又吉直樹のレビュー一覧

  • 蕎麦湯が来ない

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    迂回したら満月

    沢山の自由律俳句の中で一番好きだったこの一句。いつもと違う道に訪れる素敵な出会い。二人が見ている風景、歩んで来た人生の一部分を切り取って、少しだけ見せて貰った様な感覚。コミカルに、でも情緒的に。読んでいる間に流れる時間がとても温かかった。

    個人的に綾部さんがNYへ行く決意を、又吉さんに表明するエピソードがとても好きでした。二人の遣り取りが自動的に脳内再生されて、その様子が凄く微笑ましくて。「ええんちゃう」なんとなくなんの関心も無さそうに聞こえるこの一言が、又吉さんのあの声音が乗っかると、それだけで重みが出るような気がした。口数はまるで少ないけど、相方への愛が真っ直ぐに伝わる

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    2023年11月25日
  • 人間

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    又吉直樹というひとのイメージを良い意味で覆される。
    人間の嫌な部分、弱い部分をこんなにも文筆で表せるのかと、文芸の力に驚いた。
    人を裏切ることが相手の精神に与える苦痛を知れた。

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    2023年11月19日
  • 人間

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    4章構成。1章の途中からかなり作品に引き込まれていった。
    それぞれの章に意味があって、4章は特に良かったように思う。
    作品全体の雰囲気とポロポロと溢れる面白さが本当に好き。

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    2023年10月03日
  • 人間

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    途中まですごく重い話だとおもったけれど、なんとなくこの作品は太宰治の「人間失格」のアントニムなのかもしれない、と全部読んでおもった。

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    2023年09月12日
  • 人間

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    ネタバレ

    よかったなーー
    身内のサブカル集団みたいな話で終わるのかと思ったら最後は故郷とか色んな世代の人がでてきて、人間そのものの話に段々ズームアウトされていく構成が素晴らしかったです、、

    「僕達のことを少し変わった感性の持ち主だということにしたのかもしれない。角度が変われば色が変わる蝶の存在は受け入れることができる人なのに。」

    この話の主題の一つである多様性の概念への警鐘を鳴らす上手い文章だとおもって心を動かされました。

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    2023年08月22日
  • 人間

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    自分が心の奥底に抱えてるものを言葉にして、代わりに吐露してくれたような気持ち良さがある一方で、まるで自分自身に向けて言われているかのようなセリフがいくつもあり、その度に心がぐっと締め付けられた。人間を「やる」どころか、人間を「演じる」に留まっている自分が情けなく思えた。

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    2023年07月31日
  • 月と散文

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    なにかに対して誰かが、「これが好きなんです」と語っているのを見て、「そんなしょうもないもん好きなんてダサいな」と思うこともない。だけど、「これが好きな僕っていい感じでしょ?」という姿勢を見て、とてもダサいなと笑うことはある。

    という文章に大共感。

    「そんなしょうもないもん好きなんてダサいな」って思われるのが嫌で背伸びしちゃう感じもわかるし、でも実際真っ直ぐな気持ちに対してダサいとかないし、「これが好きな僕っていい感じでしょ?」を感じ取ってしまってモヤモヤするきもちもわかるし、やっぱり正直がいちばんだよ〜T^Tというきもち。

    又吉さんはエッセイも小説も登場人物の気持ちが真っ直ぐで、捻くれて

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    2024年05月07日
  • 東京百景

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    何気なく本読みたいなって時のためにカバンにずっと入れておきたい本を探している人にはもってこいの一冊ですね。
    一つ一つの話のオチがしっかりつくのがさすが芸人さんやなってなりました。
    たくさんの笑いをありがとう

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    2023年05月30日
  • 東京百景

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    ネタバレ

    男子校時代、吉本の養成所時代、売れない芸人時代、など面白い話がたくさん詰まったエッセイだった!
    特にラストの畳み掛けがとても良くて、いいもの読んだなぁという思いが強い。マーカーをつけたい箇所ばかりだった。
    普段あまり強い言葉で意思表示をしているイメージのない又吉さんだからこそ、相方への激励を力強く書いているのが印象に残る。熱い思いがそこにあるんだと思った。
    二人がどのように出会ってなぜコンビを組んで、後々どんな関係性になっていったのか、そういう経緯を読むのも面白かった。相方のことになると表現に血が通っているというか。これまでとトーンが違って率直さが前面に出ている気がして良かった。

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    2023年05月19日
  • 月と散文

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    自分も結構空想する方。
    自分の空想は中途半端だけど、又吉ほどの空想のレベルかつ、文才のレベルはやっぱりすごい笑

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    2024年05月07日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    もう本当に、わたしは又吉さんの文章が好きすぎる。

    砂鉄さんも気になっていたのでこれは読まねば…!と手にとった。
    最後のやりとりで砂鉄さんがこの往復書簡を「違和感を嗜むやりとり」と表現されていたのが、とってもしっくりきた。

    こういう感覚って私にもあるけど、こんなに解像度高く文章にできるって本当にすごいことだな…

    又吉さんのやさしい文面と、砂鉄さんのちょっとチクッとするような文面の対比はありつつ、思考のベクトルが似ているおふたりなので、お互いの思考が混ざり合うようで面白かった。

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    2023年04月08日
  • 東京百景

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    油断して電車や静かな場所で読むのは危ない。
    腹が捩れるほどの笑いが怒涛の波の様に押し寄せます。他にも笑えるエッセイは読んできたはずですが、本にもお笑いというジャンルが存在するのだ…と新鮮に感じました。シュールな笑いが好きな人は好きだと思います。

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    2023年04月04日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    あっという間に読んでしまったが、あっという間に読める本ではない。頭のいい人は、すぐ理解できると思うけど、私にとって何度も何度も読み返したい本。

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    2022年11月03日
  • 人間

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    ネタバレ

    まずは圧倒的な思考の量とその表現力に圧倒された。
    話題としても各章でバラエティに富んでいたが、どれも共感できる部分があり、物語に入り込んでしまった。

    結局言いたかったことは、表現には苦しみと矛盾がつきまとうこと、人間のあたたかさだったのかなと思った。

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    2025年10月21日
  • 蕎麦湯が来ない

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    毎日寝る前にちょっとずつ読んだ、ちょうどよかった
    めっちゃわかるやつも、気にしすぎやろ、って思うのもあって楽しかった
    他のも買お

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    2022年03月13日
  • 人間

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    不思議な読後感。又吉先生は第二図書係補佐の頃から好きで、全てではないですが見つけてタイミングが合えば読んでいます。今回もそうで、読み進めていくうちに垣間見られる明らかにヒントを出しているワードや象徴的な出来事と読み解く上で必要な別の物語も含めて作品でありました。時系列をあえて分かりづらくしたり、宗教や神話に人情味を加えたり技法と呼ぶにはそぐわない意欲的なオリジナリティもビシバシ伝わったのでかなり読み応えがありました。一回読んだだけではアホなので理解出来ない部分があったと思うので時が来たらまた。読み飛ばしや、速読をさせない純文学としての文章の強さがありました。

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    2022年03月02日
  • 往復書簡 無目的な思索の応答

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    自分らしさを演出しないと保てない自分なら、自分を助けてくれることもないので捨てればいい

    又吉の言葉と、それを引き出す武田砂鉄の質問が心地よい良い本でした。装丁もスキ。

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    2022年01月04日
  • 人間

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    私も創作畑に片足を突っ込んだ経験有なので、
    ハウス生活時代の自意識ダダ洩れな主人公の目も当てられない感じが、なんとも痛い感じ、わかるー。
    屁の音を聞きながらチルってるのもアートだと。いゃぁ、わけわからんすぎるけど、こういう事も斜めの視点でアートだと表現してるもの、ありますよね。
    これ、又吉と重なる要素があちこちにありすぎて、フィクションといえど自伝のように思えてならない。ナカノタイチが影島を批判した記事の件も、又吉が実際にコラムニストの記事で揶揄された件とかぶります。
    クリントイーストウッドのくだり、意味わからんけど、なんか面白かった。なんつー会話。
    あと飯島さんなんで死んだの?
    沖縄編もこれ

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    2021年12月24日
  • 蕎麦湯が来ない

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    せきしろさんと又吉さんの自由律俳句シリーズが好きすぎる。日常に起こり得るシュールないち場面の切り取り方が最高。

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    2021年08月03日
  • 人間

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    知的、ユーモア、第一話最後の色んなタイプの人間によるすれ違い。
    人間、という大きなテーマに立ち向かい紡ぎ出される言葉の数々が、引けを取っていないのがすごい。

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    2021年05月16日