又吉直樹のレビュー一覧
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日中は過ごしやすく、夜になると肌寒さを感じはじめる季節に読みたくなる本です。
この作品を読むと、自分の軸を持つことの大切さと、それを貫き通す難しさを再確認させてくれます。
自分軸を守るために他人の目を気にしてそれなりの成功を果たした主人公と、自分軸を守り抜いたために社会的な成功を果たせなかった先輩。
両者の気持ちがわかるからこそ、痛快で切なく、何回読んでも心に響く作品です。
大学生の時に当該作品に出会い、今は社会人一年目なので、影響を受けやすいのかもしれません。
この作品を私の文章力で評価するのも大変烏滸がましいので、機会があれば一度手に取っていただきたいです。
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ネタバレ正直9割はふざけた内容だけど、ヨシタケさんの第6夜と第12夜は本当にそんな本があったら読んでみたいと思った。希望を失った人が立ち直るまでのストーリー・・自分、今どん底からもがいてるんで。もし立ち直れたら自分も書きたいかも。誰かを救うのは、自分を救う事になるんだなぁ。どちらも人生につまづいた人にオススメ
又吉さんの第7夜と第9夜(の、結婚式の話が)泣けた。7夜は絵本作家を目指す小5の岬と転校生の春ちゃんとの話なんだけど、交換日記がほほえましくて、ラストいきなり離れ離れになってしまって岬くんが30年後大人になって本を出すのだけど、もう涙が止まらない
第9夜は娘の結婚式でトランペットを吹きたかった父 -
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主人公、いまのわたしと同い年の設定なのか、と積読から引っ張り出した。
読んでてだるい部分もひっくるめて、語りの力が物語を凌駕した。中高生のときのわたしに読んでみてと勧めたい。そのころ登場人物たちや又吉と同じく「人間失格」をお守りにしたように、「人間」をもお守りにしたかもしれない。言いたいことが思うように伝わらず腹が立つことがあっては夜な夜なページを開いて、影島の言葉を自分のものにしていったかもしれない。生きづらさを抱える人が、生きることに真正面から向き合って書いた小説が、おもしろくないわけないじゃん。わたしは永山にも影島にもシンパシーを感じながら読んだ。 -
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又吉さんみたいな文章を書きたい、もう読みながらいや、わかるわ〜と共感したり、啜り笑いがでたり、なんなんだこの文章、、引き込まれる。1日で読み終わりました。
へへへ、恋人のお家で読み終わったんだけど6時間くらい読み続けていて正直異様な空間だったなと今では思う。でも私の啜り笑いを見てなんかつられて笑ってて又吉さんのおかげで作られた幸せ空間だったなと思う。ありがとう又吉さん。
又吉さんとお友達になりたいんですけど、どうしたらいいですかね。
なんか変態って褒め言葉だよなと改めて感じた。変わってることはまぁ、よくいう個性であって。それに悩む時もあるけど愛せたら多分楽しくなるし、強くなれるのかなあ。全然ま -
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もともとyonigeというバンドが好きで、
その中でも沙希という曲が1番好きで。
この本から影響を受けて書いた曲だと知ったにも関わらず読んだことがなかったので、
今更ながら読んでみた。
終盤、気が付いたら涙が止まらなくなっていた。
最後の描写は実際の場面を見たかのように強く映像として残っていて、2人のこの時間に終わりが来ることを認めたくなくて、しばらく最後のページをずっと眺めていた。
永田のプライド、コンプレックス、それが人との関わりにおいて邪魔をしてしまうシーンは、
ここまでの表出さえしなくとも自分自身の中にもある感情、あった感情な気がして、読み進めるのを躊躇いそうになる瞬間もあった。 -
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ネタバレ自分の人生で往復書簡形式の本はこれで2冊目。対談よりもこういう文通のほうが好きかもしれない。矢継ぎ早に言葉が飛び交うのより、時間をかけて相手に言葉を渡すのが心地よいからか。
実は又吉直樹も武田砂鉄もちゃんと文章を読むのはこれが初めてだった。だからこそ、又吉直樹のあの無気力そうでミステリアスな風貌からどんな思考が出てくるのか、ネット上で名前をよく見た武田砂鉄はどんな事を話すのか、とても楽しみだった。
読んでみると、だいぶ安っぽい感想になるけど、自分に刺さった言葉がたくさんあった。15頁の「人は言動を瞬間的に変えながら〜」に触れた時、この本を買ってよかったとすら思った。私も「2週間前の自分は別の -
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ネタバレ魂の解放の話。
好きな芸人さんではあるけど、メディアに出ている時は色んな方面に気を使いながら喋っている事が多い感じがするのが、この本では恥を忍んで少し魂を解放している雰囲気が良かった。
最後の「魂を解放してもいいですか?」でスナックでママに応援されながら、一人カラオケを歌う話が良かった。
p. 93 しかし、文学者が排他的な思想を持っていたことには、少なからず動揺した。それは、文学に幻想を抱いていたからだ。かつては憧れに似た感覚で書店の本棚を見上げていたが、その棚に排他主義者が隠れているのかと思うと吐きそうになる。そんな鈍い感性の書き手は一部に過ぎないのだろうけれど、書店が恐ろしくな