小湊悠貴のレビュー一覧
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時は真夏。
・パティシエの蓮はイギリスで店を開く知り合いに誘われていて目下悩み中。
・ゆきうさぎで働く碧の友人の真野玲沙は、母が再婚する話が急浮上。再婚相手に不安を覚えている。
・ゆきうさぎで働くミケさんは、親戚からお見合い写真を送りつけられ、将来に向けて悩み中。
・碧の母のお線香をあげたいと、母のかつての教え子から連絡がきた。新しい出会い。
の4本立て。
何気なく過ごす毎日が、物語の中で川の水のように穏やかに流れ、大学1年だった碧も3年に。
変わりなく続くものと、変わっていくものが、後ろ髪ひかれるように名残惜しくもあり、この先、ゆきうさぎがどう歩んでいくのかと思いを馳せると、少し寂しく -
Posted by ブクログ
シリーズ第三弾。
販売用の新作パンのアイディアを練って試行錯誤をしている紗良。
そんなある日、紗良の専門学校時代の同級生・秋葉が猫番館を訪れ、“自分と紗良を比較して、有能な方をパン職人として雇ってほしい”と言ってきて・・・。(「パン職人~ブーランジェール~とパン職人~ブーランジェ~」)
特に紗良に何をされた訳でもないのに、紗良の出目(良家のお嬢様)を勝手に僻んでいる秋葉に“なんて器の小さいヤツ!”と呆れてしまいましたが、そんな秋葉に邪険にされながらも、彼の腕を素直に認めて無邪気に接する紗良の姿に好感度アップでした。
結果的に秋葉くんも自分の態度を反省して、別のお店で頑張ることになり、良かっ -
Posted by ブクログ
シリーズ第二弾。
パン職人の紗良が〈猫番館〉で働き始めて早3か月。
ある日、長逗留中の売れっ子小説家に“今後はパンを出さないでほしい”と言われてしまいます。
件の小説家はなんと〈猫番館〉の元スタッフだった事が判明して・・(「黒猫とデニッシュ」)。
このシリーズは一応紗良が主人公ではあるのですが、群像劇的な要素もあります。
“ホテル”というシチュエーションと群像劇は相性が良いですものね。
さて、今回はベル・スタッフの小夏が〈猫番館〉で働く前のお話(「おひとりさまスイートルーム」)や、紗良の叔父でパティシエの誠と元恋人の話(「赤い靴のセレナーデ」)など、〈猫番館〉の従業員たちの過去の話が多かっ