又吉直樹のレビュー一覧
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自分の中心で信じていたことが壊れる。自分の見る景色の真偽がわからなくなる。何を信じればいいかわからなくても、社会で生きていかなくてはならない。思い出は薄れる。記憶は曖昧な過去だし、それを乗り越えて今は上手に生きられるようになったと思い込むこともできる。それを大人になったと表現することもできる。
本当のものを見ている人なんて本当は一人もいなくて、みんなが見たいものを見ている。みんなが不安を抱えている。各々の見ているものが違うなんて怖い。みんなと同じものを見て同じ感情を抱くことに安心する。それが真実で正義なのだと思い込む。そうやって組まれた輪は潔癖症で、異端は悪だと、悪は懲らしめなきゃと、信念を共 -
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又吉大先生、最高です。
こんなに面白いエッセイは初めて読みました。めちゃくちゃ笑いました。そして、最後は、グッと心が引き締められました。受動態がわからないから変な日本語だけど、律せられました。やります。
こんど、東京に行くときはこの本を持参します。
太宰が通ったと聞いて又吉が通った店に、僕も通ってみたい。
そして、なにより、この本を読んで、僕は又吉にめちゃくちゃ似ているんだなと思った。
自意識が肥大した人間。
とても共感した。わかる。あの感覚。
そして文庫本収録の最後の一編。
これはめちゃくちゃ胸打たれた。アツイ。アツすぎる。
僕達は誰かを喜ばすために生きているわけではない。ただ、生きてい -
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2人の間に起こった出来事は、決して劇的なものではない。むしろありふれた話で、だからこそ自分の経験とリンクして胸が締め付けられる思いだった。
『火花』が良すぎてなかなか読めていなかったのだけど(?)、もっと早く読んでおけばよかったと後悔。
「乱暴に言う自分の言葉で興奮しているようだった」
「涙を感動の物差しとして誰かに示すことを恥と思ういやらしさ」
「(沙希には)夢のある暮らしに対する期待があった。それを目の当たりにしてしまったことがつらかった」
「僕の場合、与えるということは「欲求」であって「優しさ」なんかではないのかもしれない。こんなことを考えている時点で下品だなと思う。」
「芸術という -
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⚫︎感想
東京に旅行中、読んでみた。
笑えるものから、ジーンとくるもの、不思議なもの、不気味なもの、後輩、先輩とのやりとり、好きな作家さんとのやりとりなどまで幅広く、又吉さんの繊細な感性が表れたエッセイ。とても良かった。また読み返したい。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
振り返れば大切だったと思える、「ドブの底を這うような」青春の日々の記憶
死にたくなるほど苦しい夜には、これは次に楽しいことがある時までの
フリなのだと信じるようにしている。のどが渇いてる時の方が、水は美味い。
忙しい時の方が、休日が嬉しい。苦しい人生の方が、たとえ一瞬だとしても、
誰よりも重みのある幸福を感受できると信 -
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『劇場』は腹の中を曝け出すような覇気を擁しながらもフィクションとして楽しめる小説であった。
この『人間』はそうしたエンタメ性を第一章にだけ託し、あとはほとんど又吉直樹の独白と化している。それが笑えるし面白い。
芸術、文化、人間があるべき方向に進むために必死になって闘い、見たくないけど見たいものをたくさん見て興奮し、絶望し、疲弊する。
ナカノタイチのコラムに対して(読んでられねえな…)と溜息をついていたら「そこまで読んで一息吐いた。」と続いており、まんまと掌の上で踊らされていたことに笑ってしまった。気持ちを揺さぶるのが本当に上手い。
どうやって結ぶのかと思っていたら、霊的なものも使ってねじ伏せら -
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ネタバレタイトルに相応しい、生々しく強烈な内容だった。
主人公永山は過剰な自意識やトラウマにがんじからめにされながらも、現実と向き合い過去と折り合いをつけていく。
やはり作者が生み出すキャラクターはとても魅力的だ。
永山みたいに、人間くさくて不器用で自意識に苛まれてたり、純粋無垢な霞の様な人もいる。
仲野みたいな浅薄な人もいれば、影山みたいに物事を必要以上に考えすぎる人。
内面描写も素晴らしくどんどん作品に引き込まれていった。
妄想癖があると疑われる程主観が強く、事象に対する認識が周りとズレている永山。
その周りとの認識のズレが永山の魅力でもあり、今作を面白くしている大きな要因なんだろう。
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お笑いが大好きだった高校時代に購入した一冊。
地方に住んでいたから、当時東京のことは全くと言って良いほど知らなかった。たまに芸人さんから発せられる東京の地名だけがなんとなく東京の知識として頭にあるだけ。
そんな中東京百景を読み、又吉直樹というフィルターを通して”東京“を知った。
受験生になり、東京の大学を受験。なんとか行きたかった大学に受かり、上京することになった。
初めての環境で一人暮らしがスタートし、サークルに入り、友達ができ、ときどきバイトをし、友達といろんな場所に出かけた。目の前の世界が楽しくて、本をあまり読まなくなった。
それでも本棚を眺めることは好きで、ある日ふと、「東京 -
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迂回したら満月
沢山の自由律俳句の中で一番好きだったこの一句。いつもと違う道に訪れる素敵な出会い。二人が見ている風景、歩んで来た人生の一部分を切り取って、少しだけ見せて貰った様な感覚。コミカルに、でも情緒的に。読んでいる間に流れる時間がとても温かかった。
個人的に綾部さんがNYへ行く決意を、又吉さんに表明するエピソードがとても好きでした。二人の遣り取りが自動的に脳内再生されて、その様子が凄く微笑ましくて。「ええんちゃう」なんとなくなんの関心も無さそうに聞こえるこの一言が、又吉さんのあの声音が乗っかると、それだけで重みが出るような気がした。口数はまるで少ないけど、相方への愛が真っ直ぐに伝わる