又吉直樹のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
高校時代の友人の横井に無心され、その度に何百万も貸している主人公の岡田。
横井に詐欺られてるのを薄々感じていても何度もお金を貸してしまう岡田は、人が良いのを通り越してダメンズです。
そのせいで人生を狂わしていく転落ぶりは歯がゆいし、呆れます。
ふと、この岡田という男の常軌を踏み外してゆく繊細な揺らぎと、横井による振り回されぶりは、太宰治の『人間失格』の大庭葉蔵に似ている、と思い出しました。設定も環境も違うけど、どこかニュアンスが似てる。
そう言えば又吉さんは大の太宰ファンですよね。なるほど、と思いながら読みました。
少し消化不良が残りますが、登場人物の会話のやり取りは、ピースの漫才を彷彿とさせ絶妙です笑
『火花』以降で、一番ページが進んだ作品です。 -
Posted by ブクログ
どうしようもないクズ男の友人に金を貸し、まっとうな生活を送っている主人公の人生が暗転していく様が書かれている。一見被害を被っているかのように見える主人公の、内に秘めたクズの部分が滲出し、主人公の堕ちていく人生が必然に満ちていることが読み取れる。
会計士を職業とし、堅実な生活を周囲に期待される主人公が、クズ友に金を貸すだけではなく、クズ友の彼女に手を出したり、仕事上の顧客から金をだましていく設定は “クズ”に憧れる著者の心根だろうか、また著者が良く口にする太宰治へのオマージュだろうか。
友人のクズぶりは、著者の周囲にいる芸人さんたちのエピソードが書かれているのだろうか。読みやすい一冊だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ又吉さんの本は、日々ぼんやり感じていることを言語化してくれるところが心地いい。
この本は大きく三部に分かれる。
芸術家を志す者たちが暮らすハウスの話、影島の話、そして両親の話。ただ、読後の印象としては影島とナカノタイチのやり取りが作品の中心だったように感じた。
影島の特徴は明らかに又吉さん自身をさしていて、
影島への批評に対する反論は、芥川賞受賞後に向けられた世間の批判やアンチに対して、又吉さんが小説という自分の得意な表現方法で返答しているように読めた(RADWIMPSのPAPARAZZIを思い出した)。ただ、その反論は他人事ではなく、自分自身にも耳が痛い内容だった。
また、バーでの影島と永山のやり取りは「実はこの二人は同一人物なのでは?」という考えも浮かんだ。意図的なものかは分からないが、そんな読み方もできる作品だった。
最後の両親のエピソードでは、
自分が何者かである必要などないという無自覚な強さを持って生きている両親の姿が描かれているが、
私もそのような人を羨ましいと思う側なので、とても共感した。。。