宮部みゆきのレビュー一覧
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ネタバレ563ページ
1800円
5月9日〜5月10日
三島屋のおちかのもとに6つめの物語をもってきたのは平太という子どもだった。平太には白子様 (しろこさま)がついており、いく先々で水が枯れるという。7つめの物語は、お隣の住吉屋のお路さん。双子の姪
の片割れを引き取ったが、双方のお家に起きた人形に針が立つという不思議で悲しい話。8つめの物語は、紫陽花屋敷にいる暗獣、くろすけと夫婦の楽しくも悲しいお話。9つめの物語は、偽坊主の行年坊が語る館形 (たてなり)での木仏にまつわる話。おちかのもとには清太郎や青野の若先生と気になる存在も現れる。
平太と白子様の話は、最後に船頭になるというところから、あの話 -
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トラウマのあるお嬢さんが様々な人たちの不思議体験談を聞くという設定のファンタジー時代小説その2。相変わらず面白い。そして泣ける。今回は化け物達に共感するお話が多くて、アニメ『夏目友人帳』を見るたび泣いている自分など涙腺大崩壊だった。
「あんじゅう」とは何だろう?饅頭の仲間か?と思っていたら「暗獣」とのこと。読み終えた後にブックデザインのあちこちに隠れていた暗獣「くろすけ」に気づいて、またしても泣かされた。家屋敷に意識が宿るというアイデアは奇異なようで感覚として分かる。主客が渾然一体化した日本人(日本語)ならではの世界の捉え方だと思う。ちなみに単行本で読んだのだが、南伸坊氏による愛嬌たっぷりのイ -
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ネタバレ565ページ
1800円
11月5日〜11月12日
三島屋の黒白の間、おちかのもとには語りたい人が訪れる。聞き手には、おちかに加えて三島屋の次男、富次郎も加わる。富次郎は、聞き終えた話を1枚の絵に表す。開けずの間の行き逢い神、だんまり姫のもとにいた一国様、面を封じている家、金目の猫、それぞれの話が悲しかったり苦しかったり、人情に溢れていたりする。おちかの縁談も決まり、これからの聞き手は富次郎が務めることになる。
一つ一つの話に引き込まれる。最後の富次郎と兄、伊一郎と語った金目の猫の話は、心温まりながらも少し悲しい話だった。おちかが瓢箪古堂の勘一に嫁ぐことになったのがスッと決まって、恋しいと -
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読んでからずいぶんたつ。宮部みゆき初体験であり、時代物とホラーにはまるきっかけとなった。
自身の辛い体験から心を閉ざし、江戸で袋物屋を営む叔父のもとに身を寄せたおちか。叔父の代わりに相手をした客から、不思議な体験談を聞く。
その後、訪れた客の不可思議な話を聞くことになり、おちか自身が抱える心の闇とも向き合っていく‥。
一筋縄では行かない、人の心、行い、すれ違う想い。基本的に怖いのだけど、深く、心に刺さる話ばかりだった。おちかも気の毒な身の上だけど、結果的に間違ってしまったことの描写にも容赦はない。そして、赦しにつながる出来事もあり、人っていいなあ、という気持ちにさせてくれる。
「凶宅」と -
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シリーズ一作目の『おそろし』も雰囲気・内容ともに好きでしたが、『あんじゅう』に収録されている話が圧倒的に好みです。
特に「藪から千本」のドロっとした生温い沼みたいな怖さ、次の「暗獣」の不思議さと切なさという緩急に、しばらく読後の余韻が引きませんでした。
一作目以上に人の内面にクローズアップした話になっていたように思います。
「どんな幽霊よりも結局生きた人が一番怖い」みたいな感想は怪談好きとして安直に言いたくはないのですが、今作は生きた人の浅ましく恐ろしい部分と、神仏や怪異の超自然的な恐ろしさのバランスが、私としてはとても丁度いい塩梅でした。