岡本裕一朗のレビュー一覧

  • 人工知能に哲学を教えたら

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    本書は、あくまでも「人工知能に哲学を教えたら」どうなるか?という思考実験である。
    実際にそのような実験を行ったわけではなく、哲学・倫理学を専門とする著者による思考実験でしかない。
    その発想は面白いが、人工知能の専門家ではないため、「人工知能」が何を指すのか、定義があいまいなまま(著者にとっては明確になっているのかもしれないが)、思考が進んでいるように見えてしまった。
    正義、脳、芸術、恋愛、宗教、遺伝子といったテーマごとに章が分かれているので、興味のある分野をかいつまんで読めるのはよい。
    自分の興味のあるテーマについて、読みながら自分自身でも「思考実験」すれば、より思考が深まるだろう。
    切り口は

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    2018年12月15日
  • 思考実験

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    ・個人は他人との関係のうちでしか、自分を規定できないのか?
    ・人間はみな死を宣告されている死刑囚と同じである

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    2018年11月04日
  • 人工知能に哲学を教えたら

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    もてはやされる人工知能への期待感、危機感に対して哲学を代入して問題提起をする本。

    ディープラーニングの登場により、将棋、囲碁、チェスで人工知能がプロを負かしたり、自動運転車がアメリカで試運転をやったり、クイズ番組で優勝したりといった出来事が起こり、人工知能ブームが巻き起こっている。

    一方

    人工知能が雇用を奪うとか、人類を滅ぼすとか、人間の知性を超えた人工知能が2045年に出現するんじゃないか(シンギュラリティ)とか警鐘を鳴らす人もいる。

    しかし

    人工知能の現実は、まだまだ萌芽期で『ある特定の分野(囲碁とか)において』人間より優れているだけだ。

    構造としては『人間よりコンピューターの

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    2018年10月27日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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    さんくさくとっつきにくいイメージのフランス現代思想だが、周りにやっている人が大量にいるのでどういう議論をしているのかは知っておきたかった。やっていることは本当に多様で、「ポストモダン」と一括りにされることをデリダなどは拒んだらしい。思っていたよりどの論者もかなり社会的、政治的なことを書いていて、しかし難解でハイコンテクストだから具体的実践に結びつくのかという疑問も残ったし、後続の展開は、少し紹介されていたがどうなっているのか。マルクスなどは、ある種のわかりやすさがあったから社会改革に繋がったのだろうと思うが。

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    2018年10月23日
  • いま世界の哲学者が考えていること

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    現代という時代について哲学者がどのように世界を捉えているかを紹介した本です。ポストモダニズム以後の哲学の潮流を概観したうえで、IT革命・バイオテクノロジー革命・資本主義・宗教・地球環境について哲学者がどのような議論を展開しているかを個別に見ていく内容です。全体的に浅く広くな印象。

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    2018年06月02日
  • いま世界の哲学者が考えていること

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    本の形式としては、
    はじめからさいごまで、現代の課題を哲学分野より考察していく形をとっている。

    その他
    筆者の主張が全くないのが良かった。
    ゆえに、全体的にスッキリしていて読みやすかった。

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    2018年03月28日
  • 思考実験

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     人間をめぐる様々な問題を考えるための事例をもとに、哲学の理論を学ぶもの。「自己」、「他者」、「倫理」、「社会」の4つのテーマ、75の思考実験が取り上げられている。
     こういうのは有名なサンデル教授の本でも学ぶことができるが、著者曰く「奇抜なアイデアやpuzzleのような形式がしばしば話題となる。ひとつひとつの『思考実験』が、前後の脈絡のないままに、いわば頭の良さを競うように提出されるのだ。しかし、この方法では。『思考実験』のそれぞれが何を目指しているのか、あまり明確にはならないように思われる」(p.10)、とか「最近の『思考実験物』は、奇抜なアイデアを競って、自己目的化しているように見える。

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    2017年05月23日
  • 12歳からの現代思想

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    文章は平易で読みやすいです。
    どの内容も結論がふわふわしていますが、「考える」ことのきっかけとなることが主眼であれば、そのあたりは大したことないんかなと思いました。

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    2016年11月27日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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    フランスの現代思想史の中心であるレヴィストロースを中心にその周囲やそれ以降の哲学者やその思想を紹介した書籍。
    構造主義についての考え方はある程度理解できたものの、ポスト構造主義以降の考えかたについては難易度が高かった。
    著者がドゥルーズ=ガタリの文章を引き合いに、哲学とは"思想のメガネ”であり、「相性と、生き方と、スタイルを考えてそれぞれ自分に合った"思想のメガネ”を選ぶことになるだろう」と語った点は、「哲学とは何か」という基本的な問いに対する、最も分かりやすい回答の1つだと感じた。要はものの見方であり、戦略論が「企業経営のものの見方」であるように、哲学は「世の中(特に政治

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    2016年10月03日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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    2015.08.15 構造主義までは理解できるが、ポスト構造主義からはどう理解してよいものか。なかなか難しかったので、周辺の別書籍からもアプローチして理解を深めたいものです。

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    2015年09月01日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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    ポスト構造主義はファッションやアート、音楽の領域と結びついて哲学として生き残ろうとしたという分析に納得した。オシャレやかっこいいものとしてあるからこそ、哲学とは縁の遠い人々に、非常に難解で読みにくい哲学書が買われていくのだと感じた。私も購入者の一人だ。

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    2015年04月19日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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    読んだことあるのはレヴィ・ストロースとフーコーだけで、それも全部読んだわけではないし、ドゥルーズは2冊くらい途中で放棄したので、いいわるいを評価できるとも思わないんだけれども、実に平易で簡素に解説しているように感じられたし、「思想史」と銘打つだけあって、時間的展開もわかりやすく、頭の中を整理するによい本だと思いました。

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    2015年01月31日
  • 思考実験

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    いろんな説を思考実験(たとえ話に近いのものが多い)を中心として紹介する本。著者自身の会社や批判もあってそのまま主張を鵜呑みにしているわけではない。また一連の流れの元に各説が整理されてあって頭に入りやすい。概観書として良くできていると思うけどいかんせん扱っている範囲が広すぎて全体にまとまりがないか。

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    2014年08月20日
  • 思考実験

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    思考実験という題名だが、その本質は現代の行きづまり感をいろんな方面から教える内容となっている。
    ここまで題名を変えた方がいいと思った新書は久しぶりだった。
    どういう経緯でこうなってしまったのだろうか。

    SFの話がたくさん出てくるので、未来の社会像や倫理像や個人像は19世紀から20世紀にかけての思想ではとてもカバーしきれない予感がする。その都度何を善悪の判断基準にすればいいのか、まだまだ思想や倫理学などの役割が終わりそうもなくて少し安心をした。

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    2017年01月13日
  • 12歳からの現代思想

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    本書は、古今東西の現代思想をごく一部を活用して12歳からでもなんとか太刀打ちできるように解説したガイドブックだ。全ての読者が本書を理解することは難しいかもしれないが、現代思想が存在して、かつそれは私たちの生活に密着していることを知るだけでも、読む価値があるといえる。

    個人的に興味を持ったことは、誰とでもメタ・コミュニケーションが成立させるように努力しないといけないのか、ということと、ダブルバインド(二重拘束)に陥らないように、あえてコミュニケーションのプロセスの中でズラシ戦略をとることも能力の1つ、ということだ。双方の合意無くして「メタ・コミュニケーション」は成り立たないし、ビジネスの全ての

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    2012年02月09日
  • 12歳からの現代思想

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    どこかで聞いたことのある議論の代表的著作を拾い読みできるオトク感がある。12歳でも読めなくはないが、高校生ぐらいに読ませたい本。
    入試の論説文対策で現代思想を扱った文章をやった後、この本の関連部分を読ませるといった形で利用すると効果的かも。

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    2010年05月12日
  • 12歳からの現代思想

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    この手の本は、哲学書をいろいろと限って読みあさり、何となくわかった人、もしくは、わかりたいと思う人向けなので、「現代思想」にまったく縁のなかった人には一読して「????」であることには変わりないと思う。しかしながら、どういうわけか、こうした、「現代思想を簡易に伝えようとする書物」が新書で毎年、発行されているので、それらを読み続ければ、そのなんとなくの輪郭を少しずつあらわしてくれると思う。
    さて、この本では、特に医療科学の分野に結構な量をさいているように思う。現代思想と医療は、今後、心や脳、人間そのものを巡る議論を含めて、かなり大きな分野になりそうな印象を強く受けた。

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    2009年10月07日