あらすじ
人生は理不尽の連続だ。だからこそ、君に一生使える「思考の武器」を贈ろう。AI、友だち、サイコパス、同性愛――身近な思考実験を通して、常識を疑うための4ステップが身につく!ベストセラー『いま世界の哲学者が考えていること』の著者が語る、いま哲学する力が必要な理由と、それを鍛える実践的レッスン。
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Posted by ブクログ
我々は既にこの世に生まれてしまっており、「この世に生まれない」ことはもう不可能である。本書で考えながら生きる方法を学ぶことで、真なる生が始まると言えるだろう。
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章立てやその導入が小気味よい。
「思考実験」についての著作よりも、思考の出発点としては本著の形式のほうがまとまりがよく、コラムとの連関もなめらかに感じる。
議論の結論としては、確たる答えを導くことを目的としていないため大味に映るかもしれないが、個別具体的な事例について思慮を深めながら、哲学的論考の歴史の節々について触れることの目的において
同著者の作品の中(ある程度議論のテーマとしては被るものが多い)では興趣に飛んでいておすすめしやすいと思う。
Posted by ブクログ
高校生から大学生に向けて書いた内容だからかなり読みやすい。
友達、働くこと、個性、同性愛など様々なテーマについて考えさせてくれる。考え方を身につけるためのステップが紹介されている。
・直感で自分の立場を決める
・その立場の根拠を考える
・考えた根拠を別視点から補強する
・使える結論を導き出す
この4ステップに従って各テーマについて考える。
各テーマの後にはコラムがあってこれもおもしろい。
Posted by ブクログ
個人的には様々な思考を巡らせてくれた楽しい1冊だった。
現代的かつ身近な問題について、筆者が提示してくれている思考法を基に考えてみることで、自分の現在の思考力、知識量などを認識させてくれた。
また問題に対して筆者の考えや過去の著名な哲学者の言葉を引用して、現代社会の規範だけでない歴史的な視点からの深掘りや別の視点をもらえて良い学びになった。
本書は10代向けに書いてあり、思考するうえでの良い指南書であるとともに、大人の固まった思考を解いてくれるような感覚があった。
本書最終章の仕事についての部分で
「自由人化」するか、「動物化」するかは、「考え抜く力」があるかどうか。
というところに作者の願いが籠っていると感じ、身が引き締まる思いがした。
Posted by ブクログ
岡本裕一朗氏の著書は4冊目なので、引用や思考に馴染みがあり、更に読み易くなった(元々、非常に読み易いが)。本著もまた、哲学初心者向け。日常のキーワードを「考えてみよう」という本。そう、考えてみる。自分の意見を持つ、起源を想像してみる、これからの影響を予想してみる。例えば、AIについて。サイコパスについて。同性愛について。コピペって良くないこと、など。過去の哲学者による難解な言辞を解釈して訳知り顔にダラダラ書く本ではない。哲学は楽しい。
とポジティブに導入しつつも、唯一引っかかった、本著のサブタイトルに絡んでみる。「答えのない時代」って何?、だ。哲学者的には、ここはこだわって欲しい所。揚げ足取りにも思えるが、しかし、「答え」のある時代なんかあっただろうか。「答え」とは何か。恐らく、思考した「結果」のことを「答え」としただけの事だと思うが、答えのない時代という言い方は誤謬であろうと思う。いつだって、何に対しても、自分に有利な答えが必ずあるわけではない。でも、我々が悩むのは「有利な答え」欲しさゆえであり、正義論でも演算的正しさでもない。生物は俗物であり、世俗的な答えと、哲学が示す共感性や超越性とは異なる。
ー ニーチェは『悲劇の誕生』と言う本の中で、人間にとって最も良い事は何か、それは生まれなかったことなのだと書いている。
ほら。すぐ達観し、超越する。でも、大丈夫。本著は、世俗的な切り口から、世俗的な答えを導くような思考を案内する。生まれてこなければ良かったなんて言わないから、安心。ようこそ、哲学の世界へ。
Posted by ブクログ
哲学ってこーいうことかあってなれた。
自分が身近なトピックであればあるほどこれ調べて根拠にしよう!とか思いつくけどそうでも無いやつはどれ調べればいいかすらピンと来なかった。
筆者の意見とたまたま違くても読んじゃったらな「な、なるほど....」って納得しちゃうのでまだまだ子供です
世の中そーいうもん、って納得しなきゃいけないのが現実だけど答えのない難しい問いにどうにか考えて答え出すのが哲学か!ムズ!
Posted by ブクログ
## 感想
物事を多角的に捉えるための、一例の思考プロセスを学べた気がする。
豊富に文献を紹介してくれるため、単純に哲学書を読んでみたくなった。
## 残ったフレーズ
- コピーもオリジナルも巡る、絶対的なオリジナルなどない
- 現代人は個人というより分人
- 多様なキャラを持つのが本質
- 「ほんとうの自分」信仰
- 安易な共感は危険にもなりうる
- 良心は同調圧力とも取れる
- 愛はn通り 性別にも、人間かどうかにも囚われない
- 友敵は絶対的に決まるものではないし、「友達」で一括りにする必要もない
- スピノザ:自分の力を大きくするか否かで考える
- 頭にこびりついた「労働倫理」
- したいことを強く持っている方が、不幸な結果を生みうるような、やりたいことを求め続ける「ギャンブル」に入っていき、結果失敗する可能性が高い、とも言える
- 考え抜く手法
- 1. 直感をもとに立場を決める「その立場を選んだ根拠は?」
- 2. 根拠に説得力を持たせる「その根拠はどれだけ妥当か?」
- 3. 別の観点から問い直す「より納得のいく根拠はないか?」
- 4. 使える結論を導き出す「感情ではなく理性に基づいた結論か?」
Posted by ブクログ
読んでて途中で嫌になってきたら、ぜひ「おわりに」を読んでください。
私が親なら子供に読んで欲しい。
私自身も漫然と日々を過ごしており、考えるということをほとんどしていなかったので、久しぶりに脳が活性化した気がしました。
Posted by ブクログ
高校生と大学生向けに書かれていたけど
社会人2年目で読んでも、考えさせることがたくさんあった。
視点を変えて物事を見ることの大切さを再確認した。
Posted by ブクログ
高校生、大学生に向けて書いてあるので字も割と大きく見やすい。
普段から色々な物事を色々な面から考えるということをそもそもしない人にはかなりためになる本なのではないかなと思った。
それぞれのテーマも興味をそそりやすいものが多く、面白かった。
しかし、これを読んだからと言って何かがわかるようになる訳では無い。この本の真意としても、何かの真実を伝えたいのではなく、物事を多面的に考えて常識にとらわれないようにするというものだと思うので、知識をつける本というよりは人格形成のための本だということを書いておきます。
Posted by ブクログ
2時間弱で読める哲学入門書、と言うよりは応用術に近いかな?
マルクス主義やハンナ・アーレントなど実際に読むと骨が折れる哲学書からさらりと引用してくれるので肩肘張らずに読めます。
友人の真の意味を問う件も中々でしたが、資本主義が行きつくと人は動物になるという内容が印象的で、私も直面しそうな問題なので今のうちにできる努力はしておこうと思いました。
浅井さんの「正欲」の全体的なテーマに通ずる、愛の対象についてに関しても面白い事が書かれてあるので、ご興味ある方は「同性愛」の章だけでも読んでみてはいかがでしょうか。
Posted by ブクログ
労働について考えさせられた。
確かにDX戦略とか言いながら新しい物を導入しているが、多くはAIを駆使して考える必要性を無くしている。残るのは単純な作業(労働)となっていく。テンタメ性を持ち合わせていなければ、奴隷のような人生になるかも。