲間たちの間で傷付いていく様子にはこちらも痛みを感じて苦しかった。
長い人生のなかで変化していくものと変わらないもの、どちらもあると思うけれど、あのときの永山と今のミチは違う。成長というのもどこかまた違って、自分自身を痛めつけるのをやめてケアしているように見えた。
ケアで言うならば、影島との会話もかなりお互いをケアし合っていると思った。このふたりならば訳のわからない会話も成立する。ひとりの人格がふたつに分かれたような -