又吉直樹のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
気になっていたし、フォロワーさんからおすすめされたことがきっかけでとうとう読んだ
いや、おもしろいな……。なんというか又吉直樹版の「駈込み訴え」とでも言おうか
個人的には信仰の話だと思ってて、徳永→神谷の神格化がすさまじくてちょっと引いた
自分の信仰対象が、どうやらこの世の流れとはだいぶ離れた位置あったときの屈託やその対象が自分の人生に食い込んで癒着して剥がれないこと
その人がどうあっても擁護できない過ちを犯してしまったときの狭間で揺れる姿が痛々しくてたまらなかった。私はこういう話が大好きなので……
なんというか人生ってこういうことがあるんだよな。自分の心がときめくものが裁かれることも、それで -
Posted by ブクログ
公認会計士であり、妻もいて、順調な生活のはずの岡田だが、高校時代の仲間だった横井に500万を貸していて、未だに返済がない。
横井は、他の仲間たちからも借金を重ねては姿をくらましているのだが、阪神優勝の夜に再会し…。
どうしようもないクズの横井になんで騙されてしまうのか…、読み進めながらイライラしてしまう。
騙されているとは思わないのが不思議なくらいで、どうして彼の言葉を信用してしまうのか…
高校時代の思い出を振り返っていると、時折り笑える場面もあったのだが、借金の返済がないまま、会えばまた騙されている岡田も救いようがないではないかと…。
それでも生きてるというのが意味があることなのかもし -
Posted by ブクログ
ネタバレ又吉直樹とヨシタケシンスケによる『その本は』は、「本を読む楽しさ」そのものを優しく思い出させてくれる作品だった。世界中の“めずらしい本”について語られる物語はどれも自由でユーモアに満ちていて、ページをめくるたびに想像力を刺激される。短いエピソードの連続なのに、一つひとつに不思議な余韻があり、気づけば夢中になって読んでいた。
又吉直樹の少し切なく温かい文章と、ヨシタケシンスケの柔らかく遊び心のあるイラストの相性が抜群で、読んでいるだけで心地よい。笑える話もあれば、ふと人生について考えさせられる話もあり、「本」という存在の奥深さを改めて感じさせてくれた。
特に印象的だったのは、「本は知識を得る -
Posted by ブクログ
ネタバレ「どんな人間でも生きててほしい」と思ってこの作品を書いたと作者は言ってた。
借金を踏み倒すばかりかさらなる借金を岡田に背負わせる横井も、自身の弱さに耐えきれず周りを裏切り続けそれでも横井を切れない岡田も、最後まで読んでも結局は何も変わらなかった。
変われない、こんな人間でも作者は生きててほしいと思ったのを感じた。
ただ、陰謀論に沼っていく大倉だけは最後目が覚めてその沼から出ていく。
借金云々は作者の中で許容できるが、そこの住人に対してはシビアなんだなって、あっそこは切るんだ…みたいな作者の歪みが感じられて興味深かった。
いや、もしくは大倉のように「変わった」人がいるなかで、「変われる -
Posted by ブクログ
ネタバレお笑いを見るのはとても好き。又吉さんの漫才もとても好き。
芸人に対するアンチコメントに対して、
「一度でいいから舞台に上がってみてほしいと思った。やってみろなんて偉そうな気持ちなど微塵も無い。世界の景色が一変することを体感してほしいのだ。自分が考えたことで誰も笑わない恐怖を、自分で考えたことで誰かが笑う喜びを経験してほしいのだ。」っていうのがとても好きな一文。私は売れた芸人しか見たことがないけど、誰も笑わない時代もあっただろうなって思った。
神谷はありのままで生きていて勇気を貰える。こんな人が身近にいたら、憧憬と嫉妬とわずかな侮蔑の入り混じった感情、という徳永と同じ感情になったのかなと思う。