又吉直樹のレビュー一覧

  • 劇場(新潮文庫)

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    純文学を読んでいる時は好きな文体!好きな文体!何この表現綺麗!エモちい!と思いながら宝石図鑑を眺めるような気持ちで読み進めることが多いのだけど、又吉さんの本は表現の美しさは勿論さることながら、この人の見ている世界をもっと知りたい、この人自身のことを知りたいと強く思うんだよな。一人の人間が美しい文章を書き連ねて作った、感情の群像たち

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    2026年10月11日
  • 火花

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    自分が大学生だったころを思い出しました。
    その時尊敬していた先輩は人間的に立派な人ではありませんでした。留年を重ね、破天荒で、女と金にだらしない。でもなぜか引力があって、輝いてみえたものです。私もこの人のように自由に生きたいと思っていました。

    歳をとり、価値観が少しずつ変わっていき、私は人として成長しました。
    言い換えれば常識やモラルに修正されつまらなくなりました。
    でも久しぶりに会った先輩はそのままなんですよ。歳取って、おっさんの見た目なのに、言ってることもかわらない。
    それを見た時の、羨望と軽蔑と自己嫌悪なんかがぐちゃぐちゃになった物悲しい感覚。本作を読んで鮮明に思い出しました。

    難しい言葉を使わず、簡潔だけど、鮮明に浮かぶ情景があります。
    会話劇のライトさに純文学の詩的なフレーズが挟まり、上手く間が取れていて独特の拍の音楽を聴いているみたいでした。
    ふわりふわりとした話なんですが、時折ギュッと締めてくるような切ない感覚がなんともいえない。
    独特な文体だと思います。

    芥川龍之介への手紙というエッセイもめちゃくちゃ好きです。

    純朴で優しい、でもどこか冷えている感じ。その温度差が心地よい小説でした。

    デカ過ぎる金魚、小さ過ぎる鯉。

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    2026年10月09日
  • 火花

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    久々の小説!没入して読んだ。
    後半は泣けて泣けて、芸人さん大好き、いつも笑いに助けられてる人間としては、もうたまらなかった。
    楽しく苦しく、人間の感情の複雑さと単純さと、言葉の世界に入り込める楽しさを思い出させてくれた。
    又吉先生ありがとう。

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    2026年10月08日
  • 生きとるわ

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    めっちゃ阿呆やん!←褒め言葉。

    前半は横井と僕のやりとりに何度も笑わされ、後半は僕が人生を狂わされていく様が苦しかった。
    上手くなってるな〜著者。
    表紙のブランコの写真、タイトルロゴは黒澤映画「生きる」を意識したものでしょう。
    意味は…やあやあ言われんでも(生きとるわ)大きなお世話や! ってところかな。
    エンディングも爽快。

    妄想キャスティング
    僕(岡田) 林遣都
    僕の妻由希 夏帆
    横井    池松壮亮

    僕が妻に横井へ大金を貸してることを告白する場面で、妻由希が「めっちゃ阿呆やん」を連発する場面で、頭の中で夏帆ちゃん喋ってた。

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    2026年10月07日
  • 火花

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    この話題作から、もう10年近く経っていることにまず驚き。
    今回はAudibleで。
    朗読は、なんと堤真一さん。これが本当に素晴らしくて、すっかり物語の中へ。もう一度聴きたいと思うほど。
    小説を聴いているというより、上質なラジオドラマを聴いているような感覚。
    何度も笑って、ときには胸が苦しくなるような場面も。
    吉祥寺は以前の職場があった場所なので、街の描写が出てくるたびに、ありありと浮かぶ情景。
    「ああ、あの階段を下りてるのね」「あの太鼓の人なの?」なんて、頭の中に実際の吉祥寺の風景を重ねながら。
    (ちなみに私、吉祥寺で又吉さんご本人を見かけたこともあります)
    お笑いにすべてを献げるような情熱。
    思うようにならない苛立ち。
    徳永と神谷の、なんとも言えない関係性。
    いつの間にか、すっかり感情移入。
    そしてラスト。
    それまで胸を締めつけられるような気持ちで聴いていたのに、最後は「ええっ!?」という、なんとも不思議な気持ちに。

    でも、これもまた「お笑いバカ」ということなのか。
    いや、これこそ神谷さんなのか。
    もう最後には、なんだか笑えてしまいました。
    面白かった。
    今さらながら、話題になった理由に納得の一冊。
    そして今さらながら、ドラマも映画も観てみたい。
    あの徳永と神谷が映像ではどう描かれているのか、ちょっと楽しみ。

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    2026年10月07日
  • 火花

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    ネタバレ

    めちゃめちゃおもしろかった!!
    お笑い芸人が登場人物だから口調も大阪弁でさらさら読めた。そのおかげで次へ次へ読み進めてしまって短期間で読めた。
    話の展開がおもしろかった!
    自分はもちろんお笑い芸人ではないけれど、お笑い芸人にしか見ることができない視点があってその考えに圧倒された。
    最後の芸人を辞めると決めた場面の意志の表現(?)の部分が自分の人生にも照らし合わせることができそうで、ただの物語としてじゃなく、自分の人生を少し考え直すことができた。
    あと最後の豊胸は芸人らしい訳わかんなさで面白いと私は感じました。


    やっぱ読書はゾーンに入っちゃえばストレス解消だし、たくさんの言葉が書いてあるから語彙力も上がりそうだし、何より読んでいて楽しいと思えた。
    久々にこんなにいい作品に出会えました芥川賞納得( ; ; )又吉直樹さんすごすぎる

    あと私が小さい頃に火花で受賞したのは知っていたが、その時からこの本の表紙と題名からこんな話であるとは想像できなかった。とてもおもしろかった( ; ; )

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    2026年10月07日
  • その本は

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    ネタバレ

    先に本でした、を読み終えています。こちらも購入しまさた。
    初めは、本でしたの方が面白かったなあと思っていたのですが、読むにつれ面白くなっていきました。
    その本は、を初めはイマイチ理解出来なかったからでしょう。
    特にその本は誰も死なない。は、深く考えさせられました。誰も死んでない。つまり?
    それとも、この作者自身の願望では?など。

    話の後半のオチも結局考えた話だったのかい!と笑いました。

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    2026年09月30日
  • 火花

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    読み終わりホヤホヤではないから、少しぼやけた感想になる。

    私は物心がつく前どころか、まだたくさんの言葉を操ることすらままならない5歳のときから、母親の趣味であるお笑いを見るために、たくさんの劇場を回った。

    人と交流することは満更でもなかったが、幼すぎる私にとって、マイクに向かって言葉だけでお客さんからリアクションを引き出す芸人さんの姿は、不思議に見えた。

    かなり偏りはあったけれど、欠かすことなくお笑いを摂取し続けていたある時、見えるようになってしまった。

    頭を絞って考えたネタを披露しても、笑いが起こらないまま舞台裏にはけていく芸人さんの姿。

    かと思えば、お見送りのときには平然としている姿。

    また別の、小さな箱でのLIVEでは、同じ芸人さんから暴露される。自分の理想と現実とのギャップに耐えきれず、追い詰められていく姿。

    私は、これをずっと見てきた。

    この小説には、芸人さん、といっても主な活動の場がテレビではない芸人さんたち。

    そんな人たちのマニュアルのようなリアルが描かれている気がする。

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    2026年09月29日
  • 火花

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    約10年前に購入して、ずーっと積んだままだったが、読んでみたら面白い!読みながらニヤニヤしちゃう。ブハッて笑っちゃったりもする。
    公衆がいる場では読まない方が良いかも。
    ウケる、だけではなく、大人になる前の悲喜交々に少し切なくなりつつも、笑いがある。
    素敵なお話し、というか文章でした。
    10年も読まずにいたのが勿体なかった…!

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    2026年09月18日
  • 生きとるわ

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    1日で一気読み。平易な大阪弁で書かれててテンポいいから。内容は暗い、お腹痛くなる、なんでこんな行動してしまうの、と。借金する人も貸す人も、自分の心地よさや見えがあって繰り返すんだろうか。娘が変な男に捕まらないか心配。息子が変な女に騙されるんじゃないかと心配。 90

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    2026年09月06日
  • 生きとるわ

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    辛いはずなのに軽く読めた。どん底に落ちていくさまをただかわいそうにとどめていないのが面白かった。滑稽で、ほんとに人生って狂うときは狂うんだなあと…。生きてます

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    2026年09月06日
  • 劇場(新潮文庫)

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    ネタバレ

    自分には慣れていない詩のような綺麗な文章だったので読むのにはとても時間がかかったが、最後には涙しました。

    永田はこうなってしまった結論として「俺に才能がないから」と表していたのが印象に残った。二人が離れる以外の結末はなかったのかと考えても永田の成功がなければ同じ結果になっていた可能性が高いので、この考えは責任逃れにも思えるが、的を得ているのだと感じる。

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    2026年09月01日
  • 月と散文

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    大好きな又吉さんの頭の中を少し覗けたような。
    「家で飼えない孤独を公園に通い、少しずつ育てた」
    とても惹かれる文章だ。繊細な感性を持ってる人だなぁ。

    又吉イズムに触れると、ぷっ!と吹き出してしまうような、くだらなくてゆるい感覚、白黒はっきりさせなくていいよね、ゆっくりでいいよね、控えめでいいよね、という、なんとも言えない穏やかで優しい気持ちになる。

    太陽ではなく月、昼ではなく夜、晴れではなく薄曇り。

    完璧なペヤングを作って食べて、ベランダで月でも眺めながらビールを呑む
    という時間を至福だ!と言える仲間のような気がしてる。これからも作品を楽しみにしています。

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    2026年08月31日
  • その本は

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    その本は、大好きな二人が協力して作った本でした。
    面白い話だけかと思いきや、突然感動させるような話も含まれていました。
    次作の「本でした」も読みたくなりました

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    2026年08月26日
  • 生きとるわ

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    ネタバレ

    岡田は最後まで心理的には救われず、怒りも未練も横井への理解不能感も消えない。物語の構造としては、横井との共依存を支えていた「助ける」「理解する」といった役割だけが消滅した。つまり、心理的には未解放のままなのに、関係の機能だけが停止し、構造的解放が起きた。このズレが強烈な虚無感を生み、読後に重く沈殿する。横井は悪意ではなく、弱さが積み重なって構造化した存在であり、倫理という言語を理解できない。だから岡田の正しさは届かず、怒りも筋も意味を持たない。救われないまま役割だけが消えた。それが『生きとるわ』の核心。⑤

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    2026年08月17日
  • 生きとるわ

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    又吉が普段感じている、世の中に対する怒りや、やるせなさが伝わってきた。

    なぜ怒りの感情が芽生えるのか、なぜやるせなさを感じるのか。気持ちの経路を丁寧に言語化してくれていたように感じた。

    登場人物のクズさにムカつく反面、同時に「よくぞその気持ちを言葉にしてくれた」と、救われたような気持ちになれる作品だった。

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    2026年08月16日
  • 劇場(新潮文庫)

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    売れない劇作家と彼を無償の愛で支える彼女との恋愛小説

    男として、嫌な部分がわかり過ぎて、辛過ぎる。卑屈なようにみえてしまうけど、性根はピュアで優しくて、仕事がうまくいってれば、いい人でいられるのに、というような、自己中心的で、不器用過ぎて、現実味があり過ぎるところに、もやっとした。みんなそう思いながら生きてるのかな。。彼にはそのままの自分で強く生きてほしいなと思った。

    火花に続き、これも良かった。また読みたいし、他のも読もう。


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    2026年08月13日
  • 劇場(新潮文庫)

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    誰にでも少しはあるダメな自分を見せつけられているようで形容し難い感情で読み進めた。
    後悔しないよう周りの人は大切にしないとですね。

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    2026年08月13日
  • 東京百景

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    なんでだろう、東京での日常について話してないのに、溢れ出る田舎感というか、ずっと落ち着いて読める。他の人が東京について書くとギラギラ感があるんだけど、この人だと違う。
    又吉さんの見てる東京は、良いな

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    2026年08月11日
  • 本でした

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    比べる必要はないけれど、「その本は」の方が面白かった。
    2冊目だから、期待が高まったというのもあるだろうな。
    なんだか、お二人の苦悩を感じたのは、考えすぎかな。

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    2026年08月08日