又吉直樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
⚫︎感想
東京に旅行中、読んでみた。
笑えるものから、ジーンとくるもの、不思議なもの、不気味なもの、後輩、先輩とのやりとり、好きな作家さんとのやりとりなどまで幅広く、又吉さんの繊細な感性が表れたエッセイ。とても良かった。また読み返したい。
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
振り返れば大切だったと思える、「ドブの底を這うような」青春の日々の記憶
死にたくなるほど苦しい夜には、これは次に楽しいことがある時までの
フリなのだと信じるようにしている。のどが渇いてる時の方が、水は美味い。
忙しい時の方が、休日が嬉しい。苦しい人生の方が、たとえ一瞬だとしても、
誰よりも重みのある幸福を感受できると信 -
Posted by ブクログ
『劇場』は腹の中を曝け出すような覇気を擁しながらもフィクションとして楽しめる小説であった。
この『人間』はそうしたエンタメ性を第一章にだけ託し、あとはほとんど又吉直樹の独白と化している。それが笑えるし面白い。
芸術、文化、人間があるべき方向に進むために必死になって闘い、見たくないけど見たいものをたくさん見て興奮し、絶望し、疲弊する。
ナカノタイチのコラムに対して(読んでられねえな…)と溜息をついていたら「そこまで読んで一息吐いた。」と続いており、まんまと掌の上で踊らされていたことに笑ってしまった。気持ちを揺さぶるのが本当に上手い。
どうやって結ぶのかと思っていたら、霊的なものも使ってねじ伏せら -
Posted by ブクログ
ネタバレタイトルに相応しい、生々しく強烈な内容だった。
主人公永山は過剰な自意識やトラウマにがんじからめにされながらも、現実と向き合い過去と折り合いをつけていく。
やはり作者が生み出すキャラクターはとても魅力的だ。
永山みたいに、人間くさくて不器用で自意識に苛まれてたり、純粋無垢な霞の様な人もいる。
仲野みたいな浅薄な人もいれば、影山みたいに物事を必要以上に考えすぎる人。
内面描写も素晴らしくどんどん作品に引き込まれていった。
妄想癖があると疑われる程主観が強く、事象に対する認識が周りとズレている永山。
その周りとの認識のズレが永山の魅力でもあり、今作を面白くしている大きな要因なんだろう。
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Posted by ブクログ
若手芸人の主人公・徳永は、先輩芸人である神谷と電撃的な出会いをして、師匠と呼び慕うようになる。神谷は生粋の"芸人"だった。
「面白い」というのは感覚なので、受け手の趣味嗜好や価値観やらに左右されて、明確な正解というのがない。そう考えると、人を笑わせるというのがどれだけ難しいことか。
神谷の「面白さ」を、世間の多くの者は受け入れなかった。認められない存在は淘汰されていくもので、どんどん落ちぶれていく神谷の姿が痛々しく描かれる。
それでも彼は自分が面白いということをただ信じていた。というより、それしか知らないのだとも思う。芸人として生まれ、芸人として生きていく。悲しいほど健気 -
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お笑いが大好きだった高校時代に購入した一冊。
地方に住んでいたから、当時東京のことは全くと言って良いほど知らなかった。たまに芸人さんから発せられる東京の地名だけがなんとなく東京の知識として頭にあるだけ。
そんな中東京百景を読み、又吉直樹というフィルターを通して”東京“を知った。
受験生になり、東京の大学を受験。なんとか行きたかった大学に受かり、上京することになった。
初めての環境で一人暮らしがスタートし、サークルに入り、友達ができ、ときどきバイトをし、友達といろんな場所に出かけた。目の前の世界が楽しくて、本をあまり読まなくなった。
それでも本棚を眺めることは好きで、ある日ふと、「東京 -
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迂回したら満月
沢山の自由律俳句の中で一番好きだったこの一句。いつもと違う道に訪れる素敵な出会い。二人が見ている風景、歩んで来た人生の一部分を切り取って、少しだけ見せて貰った様な感覚。コミカルに、でも情緒的に。読んでいる間に流れる時間がとても温かかった。
個人的に綾部さんがNYへ行く決意を、又吉さんに表明するエピソードがとても好きでした。二人の遣り取りが自動的に脳内再生されて、その様子が凄く微笑ましくて。「ええんちゃう」なんとなくなんの関心も無さそうに聞こえるこの一言が、又吉さんのあの声音が乗っかると、それだけで重みが出るような気がした。口数はまるで少ないけど、相方への愛が真っ直ぐに伝わる -
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なにかに対して誰かが、「これが好きなんです」と語っているのを見て、「そんなしょうもないもん好きなんてダサいな」と思うこともない。だけど、「これが好きな僕っていい感じでしょ?」という姿勢を見て、とてもダサいなと笑うことはある。
という文章に大共感。
「そんなしょうもないもん好きなんてダサいな」って思われるのが嫌で背伸びしちゃう感じもわかるし、でも実際真っ直ぐな気持ちに対してダサいとかないし、「これが好きな僕っていい感じでしょ?」を感じ取ってしまってモヤモヤするきもちもわかるし、やっぱり正直がいちばんだよ〜T^Tというきもち。
又吉さんはエッセイも小説も登場人物の気持ちが真っ直ぐで、捻くれて