【感想・ネタバレ】東京百景のレビュー

あらすじ

死にたくなるほど苦しい夜には、これは次に楽しいことがある時までの
フリなのだと信じるようにしている。のどが渇いてる時の方が、水は美味い。
忙しい時の方が、休日が嬉しい。苦しい人生の方が、たとえ一瞬だとしても、
誰よりも重みのある幸福を感受できると信じている。
その瞬間が来るのは明日かもしれないし、死ぬ間際かもしれない。
その瞬間を逃さないために生きようと思う(九十九「昔のノート」より)

芥川賞受賞作『火花』、話題の映画の原作小説『劇場』の
元となるエピソードを含む100篇のエッセイからなる又吉文学の原点的作品
『東京百景』が7年の時を超えて、待望の文庫化。
18歳で芸人になることを夢見て東京に上京し、自分の拙さを思い知らされ、
傷つき、苦しみ、後悔し、ささやかな幸福に微笑んだ青春の軌跡。
東京で夢を抱える人たちに、そして東京で夢破れ去っていく全ての人たちに
装丁を一新し、百一景と言うべき加筆を行い、新しい生命を吹き込んで届けます。

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Posted by ブクログ

奇人だと思ったら怪人だった。なのに真心をぶつけてくるから余計にわからなくなる。読んで笑ってたのに、次のページでは泣いてしまったり、場所に対しての短文があまりに百景で文才と脳の発達具合に驚愕。何枚、皮あんねん。玉ねぎやんけ。

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2025年02月26日

Posted by ブクログ

又吉大先生、最高です。
こんなに面白いエッセイは初めて読みました。めちゃくちゃ笑いました。そして、最後は、グッと心が引き締められました。受動態がわからないから変な日本語だけど、律せられました。やります。
こんど、東京に行くときはこの本を持参します。
太宰が通ったと聞いて又吉が通った店に、僕も通ってみたい。

そして、なにより、この本を読んで、僕は又吉にめちゃくちゃ似ているんだなと思った。
自意識が肥大した人間。
とても共感した。わかる。あの感覚。

そして文庫本収録の最後の一編。
これはめちゃくちゃ胸打たれた。アツイ。アツすぎる。
僕達は誰かを喜ばすために生きているわけではない。ただ、生きている。
いい思想だ。
僕も、自分の選択に自分で責任を持って、鼻水撒き散らしながらでも、泣き言いいながらでも、一歩ずつ進んでいきたい。

うおぉ〜。2025年、早速良い作品に出会ってしまった〜。

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2025年01月14日

Posted by ブクログ

夢を追うために、苦しみながらも留まり続けて見た景色たち__かけがえのない東京での日々を綴ったエッセイ。切なさと物悲しさの中にふいに入るユーモアがずるい。100の景色の先にまだ道は続いていく...読み終えた時心がすっとした。

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2024年10月21日

Posted by ブクログ

⚫︎感想
東京に旅行中、読んでみた。
笑えるものから、ジーンとくるもの、不思議なもの、不気味なもの、後輩、先輩とのやりとり、好きな作家さんとのやりとりなどまで幅広く、又吉さんの繊細な感性が表れたエッセイ。とても良かった。また読み返したい。


⚫︎あらすじ(本概要より転載)

振り返れば大切だったと思える、「ドブの底を這うような」青春の日々の記憶

死にたくなるほど苦しい夜には、これは次に楽しいことがある時までの
フリなのだと信じるようにしている。のどが渇いてる時の方が、水は美味い。
忙しい時の方が、休日が嬉しい。苦しい人生の方が、たとえ一瞬だとしても、
誰よりも重みのある幸福を感受できると信じている。
その瞬間が来るのは明日かもしれないし、死ぬ間際かもしれない。
その瞬間を逃さないために生きようと思う(九十九「昔のノート」より)

芥川賞受賞作『火花』、4月公開の話題の映画の原作小説『劇場』の
元となるエピソードを含む100篇のエッセイからなる又吉文学の原点的作品
『東京百景』が7年の時を超えて、待望の文庫化。
18歳で芸人になることを夢見て東京に上京し、自分の拙さを思い知らされ、
傷つき、苦しみ、後悔し、ささやかな幸福に微笑んだ青春の軌跡。
東京で夢を抱える人たちに、そして東京で夢破れ去っていく全ての人たちに
装丁を一新し、百一景と言うべき加筆を行い、新しい生命を吹き込んで届けます。

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2024年08月16日

Posted by ブクログ

お笑いが大好きだった高校時代に購入した一冊。

地方に住んでいたから、当時東京のことは全くと言って良いほど知らなかった。たまに芸人さんから発せられる東京の地名だけがなんとなく東京の知識として頭にあるだけ。

そんな中東京百景を読み、又吉直樹というフィルターを通して”東京“を知った。

受験生になり、東京の大学を受験。なんとか行きたかった大学に受かり、上京することになった。

初めての環境で一人暮らしがスタートし、サークルに入り、友達ができ、ときどきバイトをし、友達といろんな場所に出かけた。目の前の世界が楽しくて、本をあまり読まなくなった。

それでも本棚を眺めることは好きで、ある日ふと、「東京百景」が目につき久しぶりに読んでみることに。

すると、今まで又吉直樹のフィルターを通して頭に描いていた東京の景色が、自分が見た景色に入れ替わって頭に飛び込んできた。

又吉直樹の“東京”を読みながら、頭の中に自分だけの“東京”が広がる。それは、自分が暮らしてきた日々をアルバムのように振り返っているような感覚だった。

その後しばらく読むことはなかったけれど、今読んだらどんな感覚になるだろう。この本はあえて頻繁に読み返さないようにしている特別な本だけど、そろそろまた読んでも良いかもしれない。

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2024年02月01日

Posted by ブクログ

何気なく本読みたいなって時のためにカバンにずっと入れておきたい本を探している人にはもってこいの一冊ですね。
一つ一つの話のオチがしっかりつくのがさすが芸人さんやなってなりました。
たくさんの笑いをありがとう

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2023年05月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

男子校時代、吉本の養成所時代、売れない芸人時代、など面白い話がたくさん詰まったエッセイだった!
特にラストの畳み掛けがとても良くて、いいもの読んだなぁという思いが強い。マーカーをつけたい箇所ばかりだった。
普段あまり強い言葉で意思表示をしているイメージのない又吉さんだからこそ、相方への激励を力強く書いているのが印象に残る。熱い思いがそこにあるんだと思った。
二人がどのように出会ってなぜコンビを組んで、後々どんな関係性になっていったのか、そういう経緯を読むのも面白かった。相方のことになると表現に血が通っているというか。これまでとトーンが違って率直さが前面に出ている気がして良かった。

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2023年05月19日

Posted by ブクログ

油断して電車や静かな場所で読むのは危ない。
腹が捩れるほどの笑いが怒涛の波の様に押し寄せます。他にも笑えるエッセイは読んできたはずですが、本にもお笑いというジャンルが存在するのだ…と新鮮に感じました。シュールな笑いが好きな人は好きだと思います。

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2023年04月04日

Posted by ブクログ

又吉さん3冊目。そろそろさん付けします。

ちょっとエッセイになるのかな?100個の短編集なのかな?「劇場」や「人間」に出てくる話の原体験らしいエピソードも含まれており、そしてシンプルに話がおもろい。通勤電車の読み物にしていたけど、多分相当やばい顔しながら読んでた

好きな言葉がたくさんあったけど、無理して一位を選び出します
『踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損。』
良いのよ

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

又吉さんの作品は初めて読んだ。文章が読みやすいし、人との繋がりを大切にされていて流石芸人さんだなと思った。

33.世田谷公園の窒息しそうな雰囲気、池尻大橋、高尾山、漱石の墓、ルミネtheよしもと
面白かった。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

友人に借りた本。又吉の文章初めて触れたけど、面白い!サクサク読んだ。

六十 井の頭公園 六十一 阿佐ヶ谷の夜
せきしろさんと西加奈子さんと太宰ナイトに関する話。

七十六 池尻大橋の小さな部屋
その人と暮らした記憶。東京のハイライト。

☝️好きな話。

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好きな文章

ある日、僕が通行人の魂を相手に気づかれないように「ズゥ〜」と吸う遊びを考案した。

好きな人とデートした経験がある人は幸福だ。前日、真夜中の十二時を過ぎた時計を見て「もう今日やん」と平凡なセリフをたやすく吐ける。それがデートだ。

過去を引きずる男はみっともないらしい。僕は引きずるどころか全ての想い出を引っ提げて生きている。

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

又吉直樹さんの記憶に残った
東京での百景が一つずつ描かれている。

・四十九 秋の夜の仙川

通行人の魂を相手に気づかれないように
「ズゥ〜」と吸う遊び

・七十 冬の市谷釣り堀の風景

「なぁ、風が冷たくて皮膚がパラパラ飛んでいったらどうする?」

どちらの話も後輩芸人との会話をしながら
街を歩いているだけなんだけど
その世界観がとてつもなく刺さった。
特に好きなお話

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2025年06月10日

Posted by ブクログ

心地の良い面白さでスルスルと読めました。
時折、又吉さんの想像の中の世界がノンフィクションと入り乱れていたりして、それはフィクションなんだけれどもノンフィクションで……不思議な浮遊感と哀愁がありました。

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2025年05月20日

Posted by ブクログ

小原晩さんがおすすめされていたので購入。「個性がありすぎることが嫌で無個性になりたかった」とか「人見知りを貫くためには勇気がいる」とか、そういう考え方もあるんだな〜と知って面白かった。目の前の景色を大切に想える1作。

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2025年01月24日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すっごくよかった。いただいた本だからというのもあるけど、すごく気に入った。
みきちゃんが言っていたように、又吉の文章は寂しさと面白さっていう同時に存在しなさそうなことが存在しちゃうのがすごいと思った。
みきちゃんに聞いてから読んだ「池尻大橋の小さな部屋」がほんとうによかった。苦しくなったし泣きそうになったけど、こんなに尊くて愛おしくて悲しい記憶を共有してくれてありがとうって勝手に感謝する。劇場、映画でしか観てないから読んでみたい。いつか読もう。
「1999年、立川駅北口の景色」もすっごく好きだった。おもしろい。元気ない時にこれ読んで笑えるだろうなこれから。
あと、あとがき?の、ポエジーについてのところもすき。「詩情をバカにしようとする自分だけを恥じることにしよう。過剰なセンチメンタルを笑う奴は、ナイーブな心をバカにする奴は、センチメンタルが生み出す攻撃力を、ナイーブがもたらす激情を知らない。」

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

クスッと笑える日常からほろ苦い別れのお話まで沢山詰まったエッセイ集。
エッセイなんだけど、純文学的な雰囲気を感じる文章がそこかしこにあって、夢と現実の間で起きたことのように感じるものも複数。面白かったです。

情熱も感傷も喜びも怒りも嘘のない文章で綴られていて、でも所々で笑わせてくれるのがさすが。

「池尻大橋の小さな部屋」
が切なくて涙。愛情と後悔と感謝が短い文章に詰まってた。
1番好きなお話です。


関西から東京に出てきた身としては東京という街に対して感じることに共感できるところもたくさんあったけど、行動範囲が違いすぎて風景までは見えてこなかったのが残念。
この本きっかけで行ってみたい街が増えたという意味ではよかった。

綾部の影がめちゃくちゃ薄いことについても最後でしっかり言及されていてすっきり。笑

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2025年01月03日

Posted by ブクログ

一切格好つけない書き振りと一つ一つの語彙の豊かさに惹きつけられた。読み進めていくと、沢山苦労をした分又吉さんの人としての温かさを感じられて、心地よかった。
何より、たったの5.6行(1エピソード)で人を笑わせることできるんだから芸人さんってすごい。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

凄く愛おしい!最近エッセイの良さに気づく…(遅すぎ)
やっぱり他人のものの見方というか考え方というか、本当に違って楽しいなー。

でも似てるとこもあって、例えばエレキギターの話のとこで慣れてます感出すところとか!めーっちゃわかる!笑 自分も誰も見てないのに慣れてますよ感とか分かってますよ感とか出したがるんよね。結局、他人にそう見られたいとかじゃなくて自分の為だけにやっとるの笑

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2024年10月05日

Posted by ブクログ

又吉直樹は芸人であると同時にどうしようもなく落窪んだ人間である。しかし、その窪みの深さが人間らしさを醸し出す。
以前、『火花』を読んだ、凄く読んでいて悔しさが滲むような小説だった。
火花を書いた人間だから見える東京百景。それぞれの人間にそれぞれの百景がある。
僕ももうすこしで東京に行く。その時にみえる100景はどんなものになるのか、今のうちから少しずつ書き溜めていっても面白いかもしれない。
以下、僕のおすすめの編。
十八 吉祥寺の古い木造アパート
二十二 一九九九年、立川駅東口の風景
二十五 ゴミ箱とゴミ箱のあいだ
六十八 恵比寿駅前の人々
七十六 池尻大橋の小さな部屋

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2024年09月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いやあいいんだこれが。ピース大好き。
劇場の冒頭は実話だったのか。実話じゃないかもしれないけど、とにかくとてもよかった。こういう話をもっとずっと聞いていたい。

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2024年03月06日

Posted by ブクログ

これだけ多感だと生き辛そうと思う反面、これが著者を作り上げているのかと、改めて凄さを感じる。思った事をこんなにうまく言葉に出来たら毎日楽しそう。眼前の事に真剣に向き合うっていうのはこういうことだ。

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2025年10月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「はじめに」の「この先、仕事が無くなる事も、家が無くなる事もあるだろう。だが、ここに綴った風景達は、きっと僕を殺したりはしないだろう。」という考え方、本当に素敵すぎて、これから読む風景が楽しみになった。
個人的には、児玉さんと魂を吸う遊びをする話が好きだった。笑える。
笑いあり、涙ありのエッセイ。又吉さんっていい人なんだなぁ〜と思わずにはいられなかった。

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2023年10月29日

Posted by ブクログ

ピースの2人の関係性が理解できた。改めて人は出会うべき人と会うのだろうと思った。
最後のa少年とb少年の話は刺さり過ぎてしまい考えさせられた。
あと、私も自意識が捨てられません、、、

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2023年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

又吉直樹さんのこれまでの人生の経験を面白く鋭い感性で書かれたエッセイでした。
特にお気に入りの話は、外国人宣教師に声をかけられた話と、通行人の魂を気付かれないように吸うという遊びをしていたという話が、クスッと笑えて面白かった。

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2023年09月24日

Posted by ブクログ

東京に住んでなくても面白かったです。東京に住んでて場所がわかればさらに面白いのかもしれないです。
現実と空想とお笑いと変人が織り交ぜられてる感じ。
自分でもたまにある現実に空想が入り混じり、ハッとするあの感覚。そんな感覚に又吉さんの独特の感性がクスッと笑わせてきます。
100編の短編なので隙間時間や移動時間にオススメです。

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2023年06月11日

Posted by ブクログ

東京で日々暮らしてきた中での生活や想い出を綴ったエッセイ。思い出すとしんどくなるような過去も軽快に描かれていて、思わず笑いが込み上げてくることが多かった。
ご本人はどのように捉えているか分からないが、しんどい過去を振り返って笑い話にできる人は強いと思う。

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2023年04月30日

購入済み

又吉さんの作品は、個人的に小説よりもエッセイが好みなので面白かった。
tおても短い話も箸休め的な感じでスラスラ読み終わりました。

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2022年01月15日

Posted by ブクログ

友人にに勧められて読んだ。共感できるもの、意味がわからないものがあった。一番好きな話は七十六の池尻大橋の小さな部屋だ。このエッセイで一番長い話だ。些細な出会いが大きな愛や支えになるが、自分が調子よくなると彼女は弱っていき一緒にいることができなくなる話だ。親と子みたいなエピソードだと思った。与えられたものを返せるようになった時にはすでに遅いことが多い。この話はできる時に自分の大切な人に与えられたものを返した方が良いと教えてくれていると思う。
全体的の話や最後の代田富士見橋の夕焼けを読むとチャレンジすることの大切さを教えてくれている。環境が変えることはリスクがあることだが、必ず成長させてくれる。チャレンジする時はビビりながらも少しずつ必ず進むこと、失敗した場合は笑い話にするのは素敵だと思った。死ぬまではビビりながらも進んで笑い話を作っていこうと思った。

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2024年11月26日

Posted by ブクログ

ふらっと読みたい作品。これ読みながら出てきた場面に行ってみたいな~と思った。又吉の魅力がより分かった。

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2024年08月18日

Posted by ブクログ

個人的には『大阪八景』でパロってみても面白かったかな、という印象
舞台は東京であったが、内容自体は割と学生時代等の大阪で形成された人格や経験が基になっているものも多く、強いインパクトを受けているように表現されているのはどれも大阪の背景ありきのように思えた
百景、はさすがに大変だったかな。たるみはあった。ただ、仕方ないですかね

個人的には品川の話と池尻大橋(だったかな?)が特に良かったです
あまりに切ない描写に胸が締められる思いで、「この人はこんな儚さも書いてしまえるのか」と驚かされたものでした
全体的に考えればそれなりに良い作品です

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2024年08月04日

Posted by ブクログ

<目次>


<内容>
ピース又吉のエッセイのような雑文。夢見る文学青年らしさが出ている。老壮期に入った自分が読むと,ちょっと痛いなと感じた。

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2023年09月29日

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