又吉直樹のレビュー一覧

  • 劇場(新潮文庫)

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    良い作品を作りたいという強いこだわりが時に周囲の人間を傷つけてしまう。
    そんな残酷さと社会から孤立した芸術家の苦悩が感じられる作品。

    売れない劇作家の男とその男の才能に惚れ込んだ女優志望の女の物語。

    この男はいわゆる“クズ男”で、劇団員を誹謗中傷し他人の作品を見下しながら、自身の劇は売れず常に金欠状態。
    そんな彼をすべて包み込むように肯定し続ける彼女の存在が、あまりにも報われず読んでいて辛くなる。

    火花にも同じような人間が登場したが、又吉自身がもしかしたらこの男のような生活をしていたのかもしれない。

    演劇の夢を追いかけるという真面目なテーマの中でも、くすりと笑わせるような文章が散りばめられており、やはり芸人ならではのセンスが発揮されている。

    不器用で人との付き合い方が下手すぎる主人公にもどかしさを感じるが、他人の作品を侮辱したりする態度などクズすぎる部分が出すぎていて、特段応援したいとは思えなかった。

    期待を膨らませて上京した人間の夢が散って行く様はとても切ない。

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    2026年04月07日
  • 蕎麦湯が来ない

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    ふたりによる自由律俳句の3冊目。
    短いエッセイも多く収録されている。
    タイトルがそのまま自由律俳句で、そこからはじまるエッセイは、
    以前読んだせきしろさんの『書き出し小説』にも通じる。
    自由律俳句は単独で完成しているものであり、
    タイトルとして全体を暗示するものにもなり、
    書き出しの1文にもなるんだな。
    今回はとくにおおっ!と惹かれるものはなかったけど気に入ったもの。
    「小人の置物のひとつが怒っている」

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    2026年03月30日
  • 劇場(新潮文庫)

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    著者らしいなと思う作品です。
    玄人向きというか、素人の自分には少し言いたいことが伝わりにくかったかなと感じてしまいました。
    自分はすごいと思っているちょっとイタイ奴って、結構普通にいるなと思いますし、なんかそういう人が集まりやすいのが芸能の世界なのかなと思いました。

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    2026年03月26日
  • 劇場(新潮文庫)

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    165ページからの駅前の描写が一番好きだった、こういう街の風景に溶け込む人になりたい

    面白かったけど、いいのか悪いのかずっと又吉直樹という人物が書いた小説ってのが頭から離れなかった、作家性が強すぎるなと思った

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    2026年03月21日
  • 劇場(新潮文庫)

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    19.11.5
    永田の人間としての器の小ささばかりが表に出ていて読んでいてあまり良い気はしなかった。
    ただ沙希が次第に永田から離れていく場面辺りからは読み応えがあったかなと感じた。

    前半から中盤があまりにも退屈だった故に

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    2026年03月17日
  • 人間

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    19.11.10
    私小説ばりに作者本人の体験談、思想が反映され過ぎていて、内容の秀逸さ云々はあまり個人的には感じ取れなかった。
    また時間を開けて再度読み直したい

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    2026年03月17日
  • 月と散文

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    自分のことを「無駄なことを考えすぎ」と思ってるけど、これを読んだら上には上がいるものだ(下には、か)とホッとするやら心配になるやら。さぞや生きづらいだろなぁ。

    コロナ禍の苦悩。私は普通に働いていたし、もともと出掛けないし、ほぼノーダメージ。それもまた悲し。

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    2026年03月12日
  • 月と散文

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    装丁とタイトルがとても好き

    又吉さんの頭の中がのぞけて楽しかったけど、めっちゃ変な人だった(褒めてる)
    妄想?想像?で話し出すところが特に好きで生きてて楽しいだろうなと思った。
    その特性が本人を苦しめる時もあるだろうけど。

    散歩がしたくなるし、今まで読んできた本を再読したくなるし、又吉さんの両親に会いたくなった。

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    2026年03月09日
  • その本は

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    又吉直樹×ヨシタケシンスケ

    ここまで『本』についての物語を一度に摂取できる本は無いと思う。
    本を多角的に捉え本にまつわる話やエピソードがこれでもかというくらい書かれている。(自分の想像力を試されているような感覚にもなる。)

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    2026年03月01日
  • 人間

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    かるい気持ちで又吉作品は読めないことがまず分かりました。それは自分が娯楽読書ばかり読んでいたからこの本が難しいということもあるけれど、気持ちの面でもふわふわっと読み進めるタイプの本ではないかもと思って。
    才能の有無とそれに対する立ち回り、世界の見え方、周りの人間との関係などについて複雑すぎる(こじらせとも言える)考え方をする人たちは、共感されにくい生きづらさがあると感じました。まさにこじらせ代表であるような永山や影島、ナカノタイチといった人物の考えに触れ、自分とは全く違う思考回路を巧みな表現で感じさせてくれる一冊でした。

    好き嫌いは分かれそうだけれど、読んだ体験そのものが強く印象に残ります。

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    2026年02月25日
  • 人間

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    ネタバレ

    あとがきにて又吉さんが生きるために書いたと記した物語。第一章のハウスでの出来事の描写は衝撃的。人間失格を読みたいと思った。

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    2026年02月14日
  • 人間

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    2026/02/08
    いや難しすぎやろ!っとつっこまずにはいられない。
    又吉直樹という人間は、きっといつも目まぐるしくたくさんのことを考え続けていて、たくさんのことが見えてしまうんじゃないかと思う。
    だからこそ、彼は日常のちょっとしたシーンや、その時の感情も言語化できてしまうのだろう。

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    2026年02月08日
  • 東京百景

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    たぶん『火花』を読んで、映画も見て、この本を手に取ったように思う。久しぶりに頭から読み直した

    又吉さんの「青い東京生活」が透けて見える。どうでもいい嘘をついたり、イライラして逆に落ち込んだり、無意味に楽しいフリをしたり、先が見えない不安に押し潰されたり、「何者かになりたい」と思う自分こそ「ゴミ」に思えた毎日。その時の心模様が駅や地名、景色や音、においと合わさった文章。夢を持って上京した人にはどこかしら刺さる部分はあるのでは。年齢は違うけれど又吉さんが上京したころと時期と場所が重なるので、自分の「青い東京生活」も思い出した

    観光にも聖地にもなりようがないけれど「この場所と言えば」という思いは誰にでもあると思うので、ちょろっと気が向いた時に読むのにちょうどいい本だと思う

    私にとっての東京百景のひとつは「高円寺駅3・4番ホームの先頭の先から見える夕方の富士山」。

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    2026年02月06日
  • その本は

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    又吉節とヨシタケ節が効いてる。
    時に笑える、時に深く頷く。
    想像豊か。というか誰にでも書けそうと思えちゃうけど、ここまでは書けないとも思わせる。この本は。

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    2026年02月04日
  • 人間

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    書き出しのくだりが究極に良い。
    途中の長いやりとりも好き。
    ただ、後半の家族との思い出話しのボリュームが多く退屈だった。

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    2026年01月30日
  • その本は

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    角度がとにかく斬新。刺激になることは間違いなし。
    クスッと笑ってしまう話、少しファンタジーすぎるなと感じる話。
    感性の違いを感じずにはいられず、独特の世界観である。

    いろんな温度のストーリーがあり、急にあったかい気持ちになったりして、良くも悪くも読み手としては心の準備が出来てなくて…初めての感覚だった。

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    2026年01月24日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    トリビュートの中には哲学的で難しい話もありましたが、宇宙飛行士の野口聡一さんとの対談が、実際に宇宙空間を経験した人にしかわからない孤独や常に死と隣り合わせだったということが感じられてとても興味深かったです。

    朝井リョウさんの小説は読み始め、なんのことを言ってるのか頭の中が「?」でしたが読み進めていくうちに『チ。』の世界観の現代・未来版のようで着眼点が素晴らしいと思いました

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    2026年01月15日
  • 人間

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    3.5 わからないところもあったが、ほぼ自分のことを書いているんだろうなと思った。だめだめな登場人物に何故か励まされる。人は人と関わり生きていくしかないと言う宣言小説。

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    2026年01月12日
  • その本は

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    ネタバレ

    子供の冬休みの宿題で一緒に読まなくてはいけなかったため買った本。王様の命で二人の男がめずらしい本の話を集めてきて、報告するという内容。
    又吉直樹の文章は初めて読んだけど、あんまり刺さらない。ヨシタケシンスケさんの方がシュールで面白いと感じた。

    言葉が分からない幼児しか読めない本が一番好きだ。子供が赤ちゃんの頃、言葉で仕切られていない世界ってどういうふうなんだろうと思ったことを思い出した。言葉にすると、途端に失われてしまう世界。私にはもう絶対に理解できない世界。でも私も確かに感じていたはずの世界なのだ。きっと面白い世界のはずだ、という確信だけがある。
    私はひねくれているので、又吉さんの第7夜は長くていかにも泣かせよう泣かせようとする予定調和を感じて嫌だった。本の中で女の子は生き続けるということだと思うけど、人が死ねば感動という浅い素人臭い話で興ざめしてしまう。

    誰かへの想いを載せたまま届かない本が山ほどあるにしても、わずかな届く可能性を信じて人間は本を世に送り出し続ける、ということをこの本の中でヨシタケさんは書いているが、この本自体はそれほど私宛ての本ではなかったかな。でも、私も私宛ての本がどこかにあるということは信じて毎日読み続けている。一冊でも多く、私宛ての本を見つけられますように。

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    2026年01月05日
  • 公式トリビュートブック 『チ。 -地球の運動について-』 第Q集

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    色気ってのは腹が据わった覚悟の有る人間が醸し出すもんだ 知る事の、大切さも無意味さも素晴らしさも恐ろしさも全てこの作品が描いています。 娘ヨレンタがノヴァクの感情の部分に触れる唯一の存在であるのにも関わらず 以降は信念というよりは最早執着 それこそ「アポリア」(相反する二つの見解が等しく成立する場合、解決の糸口を見出せない難問)だと思うんですけど。 ある意味、完全オリジナルを作るという欲望は幻想だったり。もう流石にこの世界には蓄積が有り過ぎるから、どういう組み合わせで更に新しい事があるかなって事を皆探求していると思います。 文化は大きな川の流れであるという事を良く言っているんですけど、文章、文節ってその流れの一部でしかないですよね。 何かにグッと偏ってる 僕には山口さんの世代が、個人と世界を接続する「社会」という中間項を成立させていたように見えるんですよ。 社会性を持つには自分自身のオリジナルな状態を維持しないといけないっていう 人間は結局、回顧主義だから未来のものを懐かしく感じて、過去のものを新しく感じるようなサイクルがずっと続いていく気がする。 地動説への強い憎悪を露わにするノヴァク 自分が『チ。』の物語の悪役だったと気付くところもメタフィクション(フィクションの中のフィクション)的で面白いですよね 『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』という曲を作った時は、サブカルチャーとハイカルチャーを融合させて、日本の詩吟とダンスミュージックとクラシックの三角関係を曲にしようと考えたんだけど、純粋にメロディを作ったり歌詞を書いてる時は、ほぼ「無」でやっていたかも。 尖っている個性の手前にある普遍性をどれだけ腑に落とせているかで その行為を「考古学のようで楽しい」と表現していました 僕の二十代の屈辱が疼くのを感じた 感動させる作品には個々の挫折や劣等感と繋がる瞬間がある気がする 今後の僕等には『チ。』が有る。彼等は僕等が前進する意志と共に戦ってくれる。 今でも多くの国が、天体を国旗のシンボルとして採用し続けているのは、その名残だ。 宗教が信徒に求めるのは教義への「信」だが、科学に必要なのは「信」では無い。寧ろ逆である。科学が求めるのは「疑い」だ。だから『チ。』は「信念」の物語であると同時に、いや、寧ろそれ以上に、「疑念」の大切さについての物語でもある。 叶う方法を探せば道筋は立てられる 昨日礼賛されていた言葉が今日は禁句になっているような毎日なのに 私が変化したという事実からあなたは今何かを受け取ったんです γはその紙資料を所定の位置に戻すと 教会が説く善に従う事は、私達自身の生を断念し、道徳的命令に従う「畜群」として生きる事を暗に意味するからである。 重罰になる可能性をも考慮にいれて 「何故人を殺してはいけないのか」という問いに対して、それを予め封印するような動きを見せる「僧侶」達が私達の周りには今も尚存在しているからである。『チ。』は、フィクションの形をとりながら、現代人がどのような〈嘘〉に隷従を強いられているかを私達に改めて問いただすのだ。 時には手厳しい論駁等も珍しく無かった 〈真理〉は、誤りを無慈悲に宣告する。〈真理〉の正しさは、思いや努力等の人間的な事情とは関係ないところにあるからだ。 朽ちる事の無い静かな衝動を指す事を暗示している 迷いは、変化の兆しがそこにある事を意味している。

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    2026年01月03日