宮部みゆきのレビュー一覧
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第一話 青瓜不動
第二話 だんだん人形
第三話 自在の筆
第四話 針雨の里
特別収録 面影鬼
洒落た一品をそろえる袋物屋<三島屋>の次男坊・富次郎は、いっぷう変わった百物語の聞き手を務めている。「黒白の間」で語られた怪談は、けっして外には漏らされないー。初代聞き手のおちかのお産が迫り、てんやわんやの三島屋を、土の匂いをまとった女が訪れた。「うりんぼ様」と呼ばれる不動明王像を連れ込んで語られたのは、行くあてのない女たちの話だった。短編「面影鬼」を特別収録した宮部みゆき流の怪談怪談!
第一話 瓜畑で採れたのっぺらぼうの仏像「うりんぼ様」にまつわる話
第二話 悲劇に見舞われた少女の執念が生んだ、家族を守る人形の話
第三話 描きたいものを自在に描ける不思議な筆について
第四話 山の恵みに頼って生きる、慎ましい村に隠された秘密とは
おちかの赤ん坊が無事に生まれて本当によかった
富次郎は怪談の聞き手としては、感受性豊か過ぎて、なんだか辛そうな気もする -
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ネタバレ序 変わり百物語
第一話 逃げ水
第二話 藪から千本
第三話 暗獣
第四話 吼える仏
変調百物語事続
1冊目より好みだった。全体的に「悪」要素が減って心温まる要素が増えたように思う。
「逃げ水」のお旱さまも、「暗獣」のくろすけも可愛くて可愛くて仕方なかった。
くろすけについては切なさが同居していて泣いてしまったが、なんというか、捨てられた老猫が今際の際に優しい飼い主と巡り会って往生したというような、そんな印象を受けた。
1巻では、おちかと清太郎が縁付くのかな、と思ったりしたけど、ここに来て若先生、青野利一郎が「暗獣」で登場し、なんだかおちかと良い雰囲気になっている。はたして続編でくっつくのか、と思うものの、まぁ本作の本旨は百物語なので、期待は薄かろう。
「吼える仏」は偽坊主の行然坊が良かった。自身は坊主をただの生きる糧としてしか捉えておらず、自分に手を差し伸べる坊主を下に見て生きてきたのに、どこかで縋る気持ちがあったのだろう。
「御仏の慈悲を信じてくれ!おまえが見つけた御仏は、今もおまえのなかにおる」という魂をかけた説得、それに対する仏などいないと言い切る異形と化した富一。
行然坊の「これまでわしが会えなかっただけで富一が、館形の衆が会えなかっただけで、やっぱり御仏は、どこかにおわすのではなかろうか」という言葉が、仏道の本性に思えて仕方がない。
特に心に響いた部分を引用して感想を終える。
御仏よ、何処におわしますか。
「探して探して、どこまでも行こう。そしていつか、御仏のお声を聞けたなら」
ここにおるぞ、行然坊。
「館形を訪ねよう。そして富一に教えてやろう」
御仏はおわすぞ。諦めるな、と。
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序
第一話 開けずの間
第二話 だんまり姫
第三話 面の家
第四話 あやかし草紙
第五話 金目の猫
三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒やすため、語り捨ての変わり百物語を始めた。悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。彼が語ったのは読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが・・・。
怖いけれども癖になる三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!
第一話 行き逢い神に魅入られ、語り手の生家が絶えてしまった話。
第二話 口のきけないお姫様に仕えた話。
第三話 面が災いを起こす話。
第四話 勘一の話。
第五話 伊一郎の話。 -
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神田の袋物屋、三島屋で語られるのは誰にも話せない不思議な物語たち。
賽子の神様が出てくる「賽子と虻」、土鍋に潜む何かと対面する「土鍋女房」、江戸版吸血鬼「よって件のごとし」の三話を収録。シリーズ八作目。
一話目の「賽子と虻」が一番好き。冒頭の語り手の様子からは想像もできないぐらい、とても勇気が出るお話。宮部さんが描く子供は本当に良い。餅太郎とキリ次郎のコンビがとにかく楽しい。弥生と官兵衛も。好きすぎる。
「土鍋女房」は、オンナのお話、なんだろうな。三島屋シリーズでは→
割とよく扱われている気がする。時代背景との兼ね合いなのかな。江戸時代だしな。
「よって件のごとし」はいわゆる“妖怪話”で、かなりファンタジー寄り。ホラー味もあるよな。かなり怖い。読み応えは抜群。
三島屋的にも色々動きがあって、早く次が読みたいシリーズ。青瓜不動読むの楽しみ! -
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ネタバレ稲生物怪録の世界を宮部みゆきは生み出そうとしているのか?心を閉ざした「おちか」が江戸に住む叔父・三島屋の下に身を寄せるなか、心療療法なのか金を出し怪談話を集めて姪に聞かせていく日々、凶宅の謎の男が怪異に関わる、おそらく男がこの物語のラスボスで今回の凶宅は企みの手駒であり、他の人同様「おちか」は餌の一つだったが、おちかに芽生えた共感力が怪異の中から寄り添い力を貸す物の怪にめぐり合わせて、謎の男に対峙する存在になったのだろう
1巻時点では、謎の男が後の巻で似たような怪異の存在を手駒にまた出てくる気がする
おちかが「餌」として狙われたのは、彼女の心の傷が関係してる可能性が高い。凶宅の怪異は、弱ってる人や強い感情を持ってる人に引き寄せられる、おちかは男にとって「いいターゲット」だった
おちかが「対峙する存在」になったのは、彼女の内面の強さと、三島屋という「怪異と向き合う場」があったから、人とめぐり合いおちかが成長していったためシリーズ化が決定(冗談) -
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聞き手が三島屋の次男、富次郎になってから2作目。絵心のある富次郎は聞いた話を白墨で絵にして「あやかし草紙」と名付けた箱に封じ込め聞き捨てる。
「火焔太鼓」「一途の念」「魂手形」の三篇収録、シリーズ7作目。→
今回はどの話も「不思議感」が増していて怖いというよりしんみりする感じ。「あやかし」側の気持ちになるとよりしんみり。
魂手形が特に良かった。水面、好きだなぁ。お竹も好き。宮部さんが描く大人と子供の交流が大好物なんで、ほんとほっこりしながらじーんとなった。→
そしてラストにはおちかの時からのアレ。これ、次巻はまたもは波瀾万丈では?読むのが楽しみすぎる!!
新刊も出たし、まだまだ楽しめると思うと嬉しいなぁ。 -
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ネタバレ三島屋伊兵衛夫婦に世話になっている姪のおちか。おじが与えた百物語の聞き手、その役目を得て過去の自分と向き合う1歩を踏み出せた。そしてまた次の話に向き合う。
「逃げ水」:金井屋の丁稚平太と彼に付いた神様お旱さんの話。人間とは身勝手だ。必要となれば頼り、無用となれば存在そのものを忘れる。人に必要とされなくなったお旱さんの怒りと悲しみ、彼女に付かれ厄介者扱いされながらお旱さんの気持ちを理解し共感し寄り添う平太。孤独を分かち合う2個1の1人と1柱、金井屋に来て新太と行動を共にするようになってからの無邪気なやり取りが微笑ましい。
「藪から千本」:三島屋の隣、針物問屋住吉屋一家の話。双子は凶事。これまで平穏な生活を送っていた二組の夫婦とその姑、子どもが生まれればめでたいはずなのにかわいそうな考え方だ。そして変貌した姑も姑、姑の言葉に固執した夫婦たち、その被害者は生まれた双子の1人お梅だ。お梅はただただ気の毒だ。だが、お梅を守護するためだけにいるように扱われるお勝、人をなんだと思っているのか。住吉屋の面々、好きになれる要素なし。
「暗獣」:三島屋の丁稚新太、その友人の直太朗が起こした事件から始まる話。これまでと違い、語り手の深考塾の若先生青野利一郎の語りでない箇所があり少し複雑さを感じた。
人でないもののくろすけ、そのくろすけに愛情を注いだ加登新左衛門と妻の初音。互いに互いを思いやり、気づかい、愛を与え合う、優しく心温まる関係性だ。だが、住む世界が違う相反する存在同士なのが辛すぎる。好きだからこそ離れなければいけない、互いが互いの手を離す瞬間が切ない。
「吼える仏」:若先生青野の知り合いで似せ坊主の行然の話。小さいコミュニティの中にいるとその中の正義に飲み込まれてしまう。白いものも皆が黒だと言えば、黒、白と言えば厄介者。人の団結とは時に硬く、時に脆い、仏さまには何が見えているのだろう。
今回も人の良い面、悪い面、両方を感じた。人を助けるのも人で人を傷つけるのも人だ。そして、そのどちらも合わせ持つのが人だ。人というのは難しい。
あんじゅう、あえてひらがななのだろうか。加登新左衛門夫婦にとっての暗獣、くろすけにとって2人と過ごした安住の地、そしておちかにとっての安住の地となっている三島屋。上手い。