又吉直樹のレビュー一覧
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ネタバレ美術を志す若者たちの思い出から始まったのに、最終章はまったく別の物語を読んでいるような気分になった。主人公は思ったことを意外とハッキリ言うので時には辛辣でヒヤリとするものがあるし、仲間たちの間で傷付いていく様子にはこちらも痛みを感じて苦しかった。
長い人生のなかで変化していくものと変わらないもの、どちらもあると思うけれど、あのときの永山と今のミチは違う。成長というのもどこかまた違って、自分自身を痛めつけるのをやめてケアしているように見えた。
ケアで言うならば、影島との会話もかなりお互いをケアし合っていると思った。このふたりならば訳のわからない会話も成立する。ひとりの人格がふたつに分かれたような登場人物だなと思った。内省する心の声の硬さに比べて、こういった会話文はやわらかくて印象は良かった。
なんとなく、最後の心穏やかなミチを見せるためにこれまでの孤独な物語があったんだというような気がした。元の生活に戻ればまた始めから繰り返されるだけかもしれないけれど、その繰り返しこそが人生なのだろうし、人間みんながそれぞれの物語を背負って生きているイメージが湧いてきた。 -
Posted by ブクログ
友人にに勧められて読んだ。共感できるもの、意味がわからないものがあった。一番好きな話は七十六の池尻大橋の小さな部屋だ。このエッセイで一番長い話だ。些細な出会いが大きな愛や支えになるが、自分が調子よくなると彼女は弱っていき一緒にいることができなくなる話だ。親と子みたいなエピソードだと思った。与えられたものを返せるようになった時にはすでに遅いことが多い。この話はできる時に自分の大切な人に与えられたものを返した方が良いと教えてくれていると思う。
全体的の話や最後の代田富士見橋の夕焼けを読むとチャレンジすることの大切さを教えてくれている。環境が変えることはリスクがあることだが、必ず成長させてくれる。チャレンジする時はビビりながらも少しずつ必ず進むこと、失敗した場合は笑い話にするのは素敵だと思った。死ぬまではビビりながらも進んで笑い話を作っていこうと思った。 -
Posted by ブクログ
「人間」というより「又吉直樹という人間」
というタイトルの方がしっくりくる作品。
ここまで丸裸の自分を文字によって曝け出せるのは
やはり才能なのだろう。
特にメールのやり取りは
又吉さんの積年の恨みを感じる。
一を百で返しまくってる。
グルグルグルグル
考えすぎて動けなくなって
いざ動いたら敵ばっかり作って。
暗くて辛くてどうもうまくいかない、
これこそ本当の青春小説だなと
大分大人になってしまった私は苦笑いしてしまった。
最後の章で自分のルーツに還るくだりは
気が抜けて良かった。
文字や考え(頭)以外で生きている人や場所に
触れることはとても重要なことに思える。
永山にも又吉さんにも、
これからの作品に期待したくなった。 -
Posted by ブクログ
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二十年前、美術系学生が集う共同住宅ハウスにて
ある騒動が起こり打ち砕かれた過去を持つ永山は
一通のメールにて再びその記憶を呼び起こされる。
何者かになろうとあがいた過去、もがき続ける今、
それでも生きていく「人間」とは?
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又吉の本は随分前に火花を読んだきりだったけど、
こんなにも難解な文章を書くんだったけ?と動揺。
ずっと自意識を拗らせた持論、討論が続き、
難しい言葉で難しいことを語るもんだから、
読んでいて本当に疲れたし、嫌にもなった。
太宰の人間失格てこんなに疲れたっけ?笑
時系列はあやふやで、現実と妄想の狭間で。
著者の人となりを考えると納得も出来たが、
読み始めてから暫くは馴染めなかった、が、
私は本を読みながら共感した部分には
その都度付箋を貼っていくのだけれど、
この本はその箇所が圧倒的に多かった。
人間をするのが拙く、うまくやれない、
自意識過剰人間代表である私は(私調べ)、
影島が話す裏をかくような見解には、
目から鱗だったり、妙に納得したり。
救いにもなったし、諦めにもなった。
最後の沖縄での家族とのエピソードが長過ぎた。
言いたいこと、伝えたいことは分かるんだけど、
両親の細かいことは気にしない堂々たる生き様で
一旦解放されるなんて今までは何だったのだ?と。
まあそれこそ、人間なんてそんなもん、
なのかもだけど。なんか狡い。沖縄狡い。笑
まあでもまたすぐに苦悩が生まれるんだろう。
ずっと表現することに捉われてきた人間が、
簡単にそれを手放せるわけないもの…て、
又吉を投影するなら難しくはないのかもだけど。
私にはまだ無理。まだまだ自意識の渦の中だ。苦笑
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物語というより随筆に近い気がして質量重過ぎた。
エッセイにしてくれたら聖書になったかもだけど。
つっっっかれた〜〜〜笑
でも文庫本には影島エピソードが12000文字も
加筆されてるらしく、それだけは読みたい…!
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Posted by ブクログ
ネタバレ芸人が書いた本という先入観みたいなのがあって避けていたが面白い本だった。
主人公視点では何か行き詰まった時に、過去を振り返りその事を思い出して感傷に浸っている。そして自分自身を傷つけて過去の傷と一体化しようとしているのではないかと思った。しかし耐えきれずに傷から逃げるように他者に癒しや傷のなすりつけをしている。
別の人の視点でも傷をつけている人やつけられている人の話があるがこれは作者の考えが強い気がする。
みんな一人一人自傷して、傷ついて他者に何かを求めている。自傷なんかせず他者に何も求めない。これが優しさなのではないかと読み終えて考えた。