又吉直樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
演劇制作に打ち込む青年と服飾デザイナーを目指す女子の恋愛模様を描いた小説。ひょんな出会いから恋人関係になった二人が、同棲し数年を過ごすが、徐々に関係性に変化が生まれる。彼は定職に就かず舞台作りに励むが、観客や演劇関係者からの評価はなかなか上がってこない。一方彼女は女性服販売店や居酒屋で働くが、上京し夢見た姿には遠い日々。そんな中、二人は交際を続けるが、しだいに距離が生まれていく。そして彼女は東京を離れ実家に戻る。離れ離れになった二人は連絡を取り続けるが、彼女は彼との別れを決断した上で、東京に出てくる。彼の方はまだ、彼女に愛情があり、部屋をかたづけて実家に帰ろうとする彼女を笑わせようと必死におどける。しかし「あんたとはもう一緒にいられない」と言う彼女の気持ちは変えられない。どこまでも夢を追い続けようとする彼と、年齢や過ぎた時間から夢に見切りをつけた彼女、対照的な二人の姿の描写が読者に感慨を与えてくると思った。
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Posted by ブクログ
ジャンルが難しいですよね。
コミックではないしコミックエッセイでは全然ないし、小説と言うには挿絵多すぎというかむしろ絵がメインというか…
うーん、創作ではあるから小説にしときます。
装丁、かっこいいですよね
中も外も重厚さを感じられる色合いや造り。なのだけどパラパラ開くとほぼヨシタケさんの絵に埋められている印象。いえ、テキストも十分にありますけども一見としては。
ふざけているのか真面目なのか、真面目にふざけているのか。
読後伝わってくるのは、とにかく著者のお二人は「本が好き」なんだなということ。
あちこちツボるところだらけだったのですが特に「硬いな、泥だんご」とか「手をつないでいてよかった」「笑動説」が好きでした。
巻末の方の未復元本の一覧も。想像力がかき立てられてちょっとお題としてその話を書いてみたくなるものがいくつかありました。
気になったのは書き出しが「卒業式の日、先生は僕に〜(以下略)」「人の心が聴こえるイヤホンが発明された」これは欲しいけど実在したら嫌だなと思いました(笑)
最後のほうに出てくる中学生の物語がすごく良かった。これだけで一冊にしてほしいくらい。原稿用紙に書かれた作文にぐっときてしまいました。
やぁ、このお話はすべての本好きには刺さるんではないかなぁ
小学生の頃、好きな子にすごいって言われたくて、彼に気づかれるように大人の読むような難しい本を無理して読んでいたことを思い出しました。
アピールの方向性が完全に間違っていて、本読む子になんて何の関心もない人だった(むしろ本書の想くんのクラスメイトのタイプ)と気づいたのはずっと後のことでしたが。
本を読むのが好きだから、楽しいから読むのだという子供の頃の純粋な気持ち?を思い出させてもらった作品でした。
ヨシタケさんも又吉さんも、アタマ柔らかそうですね。
メガネの話も、最近メガネ変えたばかりなのでちょっと染みた。
メガネないと自分も本も読めないので、そのかけがえのなさをこのお話に感じました。
メガネはかけかえたけども。
またこんな楽しい本が出ないかなと楽しみに待ってしまいます。 -
Posted by ブクログ
青春、夢、恋愛、挫折…そんな淡い儚い言葉が満載の小説でした。
大阪から上京し劇団を旗揚げした永田が大学生の沙希と出会い、やがて2人は暮らし始める。しかし永田の書く芝居の公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、大きな挫折に見舞われるが、沙希に『あなたには才能がある』と言われ、永田は変わることができない。そのまま沙希に甘え続け、いわゆる『ヒモ』状態が続き、些細なことで諍いになり、沙希は次第に心身をすり減らして、やがて二人には溝が生まれる…誰もが若い頃に経験しただろう夢と挫折、将来像を二人は描けなくなってしまう…若さというものが残酷で、切なさだけが残る。
この『劇場』は、コロナ禍の2020年に映画化され山﨑賢人と松岡茉優という配役が素晴らしかった。
小説の何気ない描写がしっかりと映画に活かされていたように思う。
(小説とは違う映画のラストシーンは賛否両論あるかもしれないが、ちょっと泣けた)
やっぱり又吉直樹さんの小説は、悔しいけど面白いな。 -
Posted by ブクログ
演劇と沙希を核に持つ永田と恋人沙希の不器用な恋の物語。
正直に言って恋愛小説とは思えないが、どこか恋愛小説のような気配を感じる本。永田のクズさに途中苛立ちを覚えたが、読み進めていくとクズであることに変わりなくとも、永田本人も自覚しきれていない変化を読み取れる。
中盤あたりの永田は本当に嫌気がさすが、根気よく読み続けてほしい。沙希という「神様」のおかげで少しずつ永田の中の傲慢さが溶けていく。最後は完全なハッピーエンドとは言えないにしても、なにかスッキリとした爽快感が残る。終盤の短い部分でこの小説の色が変わる。どうか最後まで読んでほしい作品だ。
最後にこんな感想を読んでくれたあなたに感謝する。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一つ一つのお話が短くて読みやすい。短いけれど言いたいことは簡潔に書かれてて面白い。他人の考えをこんなにも簡単に知ることができていいものか、とエッセイを読んで思った。今度は誰か別のエッセイを買ってみようかな?又吉直樹の別作品を買ってもいい。
「火花」はよくわからなかったけど、純文学ってあんまりオチのないものだ、って誰かが言っていた気がする。わからなくて当然なのかも。中学生だった自分には早かったのかもしれない。今読んだら少し印象が変わるかもしれない。再読することで見えるものはあるよ、と「字が上手くなりたい」でも又吉直樹が書いてるし。
過去に送信したメールの末尾ではなく、それを読み返した文章の末尾に草草と書き足すのがオシャレ。過去のことを振り返った11年前の自身に結論をつけたと言うことかな。締めくくり的な。草草自体の持つ意味としての、走り書きを詫びるということなのかもしれない。この文章自体、走り書きですよ〜みたいな。どちらにせよ面白いなあと思った。
漢字の書き方がところどころ気になる。格好いいを恰好いいと書いたり何々しかけるを何々し掛けると書いたり。千秋楽を千穐楽と書くことも知らなかった。彼なりのこだわりが感じられて良い。