岡本裕一朗のレビュー一覧

  • いま世界の哲学者が考えていること

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    ポストモダンの哲学がその勢いをずいぶんと昔に削がれた後にもまだ「哲学者」がいるのか、いるのであればそういう人たちはどういう問題意識をもっているのか、ということに興味を持って読み始めた。

    ヘーゲルの有名な言葉「ミネルバの梟は黄昏とともに飛び立つ」をひいて、哲学とは「自分の生きている時代を概念的に把握する」ものだと著者は定義する。その問題意識は、かつて「哲学者」が抱いていたそれとは時代認識が違っているからこそ当然にして異なっている。そのために著者は、
    ①哲学は現在、私たちに何を解明しているのか?
    ②IT革命は、私たちに何をもたらすのか?
    ③バイオテクノロジーは、私たちをどこに導くか?
    ④資本主義

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    2022年12月17日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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    個々の思想家は、様々な場所でその独自な概念の一端に触れていたが、その関係と共通の問題意識、記述スタイル、時代背景に本書では深く切り込まれていて、知的に面白く読みきった。

    確かに今から20年ほど前、フランス現代思想は熱狂的なブームだった。今だからこそ、歴史的評価もふまえ、正当に学べる新書だろう。

    いずれにせよ、彼らの思索はついに閉じることなく、今の時代につながる難問へと広がっていたのだ。

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    2016年04月19日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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     思想史とは言いつつも実際には構造主義以降の哲学のダイジェスト。フランス思想界の中心人物に絞った解説であるため概要を眺めることができる。

     構造主義は元々、民俗学や心理学の説明のための道具であったが、「構造」の意味合いが変わり、さらにそれを使うこと事態が目的化したことが分かりにくさの原因であるように感じた。つまり、説明したいことに合わせて道具を選ぶのではなく、道具(構造主義)を使いたいがために説明したい事柄を変質させてしまっているということである。構造主義の創始者ともいえるレヴィ=ストロースですらそうなのだから、フォロワーがそのような事をするのは当然と言えるだろう。

     思想史として俯瞰した

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    2015年02月10日
  • フランス現代思想史 構造主義からデリダ以後へ

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    構造主義、ポスト構造主義を中心とした戦後フランス思想史のガイドブック。思想家たちの関係が比較的よくわかるように紹介されていて、この手の入門書の中ではとても参考になりました。この先、どう読み込んでいくかが、また問題ですが・・・ お勧めです。

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    2015年02月04日
  • 思考実験

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    ネタバレ

    聞いたことのある映画や小説まで思考実験として考察され、読んでいくうちにあらゆる想像は哲学的な思考に昇華できるのではないかと思うようになった。人間転送器2(だったかな)は自分のコピーを火星に送り込むもので、とても印象深く時折思い出してはその状況を噛み締めています。

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    2014年09月23日
  • 思考実験

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    人間を考える哲学の思考実験75。トロッコ問題や時限爆弾シナリオ,エンハンスメント,現代優生学といった,倫理や社会にまつわる思考実験も良いけど,前半の自我に関する二章はより一層根元的で魅力的。
    私が私であるとはどういうことか?人生は覚めない夢ではないのか?こういった,誰もが素朴に抱く疑問を哲学はどう扱ってきたのか。
    記憶・人格の交換,心身の複製,人間転送機。ノージックの経験機械,パトナムの水槽の中の脳,グラヴァーのドリームワールド。SF的で荒唐無稽な設定を駆使して,人間という謎に分け入っていく。

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    2014年02月22日
  • 思考実験

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    ■全4部構成。
    ■Ⅰ自己,Ⅱ他者は個人的にあまり興味がなかったのか,
     読み進めるのが苦痛だった。
    ■Ⅲ倫理,Ⅳ社会は面白くて一気に読み終えた。
    ■カチコチに固まった頭を柔らかくするのに,
     良いトレーニングになるかもしれない(?)。

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    2014年02月04日
  • 思考実験

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    自己の存在、他者との関係、倫理などにわたる75もの「思考実験」を読みとおす。足元の地面が頼りないことに気付き、また自分の「内面」であるはずのものが、どろりと流れ出すような、あるいは自分と外界の境界線が、俄かに輪郭を失い、数学でいう開集合のようなものになる不思議な感覚。著者、岡本祐一朗氏の講義は面白そうだ。

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    2018年10月14日
  • 12歳からの現代思想

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    第1章:コピーからオリジナルは生まれる?
    コピーの要素を含まないオリジナルなど無い。
    第2章:n個の性、n個の人格?
    社会的アイデンティティ、個人的アイデンティティ、自己アイデンティティ。
    第3章:監視される生き方?
    「多数者が少数者を見る」ことによって、多数者は少数者に管理される。
    第4章:自然は文化?
    生物種としての人間を批判することによる問題の曖昧化。牧歌的自然崇拝。
    第5章:人間をつくり変える?
    人間、クローン、遺伝子組み換え、サイボーグ、アンドロイド。
    第6章:あなたの心が見たい!
    他人の心は推測の域を出ない。
    第7章:コミュニケーションはいかにして可能か?
    コミュニケーション行為、

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    2010年05月29日
  • AIは「月が綺麗ですね」を理解できるか? 愛と人工知能を哲学する

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    タイトルが先にあったのだろうか。著者企画に付き合って文章を捻出した感じが強く、どの章も中途半端。しかもタイトルと内容はほぼマッチしていない。

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    2025年11月19日
  • 思考実験大全

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    哲学者などの問いを6章100問、現代に合わせて分かりやすく提示し、それを解説している。
    それぞれ6ページ程で好きなところから読める。
    題名通り哲学辞典みたいな感じの本です

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    2025年09月15日
  • 哲学の名著50冊が1冊で学べる

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    一度は聞いたことがあるが読んだことのない有名な哲学書が紹介されていた。
    その哲学書がどういった内容のものなのか短くまとめられている。そのため、およそどんなことについて書かれているのかわかることができた。実際読んでみたいと思える哲学書もあったので、読んだ甲斐はあったと思う。
    哲学とは何なのか。哲学書で何を読めばいいかわからない人におすすめだと思った。そこまで詳しく書かれていないので理解するのは難しい。正直理解力が足りないので、よくわからない内容のものもあった。
    しかし、哲学とはどんな学問なのかを理解するには充分だと思う。

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    2025年08月17日
  • 教養として学んでおきたいニーチェ

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    事実は存在しない、全ては解釈である
    子供は敵を倒すことも、敵を批判することもなく自由に遊ぶ

    社会的な価値観や道徳よりも自分の世界を生きていこう(超人)と思った

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    2025年07月14日
  • いま世界の哲学者が考えていること

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    ざっと全体を知れるという意味では良かった。ただ若干著者の中立性が足りず個人の意見が入り込んでいるのが気になった。この本が悪いというわけではないが私にはあまりハマらなかったようである...

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    2025年07月03日
  • 哲学で考える10の言葉 知を深めて力にする

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    易しくはないですが、行間等の体裁の効果なのか重々しくは無く、難解すぎるというほどでは無かったです(自分比)。

    速読脳を諫めるのにはもってこいの本ですw

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    2025年06月13日
  • ポスト・ヒューマニズム テクノロジー時代の哲学入門

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    加速度的に進化するAIの時代に、ポスト・ヒューマニズムを考える重要性が高まっていると感じる。

    新実在論と思弁的実在論の対比について、ヒューマニズムへの対応という視点での整理は非常にすっきりした、ヒューマニズムを固守するという新実在論の昨今の人気について、なるほどと感じた。

    加速主義については、民主主義や平等ということ自体に明確に拒否するという視点から理解を進めると、分かりやすい。残念ながら?、納得もする自分がいる。

    また、加速主義については、もとより関心があったが、さらに、より深く理解したいと思い、別の書を探したいと思う。

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    2025年06月11日
  • 哲学で考える10の言葉 知を深めて力にする

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    哲学でよく使われる10の言葉、「正義」「技術」「権力」「暴力」「自由」「労働」「疎外」「国家」「宗教」「戦争」の哲学的使われ方がよく分かって、勉強になった。特に「国家」は、ギリシア時代のポリスと今の国民国家との違いが鮮明だった。哲学って、勉強すればするほどよく分かってくる面白い学問だなと思った。

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    2025年06月04日
  • ポスト・ヒューマニズム テクノロジー時代の哲学入門

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    2025.01.19 なかなか読み応えのある新書だった。ポストヒューマンの時代を自分自身はどう考えていくべきか。ちょっと頭を使わないと。難しい問題だ。

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    2025年01月18日
  • マンガ版 教養として学んでおきたい哲学

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    哲学のもつ役割や性質と哲学史が主な内容です。しかし、この本の最も魅力的なところは巻末付録のおすすめブックガイドです。
    おそらくこの本を手に取ろうとしている方は哲学にまったく見識のない方がほとんどじゃないかなと思うのですが、巻末ブックリストに記載されている本と同時に読んだ方が良いかと思います。
    例えば、ハイデガーの本を選んだのならハイデガーの本を読みつつ、この本のハイデガーについて書かれている頁を読んでハイデガーに対する概観を掴むなどするのが良いと思いました。

    普通に通読するとおおよその方はつまらなく感じるんじゃないかなー(私もその1人)

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    2024年12月12日
  • AIは「月が綺麗ですね」を理解できるか? 愛と人工知能を哲学する

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    まず思ったのは、AIって進化してるんだなあと。
    直接的でない愛の言葉も、学習によって理解できるようになっていて驚いた。
    だけどそれは、人間の“それ”とまるっきり同じって訳じゃないらしい。
    私自身「愛を理解できるか?」と問われた時、答えるための言葉を持っていないことに気づいた。
    本書を読めば『愛の形は様々だ』ということは分かるけれど、いざ説明しろと言われると難しい。
    なので、愛の言葉やセックス・推し・家族への愛を、言語哲学から読み解いた筆者の考察は興味深かった。

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    2024年10月25日