岡本裕一朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
## 感想
物事を多角的に捉えるための、一例の思考プロセスを学べた気がする。
豊富に文献を紹介してくれるため、単純に哲学書を読んでみたくなった。
## 残ったフレーズ
- コピーもオリジナルも巡る、絶対的なオリジナルなどない
- 現代人は個人というより分人
- 多様なキャラを持つのが本質
- 「ほんとうの自分」信仰
- 安易な共感は危険にもなりうる
- 良心は同調圧力とも取れる
- 愛はn通り 性別にも、人間かどうかにも囚われない
- 友敵は絶対的に決まるものではないし、「友達」で一括りにする必要もない
- スピノザ:自分の力を大きくするか否かで考える
- 頭にこびりついた「労働倫理」
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Posted by ブクログ
思考実験を集めた本を読みたくて、あれこれ調べた末に見つけたのがこの本。単に思考実験を羅列したのではなく、いくつかのテーマに分け、作者の思索がきちんと伝わってくる書き方がよかった。
自分とは何か、他人とは何か、道徳とはどういうことか、生きることに価値はあるのか。そういった根本的な問いかけに対して、哲学書から文学、映画までも「思考実験」と捉え紹介してくれる。大変興味深かった。作者が引いてくれるわかりやすいガイドラインに沿って、自分も一緒に考えられる感じて、興味深く感じた。
やや残念だとすれば、本の量に対して多くのテーマを盛り込みすぎたような感じで、ひとつひとつについての掘り下げが中途半端に感じ -
Posted by ブクログ
人工知能と哲学、なんてワクワクするタイトルだろう。読まなくても自分の中に妄想が膨らんでいくのがわかる、危険なフレーズである。人間とはなんなのかを悩み続ける主体が気付けば自分も人工知能だったなど星新一が何十作も書いてそうなありきたりな妄想に勤しみながら読むことを決意した。
大学で哲学を教えているという筆者が人工知能と哲学(ここでいう哲学は主に倫理面だ)について様々な面からあり方を考えるものだ。全ての章が巧妙に純粋な希哲学者の私の興味をせっせと引いてくる。万有引力を実感した。その中でも特に面白かったトピックは1章の「AIvs正義」や3章の「AIvs芸術家」や5章の「AIvs労働者」などである。ど -