又吉直樹のレビュー一覧
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ネタバレこの本は…
又吉さんとヨシタケさんが、ある村で暮らすことになり、そこでわずかな手がかりを元に失われた物語を「復元」する仕事を始める。というストーリー
手がかりは…タイトルであったり、書き出しであったり、締めの言葉であったりと様々で
二人の独特の感性で思いも寄らない物語が「復元」されていきます。
(欲を言えば、この様式なら同じお題で二人の違う物語…なんかも見たいと思いました)
その後、二人の「復元」が人気になり希望者が増え、ついには追いつかなくなります。その後色々あって村人達は自分達で「復元」を始め、村からたくさんの作家が生まれました。…と締められます。
以前、小説の書き方だったか物語の -
Posted by ブクログ
【どんなものでも 本に もどします】
1ページでも、1行だけでも
タイトルだけでも、
ちょっとした手がかりさえあれば、元の本の形に復元できる。
「本の復元依頼シート」をポストに入れると…?
とってもワクワクしますね!
自由に想像を膨らませ、好き勝手な本にしちゃう。
自由過ぎて笑っちゃうし、読者である私も想像するのが楽しくって、子供の頃に戻ったみたい!
最後の依頼だけはちょっと特別
【その本は、主人公が、本が好きでした。
これって、どんな本でした?】
本への愛情に溢れた、少し長めのお話。
優しくて温かい気持ちになれますよ( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
さぁ、私たちも物語を想像しよう! -
Posted by ブクログ
ネタバレその本は…
又吉さんとヨシタケさんの2人があらゆる「本」に関する物語を交互に語るという「本の話」の短編集で、奇想天外なものからしっとりとした話まで様々な物語が綴られている。
導入の、本が好きだから本に関する物語を集めろ。というのは、「物語を綴じてあるもの」が本なのに、
聞くだけだと「物語」は楽しめるが、大好きな「本」を感じることができないから
「面白い物語」ではなく、珍しい「本に関する話」を探してこい。ではそれこそ本末転倒で、喜劇と言うより皮肉めいていて面白い。
始めは短いアイデア勝負の大喜利みたいな話が続くが
段々ストーリー性のある物語になっていく。
オチを知っていると、回数を重ね -
Posted by ブクログ
『劇場』で又吉にくらいすぎて、そのまま本作
450ページくらいだけど、気持ち700ページくらいだった
重いのよ
思考がどんどん深く深くで、気ぃ抜いたら置いてかれる感じだった
あと作中で相容れない2種類の人間がケンカみたいなんしてるけど、片方はまあ自分の投影だからokとして、逆サイドの人格をあんなに立体的に作れるのすごすぎて意味不明やった
物語自体も楽しく読ませてもらったけど、やっぱ又吉という存在に興味が止まらない
俯瞰してる自分を俯瞰してみてる自分をさらに俯瞰してみてる。世界のレイヤーどうなってんねん
このまま東京百景とか読みたいけど最近又吉一色で影響されてキャラトレースしがちだから一旦離 -
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やっぱり本はよい。実によい。
交換日記の本
本を全て燃やして、自分を燃やすか、それとも書き記すかで悩んでいる。
その本は、志半ばにして叶わなかった。夢の話がたくさん書いてある。いろんな理由で、思った通りに行かなかった人たちのストーリー。1つの未来を失って、別の未来を見つけるまでのストーリー。(辛いのは自分だけじゃない)、そのことを知るために、立ち直る方法を様々なケースの中から見出すために父が作ろうとした本だった。
いろいろなストーリーを集めて、父は最後に自分の話を入れようとしていた。新しい希望を見つけた自分の姿を本の締めくくりにしたかったのだと思う。希望なくした自分を世界の人々を勇気づけ -
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ネタバレ又吉とヨシタケさんの本。
どちらの話も、独特な視点での話であったり、クスリとくる話や、ジーンと少し切ない余韻を残す話だったり。 王様に頼まれて、世界中を旅して色んな話を集めて披露するというストーリー。
最後のオチで、まさかの披露した全ての話はそれぞれが家の中でぐだぐだしつつ生み出されたものだと知る。
そのことから本は、文章は、絵は、、
自由な発想で、1人の人のものとは思えない多種多様な物語が生み出されるものであると改めて知る。発想は自由なのだ。
そしてそれは世界の全員でなくても、誰か1人にでも届けばいいという願いが込められている。いつかわたしも「これは自分のための物語だ。」と思える一冊に出 -
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火花
2025.09.30
「平凡かどうかだけで判断すると、非凡アピール大会になり下がってしまわへんか?ほんで、反対に新しいものを端から否定すると、技術アピール大会になり下がってしまわへんか? ほんで両方を上手く混ぜてるものだけをよしとするとバランス大会になり下がってしまわへんか?」
一つだけの基準を持って何かを測ろうとすると眼がくらんでまうねん。
この言葉は神谷のお笑いに対する根幹を示すものであるが、確かに今の日本はなんでもある一つの基準で評価することが多いなと感じる点で納得した。『共感は阿呆でもわかるから依存しやすい感覚だけど創作に携わる人はどこかで卒業しなくてはならない』という内 -
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とにかく、とにかく、優しい小説。
こんなにやさしさだけをこれでもかと詰め込んだ小説って今どき珍しい。著者は太宰治が好きと公言しているが、どちらかというと志賀直哉の正当な後継者なのではないだろうか。
読み終わったら、じんわりと身体が芯から温まる、そんな優しい素敵な小説。
著者は「人を赦すこと」に慣れた優しい人なんだろうなぁ。
この人は、とにかく「赦す方法」を小説によって提示していくことを、小説家としてライフワークにしていくんだろうか?今後が楽しみだし、他の著作も読んでみたいと思った。
人間のエグい部分を痛快に言語化した小説が近年の流行りだけど、この作品は真っ向からその対極に位置している作品。
世