又吉直樹のレビュー一覧

  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    各書簡、必ず見開き2ページ(36字✕28行)に収まっているので読んでいて心地よい。なぜかと思ったら元は新聞連載なんですね。この濃度のやり取りを2週間に1回続けていたのか、という事実にも驚く。
    ぱっと無作為にページを開いて読むと、砂鉄さんが書いたのか又吉さんが書いたのかわからない。それくらい文体も思考の流れも似ているおふたり。でも面識はなかったそうだし、往復書簡を交わすことで《友達になるとか、そういうことにもならなさそうだ。:武田》らしい。そんなふたりだからこそ、ぬるま湯に浸かって交わす会話のような、そのお湯から出てなんとなく始めるピンポンのような馴れ合いではなくて、もっと火傷しそうなやり取りも

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    2024年08月09日
  • 蕎麦湯が来ない

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    ネタバレ

    又吉が好きで、最初又吉の部分だけ読んで、読み終えてやっぱ又吉好きだなって思った。
    つぎにせきしろさんの部分だけ読んだ。せきしろさんて初めて知ったのですが、すごく周りの目を気にする人なんだなって。自分もそういうタイプではあるけど、突き抜けたひとだなって。あと、知らない街のビジネスホテルが好きとか、そういうの真似したいなって思った。
    おもしろかったです。

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    2024年06月24日
  • 月と散文

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    社会からの疎外感をまつわりつかせても開き直りと言い訳を混濁しながら自尊心と自虐をないまぜにする。この感情の振り幅は程度の差はあれど誰しもが備えている。困惑と不安が渦巻く日常は決して不幸せではなく、より良いひと時を模索する。その過程を又吉直樹の言葉が色付かせる。華やかではないがほんの少しだけ元気になる。その按配が面白い。こうして著作を評価する自身に問うてみる、その言葉は本当に適切なのだろうか。困惑と不安がこちらに押し寄せてきた。

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    2024年06月13日
  • 月と散文

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    前までの作品は、いちいち又吉の顔が浮かんで「どう?面白いやろ」とドヤ感を感じてしまって苦手だったのが、本作でかなり又吉本人の人となりというか思考が実は自分にも相容れる部分が多くてノイズ無く読めた。むしろ、共感できるパートやフレーズに残した文章もちょくちょくあったほど。

    大勢でいることを暗黙のうちに求められがちな青春時代にひとりが好きな人に読んでほしい。君は、悪くない。

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    2024年06月09日
  • 人間

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    まず又吉氏の作家としての最高傑作である。火花、劇場も良かったが、更に超えてきた。流石です!最近、相対主義的な考えに寄ってきた自分としては何が正しく何が正しくないのか?これに答えはないことを読書中、考えさせられる。そして氏の太宰へのリスペクト。これは既に愛であり、本作も人間失格のオマージュであった。若しくは死んだ人間の目を通した氏の新しい物語である。そしてまた本作は道化であり、コメディであった。物語終盤にフォーカスされる父の愛すべき人物像にもハマった。
    そして、氏の作品に共通するラストの一文は鳥肌。

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    2024年04月25日
  • 月と散文

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    時間かかりましたが読み終えました。心地よくわかりやすい文章と、共感する精神性。また長編も楽しみにしています。

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    2024年04月24日
  • 人間

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    又吉小説3作目。
    またも、なにやらこじらせ男。
    いや、でも、これが作者の中身かも。
    自意識過剰がさらに過剰になるってのは生きにくいね。
    でもね、がんばれ〜って。

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    2024年03月30日
  • 東京百景

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    ネタバレ

    いやあいいんだこれが。ピース大好き。
    劇場の冒頭は実話だったのか。実話じゃないかもしれないけど、とにかくとてもよかった。こういう話をもっとずっと聞いていたい。

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    2024年03月06日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    無目的とタイトルにある通り、大きな命題がないともすれば曖昧なやり取りなんですが、印象的なことばだったり考えだったりが所々にあってメモしながら読みました。日頃ふと考えることも、もっと覚えておけるようにしたいなとなんとなく思いました。あと日頃、何も考えずに受け入れてしまっている色々なことも、それでいいのか?みたいな視点はもっていたい。
    ふわっとしてる感じが心地よくて面白かった。
    武田さんの本は何冊か読んだけど、又吉さんの本もちゃんと読んでみたいなと思った。

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    2024年02月26日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    これは面白い組み合わせ。そして、期待に違わぬ興味深いやり取りが繰り返される。往復書簡ってそういうものなのかもしれないけど、真正面から返し合うのでなく、受けた文面から自分の思索があちこち飛び交い、場合によってはだいぶ距離のある観点からの返書となる。その過程をあれやこれや考えるだけでも楽しい。求・続編。

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    2024年02月21日
  • その本は

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    ネタバレ

    その本は、ページをめくるときの「ペラ」
    という音がちょっと早いです。
    まだめくってないのに「ペラ」と音がすることがあって、腹が立ちます。

    感動 恐怖 笑い 考察 
    色々な感情を味わえる一冊。

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    2025年12月11日
  • 東京百景

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    これだけ多感だと生き辛そうと思う反面、これが著者を作り上げているのかと、改めて凄さを感じる。思った事をこんなにうまく言葉に出来たら毎日楽しそう。眼前の事に真剣に向き合うっていうのはこういうことだ。

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    2025年10月17日
  • 月と散文

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    声を出して笑ってしまうところもあれば、妄想が凄過ぎてついていけない部分もあるけど、トータル面白い。物事を多角的に見る能力や妄想力は大いに尊敬。静かに面白い著者のイメージを裏切らない内容のエッセイ。

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    2025年10月17日
  • 人間

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    厚い本で読みきれるか不安だったが、そこはさすが又吉先生。集中して読み切ってしまった。とてもリアルな「人間」の様が描かれている。ノンフィクションかもしれないなぁ。彼女の三河弁?がちょっと変で気になってしまった笑

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    2023年11月28日
  • 人間

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    ネタバレ

    構成が良かった。
    永山の生きづらそうな青年期が1章から3章まで書かれ、最後の4章には永山の全てを受け入れてくれる両親と沖縄の景色が描かれていていた。
    永山の「ミチ」という名前は影島道生のミチと何かしらの関連がある?と思ってしまった。
    影島とナカノタイチのやりとりはハラハラするけど、私はどちらの意見もなんかわかるなって思いながら読んだ。第三者だから冷静に見てられるけど、当事者だったらこんなことも言いたくなっちゃうだろうなと思った。

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    2023年11月26日
  • 東京百景

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    ネタバレ

    「はじめに」の「この先、仕事が無くなる事も、家が無くなる事もあるだろう。だが、ここに綴った風景達は、きっと僕を殺したりはしないだろう。」という考え方、本当に素敵すぎて、これから読む風景が楽しみになった。
    個人的には、児玉さんと魂を吸う遊びをする話が好きだった。笑える。
    笑いあり、涙ありのエッセイ。又吉さんっていい人なんだなぁ〜と思わずにはいられなかった。

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    2023年10月29日
  • 東京百景

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    ピースの2人の関係性が理解できた。改めて人は出会うべき人と会うのだろうと思った。
    最後のa少年とb少年の話は刺さり過ぎてしまい考えさせられた。
    あと、私も自意識が捨てられません、、、

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    2023年10月22日
  • 孤独の俳句 ~「山頭火と放哉」名句110選~(小学館新書)

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    俳句とはあまり馴染みがなく、山頭火と尾崎放哉についての知識はほぼゼロで読みましたが、又吉さんのおかげでいい出会いができました。




    以下自分用メモ

    又吉直樹 17.18歳のときのノートについて...

    『みんなの日常は喜怒哀楽みたいな感情の動きでリズムができているけど、俺はもう、ため息と舌打ちだけで生活のリズムができている』みたいなメモがあって、めちゃくちゃ暗くて驚きました(笑)

    コントでネタにしたらウケたので暗いノートに書き殴られた言葉たちの居場所があった

    頭で考えたものより感情の発露として出てきた言葉の方が強度をもつ
    →尾崎放哉への確信


    絶望の果ての大笑い 的なことby太宰治

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    2023年10月12日
  • 東京百景

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    ネタバレ

    又吉直樹さんのこれまでの人生の経験を面白く鋭い感性で書かれたエッセイでした。
    特にお気に入りの話は、外国人宣教師に声をかけられた話と、通行人の魂を気付かれないように吸うという遊びをしていたという話が、クスッと笑えて面白かった。

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    2023年09月24日
  • 人間

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    「人間」という永遠のテーマにも感じられるこのタイトルの中で作者は何を語るのかとても気になっていたが、表現や考えの違いで世間に評価されたり、批判、揶揄されたり。その時の世間の流れであったり風潮に左右されるこの現実にどこか親近感が湧きもどかしさを感じた。

    271Pでもカスミの言葉で
    私なんて誰でもない。額みたいなやつ。自分に意味なんてない。自分ではない誰かでいたい。自分らしくとか、自分として強制されたくない。
    この言葉が読後1番心に残っていた。
    普段は気配りしたり自分を隠して何者かを演じてる自分を少し肯定してくれている様な気持ちになった。同じ気持ちを感じる方もいるのはないでしょうか。はたして人間

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    2023年09月18日